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犬のエプリスをご存知ですか?口腔内腫瘍・歯肉腫とも言い、正確な原因は不明ですが、歯肉に生じた増殖性腫瘤を総称したものを言います。治療としては主に手術で腫瘍の切除が行われます。この記事では犬のエプリスについて、原因から症状、治療法、治療費、予防まで解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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犬のエプリス(歯肉腫)とは?良性や悪性、種類についても解説!

この記事をご覧のあなたは、犬のエプリス(歯肉腫)という病気について調べておられるかもしれません。


犬は人間のように自分で歯磨きをすることができないため、飼い主がケアしてあげなければならないというのは、すでに犬を飼っている方にとってみれば常識かもしれません。


しかし、具体的に犬はどのような歯の病気にかかりやすいのか、また歯の異常が見られたらすぐに病院へ連れて行くべきなのか、という点などに関してはよく理解していない、という方も多いでしょう。


そこで今「MOFFME」では、

  • 犬が発症する「エプリス」とはどのような病気?
  • エプリスを発症したらどのくらいの治療費が掛かる?
  • エプリスにかかりやすい犬の年齢や犬種とは?
  • エプリスの治療費補償にも対応した保険とは?
主に以上の点を取り上げていきます。

この記事を読んでいただければ、エプリスという病気について詳しく知ることができ、とりわけ犬がエプリスにならないような「飼い方」を始めるきっかけとなることでしょう。

ぜひ最後までご覧ください。

またMOFFMEでは、ペット保険のランキングについても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。

犬のエプリスとは?原因や症状について詳しく解説!

犬は人間のパートナーとしてよく知られた動物であり、それ故に飼い主が愛犬の病気に関して悩むことがたくさんあります。


その中でも、とりわけ犬が「歯(口腔)」に関する病気になる確率は高く、歯の病気で寿命が短くなってしまう事例も珍しくありません。


これから取り上げる「エプリス」という歯の病気について正しい知識を得て、正しい予防と対処ができるようにしましょう。


まずは、エプリスという病気そのものに関する点を取り上げていきます。

そもそも犬のエプリスとは?良性や悪性、種類についても解説!

今回取り上げるエプリス(歯肉腫)は人間も発症する病気なのですが、犬が発症するエプリスとはどのようなものなのでしょうか。


まず「エプリス」が指しているのは口腔内にできる塊、いわゆる「腫瘤」と呼ばれるものであり、体内および皮膚に見られるしこりのようなものを指します。


よく「腫瘤」は「腫瘍」と混同されますが、腫瘤はガン化していないものや、そもそも原因が分からないしこりに関しても用いられる用語であり、体に何らかの原因で発生する塊そのものを指します。


ですから、犬の口腔内にできるエプリスは炎症性エプリス(線維性エプリス巨細胞性エプリス)や、良性腫瘍であるもの(線維腫性エプリ骨形成性エプリス)から、エプリスと間違われやすい骨浸潤性の悪性腫瘍棘細胞腫性エナメル上皮腫まで様々であり、ただ見ただけでは良性か悪性かは判別できないため、必ず病院での検査が必要です。

犬のエプリスの原因とは?遺伝的な要因もある!

犬がエプリスを発症するのはどのような原因があるのでしょうか。


その原因の多くが、口腔内のケアが不十分であること等が積み重なって歯垢が溜まったり、それが起因となって歯周病が進行することによって腫瘤が発生します。


犬の中には飼い主が行う歯磨きなどの口腔ケアを極端に嫌がる犬もいますが、だからといってケアを怠っているとエプリスを発症するリスクは高くなります。


習慣化することは難しいかもしれませんが、最初は軽く、徐々にしっかり行うなど、歯磨きという行為に慣らしていく必要があるでしょう。


また、進行が早い腫瘤(棘細胞腫性エナメル上皮腫)に関しては、遺伝要素も強いとされています。

犬のエプリスの症状とは?口腔内腫瘍や痛み等の症状を解説!

犬がエプリスを発症すると、どのような症状が出るのでしょうか。


代表的なエプリスの症状としては、

  • 餌を食べづらそうにしている、よく噛めていない
  • 涎の量が増える、涎に血液が混じっている
  • 口臭が強くなる
このような、主に食事等の嚥下行為に直接関係する部分に主な症状が見られることがあります。

ただしエプリスを発症してから初期の段階では明確な症状が出ないこともあり、かなり進行してから飼い主の発見によってようやく腫瘤に気づくこともあります。

特にしこりが悪性の腫瘍である場合は進行すると骨にまで進行してしまい、顎骨ごと切除するような外科的治療も必要になる場合があるので、注意が必要です。

犬のエプリスの治療法や治療費、予防法について詳しく紹介!

人間も歯の病気が進行すると他の様々な病気の原因となり得るように、犬の口腔内の病気も看過できるものではありません。


たとえ良性エプリスの場合でも治療が必要となりますが、実際にエプリスが発見された場合、どのような治療を行い、どのくらい治療費がかかるのでしょうか。


また、この病気は予防が可能なのでしょうか。

犬のエプリスの薬や手術等の治療法、治療費用を紹介!

まず、犬のエプリスが良性(線維性や骨形成性等)である場合、腫瘤を外科的治療で切除することによって、餌を噛んだりする行為に影響が出ないくらいまでに症状を抑えることができます。


ただし、低確率ながらエプリスは再発する可能性があるため、手術後も定期的に飼い主が犬の口腔内を確認するなど、再発防止策を取る必要があります。


また、悪性の腫瘤や棘細胞性エナメル上皮腫である場合はすぐに腫瘤摘出手術を行いますが、骨にまで進行している場合は、エプリスができている部位の周りの歯や、顎の骨ごと切除を行う場合もあります。


エプリスによって外科的治療が必要な場合、病院によって大きく治療費は異なりますが、平均的には手術費も含めて10~15万円の治療費が掛かります。

参考:「銀座ペットクリニック」診療・手術料金表

犬のエプリスの予防法は?異常があればすぐに動物病院へ行こう

犬のエプリスは予防することが可能なのでしょうか。

基本的にエプリスはこれといった予防方法がないため、発症するリスクは飼い主がきちんと口腔内のケアをしてあげるかどうか、という点が非常に重要です。

たとえエプリスがてきても早期発見、早期治療をおこなうために定期的にきちんと歯磨きを行い、その際に口腔内のチェックをしてあげる必要があります。

チェックの際に以上が見つかったら、自分で良性か悪性かを判断するのではなく、すぐに動物病院へ連れて行ってあげましょう。

エプリスになりやすい犬種や年齢、性別はある?

人間は加齢にともなって様々な病気のリスクが上がるように、犬に関しても加齢に伴って病気のリスクが上がります。


エプリスも例外ではありませんが、良性のエプリスは8歳以上、進行が早い棘細胞腫性エナメル上皮腫に関しても7歳以上という、比較的若い年齢であっても発症するとされています。


犬の7、8歳が人間の40~50代に当てはまることを考えれば、たとえ高齢犬でなくても、いわゆる老化が始まるとされる年代においては、エプリスが発症する可能性があることが分かります。


エプリスはそのように発症しやすい年齢はあるとしても、基本的に犬種や性別はほとんど発症しやすさに関係していないとされています。


どの犬種、性別であっても定期的な口腔ケアとチェックは欠かせません。

もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!


すでに取り上げたように、エプリスで外科的治療が必要になる場合、その費用が10万円以上になることも珍しくありません。


実際のところ犬がいつエプリスを発症するかを予測することはできず、治療はさせてあげたいけれどすぐに10万円支払うことは難しい、と思われる方も多いでしょう。


そこで選択肢となるのが、ペット保険への加入です。


ペット保険に加入しておくなら、エプリスを発症して治療が必要になっても、治療費の補償を受けることができます。


補償額はプランによって異なりますが、あらかじめ加入しておけば治療が必要になった場合も、治療費における自己負担額を大幅に軽減することができるのです。


このように、ペット保険に加入しておくなら、エプリスを含めた「いつ発症するか分からない愛犬の病気」に関して、金銭面で準備を整えておくことができます。


MOFFMEではペット保険に関する記事を多数公開しておりますので是非参考にしてみてください。

ペット保険の一括比較はこちら

まとめ:犬のエプリス(歯肉腫)とは?放置するのは危険!

今回は犬のエプリス(歯肉腫)に関して様々な点を取り上げましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • エプリスとは歯肉腫のことであり、口腔内にしこりのような塊ができること
  • エプリスによって外科的治療が必要な場合、10万円以上の費用が発生することもある
  • エプリスにかかりやすいのは7、8歳以上だが、犬種や性別はほぼ関係ない
  • ペット保険に加入しておくことで、突如発生する高額な治療費にも対応できる
以上の点です。

犬は口腔に関連する病気を発症しやすいのですが、飼い主がそれが歯や歯茎に関係している症状だと気づきにくいために、進行するまで見逃されがちな病気でもあります。

普段の口腔ケアを欠かさないことやペット保険に加入することも含め、いつでも適切な治療を受けさせてあげられるよう、準備しておきましょう。

MOFFMEでは、この記事以外にも役に立つ記事を多数掲載していますので、ぜひご覧ください。