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猫の乳腺炎をご存知ですか?オスよりも主に授乳中のメスにみられる病気です。避妊手術をしていないメス猫や母猫を飼っている方は特に心配な病気だと思います。この記事では猫の乳腺炎について、原因と症状、手術等の治療法、予防法について詳しく解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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猫の乳腺炎は治る?オスよりも授乳中のメスが要注意!

猫にも、乳腺炎になってしまう可能性があります。オスの猫より授乳中もしくは偽妊娠しているメスの猫がなりやすいといわれています。


猫の乳腺炎はどんな症状で、治療をすると治るのでしょうか?病院での治療費用も気になるところです。


そこで今回「MOFFME」では、

  • 猫の乳腺炎ってどんな病気?
  • 治療法や治療費、予防法は?
  • 乳腺炎になりやすい猫種や年齢は?
  • ペット保険に加入しておいた方がいい?
以上について解説していきます。

この記事を読むことで、猫の乳腺炎について理解を深めることができます。予防法も記載しているので、乳腺炎にならない飼い方ができるよう心がけることができるでしょう。

最後まで読んでみてください。

猫の乳腺炎はどんな病気?原因や症状について解説!

猫の乳腺炎とは、何が原因で起こり、どんな症状が現れるのかご存知ですか?オス猫より、メス猫のほうがなりやすいといわれていますが、猫を飼っているのであれば性別関係なく知っておきたいところです。


ここでは、

  • 猫の乳腺炎とは
  • 乳腺炎になる原因は細菌感染や母乳?
  • 乳腺炎の症状にはどんなものがあるの?
以上について詳しく解説していきます。

猫の乳腺炎の治療や予防法を知る前に、まず原因や症状を把握しておきましょう。

そもそも猫の乳腺炎はどんな病気?自然治癒するのか

猫の乳腺炎とはどんな病気なのでしょうか。人間でも出産後、授乳時に乳腺炎になってしまうことがあります。


猫には乳汁を分泌するために備わっている乳腺と呼ばれるものが全部で8個あり、その乳腺に炎症が起こったものを乳腺炎といいます


乳腺炎は主に細菌感染や、乳汁が過剰に分泌されたときに乳汁がうっ滞することで起こります。自然治癒するケースは少なく、何らかの手助けをしてあげることで回復します。


主にメス猫がかなりやすい病気ですが、オス猫もまれにかかってしまうことがあるので注意しておきましょう。

猫の乳腺炎の原因は?細菌感染や母乳が多いことが原因!

猫の乳腺炎の原因にはさまざまな要因が考えられます。主な原因としては、以下の通りです。

  • 細菌感染
  • 乳汁のうっ滞
そして上記の原因が起こりやすい状態が、
  • 授乳中
  • 偽妊娠
です。

特に起こりやすいのが、授乳中です。授乳中に母乳が過度に生産されてしまい、乳腺内に母乳が残ってしまうことで乳腺炎になりやすくなります。

これは猫が母乳を大量に作ってしまう体質であればリスクが高まります。さらに、親猫と子猫を引き離した際にも同様に起こってしまう可能性が高まります。

さらに、授乳中に子猫が親猫の乳首を傷つけてしまった際、傷口から細菌が入ってしまうことで細菌感染してしまう可能性が高まります。授乳中は、通常時より細菌感染しやすいので、要注意です。

偽妊娠は、わかりやすく言葉を変えると想像妊娠です。猫の避妊手術を行っていない場合に起こりやすいです。

結果、妊娠していないのに妊娠していると勘違いしてしまうこともあります。偽妊娠はホルモンの影響で起こり、妊娠していると勘違いすることで母乳が生産されてしまい、乳腺炎になることもあるようです。

猫の乳腺炎の症状は?しこりや破裂の症状が出ることもある!

猫が乳腺炎になった際の主な症状は以下の通りです。

  • 乳房の腫れやしこり
  • 黄色い母乳の分泌
  • 授乳をしたがらない
  • 発熱や痛み

乳腺が詰まってしまうと、乳房が腫れてしまったり熱を持ってしまうこともあります。硬くなっているので、触るとすぐに症状を把握できるでしょう。ただ初期の段階等は柔らかいこともあるので注意が必要です。


また痛みを伴う場合は触られるのを嫌がったり、授乳したがらなかったりという症状も現れます。


乳腺が化膿してしまうと、乳房から黄色の分泌液を出すこともあります。症状が重くなると、発熱や食欲低下、元気がなくなるなどの症状が現れ始めます。

猫の乳腺炎の治療法や治療費、予防法を解説!

猫の乳腺炎がどんな病気なのか理解していただけたでしょうか?


猫が乳腺炎になってしまった場合、どのような対処をすればいいのか気になりますよね。もちろん、治療にかかる費用や予防法も気になるところです。


ここでは、

  • 乳腺炎の治療方法は?
  • 治療費や手術費用を実例で紹介
  • 乳腺炎の予防方法とは
以上のことを解説していきます。

特に、母乳が出るようになったメス猫を飼っている方は予防方法を取り入れることを検討してくださいね。

乳腺炎の治療法は?マッサージや手術等の治療法を解説!

乳腺炎になってしまった場合の治療方法は、以下のようなものがあります。

  • 細菌感染を起こしている場合⇒抗生物質、起こしていない場合⇒消炎剤の投与
  • 炎症を起こしている乳房を冷やす
  • 授乳中の場合はミルクなどに切り替えて授乳を控える
  • 患部を切開して排膿
  • 洗浄
  • 壊死をおこしている場合は手術
細菌感染が原因でない乳腺炎のことを、うっ滞性乳腺炎といいます。

うっ滞性乳腺炎になっている原因としては、母乳の分泌による詰まりです。冷やしてあげて血液の流入量を減らしていくことで改善されます。

細菌感染を伴っている場合の乳腺炎のことを、化膿性の乳腺炎といいます。この場合は、一番効果が期待できる抗炎症剤を猫に与えて治療します。

手術は猫にとって非常に負担が大きいため、できる限り投薬治療で完治したいところです。

乳腺炎の治療費は?手術費用等を実例で紹介!

乳腺炎の治療のための費用はどれくらい必要なのでしょうか。基本的に乳腺炎の場合、しこりの摘出手術となります。

ここでは、乳腺炎とは別の病気ですが、乳腺腫瘍と呼ばれる乳腺に腫瘍ができてしまう病気について保険会社の保険金請求データをもとにして事例を紹介します。

手術1回、入院2日の場合、診察費用から入院費用、手術費用まで合わせて86,800円程度必要です。

色々な動物病院の費用を調べましたが、大体乳腺腫瘍の治療には、148,000〜198,000円程度必要になることが多いです。

乳腺炎の予防方法は?避妊手術が有効な予防!

乳腺炎の予防法について、授乳中と偽妊娠の場合の2通りに分けて解説します。


まず授乳中の場合ですが、飼育環境を清潔に保って、子猫が離乳食を食べるようになったら確実に離乳させることが大切です。成長した子猫がおっぱいを飲もうとすると、爪や歯で乳頭を傷つけてしまう危険性があります。


また偽妊娠の場合ですが、発情のたびに偽妊娠を繰り返す可能性があるので、避妊手術をすることがおすすめです。将来的に出産させる予定がないなら早めに避妊手術をしましょう。日本では生後6カ月齢以降に行う病院が多いです。

乳腺炎にかかりやすい猫種や年齢、状況はある?

特に乳腺炎にかかりやすい猫種というのはありませんが、年齢は大体妊娠できるようになった年齢といってもいいでしょう。もちろん、子猫でも絶対かからないとは言い切れません。

では、乳腺炎にかかりやすい状況にある猫とは、どんな猫なのでしょうか。以下に当てはまる場合は注意が必要です。
  • 授乳中のメス猫
  • 避妊手術をしていないメス猫
  • 出産した際に、子猫の数が少ない場合
  • 授乳中に子猫と隔離された場合
このような状況にあるメス猫は、要注意です。

授乳中や発情後は乳腺炎のリスクが高まるので、いつもと様子が違う場合は念のため動物病院へ行くことをおすすめします。

もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!


乳腺炎になってしまった場合、治療にかかる費用は意外と高額です。通院しなくてはいけなかったり、入院して手術をしたりしなくてはいけないケースもあります。


最近では、猫に特化した猫保険などもあり、月額費用を500円以下に抑えた商品も販売されています。家計の負担にならない程度に保険に加入しておけば、万が一の時でも安心です。


MOFFMEでは、ペット保険に関する記事を多く掲載しています。どんなペット保険がいいのか、しっかり補償してくれるのか心配ですよね。


記事内には、保険料や補償内容までしっかり解説しているので、きっと参考になるかと思います。ぜひ一度、参考にしてみてくださいね。

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まとめ:猫の乳腺炎の対処法は?繰り返す病気なのか

猫の乳腺炎の原因や治療について解説してきましたが、いかがでしたか?乳腺炎は、条件があってしまうと何度でも繰り返してしまいます。


乳腺炎になったあと、しっかり治して避妊手術をしておくと安心です。


この記事のポイントは、

  • 乳腺炎はメス猫がかかりやすい
  • 原因は、母乳が大量に分泌されることや細菌感染にある
  • 想像妊娠により乳腺炎を繰り返すこともある
  • 乳腺炎の予防方法は、避妊手術がおすすめ
  • 猫を飼う前に、ペット保険に加入しておくと安心
でした。

猫が乳腺炎になってしまうと、かわいそうで見ていられません。あの時、避妊手術をしておけばよかった、と悩んでしまう飼い主も多いです。

そうならないためにも、今後出産させないのであれば避妊手術を行っておきましょう。出産させる予定があるのであれば、しっかりメス猫の様子を見て、いつもと違うと感じたらすぐ病院へ連れて行ってあげてくださいね。

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