【獣医師監修】猫の巨大結腸症とは?原因から症状、治療法まで解説!のサムネイル画像

猫の巨大結腸症をご存知ですか?便秘が続くことが原因で結腸が異常に拡張され、食欲不振や嘔吐等の症状を引き起こします。治療法は手術やワセリン等の薬の投与が行われ、ロイヤルカナンといった食事療法が行われることもあります。この記事では猫の巨大結腸症を解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

目次を閉じる

猫の巨大結腸症とは?原因から症状、治療費、術後まで解説!

猫に比較的多くみられる病気のひとつに、「巨大結腸症」があります。ですが、一体どのような病気なのか、あまりよくわからないという方も多いのではないでしょうか。


巨大結腸症の原因や症状、予防法などを知っておけば、大切なペットを自分たちの手で守ることができますよね。


今回「MOFFME」では、猫の巨大結腸症について、

  • 原因や症状を詳しく解説
  • 猫の巨大結腸症の治療法や治療費、予防法を紹介
  • 巨大結腸症にかかりやすい猫種や年齢、性別はある?
  • もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ
以上のことを詳しく解説したいと思います。

巨大結腸症は便秘の症状が長く続くことで、長期に滞留している便が水分を吸収され固くなり、さらに排泄できなくなる悪循環となるため、注意が必要です。

この記事を読めば、巨大結腸症の知識を十分に身につけられるでしょう。ぜひ、最後までご覧くださいね。

またMOFFMEでは、ペット保険のランキングについても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。

猫の巨大結腸症とは?原因や症状を詳しく解説!

ではまず、この見出しでは猫の巨大結腸症とは何か、原因や症状を詳しく解説したいと思います。

  • そもそも猫の巨大結腸症とは?
  • 猫の巨大結腸症の原因は?
  • 猫の巨大結腸症の症状は?
巨大結腸症とはどのような病気なのか、原因や症状をしっかりと理解しましょう。

そうすれば、近い症状が見られたときにすぐに動物病院に連れていくことができますよ。

そもそも猫の巨大結腸症とは?治療すれば改善・治る病気なのか

猫の巨大結腸症とは、

  • 結腸が異常に拡大する病気
便秘を繰り返すうちに腸に便がたまりすぎてしまい、結腸が巨大化する「重症化した便秘」とも言われている病気です。

治療は症状に応じて内科的・外科的治療が行われます。また、巨大結腸症は一度発症すると再発しやすい病気とも言われています。

病気を発症させないことは猫だけの問題ではなく、飼い主の協力が不可欠です。日ごろからしっかりと猫の排便の様子や食欲など、小まめにチェックを行うようにしてください。

猫の巨大結腸症の原因は?便秘が続くことが原因!

猫の巨大結腸症の原因のひとつに、「慢性的な便秘」が挙げられます。


結腸に便が残ったままですと、時間の経過とともに便の水分が吸収されて硬くなっていきます。硬すぎる便は排泄しにくくなり、次第に結腸に便がたまっていって巨大化していきます。


そして、巨大化された結腸はぜん動運動の働きを弱くするため、便秘の悪循環が生まれてしまうのです。


普段猫が食べている食事に、繊維質が少ないと便秘になりやすくなります。また、水分不足も猫が便秘になりやすいため、日ごろから飼い主は食事内容を見直してあげることが大切です。


動物病院では、便秘しがちな猫のために作られたフードを用意しているところもあります。


巨大結腸症ではなくても、猫が便秘がちかもしれないと思ったら、事前に相談してみるのもよいかもしれませんね。

猫の巨大結腸症の症状は?食欲不振や嘔吐等の症状を紹介!

猫の巨大結腸症は、「慢性的な便秘」であるため、一番の症状は便が出なくなることです。


もし、数日間猫が排便している様子が無いようであれば、一度動物病院で診てもらったほうがよいかもしれません。


便秘の症状が続くと、

  • おう吐
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 脱水症状
これらの症状が見られる恐れがあります。

猫が毎日しっかりと排便しているかどうかは、排便の様子を見ることが一番です。たとえば、猫がウンチをしようと踏ん張っているのにも関わらず、便が出ないようであれば便秘で便が硬くなっている恐れがあります。

ちょっとした猫の動作も、できる限りしっかりと見てあげることが大切です。

また、ストレスを抱えている状態の猫や高齢の猫なども、巨大結腸症になりやすいと言われています。

猫の巨大結腸症の治療法や治療費、予防法を紹介!

もし、猫が巨大結腸症になってしまったら、どのような治療を行うのでしょうか。また、どれくらいの治療費がかかるのかなど、気になることはたくさんありますよね。


ここでは、

  • 猫の巨大結腸症の薬や手術等の治療法、治療費用について
  • 猫の巨大結腸症の予防法は?
上記で挙げた2つについて、詳しく解説したいと思います。

巨大結腸症の症状が進むと、体重減少や食欲減退など最悪命に関わってくることもあるため、早めに治療してあげることが大切です。

猫の巨大結腸症の薬や手術等の治療法、治療費用を紹介!

猫の巨大結腸症の主な治療法は、病気の症状や飼い主の希望によって変わってきます。一般的には内科的治療と外科的治療の2つがあります。


内科的治療は、便を柔らかくする薬や浣腸・指などを使い溜まっている便をかき出す処置が行われます。脱水症状が見られる場合は点滴を使用したり、嘔吐が見られる場合は吐き気止めなども使われます。


外科的治療は、巨大化した結腸を切除する手術が行われたりします。骨盤骨折による骨盤狭窄が原因の巨大結腸症では、骨盤拡張手術が行われることもあります。


猫の巨大結腸症にかかる治療費は、

  • レントゲン検査…約10,000円
  • 処置料…約5,000円
  • 点滴…約3,000円
そのほかにも、通院・診察費用が別途でかかります。なお、手術費用は動物病院によって金額が変わってくるため、かかりつけの動物病院で確認するとよいでしょう。

猫の巨大結腸症の予防法は?便秘は放置せずに早期に治療しよう

巨大結腸症の予防は、「慢性的な便秘」状態にさせないことが一番重要です。日ごろから意識してバランスの取れた食事を心がけましょう。


猫の正常な排便を助けるには、人間と同じで食物繊維を意識することも大切です。もし、食事内容に不安があるようであれば、一度動物病院に相談してみてください。


また、その他にも、

  • ストレスを溜めさせない
  • 肥満にさせない
  • 排便しやすい環境を作ってあげる
これらも、巨大結腸症の予防になると言われています。

小まめに便の硬さや回数などを確認し、何か異変を感じた場合は早めに診てもらいましょう。

巨大結腸症にかかりやすい猫種や年齢、性別はある?

巨大結腸症は、いずれの年齢・性別・品種の猫でも見られることが多いため猫全般にかかりやすい病気であると言えます。


ですが、その中でも、

  • オス
  • シャム猫
  • 中年齢(平均5.8歳)
の猫に多い病気とも言われています。


また、高齢の猫は消化機能・筋力が衰えており腸のぜん動運動の働きが落ちて、便秘になりやすいため注意が必要です。


長毛種の猫は、毛球症によって毛玉が胃腸にたまることもあるでしょう。そして、冬場は猫が運動不足になりやすく飲水量も減るため、便秘になりやすい時期でもあります。


その他にも、過去に交通事故に遭い、骨盤骨折経験がある猫や、腸管内外の腫瘍による圧迫も便秘になりやすくなるようです。

もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!


猫にかかる治療費には保険がききません。そのため、基本的には全額飼い主の自己負担になります。


巨大結腸症は、内科治療の場合でも数万円程度かかる恐れがあります。もし外科治療になったら、症状によっては何十万円とかかるかもしれません。


保険に加入せず、ご自身で猫の治療費を積み立てて貯蓄するという考え方もありますが、貯蓄を始めてすぐに猫が巨大結腸症になったらと考えると不安ですよね。


このようなことからも、猫の治療費のためにもペット保険に加入しておくのがおすすめです。


MOFFMEにはペット保険に関する記事が多くあるので、ぜひ一度他の記事もチェックしてみてくださいね。

ペット保険の一括比較はこちら

まとめ:猫の巨大結腸症とは?すぐに動物病院に連れて行こう

猫の巨大結腸症とはどんな病気なのか、原因や治療方法、予防法などを解説しましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 猫の巨大結腸症は、「重症化した便秘」とも言われる病気
  • 猫の慢性的な便秘が原因で起こる
  • 便秘の症状が続くと、おう吐や食欲不振、脱水症状などの症状が見られる
  • 巨大結腸症はいずれの年齢・性別・品種の猫でもなりやすい病気のひとつ
以上になります。

巨大結腸症は、慢性的な便秘が原因で硬くなった便が結腸にたまることで起こります。猫の便秘はそのままにしておくのではなく、何日も続くようであれば必ず一度動物病院で診てもらいましょう。

また、猫にかかる治療費は全額飼い主の自己負担になります。治療費を積み立てておくことも大切ですが、いざという時のためにペット保険に加入しておけば安心です。

MOFFMEでは、他にもペット保険にまつわる記事を多数掲載しております。ぜひご覧ください。