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猫の鉤虫症についてご存知ですか?鉤虫という寄生虫が卵を口に入れることが原因で寄生し、下痢や血便、悪化すると貧血等の症状を引き起こします。治療としては駆虫薬が主に使われます。この記事では猫の鉤虫症について、原因から症状、治療法、治療費、予防法を解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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猫の鉤虫症とは?人間にうつることもあるので注意!

猫の鉤虫症(こうちゅうしょう)という病気をご存じでしょうか?


鉤虫症は寄生虫によっておこる病気の一種ですが、その病名は聞きなれない方も多いかと思います。


実はこの鉤虫症は、猫だけではなく人間にもうつることがある病気なのです。


そこで今回「MOFFME」では「猫の鉤虫症」について

  • 鉤虫とは?
  • 猫の鉤虫症の原因と症状
  • 猫の鉤虫症の治療法
  • 猫の鉤虫症の予防法
  • 鉤虫に寄生されやすい猫とは?

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、猫の鉤虫症についての知識や、いざというときの対処法や予防法が分かるようになっています。


ぜひ、最後までご覧ください。

猫の鉤虫症とは?原因や症状を詳しく解説!

猫の鉤虫症という病気をあまりよく知らない方は多いのではないでしょうか?


しかし人間にもうつる可能性があるとなると、どのような病気でどのような症状があるのか気になりますよね。


そこでここでは、

  • そもそも鉤虫とは?
  • 猫の鉤虫症の原因
  • 猫の鉤虫症の症状
について詳しく解説していきます。

一緒に猫の鉤虫症の基本的な知識を確認していきましょう。

そもそも鉤虫とは?回虫と同じく猫に寄生する寄生虫!

そもそも「鉤虫(こうちゅう)」とは、動物の体内に寄生する寄生虫です。


寄生虫としては回虫や原虫が代表的ですが、鉤虫もそれらと同じく動物の消化器内で成長する寄生虫の一種として知られています。


鉤虫の大きさは回虫よりも小さく、体長は1cm~2cmほどです。白い糸状の形をしています。鉤虫の卵は肉眼で確認できないほど非常に小さいもので、多くの場合は卵や幼虫の段階で猫の体内に侵入します。そして寄生された猫の糞には鉤虫の卵が排出されるようになります。


鉤虫はかぎ状の歯を持つことが特徴で、その歯で小腸の粘膜に噛みついて寄生します。


このような寄生虫は猫だけでなく、人間の体内に入り込むこともあります。

猫の鉤虫症の原因は?卵を介して寄生される!

鉤虫症は、この鉤虫が猫に寄生することでおこります。猫が鉤虫に寄生される原因には次のようなものがあります。


卵が猫の口に入って寄生する

最も考えられる原因が、鉤虫の卵が猫の口から入って寄生するケースです。すでに感染している猫の便に排出された卵がなんらかの形で猫の口に入って寄生します。

また、体内に寄生虫を持つネズミを食べることで感染することもあります。


皮膚から侵入する

経口による感染以外では、皮膚からの感染もあります。鉤虫の幼虫は猫の皮膚から入り込むこともあり、血液中などを通って小腸までたどりつくことができます。


母猫を通して寄生する

母猫が鉤虫症の場合、母乳胎盤を介して子猫へ感染してしまうこともあります。

猫の鉤虫症の症状は?下痢や血便、貧血等の症状を解説!

猫が鉤虫症になると、どのような症状が現れるのでしょうか?


鉤虫は猫の小腸の粘膜に噛みつき、血液を吸い取ります。


このため猫が鉤虫症になると、

  • 下痢
  • 血便
  • 食欲低下
  • 貧血
などの症状が見られます。

多くの場合は、黒い便や血便、下痢や食欲不振などの消化器系の症状で異変に気付きます。下痢や食欲の低下が続くと、脱水症状や発育不足などにつながります。

また、体内に寄生する鉤虫の数が多ければ吸い取られる血液も増え貧血の症状が強く出るようになります。貧血が進むと臓器の働きが悪くなり命にかかわることもあります。

ただし、これらの症状は成猫でははっきりと出ないことや無症状の場合もあります。しかし子猫の場合は症状が顕著に現れることが多く、重症化もしやすいので注意が必要です。

ちなみに人間が感染した場合、鉤虫は基本的には人間の体内では成長できないので、皮膚のかゆみや軽い腹痛程度で済むことがほとんどです。しかし皮膚爬行症になると軽症では済まないので注意しましょう。

猫の鉤虫症の治療法や治療費、予防法を紹介!

猫の鉤虫症は鉤虫という寄生虫が体内に寄生することが原因で、下痢や貧血などの症状が出ることが分かりましたね。


では、もしも猫が鉤虫症になってしまった場合はどうしたらいいのでしょうか?


ここでは、

  • 猫の鉤虫症の治療法と治療費
  • 猫の鉤虫症の予防法
について詳しく解説していきます。

早めの治療と病気を予防することはとても大切ですので、ぜひ確認してきましょう。

猫の鉤虫症の駆虫薬等の治療法や、治療費について紹介!

鉤虫症が疑われる場合、まずは猫の便を検査して感染の有無を調べます。一度の検査では卵が検出されないこともありますので、一度大丈夫だったとしても安心しないようにしましょう。


その後は、駆虫薬を投与して治療します。同時に、下痢や貧血などの症状を起こしている場合は、点滴などの処置も行います。


駆虫薬は一度ですべて虫を駆除できるとは限りません。卵や幼虫が体内に残っている場合もありますので、薬の服用は途中でやめずに獣医師の指示通りに服用することが大事です。


基本的に、鉤虫症は投薬で治療できる病気です。特に手術などの必要もありませんので、猫の症状にもよりますが、治療費は数千円程度ですむことが多いでしょう。

猫の鉤虫症の予防法は?回虫と同様に駆除、部屋の掃除が大切!

治療法は分かりましたが、できれば鉤虫症になる前に予防したいものですよね。


猫の鉤虫症を予防するにはどうしたらいいのでしょうか?


きちんと駆除すること

猫の鉤虫症は大きな症状が出ないことも多く気付かないこともあります。特に保護した猫などは、まずは寄生虫の有無を調べてみるといいでしょう。そしてもし感染が分かった場合はすぐに駆除をすることが必要です。


部屋を掃除すること

トイレの砂をこまめに取り換えるなど、居住環境を清潔に整えることも大切です。鉤虫は便に出されますので、特に飼い猫のトイレの掃除には注意をして、掃除の後は飼い主も手洗いを確実に行いましょう。


予防薬を使う

予防は、滴下タイプの予防薬を使うのが最も有効です。ノミ・ダニやフィラリア予防薬に一緒に入っているものがあるので、使うと良いでしょう。

鉤虫に寄生されやすい猫種や年齢、性別はある?

鉤虫に寄生されやすいのはどのような猫でしょうか?


どの猫種でも寄生されることはありますが、特に次のような猫は感染リスクが高いと言えます。


一つは、室内飼いではない猫です。室内であれば寄生虫がいる可能性は低いものですが、外に出るとネズミや野良猫の糞などから寄生虫をもらってくる可能性が出てきます。


もう一つは、多頭飼いの猫です。鉤虫は便に排出されますので、多頭飼いでトイレを共有している場合などは感染が広がることがあります。

また、寄生自体はどの猫でも可能性がありますが、より注意が必要なのは子猫です。前述の通り、子猫は症状が重篤になりやすいため体調の様子をよく見てあげると良いでしょう。

もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!


鉤虫症だけではなく、猫の寄生虫による病気は意外と身近なものだと分かりました。


鉤虫症の治療自体はそこまで費用が多くかかるものではありませんが、症状の程度によっては長期の治療が必要になる場合もあります。


治療が長引くとやはり費用の面も気になりますよね。


そこで、もしもの時に備えてベット保険に加入しておくことがおすすめです。しっかり備えておくことでいざというときに頼りになります。


とはいえ、どのペット保険を選べばいいか分からないという方もいると思います。


MOFFMEではペット保険に関する記事もたくさんありますので、保険選びの参考になさってみてください。

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まとめ:猫の鉤虫症とは?人間に寄生することもある!

猫の鉤虫症について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは

  • 鉤虫症は鉤虫が猫の小腸に寄生して発症する
  • 鉤虫は卵を介して寄生する
  • 下痢・血便・貧血などの症状があり、子猫の場合は命にかかわることもある
  • 治療は駆虫薬を服用する
  • 定期的に検査をし、見つかったら早めに駆除することが大事

でした。


寄生虫は人間に寄生することもありますので、鉤虫症は猫だけの病気ではありません。


早めに見つけられるよう普段から猫の様子を気に掛けることはもちろん、部屋をこまめに掃除して衛生的な住環境を維持することも意識したいですね。


MOFFMEでは、他にも読んでおきたいペットや保険に関する記事を多数掲載しています。ぜひご覧になってください。