犬にポカリスエットを飲ませても大丈夫?熱中症などの応急処置に有効のサムネイル画像

犬にポカリスエットやアクエリアスを飲ませても大丈夫です。しかし犬にとっては味付けが濃すぎるため、3~4倍に薄めて与えるのがおすすめです。熱中症や脱水症状などの応急処置として与えるのが良いでしょう。この記事では、犬にポカリスエットなどを与えても大丈夫なのかを解説します。

記事監修者「高田 菜月」

この記事の監修者高田 菜月
一般社団法人愛玩動物健康管理協会(CAHA)

2年間の愛犬(虹組)の介護中に老犬の飼育放棄の多さに驚愕。すべての犬猫が幸せで穏やかな時間を最期まですごしてもらうためにできることは何かを考え、飼い主さんのサポートや老犬・老猫のトータルケアができるサロンを開業するべく準備中。17歳のミニチュアダックスと16歳のチワックスと暮らす。【保有資格:JKC愛犬飼育管理士・ペットフーディスト・ペット看護士・ペットセラピスト・トリマー・ペットスタイリスト・動物介護】

この記事の目次

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犬にポカリスエットやアクエリアスを飲ませても大丈夫なのか解説

記事モデル:ココ


私達は夏場の暑い季節や、運動時の水分補給としてポカリスエットアクエリアスなどのスポーツドリンクをよく飲みます。


水分と、汗をかいて体から失われた塩分ビタミン補給としても重宝されます。


暑いと感じるのは人間だけではなく、例えば夏場の暑い時期にポカリスエットを犬に与えてもよいものでしょうか。


そこで今回「MOFFME」では

  • 犬にポカリスエットを与えてもよいのか
  • ポカリスエットを犬に与える時に気をつけなければならないこと
  • ポカリスエットを犬に与える時の効果的なタイミング
以上のことを中心に説明していきます。

この記事を読んでいただいたらスポーツドリンクを犬に与えても大丈夫なのか、また与える際に気をつけなければいけないことがよくわかると思います。

またMOFFMEでは、「ペット保険のランキング」についても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。

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犬にポカリを飲ませても大丈夫だが常用はNG

   

結論から言いますと、犬にポカリスエットを与えても大丈夫です。


しかし、人間が飲んでいる濃度のポカリスエットをそのまま与えるのはやめましょう。

そのまま与えますと犬にとって、含まれている成分の濃度が濃いためです。


その他にも与えても良いタイミングや気をつける事がいくつかあります。


以下に、ポカリスエットを犬に与えるときに注意しなければならない事を説明します。

ポカリスエットやアクエリアスは人間用

私達人間は体温調節として汗をかき、その汗が蒸発する気化熱によって体温を調節します。


ポカリスエットなどのスポーツ飲料は、汗によって失われた水分と塩分などのミネラルを補給するために作られています。


そのため市販のスポーツドリンクは、人間用に成分が調整されています。


その成分は点滴とほぼ同じですが、人間が飲みやすいように糖分や塩分が多く使用されているため、常用することは肥満や体調不良の原因となってしまうので注意が必要です。

熱中症や脱水症状の応急処置に

基本的に、犬の水分補給の方法としては水を与えることにしましょう。


スポーツドリンクは人間用に作られていますので、薄めて与えても大丈夫ですが人工甘味料や添加物はそのまま含まれています。


夏の暑い時期におこりやすい熱中症や脱水症状の応急処置として、ポカリスエットを与えることは有効です。


熱中症になるとうまく体温調節が出来ず

  • 呼吸が荒く、よだれが多い
  • ぼーっとしていたり、ふらふらして落ち着きのない様子
  • ぐったりしていて元気がない
  • 自分から食べ物や飲み物を飲みにいかない
などの症状がでます。

重篤な熱中症の症状になると
  • 嘔吐や下痢(血が混じることもある)
  • 吐血、血尿
  • 痙攣
  • 歯茎が白くなる(チアノーゼ)
  • 呼びかけに反応しない、失神
などの恐ろしい症状がでます。

以上の症状が出た場合に応急処置として与える場合にとどめ、いつも与えないようにしましょう。

また、熱中症になったら応急処置後に回復していても、必ず早急に動物病院を受診してください。

腎臓病(慢性腎不全)の犬には与えてはダメ!

慢性腎不全を患ってる犬にスポーツドリンクを与えるのは厳禁です。


慢性腎不全とは

腎臓の働きである

  • 尿を作る
  • 赤血球を作る
  • 血圧を調整するホルモンをつくる
  • ビタミンDを活性し、カルシウムの吸収をたすける
以上が主な働きです。

その腎臓に障害が起こると、血液の中の老廃物のろ過や身体に必要な水分をもう一度再吸収する働きが失われる病気のことを指します。

慢性腎不全の症状として「水をよく飲むようになる」ということがあげられます。

喉が渇いているなら、脱水症状かもしれないとスポーツドリンクをあたえてしまってはいけません。

理由は、スポーツドリンクには塩分や糖分が含まれており、ただでさえ働きが弱っている腎臓にさらに負荷をかけ、悪化させたり脱水症状を引き起こすことに繋がるからです。

慢性腎不全は、初期症状で気づきにくい病気なので犬の様子が気になったら一度動物病院を受診することをおすすめします。

参考:犬用ポカリ「ペットスエット」

犬・猫用に成分を調整された「ペットスエット」という商品がポカリスエットの大塚グループから販売されていることをご存じでしょうか。


この犬用のスポーツドリンクであれば、人間用のスポーツドリンクを与えるより犬用に成分を調整されているためより効果的です。


ここでひとつ覚えておいてほしい事があります。


ペットスエットには人工甘味料としてアセスルファムKが含まれています。


アセスルファムK自体はキシリトールなどの他の人工甘味料とは違って犬のからだに直接悪影響を及ぼす成分ではありません。


気をつけなければならないことは、犬の食性が変化するのであまり頻繁にペットスエットあたえないように気をつけましょう。


食性とは、食べ物の種類や食べ方についての習性のことを指します。


犬は基本、雑食性ですが一番接種しなければいけない栄養素はたんぱく質です。


そして、俗に犬は甘いものが好きと言われています。


人工甘味料が含まれている甘いペットスエットをいつもあたえていると、本来犬のからだに必要な栄養素が含まれている食べ物を食べなくなる可能性があります。


犬用のスポーツドリンクもあたえ方に注意が必要です。

犬にポカリスエットを与えるべきタイミング

  

犬にポカリスエットを与えても大丈夫なのですが、水がわりに頻繁に与えるのは避けた方がよいです。


ポカリスエットに含まれている塩分、ミネラル、糖分、水分が効果的に犬のからだに働くタイミングがあります。


以下に、犬にポカリスエットを与えるべきタイミングを紹介します。

①熱中症の症状(下痢や嘔吐)が出ている場合

熱中症の症状が出ている場合、応急処置として与えましょう。


例えば夏の炎天下に長時間散歩にでかけて、熱中症になってしまった場合

  • 下痢
  • 嘔吐
以上の症状が出ているときに与えると効果的です。

下痢や嘔吐をすると、体の中の電解質(ナトリウム、カリウムなど)が体外に流れ出てしまいます。

ポカリスエットにはこの体から失われた電解質と水分が含まれているため、熱中症の時にあたえるのは効果的だと言えます。

また熱中症になってしまった場合は無理せず、すぐに日陰や涼しい場所にうつりましょう。

濡れたタオルなどを、犬のわきの下など大きな血管が通っている場所にあてることで体温を下げる効果があります。

犬は人間のように汗をかく生き物ではありませんが、同じように暑い季節は特に熱中症に注意しなければなりません。

②脱水症状の場合(ただし腎不全の場合はNG)

病気などで脱水状態になった場合に、ポカリスエット与えると効果的です。


犬も人間と同じように体のほとんどは水分で構成されています。脱水状態の時は、ポカリスエットの方が水より体に効率よく吸収されます。


理由は、ポカリスエットに含まれている電解質(ナトリウム)です。


体液に近い成分の電解質が入っているポカリスエットなら、体にあまり負荷をかけずスムーズに体へ吸収されるということになります。


また水だけ大量に飲んだ場合、体液が薄まるのを防ぐため脱水状態がつづいているのにノドの渇きがおさまってしまったり、逆に尿の量が増えたりするので注意が必要です。


しかし、腎不全の犬の場合はスポーツドリンクが体に負荷をかけてしまう逆の結果になってしまうのでやめましょう。

③低血糖症の場合

低血糖症の症状がでている犬に、ポカリスエットを与えると症状が改善されることがあります。


低血糖症とは

なんらかの原因で体の中の糖分濃度が不足してしまう病気です。

症状としてはぐったりしたり、体を動かせなくなってしまいます。ひどい症状の場合は、けいれんなどの全身症状が出てしまいまい命の危険もある病気です。

特に子犬の場合は、成犬より低血糖状態になりやすいと言われています。

理由は成犬であれば肝臓に蓄えたグリコーゲンを分解して血糖値を維持できますが、子犬はそういったことがまだできないからです。

低血糖症の治療としては、糖分をとらせることが一般的です。低血糖症の症状がでているときに、糖分が含まれているポカリスエットは最適と言えるでしょう。

ただし、低血糖になってしまった場合は応急処置の方法も含め、獣医師の指示に従うことが何よりも大切なので、まずは動物病院に連絡をして指示を仰ぐようにしてください。

また、症状がでたときは動物病院に受診することを忘れないでください。

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犬へのポカリスエットの与え方と注意点

 

犬にポカリスエットを与える時は、冷蔵庫から出してそのまま与えることはやめましょう。


ポカリスエットは犬用に成分が調整されていないので、実際にあたえる場合に注意しなければならないことがいくつかあります。


以下に、4つほど犬にあたえるときのポイントを紹介します。

3~4倍に薄める

ポカリスエットをあたえる場合は、3~4倍に水で薄めて与えましょう。


犬にポカリスエットをそのままですと成分の濃度が濃いめです。


犬は人間のように汗をたくさんかく動物ではないので、ポカリスエットをそのまま与えると塩分などの成分が過多になってしまいます。


一度にたくさん与えるのではなく、少しずつ適量与えることをすすめます。

常温に戻す

ポカリスエットは冷たいままではなく、常温にもどして与えましょう。


犬に冷たいまま与えてしまうと、冷たさでお腹をこわしてしまう可能性があります。


水分補給のためにポカリスエットを与えているのに、下痢をさせてしまっては効果が台無しです。


応急処置として、冷たいポカリスエットを急いで与えないといけない場合は常温の水でうすめることで温度も常温に近くなり成分の濃度も薄めることができます。

常用しない

水分補給のかわりとして、毎日ポカリスエットを与えることはやめましょう。


犬用のポカリスエットであっても、添加物が含まれているためです。


また、犬は甘いものが好きな動物です。


毎日甘い、ポカリスエットを飲んでいると通常の水分補給として水を飲まなくなる可能性があります。


水を飲める体調なのに、ポカリスエットを与えると糖分のとりすぎになります。


糖分のとりすぎは肥満につながるので、水がわりに与えることは控えましょう。

成分を確認してから与える

人間用のスポーツドリンクをあたえる時は、成分をよく確認しましょう。


一般的に犬に与えてはいけないものは

  • ネギ類
  • チョコレート
  • ブドウ
  • アボカド
  • キシリトール
  • 香辛料
  • アルコール
といわれています。

スポーツドリンクに含まれる可能性があるのは、ブドウキシリトールが考えられます。

ブドウは、皮に強い毒性があり腎不全になることがあります。

キシリトールは、低血糖になり肝障害の原因になることがあります。

人間用に調整されているスポーツドリンクなので、成分がよくわからないときは犬に与えるのはやめましょう。

参考:ポカリ以外の夏バテ対策

犬は体温調節がうまい動物ではなく、高温多湿の日本の夏は犬にとっては厳しい季節でしょう。


以下に、犬の為にできる夏バテ対策を紹介します。


水分が多い食べ物をあたえる

犬に与えてもいい水分の多い食べ物は、トマト、きゅうり、レタス、スイカ、梨などです。

犬は甘い食べ物がすきなのでフルーツを与えてみてもよいでしょう(ブドウはNG

おやつの代わりに氷をあたえる

冷たいものが好きな犬なら、氷を少量与えてみてもよいでしょう。

あまり多く与えると、お腹を壊してしまうので注意して与えましょう。

涼しい環境を整える

犬の体温は人間より少し高く38~39度ほどです。

犬種にもよりますが、犬は暑いのが得意ではありません。エアコンなどをうまく利用して、犬が過ごしやすい環境を整えましょう。

最近は、冷感素材のペットシーツなども売られているのでうまく活用しましょう。

犬によって個体差がありますので、犬が気持ちよさそうにしている物を活用して夏バテ対策をしましょう。

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犬用スポーツドリンクの作り方を紹介

犬用のスポーツドリンクは手作りすることもできますので、作り方を紹介します。


(材料)

  • 一度沸騰させた水・・・1リットル
  • 蜂蜜・・・大さじ1杯
  • 天然塩・・・小さじ1杯
以上を、よく混ぜて完成です。

作ったものは冷蔵庫で保存すれば3日ほど持ちます。与えるときは常温にもどしてからにしましょう。

また夏場は飲み水などもいたみやすくなる季節です。

一度お皿に注いだものは、そのまま放置せずに飲まなくなったらそのつど処分してまた与える時は新しいものを注いであげましょう。

このスポーツドリンクも毎日与えるものではなく、何か症状があるときや水をなかなか飲まない時などに与えてみましょう。

犬にポカリスエットやアクエリアスを飲ませても大丈夫?のまとめ

 

今回この記事では、犬にポカリスエットやアクエリアスを与えても大丈夫なのかについてまとめました。


この記事のポイントは

  • 犬にポカリスエットやアクエリアスを与えても大丈夫(成分をしっかり確認する)
  • 犬に人間用のものを与える時は3~4倍に常温の水で薄めて与える
  • 毎日ではなく、脱水状態など症状があるときに応急処置として与えることが望ましい
以上です。

今回は人間が飲む用のポカリスエットを与える場合の注意点についてまとめてきましたが、犬が脱水症状になった場合に備えて犬用のペットスエットを常備しておくことも考えておきましょう。

熱中症以外の病気で、水や食べ物を食べなくなった場合にも役に立つと思います。

人間用のものは、あくまで応急処置として与えることにしましょう。

MOFFMEでは、他にも読んでおきたいペット保険に関する記事が多数掲載されていますので是非ご覧ください。