【獣医師監修】犬の肝酵素上昇とは?原因や治療法を詳しく解説!

犬の肝酵素上昇をご存知ですか?血液検査等で肝臓のALTや ALPの数値が高い状態です。しかし肝臓病ではなく食事内容が原因のこともあるので一概に良くないとは言えず、注意が必要です。この記事では犬の肝酵素上昇について、原因や肝臓病の場合の治療法等を解説します。

犬の肝酵素上昇とは?一概に良くないとは言えないため注意!

愛犬の血液検査をしたら、肝酵素上昇を指摘された。そうなったら、どうすればいいのか心配になりますね。肝臓に大きな病気を抱えているの?治療費はどれくらいかかるの?と慌ててしまします。

ですが、肝酵素が上昇したからといって、肝臓を患っているとは一概には言えません。

そこで今回「ほけんROOM」では、
  • 肝酵素上昇とは?
  • 肝酵素上昇の原因は?
  • 犬がかかる肝臓の病気はどんなものがあるの?
  • ペット保険への加入をおすすめします!
という内容で、肝酵素上昇について詳しくご紹介します。

普段から愛犬が健康でいられるために、食事内容には気をつけて、病気にならないように色んな予防策を取っておられる方もいらっしゃると思います。

最後まで読んでいただいて、かわいい愛犬と末永く一緒に暮らせるように、参考にしていただければと思います。

犬の肝酵素上昇とは?肝酵素についても解説!

犬の健康診断のときには血液検査をします。いろいろな検査項目がありますが、肝臓の機能を調べるためにもいろいろな項目があります。


ところで、肝臓はそもそもどんな役割を果たしているのでしょうか。そこでまずは、

  • 肝臓の役割を知ろう!
  • 肝酵素上昇とはどんな状態なの?
  • 肝酵素の主な役割を解説!

という内容で肝臓の働きについてご紹介していきます。


肝臓は内臓の中でももっとも大きな臓器です。その役割をきちんと知って、犬の肝酵素が上昇したときには適切な対応をしてあげたいですね。

そもそも肝臓とは?肝臓の働きについて解説!

肝臓の主な働きは、代謝、解毒、胆汁の分泌と大きく3つあります。


タンパクを合成して栄養素を貯蔵する

食事などから摂取した栄養素は、小腸で吸収され、腸管と肝臓を結ぶ門脈を通って肝臓に送られます。そこでタンパクを合成し、筋肉や皮膚などを作る元となります。また、必要以上の糖質は貯蔵されて、夜間などにエネルギー源として放出されます。


有害物質や薬物を分解・解毒する

日々の食事などで摂取した有害な物質や体にとって異物である薬物などを無毒化し、尿や胆汁を通して体の外へ排出してくれます。またタンパク質を摂取すると、その分解過程でアンモニアが発生します。これを尿素に分解して体外へ排出することも肝臓の大きな役割です。


胆汁を分泌する

脂肪の消化・吸収するためには胆汁が必要です。肝臓は常に胆汁を生成・分泌していて、胆のうに貯蔵しています。

では肝酵素上昇とは?どのような状態なのか

一般に、血液検査をしたときに肝酵素をチェックするのは、ALP、AST(GOT)、ALT(GPT)、GGTの4項目です。これらの肝酵素は、肝臓が再生されるときに血液中にこぼれ落ちます。そのため血液中にある程度の量が循環しています。


けれど、何らかの理由で肝臓が障害されたとき、血液中に大量にこぼれ落ちて、肝酵素の上昇が見られます。


上昇の主な原因は、肝細胞膜が破壊されることによるものです。その他に肝酵素が多く合成されることが原因となることもあります。また、肝酵素は肝臓以外の組織にも存在しますので、それらに影響を受けることもあります。


また、肝臓は体内の代謝や解毒に大きく関わっているため、全身の影響を受けることがあり、そのために肝酵素上昇が見られることがあります。内分泌系の疾患や、高脂血症胃腸炎などの影響を受けて、肝臓が障害されることで肝酵素が上昇することもあります。犬の場合は、このような二次的な要因によって肝酵素上昇が見られるケースが多いです。


肝酵素は、肝機能を調べるのではなく、あくまも肝臓がどの程度障害されているかを調べるためのものです。

ALPやALTとは?肝酵素やその働きについて解説!

それでは、肝酵素がどのような働きをしているのかご紹介します。


酵素とは、体内にある細胞をコントロールしているタンパク質で、消化吸収や代謝のためには必要不可欠なものです。


肝臓には多くの細胞が存在しますが、ALTとASTは肝細胞に、ALPとGGTは胆管上皮細胞に多く存在します。


ALP

乳製品などに含まれるリン酸化合物を分解するための酵素です。


ALT・AST

アミノ酸の代謝やエネルギーの代謝のため大きな役割を担っています。ASTは心筋や赤血球などにも多く存在します。一方、ALTは主に肝細胞に存在しているので、ALTが高いと、肝臓が障害されている可能性が高いと言えます。

GGT

タンパク質の合成・分解するための酵素です。

肝酵素上昇が起きる原因は?原因は多岐にわたるので要注意!

肝酵素の数値が上昇するのは、どのような原因があるのでしょうか。


肝臓の障害の程度を見るための数値である肝酵素は、肝機能の低下とはあまり関係がないとされています。では具体的にどのようなときに肝酵素上昇が見られるのでしょうか。


ここからは、

  • 肝臓疾患だけじゃない?肝酵素上昇の原因
  • 肝臓を患っている場合の主な病気

という点について詳しく解説していきます。


愛犬の健康診断で肝酵素上昇を指摘されたらドキッとしてしまいます。ですが、必ずしもどこかを患っているとは限りません。焦らず、適切に対応することで、愛犬が健康でいられるよう見守ってあげたいですね。

肝酵素上昇の原因は?肝臓疾患ではない場合の原因を解説!

肝臓は消化吸収や代謝に大きく関わっているため、全身の影響を受けやすい臓器です。そのため、肝酵素の数値が高いからと言って必ずしも肝臓疾患が原因とは言えません。


まずは肝臓疾患以外の原因をご紹介します。

成長期

ALPは骨の代謝に大きく関わっています。そのため骨の新生が盛んな成長期の犬では数値が高くなります。

薬剤の投与

薬は肝臓で処理されるため、ステロイド剤などの投薬を受けていると、軽度ですが肝酵素は上昇します。

食事やサプリメント

食べ物の消化吸収と関係が深い肝臓は、食べ物の影響も受けやすいです。体に合わないペットフードやサプリメントは避けた方がよいでしょう。また添加物を含んだジャーキーを食べると肝酵素が上昇するケースもありますので、注意が必要です。

ストレス

慢性的なストレスによって、ALTが上昇する傾向があります。

肝酵素上昇の原因が肝臓病の場合は?考えられる病気を解説!

肝臓そのものに疾患があって肝酵素上昇が起きる場合に考えられる病気は、

  • 急性・慢性肝炎
  • 肝硬変
  • 胆管肝炎
  • 肝腫瘍
  • 先天性の肝機能障害

などがあります。


慢性肝炎になりやすい犬種は、ダルメシアン、ドーベルマン、ゴールデンレトリーバーなどです。


その他、肝臓以外の組織に疾患があって肝酵素が上昇する場合に考えられる病気は、

  • クッシング症候群
  • 高脂血症
  • 糖尿病
  • 急性膵炎

などがあります。


クッシング症候群とは、ホルモンの分泌が過剰となるもので、副腎の疾患ですが、肝細胞が腫れあがってしまい、肝酵素が上昇します。


高脂血症は、遺伝的なものやクッシング症候群に由来するもの、また食生活などが影響しますが、肝臓は脂質の分解をしているので、肝臓に負担がかかり、肝酵素上昇が見られます。


肝臓は、血糖値を正常に保つための働きをしているので、糖尿病になると肝臓に付加がかかり、肝酵素が上昇します。


膵炎になると、膵臓が腫れあがることで胆管が狭くなり、そのため肝酵素上昇が見られます。

犬の肝臓病とは?肝臓病全般について原因や症状、治療を解説!

ここまで犬の肝酵素上昇についてご紹介してきましたが、犬が肝臓を患った場合、どのような病気になってしまうのでしょうか。


ここからは、

  • 犬が肝臓病にかかるのはなぜ?
  • 犬が肝臓病になったらどう治療するの?予防法はあるの?

という点について解説していきます。


肝臓は再生能力が高いため、病気になっていても気づきにくく、気づいたときには症状が随分進行している、ということもあり、「沈黙の臓器」とも呼ばれます。


愛犬が苦しむ姿は誰もが見たくはありません。肝臓を患ってしまう前に、予防方法を知って、毎日の食事で健康管理をするなどして、長く一緒に過ごせるようにできるよいいですね。

犬の肝臓病の原因や症状は?気が付きにくい症状が多いので注意!

犬が肝臓病になる原因はさまざまで、原因を特定することは難しく、いろいろな要因が絡み合って肝臓の機能が低下すると考えられます。主な原因としては。

  • ウイルスや細菌への感染
  • 薬や毒物による中毒
  • 先天的な奇形(門脈体循環シャント;後天的にも発生する)
  • 食生活
  • 食べ過ぎによる肥満

などが挙げられます。


そして肝臓病になったら次のような症状が見られます。

  • 食欲がなくなる
  • 下痢・軟便が続く
  • 水を飲む量が増える
  • 尿の回数が増える
  • 歯茎や白目が黄色くなる

肝臓病になっても、特に目立った症状はなく、気づかないうちに病気が進行してしまうことが多く見られます。肝臓の機能が低下すると、代謝や毒素を分解する力が落ちるため、全身に影響を及ぼします。そのため、疲れやすかったり、元気がなくなったりします。


最近なんだか体調がおかしいな、と思った時、血液検査で肝臓の数値を計ってみるのもよいかもしれません。

犬の肝臓病の治療、予防は?食事管理や定期的な健康診断が大切!

犬の肝臓は再生能力が高いとされています。そのため、食生活を改善し、処方された薬をきちんと服用することで、肝臓自体が回復することも多いです。


最近では、犬に負担をかけないよう、漢方薬サプリメントなどで肝臓の機能回復を図る病院もあるようです。


ただし、門脈体循環シャントの場合は手術が必要です。手術には40万円ほどかかります。また、肝臓ガンの場合も手術費用は10~20万円ほどです。加えて診察代や検査代も加算されるので治療費はさらにかさみます。


それでは、肝臓病になってしまったらどうすればよいのでしょうか。


まずは食事管理がとても大切になってきます。肝臓にとって良い栄養素を含むドッグフードを与えましょう。

  • 消化性の良い良質なタンパク質
  • 亜鉛
  • ビタミン
  • L⁻カルニチン

などが肝臓に良いとされています。


肝臓は病気になったとしても、発見が早ければ再生が可能な臓器です。肝臓病は症状が出にくいため、定期的に健康診断を受けることをおすすめします。また、予防のためにも、普段から食事には気をつけましょう。かわいいからと与えすぎは禁物です。


そしてどんな病気にも言えることですが、ストレスは大敵。適度に運動をさせて、犬が快適に過ごせる環境を作ってあげましょう。

もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!

大切にしている愛犬が、肝酵素の数値が高いと言われたらびっくりしてしまいます。肝臓そのものの病気ではなくても、他の組織を患っている可能性もあります。そんな時には適切な治療を受けさせてあげたいですね。


でも、犬の治療費は結構高くついてしまいます。また、病気の予防のためにも定期的な健康診断は受けさせたいけど、検査代が心配という方もあるかもしれません。


そんな方には、ペット保険への加入をおすすめします。いつもと様子が違うな、と思ったら、治療費を気にせずに、気軽に獣医さんに相談できるので安心です。


ほけんROOMでは、ペット保険に関する記事がたくさん掲載されていますので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ:犬の肝酵素上昇とは?原因をしっかり調べよう

ここまで犬の肝酵素上昇についてご紹介してきました。

主な内容は、

  • 犬の肝酵素上昇について
  • 犬が肝酵素上昇になる原因はさまざま
  • 犬の肝臓病全般について原因・症状・治療を解説
  • ペット保険に加入すれば安心

でした。


血液検査で肝酵素の数値が高い、と指摘されても、必ずしも病気を抱えているとは言えませんので、数値が高い要因をきちんと確認しましょう。


ただし、肝臓に負担のかかる食事を与えていると、本当に肝臓を患ってしまうかもしれません。普段から、良質なタンパク質を与えて、適度に運動するなどして病気と縁遠い生活をさせてあげたいですね。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事を多数掲載しています。ぜひご覧になってください。

この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

ランキング

  • 【獣医師監修】犬の胸水とは?原因から症状、治療法、予防まで解説!
  • 【獣医師監修】犬の口唇炎とは?原因から症状、治療法まで解説!
  • 【獣医師監修】犬の胃潰瘍とは?原因から症状、治療法まで解説!
  • 【獣医師監修】犬の急性胃腸炎とは?原因から症状、治療法まで解説!
  • 【獣医師監修】犬の網膜剥離とは?原因や症状、治療法まで解説!
  • 【獣医師監修】犬の膵炎はどんな病気?症状や原因、治療費・治療法なども紹介!
  • 【獣医師監修】犬の糖尿病とは?症状・原因、治療費・治療法、予防法などを紹介!
  • 【獣医師監修】犬の外耳炎はどんな病気?症状や原因、治療費・治療法なども紹介
  • 【獣医師監修】犬が認知症になるとどんな症状が出る?原因や予兆、治療法なども紹介
  • 【獣医師監修】犬の臍ヘルニアとは?原因から症状、治療法まで解説!