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犬の肛門嚢炎についてご存知ですか?肛門嚢(肛門腺)が炎症を起こして腫れることが原因で、お尻が赤い、出血している等の症状を引き起こします。治療として肛門腺絞りや手術が行われます。この記事では犬の肛門嚢炎について、原因から症状、治療費まで詳しく解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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犬の肛門嚢炎とは?原因から症状、治療法まで解説!

犬の病気に対して、ひとつひとつ正しい知識を持っているという方は少ないと思います。ですが、犬にとって身近な病気くらいは最低限知っておきたいですよね。


犬の肛門嚢炎という病気を知っていますか。あまり聞き慣れない病名なので、ピンとこないという方も多いと思います。


肛門嚢炎は犬にとって身近な病気のひとつのため、正しい知識を持っておきましょう。


今回「MOFFME」では、

  • 犬の肛門嚢炎とは?
  • 犬の肛門嚢炎の治療法や治療費、予防法を紹介
  • 肛門嚢炎にかかりやすい犬種や年齢、性別
  • もしもの時に備えてペット保険に加入しておこう
以上のことを詳しく解説したいと思います。

この記事を読めば、犬の肛門嚢炎がどのような病気なのか、原因や症状を詳しく知ることができるでしょう。ぜひ、最後までご覧ください。

犬の肛門嚢炎とは?原因や症状を解説!

まず、犬の肛門嚢炎とはどのような病気なのか、原因や症状を知っておきましょう。


この見出しでは、

  • 犬の肛門嚢炎とは?検査方法も解説
  • 犬の肛門嚢炎の原因は?
  • 犬の肛門嚢炎の症状は?
以上の3つを詳しく解説したいと思います。

肛門嚢炎は、重度の場合はお尻の皮膚に穴があいてしまうこともあるため、正しい治療とケアが必要になります。

しっかりとどのような病気なのかを理解しておきましょう。

そもそも犬の肛門嚢炎とは?検査方法も解説!

犬の肛門嚢炎は、犬にとって身近な病気のひとつです。

  • 肛門嚢は犬の肛門の左右にある一対の袋状の器官(4時・8時方向にある)であり、この器官が何らかの原因で炎症を起こしてしまうこと
肛門嚢破裂といって、肛門嚢が破裂して破れてしまうこともあります。

肛門嚢炎かどうかは、通常視診により判断することが多いです。

もし、犬が肛門を舐めたり、噛んだりするような行動を頻繁に見かけるようであれば、一度動物病院に連れていってあげましょう。

犬も自力である程度は、肛門嚢の貯留物を排泄することができます。しかし、体調不良を起こしていたりストレスがたまっていたりすると、自力で排泄することが難しいこともあるため注意が必要です。

犬の肛門嚢炎の原因は?肛門腺の腫れ等の原因を解説!

犬の肛門腺は、大型犬であれば自分で便をするときに一緒に排泄できる子もいます。しかし、小型犬や中型犬は自力で肛門腺を絞り出して排泄できる子が少ないです。


また、大型犬でも、

  • 体調不良を起こしている(下痢や便秘)
  • ストレスを抱えている
  • 加齢による代謝の変化
  • 肥満
これらの要因があれば、肛門嚢炎になりやすくなるため注意が必要です。

貯留物が肛門嚢に溜まりすぎてしまうと、肛門嚢炎を引き起こしてしまう可能性があります。

多くの犬が、肛門嚢炎になると肛門周辺に不快感を覚えるため、肛門を気にして舐めたり床にお尻を擦り付けたりします。症状が悪化する前に、気になることがあったらすぐに動物病院を受診しましょう。

犬の肛門嚢炎の症状は?最悪肛門腺が破裂してしまうかも!

犬の肛門嚢炎は、主に、

  • お尻を気にする
  • 尻尾を追いかける
  • うんちが出にくくなる
  • 痛みで鳴きわめく
  • 肛門周辺に腫れや赤みがみられる
以上の症状が見られます。

お尻が気になるため、地面で擦るような仕草を頻繁に見せることがあります。

犬がしきりにお尻を気にするそぶりを見せたら、必ず飼い主は肛門周辺をチェックしてあげてください。肛門周辺の皮膚が赤くなっていたら肛門嚢炎である可能性があります。

症状がひどくなると、肛門嚢が腫れて周囲の皮膚が盛り上がってしまい、さらにそのままにしておきますと、肛門腺が破裂する恐れがあります。

肛門腺が破裂すると、お尻の皮膚に穴があいて膿や血が出てしまうため、急いで動物病院に連れて行ってあげてください。

犬の肛門嚢炎の治療法や治療費、予防法を紹介!

では次に、犬の肛門嚢炎の治療法や予防法、治療費についてなどを詳しく解説したいと思います。

  • 犬の肛門嚢炎の手術等の治療法や治療費
  • 犬の肛門嚢炎の予防法は?
犬の肛門嚢炎は、そのままにしておくと症状が悪化して肛門嚢が破裂する恐れがある大変な病気です。少しでも症状が見られるようであれば、すぐに動物病院に連れていってあげてください。

ですが、どれくらいの治療費がかかるのかわからなくて正直不安だという方もいると思います。そのような方はぜひ、この見出しをチェックして費用の参考にしてみてください。

犬の肛門嚢炎の手術等の治療法や治療費を紹介!

犬の肛門嚢炎の治療法は主に、

  • 肛門腺絞り
  • 投薬
  • 外科療法
上記で挙げた3つの方法があります。

貯留物が肛門嚢に溜まっている場合は、肛門腺絞りを行って貯留物を絞り出します。また、重度の場合はカテーテルを使って肛門嚢の中をきれいに洗浄して、抗生物質を直接肛門嚢に注入することもあります。

これらの治療を行っても症状が改善しない場合は、肛門嚢を切除する手術を行います。手術には肛門嚢と肛門を繋いでいる管を残す「閉鎖式切除術」と管ごと切除する「開放式切除術」の2種類があります。

なお、治療にかかる費用の相場は、
  • 肛門縛り…500円ほど
  • 処方薬・洗浄などの治療…10,000~15,000円ほど
  • (血液検査…5,000~8,000円ほど)
手術は動物病院によって異なるため、動物病院に確認を取りましょう。

一般的には日帰り手術が多いようですが、症状が酷い場合や動物病院によっては入院することもあるようです。

犬の肛門嚢炎の予防法は?肛門腺の絞り方も紹介!

犬の肛門嚢炎は、一度発症すると再発しやすい病気のため、飼い主は日ごろから肛門嚢に貯留物が溜まっていないかを細かくチェックすることが大切です。


貯留物が溜まりやすい場合には、定期的に肛門腺絞りを行うことで再発予防ができます。


肛門腺絞りの方法は、

  • 外部圧迫法…指先にティッシュを持ち、左右の肛門嚢を指先でつまんで上に持ち上げるように圧迫する
また、肛門嚢は肛門の4時・8時の場所にあるため、場所もしっかりと覚えておきましょう。

肛門嚢のチェックは週に一回くらいを目安にして、小まめに見てあげることが大切です。

また、肛門腺絞りは動物病院以外にもトリミングサロンペットショップでも行っています。通いやすい場所を見つけて、定期的にチェックしてもらってもよいでしょう。

肛門嚢炎にかかりやすい犬種や年齢、性別はある?

肛門嚢炎は、主に小型犬種(チワワ・トイプードルなど)に多く発症する病気です。また、老犬や肥満犬などもなりやすいと言われています。


ただし、貯留物の溜まりやすさには個体差があります。貯留物を自力で排泄できない犬や、他の犬よりも早く溜まりやすい犬、貯留物に粘り気がある犬などさまざまです。


大型犬だからといって大丈夫だと思わずに、日ごろから小まめに肛門嚢をチェックしてあげてください。


症状がひどく悪化していなければ、ほとんどの場合洗浄や抗生物質の投与で完治します。飼い主が気付かないままでいれば、それだけ症状が悪化して治療も困難になることを理解しておきましょう。

もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!


肛門嚢炎は再発しやすい病気ですが、小まめにチェックしていれば症状の悪化も防ぐことができます。しかし、飼い主は専門知識を持っているわけではないので、何かあればすぐに動物病院に連れていってあげたいですよね。


動物病院でかかる治療費は、人間のように保険がきくわけではないため全額自己負担になります。


日ごろからしっかりとペットのために貯蓄をしている方も、手術や入院となれば思わぬ高額出費になることも考えられます。


そこで、もしもの時のためにペット保険を検討しておくのが安心です。ペット保険に加入しておけば、治療費の一部を保険金でまかなえるため費用負担を軽減することができます。


MOFFMEでは、ペット保険に関する記事も多くあるため、気になる方はぜひ一度チェックしてみてください。

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まとめ:犬の肛門嚢炎とは?自然治癒で治る病気なのか

犬の肛門嚢炎とはどんな病気なのか、症状や原因・予防法などを解説しましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 肛門嚢炎とは、肛門の左右にある一対の袋状の器官が何らかの原因で炎症を起こすこと
  • 炎症が悪化すると、肛門嚢が破裂してお尻の皮膚に穴があくこともある
  • 肛門嚢炎は一度かかると再発しやすいので、飼い主が小まめに肛門嚢をチェックすることが大切
  • 定期的にお尻を見て肛門腺絞りをしてあげるとよい
  • 肛門嚢炎は主に小型犬種・老犬・肥満犬などがかかりやすい
以上となります。

肛門嚢炎は再発しやすいので、小まめに飼い主が肛門周りをチェックすることが大切。また、貯留物がたまりやすい子は、二週間に一度くらいのペースで肛門絞りをしてあげるとよいでしょう。

症状がひどく悪化すると、外科手術を行う可能性もあるため、万が一のことを考えてペット保険の加入を検討することをおすすめします。

MOFFMEでは、ペット保険に関する記事を多く取り扱っています。ぜひ、チェックしてみてくださいね。