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猫のチェリーアイ(第三眼瞼腺脱出)をご存知ですか?悪化すると角膜炎や結膜炎に繋がってしまい、また再発することも多い危険な病気です。この記事では猫のチェリーアイについて、原因や症状、手術等の治療法、予防法について詳しく解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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猫のチェリーアイとは?再発しやすい病気なのか

   

記事モデル:ベル

(※記事モデルの猫ちゃんは「チェリーアイ」ではございません。)


猫や犬がかかる「チェリーアイ」という病気をご存知でしょうか。


チェリーアイは目の病気で、サクランボの様な球体が猫の目がしらに見られる病気です。


両目に発生する場合や、片目だけに発生する場合など様々です。


そこで今回「MOFFME」では、

  • 猫のチェリーアイという病気について
  • 猫のチェリーアイの治療法・予防法
  • チェリーアイにかかりやすい猫の品種
以上について詳しく説明していきます。

この記事を読んでいただいたら、飼い猫がもしチェリーアイになってしまった場合の対処法の参考になると思います。

是非、最後までご覧ください。

猫のチェリーアイはどんな病気?症状や原因を解説!


チェリーアイは、チェリー(さくらんぼ)のような球体が目がしらに見られる病気です。


この赤く丸いサクランボの様な球体の正体はなんなのでしょうか。


こちらでは

  • チェリーアイとはどういう病気なのか
  • チェリーアイの症状
  • チェリーアイの原因
についてまとめます。

そもそも猫のチェリーアイ(第三眼瞼腺脱出)はどんな病気?

チェリーアイとは、第三眼瞼腺(だいさんがんけんせん)がなんらかの原因で炎症を起こし外に盛り上がった状態の病気です。


名式名称は「第三眼瞼腺脱出」と言います。


炎症で赤く腫れあがり脱出した第三眼瞼線が、サクランボのように見えることからこの名前がついています。


第三眼瞼(瞬膜)とは

人や霊長類は基本上下の2枚のまぶたしかありませんが、上下2枚の瞼のほかに第三眼瞼(瞬膜)と呼ばれる第三の瞼を持っている動物がいます。


<第三眼瞼を有する動物>

猫や犬などの哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、一部の魚類


第三眼瞼の主な役割は眼球の保護です。


眼球の異物を払い、「第三眼瞼腺(瞬膜腺)」から涙がでることにより眼球に潤いをもたらしています。


普段、第三眼瞼は外からはほとんど観察することができません。


健康な状態では内側に収納されている第三眼瞼腺が、目の異常により外に飛び出してしまう状態のことを言います。

猫のチェリーアイの症状は?瞬膜が飛び出してしまう!

主な症状は

  • 第三眼瞼腺の突出(片方もしくは両方)
  • 目をしきりに触る
  • 目の充血
  • 目ヤニが多くなる
  • まばたきをたくさんする
などです。

合併症として、角膜潰瘍結膜炎を併発していることもあります。

突出した第三眼瞼腺の違和感で、猫が床に顔をこすりつけたり足で触ったりしてしまうと炎症がさらに悪化します。

さらに第三眼瞼腺は涙を作り眼球に潤いを与えているので突出したままだと眼球が乾いてしまい、乾性角結膜炎(ドライアイ)なってしまいます。

このように第三眼瞼腺が飛び出してしまうことによって、様々な目の症状が発生します。

猫のチェリーアイの原因は?自然治癒でも治るのか

原因は大きく分けて2つです。


先天性のもの、すなわち生まれつきの原因と怪我などの後天的原因によるものです。


先天性な原因

生まれつき第三眼瞼を固定している組織が弱い、または欠損している。


後天的な原因

例えば、何か枝などで目の近くをひっかいてしまい雑菌が入り起こった炎症。


他に考えられる原因は、目の周囲に腫瘍ができ第三眼瞼腺を圧排して飛び出す場合も考えられます。


治療法としては、飛び出してしまった第三眼瞼腺を戻す処置をとることが一般的です。


症状が軽い場合は、抗生物質や炎症を抑えるための目薬をして自然治癒を待ちます。


再発することが多い病気なので、再発が多いときは獣医師に相談しましょう。

猫のチェリーアイの治療法や治療費、予防法を紹介!

   

飼い猫がチェリーアイになってしまった場合はどうすればいいのでしょうか。


まずは、動物病院を受診しましょう。


決して自分で突出した第三眼瞼腺をもとに戻そうとしないでください。


目の周りは非常にデリケートな組織です。


不潔な状態で、目の周りを触ってしまうと炎症が悪化する可能性があります。


ここでは

  • チェリーアイの治療法
  • チェリーアイの治療費
  • チェリーアイにならないための予防法
以上について説明していきます。

猫のチェリーアイの目薬等の治療法は?瞬膜の戻し方も紹介!

症状が軽い場合は、獣医師が綿棒などを使って突出した第三眼瞼腺をもとの位置に戻す処置が行われます。


また、抗生物質や炎症を抑える目薬を使用します。


目薬を使用したあとはエリザベスカラーを首につけて、猫が目の周囲を触らないように気を付けましょう。


症状がひどい場合や何度も繰り返す場合は手術適応になります。


手術の第三眼瞼腺の戻し方は

  • 第三眼瞼腺切除・・・第三眼瞼腺そのものを切り取る
  • ポケット法・・・飛び出した第三眼瞼腺を反転させて第三眼瞼に埋め込み縫合する
  • アンカー法・・・飛び出した第三眼瞼腺を、糸で固定する
以上の方法が主流です。

今では第三眼瞼腺切除は、涙が足りなくなりドライアイになってしまうのであまり行われていません。

手術による治療は症状や炎症の程度で、ポケット法アンカー法が選択されます。

猫のチェリーアイの治療費は?手術費用等を紹介!

手術費用は

  • 検査費用・・・10000円
  • 手術・・・15000~20000円
  • 麻酔・・・5000~10000円
  • 薬代・・・3000~5000円
以上が費用の目安となります。

検査費用に含まれているのは、手術前の眼圧や涙の量を調べる検査の料金です。

薬代に含まれているのは、手術後の抗菌剤入りの目薬の代金などが含まれています。

麻酔を使った手術になると、動物病院に一泊することもあるみたいですので別途入院費用も必要です。

全部で30000円~50000円が手術費用の平均となっています。

あくまで平均ですので症状や検査内容、手術内容によっては値段は前後します。

猫のチェリーアイの予防法は?日頃の観察が何より大切!

予防法としては、日頃より猫の目の周りの観察が重要です。


観察のポイントとしては

  • 第三眼瞼が目立っていないか
  • 目が充血していないか
  • 目が腫れていないか
  • 目ヤニや涙がいつもより多くないか
  • 第三眼瞼の左右のバランス
以上です。

チェリーアイは直接的に命に係わる病気ではありませんが、結膜炎や角膜潰瘍を併発しやすく治療が長引くことが多い病気です。

また重症化すると失明する危険性も十分ありますので、気になることがありましたら動物病院へ早めの受診をお勧めします。

チェリーアイにかかりやすい猫種や年齢はある?

 

猫の品種によって、チェリーアイにかかりやすい品種とそうでない品種があります。


バーミーズペルシャの品種は他に比べてチェリーアイになりやすいといわれています。


理由は、生まれつき第三眼瞼腺と骨の付着がほかの品種に比べて弱いためです。


また猫の年齢によっても、かかりやすい年齢があります。


生まれたての子猫は、比較的チェリーアイにかかる確率が高いです。


理由は第三眼瞼腺を固定する組織が生まれつきの異常(遺伝的原因)で結合力が弱い場合、第三眼瞼腺が外に出やすくなってしまうためです。


チェリーアイになりやすい品種や年齢の猫を飼っている場合は、特に注意して観察しましょう。

もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!

チェリーアイの手術・治療費用は平均30000~50000円ほど必要です。


また、再発しやすい病気であるため複数回手術が必要になる可能性があります。


目の病気を併発した場合は完治に時間もかかり、長期にわたって動物病院への通院になるでしょう。


動物病院での治療費は自費診療の為、治療が長引くとそのぶん治療費もかかります。


そこで、猫の病気に備えてペット保険の加入も考えましょう。


ペット保険は、通院から入院・手術費用を月々1000円代の保険料で補償してくれる保険もあります。


ペット保険に加入しておけば長引く治療や繰り返す手術にも対応でき安心です。


MOFFMEには、ペット保険に関する記事も多くありますのでペット保険の加入の参考にしてみてください。

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まとめ:猫のチェリーアイとは?

今回この記事では猫のチェリーアイについてまとめてきました。


この記事のポイントは

  • 第三眼瞼腺が突出することによりチェリーアイになる
  • 原因は生まれつきであったり、怪我や病気によって突出してしまう
  • 治療法は軽症の場合は目薬、繰り返す場合は手術による治療が主流
  • バーミーズやペルシャの品種や子猫は発症しやすいので、日頃から目の周囲に異常がないか確認してあげることが大切
以上です。

チェリーアイは、どの猫にも起こる可能性がある病気です

目の周囲に異常を見つけたら、自分で触ったりせずに動物病院を受診しましょう。

MOFFMEではほかにも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので是非ご覧ください。