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犬の嘔吐をご存知ですか?アレルギーや胃腸炎、回虫等の寄生虫、てんかん、ウイルス感染症等が原因です。ワクチン接種の副作用が原因のこともあります。治療としては抗生物質等の投与がなされます。この記事では犬の嘔吐について、原因から治療、予防、ペット保険まで解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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犬の嘔吐とは?黄色や緑色の液体、泡を吐くこともある!

人と比べて犬は嘔吐することの多い動物です。原因はさまざまで、食べすぎや水の飲みすぎをはじめとして空腹や車酔いなどの病気以外の理由もあり得ます。

嘔吐した後に元気や食欲などがいつもどおりであれば問題ないことが多いです。しかし嘔吐を繰り返すときや嘔吐した後も元気がないようなときには、重大な病気が隠れていることもあるようです。

今回「MOFFME」では、

  • 犬の嘔吐:原因や考えられる病気について
  • 犬の嘔吐:治療法や治療費、放置してはダメな場合
  • 嘔吐しやすい犬種や年齢、性別について
  • 犬の嘔吐の予防法、ペット保険について
  • まとめ:犬の嘔吐とは?止まらない、呼吸困難を伴う際は要注意!

という内容で、犬の嘔吐について考えていきます。


愛犬が嘔吐したとき、病院に行くべきかどうか迷う飼い主さんもいることでしょう。今回の記事を、ぜひ最後までお読みいただき、ご参考になさってください。


またMOFFMEではペット保険のランキングについても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧下さい。

犬の嘔吐とは?原因や考えられる病気について詳しく解説!

嘔吐とは、胃の中にあるものを口から吐き出してしまうことを言います。飲み込む前に吐き出す吐出というものもありますが、違う症状として区別されます。


犬は嘔吐しやすい動物と言われていますが、愛犬が突然吐いてしまったら驚いてしまうのは当然でしょう。


そこでこの項では、

  • そもそも犬の嘔吐とはどういうもの?
  • 嘔吐の原因:異物誤飲や考えられる病気など

という内容に着目し、そもそも犬の嘔吐に対して、どのように向き合った方が良いのかを述べていきます。

そもそも嘔吐とは?黄色や緑色の液体、泡を吐くこともあるのか

犬が嘔吐した時、あきらかに食べ過ぎや飲み過ぎなどの生理的な原因であれば、緊急性が低いものと言えるでしょう。


嘔吐したあとすぐに元気になったり、吐いても食欲があったり、または散歩中に草を食べて吐いたりといった場合は、上記の生理的原因と考えられます。


たとえば、犬が早朝に白い泡や黄色い液体、または緑がかった液体を吐いたとしましょう。これは多くの場合、空腹が原因で起こる症状と言われています。


白い泡を吐くのは、空腹のために胃液を吐き出してしまうからだそうです。また、黄色や緑色の液体を吐いてしまうのは、消化に必要な胆汁が十二指腸から逆流してしまうことにあります。これは胆汁嘔吐症候群と呼ばれています。


こうした場合には、少量の食べ物を寝る前に与えることで嘔吐を軽減することができるそうです。嘔吐が収まれば、そのまま様子を見てもいいとのこと。


ただし、食事量を調整しても症状が治まらない場合は、別の原因が考えられますので、獣医師の判断を仰ぐ方が良いでしょう。

犬の嘔吐の異物誤飲等の原因は?胃捻転等の考えられる病気も解説

犬の嘔吐はさまざまな原因で起きます。原因として考えられることの例をまとめていきますので、いざという時の判断の参考になさってください。


病気ではない場合としては、

  • 異物誤飲(おもちゃ、生ごみ、有毒物)
  • ドッグフードへの不適応(ドッグフードがあわなかった)
  • 薬やワクチンの副作用
  • 乗り物酔い
  • ストレス

等があげられます。


異物誤飲の場合、病院に行く際には必ず吐き出されたものを持って行きましょう。


病気だった場合としては、

  • 細菌、ウィルス、寄生虫の感染
  • 腫瘍(がん)
  • 副腎皮質機能低下症
  • 胃炎・十二指腸潰瘍
  • 胃拡張・胃捻転症候群
  • 肝疾患
  • 腎疾患

などが考えられます。


胃に関する疾患の場合には、嘔吐物に血液が混じる場合があります。胃拡張の場合には嘔吐の他、ゲップや荒い呼吸に腹部の膨張、吐きたいけど吐けないなどの症状が現れるとのこと。


胃捻転は急性の場合が多く、嘔吐や腹痛のほかに多量のよだれを流すなどの症状がみられるそうです。胃捻転は一刻を争う場合もありますので、疑いを持ったときは早急に病院へ行くようにしましょう。

犬の嘔吐の治療法や治療費、放置してはダメな場合を詳しく紹介!

ここまで、犬の嘔吐をどのように考え、対応したらいいのかについて述べてきました。犬の嘔吐の基本的な事項について、ご理解いただけたことと思います。


実際に嘔吐してしまった後、どのように対処したらいいか、迷ってしまうことも多いでしょう。


そこで以下の項では、

  • 犬の嘔吐:抗生物質の投与等の治療法、治療費用を紹介!
  • 犬が嘔吐:対処法は?様子を見ても良い場合を解説!
  • 犬の嘔吐:繰り返す、血便や下痢、震えが同時に起こる場合は危険!

という点に注目し、嘔吐が起きてしまった際の対処法について述べていきます。

犬の嘔吐の抗生物質の投与等の治療法、治療費用を紹介!

犬が嘔吐してしまった場合、嘔吐を繰り返すことを避けるため、数時間程度の絶食絶飲の状態をとることが一般的とのこと。


それで治まらない場合は、吐き気止めの薬品を投与することもあるのだそうです。また細菌感染が疑われるような場合には抗生物質も使用されます。


さらに、下痢やけいれんなど嘔吐以外の症状もみられる場合には、当然ですがそれぞれの症状に対応した治療が行われます。動物病院での治療を受ける際、その処置によって治療費も違ってきますが、病院や体重によっても費用に差が出るとのこと。


アニコム「家庭どうぶつ白書」によると、嘔吐・下痢は犬の疾病の上位3位にランクインしています。消化器系疾患の平均治療費用は、1~4歳の成犬で約24,000円前後になるようです。

犬が嘔吐した際の対処法は?様子も見ても良い場合を解説!

犬が嘔吐した場合、脱水症状を避けようと水を飲ませたくなるかもしれませんが、少し時間を空けて飲ませる必要があります。

嘔吐した直後に水を飲むと、反射的にもう一度吐き出してしまうことも考えられます。嘔吐の後は、しばらく何も飲食させないで、時間を空けて、少しずつ消化のいいものを与えてください。


前述のように嘔吐の原因が生理的なものであれば緊急性は少ないと思ってよさそうです。犬が嘔吐しても、様子見をしてもよい場合をまとめて記載すると、以下のようになります。

  • 食べ過ぎ、飲み過ぎの直後に嘔吐した場合
  • 起床後や朝食前に嘔吐した場合
  • 草を食べた後で嘔吐した場合

勢いよく飲食したあとに嘔吐してしまった場合であっても、その後元気であれば問題ないと言えます。空腹が酷いときには胃液を吐いてしまう場合がありますが、すぐに食事できるようであれば心配はいらないでしょう。


散歩中に愛犬が草を食べて嘔吐してしまう場合があると思います。これは胸やけしている時に草の刺激で嘔吐してすっきりしたい場合の行動と言われており、病気やストレスが原因ではない場合がほとんどなのだそうです。

嘔吐を繰り返す、血便や下痢、震えが同時に起こる場合は危険!

犬の嘔吐について、様子見ができる場合もある一方、早急に病院へ行って診察を受けた方が良い場合もあります。以下に、放置してはいけない嘔吐のケースをまとめました。

1、繰り返して吐く

一度で終わる嘔吐ではなく、何度も繰り返して嘔吐してしまう場合、ウイルス感染症や肝疾患、腎疾患などの原因が考えられます。


2、嘔吐物に血液がまじっている

何度か嘔吐をした場合は胃やのどに傷がついて出血することもあるそうです。しかし、一度の嘔吐で血液が混じっていた場合には胃炎や腫瘍などの病気の可能性があります。


3、嘔吐物から便の臭いがする

嘔吐物から便の臭いがした場合、食糞の可能性があります。しかし、食糞の形跡がないのに臭いがある場合には、腸閉塞の可能性があります。


4、元気がなく、ぐったりしている

嘔吐した後、元気にならずぐったりとしている場合には、胃拡張や胃捻転など緊急性の高い病気であることが考えられます。著しく元気がない期間が続く場合は、バルボウイルス感染症の疑いもあるとのことです。


5、腹痛があったり、熱や下痢、けいれんなどの症状がある

嘔吐以外に腹痛や発熱、下痢、けいれんなどの症状もみられる場合には、緊急性の高い病気である可能性があります。獣医師の判断を仰ぎましょう。

補足:犬が吐いた際は吐瀉物の色や臭い、犬の様子を観察しよう

前述のように、犬の嘔吐には様々な原因が考えられます。原因によって、犬の反応も異なります。吐いた後、元気そうならそのまま様子を見ることもできます。


嘔吐物に着目する際には、色や臭いに注意が必要です。特に嘔吐物に血液が混じって赤やピンク、黒色の状態では要注意。嘔吐物から便の臭いがした際も、腸の病気が考えられます。


嘔吐前後の犬の様子について、繰り返して嘔吐する場合や元気がなくてぐったりしている場合などは、緊急性が高いと言えるようです。


嘔吐後に動物病院へ行く際には、可能な限り嘔吐物を持って行くようにしましょう。嘔吐物の状態によって、病変部位やある程度病気の種類をしぼったりすることができるからです。

嘔吐しやすい犬種や年齢、性別はある?

そもそも犬は嘔吐しやすい動物と言われています。四足歩行で消化器官が地面と平行に位置するため、食べ物が逆流しやすいのだそうです。


ブルドッグ、チャウチャウ、パグ、トイプードルなどの小型犬や短頭種は短頭種は短頭種気道症候群や先天性の幽門狭窄、熱中症になりやすいといわれているため、吐きやすい犬種です。


また、ジャーマン・シェパード、グレートデーンドーベルマンなどの大型犬は胃拡張や胃捻転などの病気になる可能性があり、結果として嘔吐を引き起こします。


愛犬が雌の場合には、生理や避妊手術、子宮蓄膿症がきっかけで嘔吐を引き起こす場合があるようです。避妊手術後の抗生剤は副作用として嘔吐があるそうですので、注意が必要です。


犬の年齢を考えると、消化器官が未発達な子犬の時期や、消化器官やあごの力が弱まってしまう老齢の犬などは嘔吐しやすい傾向があるようです。

犬の嘔吐の予防法は?ペット保険についても解説!

さて、ここまでは嘔吐の原因から嘔吐への対応の仕方などを述べてきました。嘔吐の状況によって、対応の仕方も変わってくるということをご理解いただけたと思います。


ここからは以下、

  • 犬の嘔吐の予防は?日頃の観察と食事の与え方に注意!
  • もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!

という点に焦点を当てて、記事を進めていきます。


犬の嘔吐の予防法や、万が一に備えてのペット保険などについて、検討時のご参考になさってください。

犬の嘔吐の予防法は?日頃の観察と食事の与え方に注意!

犬の嘔吐の原因として、多いと言われているのは勢いよく飲食しすぎてしまったことだとされています。


愛犬ががつがつと飲食をすることが多い場合には、食物を与えるタイミングや量を工夫する必要がありそうです。1日2食だった場合には3食にして空腹の時間を減らすようにしましょう。


また、ドッグフードの粒が大きすぎて消化不良を起こしてしまうということも考えられます。ゆっくりとしたペースで、適度な大きさのものを食べられるように考えてみる必要があるでしょう。


粒の大きさが原因ならば粒の大きさが小さいフードを選ぶ必要がありますし、ペースが原因であれば早食い防止用の食器を使うなどの対策が必要です。


散歩中に雑草や落ちている物を食べてしまうような行動が多い場合、それをやめさせるトレーニングも必要になりそうです。草を食べて嘔吐してしまったり、落ちている物を食べて中毒症状を起こしてしまったりするからです。

もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!

愛犬に万が一のことがあった際に備えて、ペット保険に加入する飼い主さんも増えてきているとのことです。


犬は嘔吐しやすい動物で、生理的反応によって頻繁に嘔吐することさえあります。そうした場合は、緊急性も低く、ご家庭内で様子を見る程度で済む場合がほとんどです。


一方で、嘔吐がきっかけとなって重大な疾患が発覚することもあるでしょう。人間とは違い、犬を始めとする動物たちは症状を言葉で訴えることができず、気が付けば重い病気にかかっていたということも少なくありません。


もう一つ、犬と人間が違うところは、医療保険に相当するものが用意されていないということです。重大な病気になってしまった場合、治療費が全額自己負担であるため医療費が高額になりやすいというわけです。そこで、ペットの万が一の状況に備えて、ペット保険が注目されています。


MOFFMEでは、ペット保険に関する記事を豊富に掲載していますので、ご家庭の愛犬に適した保険選びの参考にしていただけることと思います。


ぜひ、ペット保険関係の記事もご覧ください。

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まとめ:犬の嘔吐とは?止まらない、呼吸困難を伴う際は要注意!

今回の記事では、犬の嘔吐に関して、その原因として考えられることや対処法などをまとめました。いかがでしたでしょうか。


主な内容としては、

  • 犬の嘔吐:黄色や緑色の液体、泡を吐くことも
  • 犬の嘔吐:原因や考えられる病気について
  • 犬の嘔吐:治療法や治療費、放置してはダメな場合
  • 嘔吐しやすい犬種や年齢、性別について
  • 犬の嘔吐の予防法、ペット保険について
  • まとめ:犬の嘔吐とは?止まらない、呼吸困難を伴う際は要注意!

以上のような点をまとめています。


犬は嘔吐しやすい動物と言われていますが、愛犬が突然に嘔吐してしまった際には驚いてしまう飼い主さんも多いことでしょう。


いざというとき、素早く対処できるよう、あらかじめ考えられる原因や症状についてご理解いただき、愛犬の健康についてご参考にしていただきたいと思います。


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