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しっとり甘いラフランスなどの洋梨は、犬でも食べられる果物です。洋梨の栄養には消化を助ける効果もありますが、食べ過ぎは下痢の原因になりますので、注意してください。この記事では、犬に洋梨をあげても大丈夫であることを説明すると共に、与えるメリットや注意点、美味しい食べ方も紹介します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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犬が洋梨(ラフランス)を食べても大丈夫なのか解説

 

記事モデル:モカ


皆さんは犬が洋梨(ラフランス)を食べても大丈夫だと思いますか?


犬は基本的に雑食ですが、食べ物によっては、与えるとお腹を壊してしまったり、アレルギーを起こしてしまう場合もあります。


しっとり甘いラフランスなどの洋梨は、犬でも食べられる果物です。


この記事では、犬に洋梨をあげても大丈夫であることを説明すると共に、与えるメリットや注意点、美味しい食べ方も紹介します。


そこで今回の記事では

  • 洋梨が犬へ与える影響
  • ラフランス以外の洋梨ついて
  • 洋梨の健康効果と栄養について。
  • 犬に洋梨を与える際の注意点
  • 犬用の洋梨を使ったレシピ
以上の点を中心にまとめてます。

この記事を読むことで安全に犬に洋梨を与えることができます。どうぞ最後までご覧ください。

犬も洋梨(ラフランス)を食べられる!

洋梨というと、日本で手に入りやすく馴染みがあるのはラフランスですね。


犬は雑食なので洋梨(ラフランス)を食べることができます。香りもよく、ねっとりと甘く柔らかいのでついつい愛犬にも一緒に食べさせてくなってしまう気持ちも分かります。


洋梨の栄養には消化を助けるなど犬の健康にとって良い効果もありますが、カロリーが高く食べ過ぎは肥満や下痢の原因になりますので、注意が必要な食べ物でもあります。


とはいえ、完熟のラフランスであれば量を守って一緒に楽しんで食べることが可能です。

洋梨は水分豊富で消化を助ける果物

洋梨は果実の90%近くが水分です。犬のなかには水分補給が苦手な子もいるので洋梨を食べることで水分補給ができるのはメリットですね。


梨は水分豊富で消化を助けるタンパク質分解酵素が豊富に含まれている果物です。ドッグフードと一緒に食べることで食事の消化を助けてくれます。


また、便通をよくする食物繊維やソルビトール、カリウムが豊富に含まれています。犬は結石になりやすい子も多いので利尿作用のあるカリウムを取ることで、しっかりおしっこが出るのは健康にとって喜ばしいことです。


洋梨を愛犬に食べさせるメリットの詳細はこのあとの見出しで分かりやすく説明させていただきます。

食べ過ぎ・与え過ぎには注意が必要

洋梨は甘い果実なのです。果実の中で特別カロリーが高いわけではありませんが、それでも普段ドッグフードを食べている犬にとっては過剰なカロリーになりかねません。

また、水分補給に最適な洋梨の水分ですが、とりすぎると下痢の原因になる可能性もあります。特に腎臓に心配のある子はカリウムを過剰に摂取することはお勧めできません。

犬にラフランスをあげる適切な量としては食事の10%程度です。


梨の量
小型犬(3~5kg程度)50g~100g
中型(6~15kg程度)150g~250g
大型(20~30kg程度)400g前後
あくまでも健康な時の目安の量です。

初めて食べるときや、愛犬の体調に合わせて調節することが大切です。

缶詰やゼリーなどの加工品は避けたほうが良い

缶詰やゼリー、ドライフルーツなどの加工品には、犬にとって過剰な糖分や有害な添加物が含まれている場合があるため、避けたほうが無難です。


洋梨100%のジュースと言っても砂糖を使って加糖している商品がほとんどです。加工品の中には酸味料や香料、酸化防止剤など、犬には不要、もしくは有害な添加物が使われている場合があります。


おいしい食べ物を見ると、愛犬にも一緒に食べさせてあげたいと思う気持ちは分かりますが、洋梨やラフランスを与えるときには完熟したものを生のまま与えることが一番です。


もっと欲しい、僕も食べたいと寄ってくるかもしれませんが、そこは毅然とした態度で「これでおしまいだよ」ときっぱり断りましょう。

参考:ラフランス以外の洋梨は大丈夫?

ラフランスは洋梨のなかの1つの品種です。この記事ではラフランスを中心に説明してきましたが、それ以外の洋梨は犬にとってどうなのでしょうか。


例えば幻の洋梨とも呼ばれる高級品種「ルレクチェ」や山形で作られている洋梨「メロウリッチ」など、ラフランス以外の洋梨も犬は食べることができます。


和梨も「二十一世紀梨」や「幸水」などたくさんの種類がありますが、どれもそれほど変わりがなく、和梨洋梨と同じようなことに注意してもらえれば全く問題はありませんので安心してくださいね。

洋梨の栄養や犬に与えるメリットを紹介

 

洋梨の栄養や犬に与えるメリットについて詳しく解説してまいります。

愛犬の健康を守ることができるのは飼い主だけです。洋梨の正しい与え方やメリットについて正しく知っておきましょう。


洋梨に豊富に含まれる食物繊維とソルビトールには便秘予防・解消の効果があります。また、カリウムは余分な塩分を排出してくれます。


犬に洋梨を与える際のメリットとして

  1. 食物繊維+ソルビトール:便秘予防・解消
  2. カリウム:余分な塩分を排出
  3. アスパラギン酸:消化を助け疲労を回復
  4. 和梨と洋梨の違い(栄養やカロリー、糖度)

について解説していきます。

食物繊維+ソルビトール:便秘予防・解消

ラフランスに含まれる不溶性食物繊維ソルビトールは便秘の予防や解消に役立つ成分です。


水溶性食物繊維は腸内をきれいに保つために必要な善玉菌が生きるための養分になってくれます。腸内をきれいに掃除するために欠かせない成分で、腸内をデトックスしてくれる効果も期待できます。


しかし、そのメリットの反面、摂り過ぎには注意する必要があります。過剰に摂取するとお腹をゆるくする可能性があるのです。摂り過ぎに注意するため与える量は1日の食事量の10%程度にしておきましょう。愛犬の体重や食べるフードの量に合わせて調節する必要があります。


とくに、老犬や腎臓病の犬には気をつけるべきです。

カリウム:余分な塩分を排出

カリウムには利尿作用があり、尿と一緒に余分な塩分を排出してくれます。犬のなかには水をあまり摂らない、もしくは水を飲みのが苦手な子がいます。

野菜や肉には塩分が含まれていますので塩味をつけていなくてもえんぶんを摂取してしまうことになります。
尿があまり出ないと、結石になりやすいので、カリウムを取ることは大切です。


しかし、カリウムを取り過ぎるとデメリットとして高カリウム血症になる可能性があげられます。軽度の高カリウム血症は、ほとんど症状を引き起こしませんが、そのまま放っておくと不整脈や心臓への負担も大きくなり、命に係わる症状が出ます。


腎臓を患っている犬の中にはカリウムの摂取制限が課せられている子もいるので気をつけてあげてくださいね。

アスパラギン酸:消化を助け疲労を回復

梨の特徴的な成分の1つにアスパラギン酸という成分があります。洋梨100gあたり140mgも含まれているアスパラギン酸は消化を助け疲労を回復してくれます。


アミノ酸の1つであるアスパラギン酸は過剰摂取の心配もなく、犬のエネルギー代謝が良くなるので活発で運動量の多い子には進んで取ってほしい栄養素です。


梨にはアスパラギン酸と一緒にプロテアーゼも含まれており、は消化の手助けをする働きがあるため、体内で分解されにくい肉や野菜と一緒に食べることによって消化を助けてくれるというメリットがあります。

参考:和梨と洋梨の違い(栄養やカロリー、糖度)

日本の梨(和梨)も洋梨と同じように犬が食べることが果物です。

和梨のシャキシャキした触感が好きな犬も多いようですね。


では、和梨と洋梨では栄養素やカロリー、糖度など、どう違うのでしょうか。


洋梨和梨
カロリー1個当たり138kcal1個当たり110kcal
糖度14~15度
12~12.5度
糖質12.5g/100g10.4g/100g
水溶性食物繊維多い少ない


洋梨同様、和梨も犬に与えて大丈夫な果物ですが、洋梨のほうが和梨に比べると糖度、カロリーともに少し高めになっています。

犬に洋梨を与える際の注意点

   
犬に与える際は、しっかり熟した洋梨を与えるようにしましょう。

収穫時期より前の未成熟の梨・洋梨には「アミグダリン」が含まれています。アミグダリンは犬が中毒を起こす可能性があります。この養分は消化され、体内で分解されるときに毒性のあるシアン化水素に変化します。

スーパーや市場で販売されているものであれば問題はありませんが、追熟が必要と注意書きのあるときはしっかりと完熟するのを待ちましょう。

皮や芯を与えない

洋梨の果実を食べることに問題はないのですが、皮や芯をとった状態で与えるようにしましょう。


皮には農薬や消毒など身体によくない成分がついている可能性もありますし、何よりも消化に良くありません。芯や種、種周辺も同様です。


食べている最中に口の中や胃腸を傷付けてしまう可能性もあります。


愛犬の健康のために、美味しいラフランスを与えようというのであれば消化に悪い皮や芯をわざわざ与えることはやめましょう。

量に注意して小さく切り分ける

洋梨をあげる際には量に注意して小さく切り分ける必要があります。


洋梨は健康に悪くないといっても食べ過ぎは注意をする必要があります。

また、1口の大きさが大きいと喉に詰めてしまう誤飲の心配も出てきます。食いしん坊な子は1口で噛まずに飲み込むこともよくあることですし、小型犬だと特に注意が必要です。


ブレンダーでスムージーのようなジュース状にしてもいいですね。


また、犬にラフランスをあげる適切な量としては食事の10%程度です。愛犬の体重やフードを食べる量、その日の体調によって調整する必要があります。初めて食べるときは体調のいい日にティースプーン1杯から始めると安心です。


あくまでもドッグフードをメインにして、洋梨はあくまでもおやつ・ご褒美として、あげるようにします。

食物アレルギーに注意する

雑食のため、何でも食べるイメージのある犬ですが、実は食べられない食品も多く、約40%の犬が食物アレルギーを持っている、もしくは症状が出ていないだけで食物アレルギーの可能性があるといわれています。


アレルギーによって引き起こされる可能性のある症状はその子それぞれですが、食べ物を食べた後に下記のような症状がある場合は動物病院にいってみてもらう方が賢明です。

  • 嘔吐。
  • 下痢。
  • 皮膚の炎症。
  • 目や目の周りの炎症。
  • 身体をかゆがるような行為。
  • 抜け毛
  • 顔や耳の内側、股の内側などが皮膚が薄いところが赤くなる。

参考:洋梨のおいしい食べ方を紹介

 
ラフランスを食べる機会があっても、あまり自分で切ること、ましてや調理することなんてあまりないのではないでしょうか。

せっかくなので実を無駄にしない切り方から勉強しましょう。

  1. 半分に切る。
  2. 種の部分を包丁で切り落とすか、スプーンでくり抜く。
  3. 4分割など食べやすい大きさに切る。
  4. 包丁か手で皮を剥く。

洋梨の切り方はこちらからで詳しく紹介しています。


切り口は空気に触れると参加します。人が食べるのであればレモン水や塩水につけておくことをお勧めしますが、犬にあげる場合は多少切り口が黒くなってもそのままのほうがおすすめです。


人が食べる洋梨のレシピであれば、ラフランスを生ハムで巻く前菜やラフランスをワインや砂糖と水で炊くコンポートがおすすめですが、塩分や糖分が多くなるので、犬用はほんの少し上げる程度にしましょう。


また、火を通すとラフランスの身体によい栄養素が減少してしまいます。カリウムやアスパラギン酸の摂取を目的とするならば生で食するのが一番効果的です。


ラフランスを使ったレシピはcookpadでたくさん紹介されていますのでぜひご覧ください。


愛犬へあげるときはスプーン1杯程度にしましょう。

犬は洋梨(ラ・フランス)を食べても大丈夫?のまとめ

   

犬は洋梨・ラフランスを食べることができるかどうか、そのメリットとデメリットや揚げる方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは

  • 洋梨は水分豊富で消化を助ける果物である
  • ラフランス以外の洋梨や和梨も食べることができる
  • 洋梨の健康効果と栄養について
  • 犬に洋梨を与える量や、その際の注意点
  • 洋梨の栄養素は熱に弱いので生食が一番おすすめ
でした。

ラフランスをはじめとする洋梨は美味しいだけではなく犬にとって必要な栄養素のある果物です。腎臓に疾患のあってカリウムに制限がなければ、食べ過ぎに気をつけながらおいしく食べることができます。

しかし他の食べものに比べると低いですが、洋梨でもアレルギーを持つ可能性があります。

もし、アレルギー反応が出た時には動物病院に診断に行くことをお勧めします。MOFFMEではペット保険に関する記事も多数掲載されていますのでぜひご覧ください。