犬にいちじくを与えてはダメ!中毒症状や食べた場合の対処法を紹介のサムネイル画像

犬にとっていちじくは毒性がある、危険な果物です!実だけではなく葉にも毒性があるため、いちじくを利用したドライフルーツやヨーグルト、お茶などの加工品にも十分注意をしてください。この記事では、犬がいちじくを食べた場合に現れる中毒症状や対処法などを解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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犬にとっていちじくは危険な果物であることを解説

いちじくは夏から秋にかけて旬をむかえる果物です。


世界中で古くから「不老長寿の果物」として親しまれています。


いちじくには豊富な食物繊維が含まれており腸内環境の正常化、そして消化促進の効果ががあります。


変わった効果としては、お酒を飲んだ後にいちじくを食べると二日酔いの予防にもなります。


人のからだにはとてもいい効果があるいちじくですが、いちじくは犬にとっては危険な食べ物なのです。


そこで今回この記事では

  • 犬にとってイチジクが危険な果物の理由
  • 犬がイチジクを食べてしまった場合の対処法
以上のことについて説明します。

この記事を読んでいただいたら、犬にいちじくをあたえる危険性ともし食べてしまった時の対処法が分かると思います。

是非、最後までご覧ください。

犬にとっていちじくは毒性がある果物

いちじくは人間が食べる分には、特に気をつけなければならない食べ物ではありません。


しかし、犬がいちじくを食べてしまうといちじくに含まれている成分で中毒アレルギー症状がおこります。


一体、いちじくを食べてしまうことで犬のからだにどういう反応がおきているのでしょうか。


犬にとって悪影響をおよぼすメカニズムを下記で説明していきます。

①フィシン:口内が荒れ大量のよだれを出す原因に

いちじくに含まれているフィシンが口の中の粘膜を荒らしてしまうことで、よだれが止まらなくなる可能性があります。


フィシンという成分はたんぱく質分解酵素です。人によっては、いちじくを食べた時に口の中が痒くなる人もいるでしょう。  


これがフィシンの成分がたんぱく質に反応した結果、起こる現象です。


いちじくを食後に食べると、食べ物の消化を助けてくれる効果がフィシンの成分です。


しかしフィシンの、たんぱく質を分解する効果が犬にとっては危険なのです。


したがって犬が食べてしまうと、口の中の粘膜がいちじくに含まれるフィシンによって荒れてしまい大量のよだれを出したり、口内炎の原因になってしまいます。


また症状がすすんで口の中や食道がひどく荒れてしまうと、食事や水をとることができなくなる可能性があり危険です。

②ソラレン:下痢や嘔吐など中毒症状を引き起こす

イチジクに含まれているソラレンを犬が摂取してしまうと中毒症状がおこってしまいます。


主な中毒症状としては

  • 下痢
  • 嘔吐
などの消化器系の症状としてあらわれます。

下痢や嘔吐がつづくと重篤な場合、脱水状態につながり危険です。

またソラレンは中毒症状のほかに紫外線を必要以上に吸収してしまうため、犬の皮膚がダメージを受けやすい状態になってしまいます。

含まれているソラレンという成分は、光に対して反応する成分です。 

人も犬もソラレンを摂取すると紫外線を吸収しやすくなり、結果として日焼け・シミなどの肌のトラブルがおきやすい状態になります。

ひどい症状の場合、肌がやけどしたように赤くヒリヒリと痛みを感じるやけどのような状態になることもあります。


 また、ソラレンはオレンジやグレープフルーツなどの柑橘系の皮にも含まれている成分なのでいちじく以外にも注意しましょう。

③アレルギー症状:ラテックスアレルギーの交差反応に注意

ラッテクスアレルギーというものは、天然ゴム製品に触れることで発症するアレルギーです。


ラテックスアレルギーの症状としては

  • 天然ゴムが触れた所にじんましんができる
  • 呼吸器の症状として咳や喘鳴(呼吸をするときひゅーひゅーと音が鳴る)
  • 重篤な場合アナフィラキシーショックをおこしてしまい、命の危険がある
などです。


ラテックスアレルギーと果物のいちじくは、まったく関係のないように感じます。


しかしラテックスアレルギーに反応する天然ゴムに含まれているたんぱく質と似た構造のたんぱく質が、いちじくに含まれています。 


 この天然ゴムに反応する免疫反応が間違っていちじくに対して免疫反応がでてしまうことがあります


このような反応を「交差反応」といいます。


もし天然ゴム製品にたいしてアレルギーがある犬がいちじくを食べてしまった場合、ラテックスアレルギーの症状を引き起こしてしまうということになります。

参考:交差反応とは?

よく似ている構造の抗原にも抗体が間違って反応してしまいアレルギー反応が出てしまう反応です。


まず、アレルギー反応が起こる仕組みを説明します。

  • 抗原・・・アレルギー反応の原因となる物質。体が異物を見つける時の標的になる。
  • 抗体・・・異物に対抗して作られる物質。
抗原を撃退するための体の反応を「免疫」といいます。

本来、体に無害のものにも異常に免疫反応をおこしてしまうことアレルギー反応といいます。

今回のいちじくとラテックスアレルギーの関係は、天然ゴムに含まれている抗原といちじくに含まれている抗原が似た構造ということになります。

したがって、いちじくを食べた時に天然ゴムの成分が体に入ってきたと間違えて認識してしまいアレルギー反応が出てしまうという結果になります。

参考:致死量は不明で個体差がある

いちじくに対する中毒反応は、犬よって個体差があります。


たくさん食べてしまっても症状が出ない犬もいれば、少量食べてしまっただけでも命の危険がある犬もいます。


犬が食べてしまって重篤症状になるいちじくの正確な量はよくわかっていません。


だからこそ、犬にとって危険な食べ物であるイチジクを少量であってもあたえないようにすることが大切です。


さらに、子犬の場合は注意が必要です。


子犬は成犬と違い体がまだ未熟で、食べ物を消化する機能も十分でない状態です。


成犬よりも子犬はいちじくを食べてしまった場合、リスクが高くなります。


したがって、犬にとって危険ないちじくをわざわざあたえる必要はないと思います。

犬がいちじくを食べてしまった場合の対処法


犬がいちじくを食べてしまった場合、なるべく早くかかりつけの動物病院を受診しましょう。


食べた量が、少量の場合すぐに中毒症状やアレルギー症状がでないことがあります。


一目しただけでは、いつもと同じように感じるかもしれません。


しかし、食べた量が少量でも犬によっては症状がでる可能性も十分にあります。


またアレルギー反応は時間差でおこる場合もありますので、犬の様子を注意深く観察することが大切です。


以下に、動物病院を受診するまでに気を付けるポイントを説明します。

対処①:まずは状況を整理する

まず、犬がいちじくをいつ・どのくらいの量を食べたのか把握しましょう


食べたものがいちじくの果実なのか加工品であるか、など食べた種類も整理しましょう。


そして、慌てず行動することも大切です。


私達飼い主が慌ててしまうと、犬も興奮してしまうからです。


また、食べた物を整理すると共に犬の様子を観察しましょう。

  • 嘔吐・下痢
  • 皮膚のかぶれ
  • 痙攣・ぐったりしている
などの症状が中毒反応の一例です。

また症状がでた場合は、発生した時間もメモしておくと動物病院での診察の時に役に立ちます。

メモや写真などを活用して、状況を整理しましょう。

対処②:動物病院に連絡する

状況の整理ができたら、速やかに動物病院を受診しましょう。


しかし中毒症状がひどくあらわれて移動するのが困難な場合や、受診までに時間がかかる場合はまず動物病院の医師に応急処置の指示を確認しましょう。


医師の指示をあおぐ際は、先程整理した情報を電話で伝えましょう。


ここで注意してほしいことがあります。医師の指示なく自己判断で、食べたいちじくをはかせようとしたりする行為は危険です


理由は嘔吐したものがのどに詰まって窒息する可能性や、嘔吐したものが肺に入ることで肺炎になることも考えられるからです。


また無理に吐かせようとすると、口の中や食道を傷つけることにつながります。


素人判断で行動するのではなく、医師の指示のもと動物病院を受診するまでにできる応急処置があるか聞きましょう。

対処③:動物病院で診察を受ける

動物病院を受診したら、獣医師に犬がいちじくを食べてしまった状況を説明しましょう。


説明する際には、写真やメモを使うとスムーズに伝わります。食べてしまったいちじくが食べかけの場合、病院に持っていってもよいでしょう。


加工品のいちじくを食べてしまった場合は、加工品が入っていたパッケージを持っていくことで含まれている成分も獣医師に説明できます。


症状が軽い場合と重い場合で動物病院の処置は変わってきます。


嘔吐や下痢の症状がある場合、脱水を防ぐため点滴などが行われます。症状が重い場合、数日様子を見るために入院することもあります。

参考:ペット保険は誤飲や誤食でも使える

日本獣医師会の調べによると、平成27年度の調査で動物病院に使う1ヶ月の費用は7400円と言われています。


ご存じの通り、動物病院の診療費はすべて自費診療となっています。


そこでペットの通院や病気の治療を対象とした、ペット保険というものがあります。ペット保険は保険会社によりますが、誤飲や誤食も対象となっているペット保険もあります。


特に犬は好奇心が旺盛でおもちゃなど遊んでいる際に誤って飲み込んでしまう場合が多いです。


誤食したものが腸の中で詰まってしまった場合には、手術により取り出す必要がこともあります。


その場合、手術費や入院費をすべて自費で払うことになるでしょう。


この時に誤食の治療が対象のペット保険に加入していれば、保険金を受け取ることができます。


もしもの場合には、治療費を補うことができますのでペット保険の加入を検討してもいいかもしれません。

いちじくのドライフルーツやヨーグルトは大丈夫?

いちじくはドライフルーツやいちじくが入っているヨーグルト、ジャムなど加工品も数多く市販されています。


生のいちじくに含まれている成分は火を通したり、乾燥させたら犬に悪い影響をあたえない成分にかわることがあるのでしょうか?


以下に加工品もふくめた、生の果実のいちじく以外が犬にあたえる影響について説明します。

ドライフルーツやヨーグルトなどの加工品もNG

ドライフルーツやヨーグルトなどのいちじくの加工品も犬にあたえないようにしましょう


ドライフルーツはいちじくの成分が凝縮されており、少量でも中毒症状がでる場合があります。


生の果実と違いドライフルーツは小さく、床に落としてしまった際に誤食しやすいので特に注意が必要です。


また加工品は砂糖や添加物がたくさん含まれており、少量でもカロリーが高い傾向にあります。


食べ物全般にいえることですが、砂糖のとりすぎは肥満につながり犬の体に悪影響をおよぼします。


乾燥させたり、火を通したいちじくも犬にとっての有毒性は変化しません。いちじくの加工品もあたえるのはやめましょう。

いちじくの葉っぱを使ったお茶などにも注意

犬にたいして、中毒症状をおこす成分は果実だけではなく茎や葉にも含まれています


いちじくの葉を使用したお茶も、犬にあたえるのはやめましょう。


いちじくの葉を使用したお茶の作り方は、いちじくの葉を乾燥させお茶にします。


したがって粘膜を荒らしてしまうフィシンや、中毒症状を引き起こすソラレンもお茶に溶け出してしまいます。


果実以外に皮・茎・葉っぱを触った手で犬に触れると、中毒症状などがあらわれる可能性があります。


いちじくに触った後には一度手を洗って犬に触りましょう。

犬にとっていちじくは危険な果物であることのまとめ

この記事では犬にいちじくをあたえてはいけない理由についてまとめました。


この記事のポイントは

  • いちじくに含まれている成分は犬の粘膜を荒らしたり、下痢・嘔吐をひきおこす
  • ラテックスアレルギーにいちじくの成分が反応してしまい、アレルギー症状をひきおこす可能性がある
  • いちじくを食べてしまった場合は速やかに動物病身を受診する。また、写真やメモを活用して食べた状況をまとめると獣医師に説明しやすい
  • ペット保険は、誤食の治療を対象としたものもある
以上です。

いちじくの果実から葉っぱ、茎にいたるまで犬にとっては少量で危険な食べ物ということが分かったと思います。

犬にあたえてはいけない食べ物はいちじくのほかにも多くあります。

犬専用の食べ物以外をあたえるときは一度調べてからあたえましょう。

MOFFMEでは、ほかにも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので是非ご覧ください。