ほうれん草を猫に与えてもOK?知っておくべき効能が与え方を解説!のサムネイル画像

ほうれん草を猫は食べることができますが、人間とは違い肉食動物の猫は消化しづらく、また生のままでは猫に有害な物質が残ったままになってしまいます。与える際には猫が食べやすいように工夫する必要があります。今回の記事では適切な与え方や注意点を解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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猫がほうれん草を食べても大丈夫?


記事モデル:くぅ、しろべぇ、ニーナ、ニム、むつき、ふつか(@yukidon3451)


猫は少量で、なおかつ生でなければほうれん草を食べることができます。


しかし、これには条件があって、あくまでも火を通して茹でた状態で、なおかつ少量の場合だけです。猫にとって生のほうれん草は身体によい影響を与えない野菜といえます。


この記事では

  • ほうれん草に含まれる成分と効能。
  • 猫に有害なシュウ酸について。
  • ほうれん草に含まれるシュウ酸が尿路結石の原因になる。
  • ほうれん草を猫にあげる際の注意点。
以上の事を中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、猫に有害なシュウ酸を最低限に抑えてほうれん草を猫に与えることができます。

ぜひ最後までご覧ください。

ほうれん草をあげてもいいのはほんの少量だけ

猫はもともと肉食動物です。いまはペットとして飼われていて、家族の一員として人間に近い食べ物を食べている子もいますが、人間にとっては無害なものでも猫にとっては有害になる食べ物もあります。


ほうれん草を猫は食べることができますが、人間の消化器官と猫の消化器官は違います。葉物は消化によさそうなイメージがありますが、猫にとっては実はとても消化しづらい野菜です。


特に生のままのほうれん草は猫に有害な物質「シュウ酸」が残ったままになってしまいます。


与える際には猫が食べやすいように工夫する必要があります。今回の記事では適切な与え方や注意点を解説します。

ほうれん草に含まれる成分と効能


ほうれん草に含まれる成分は

  • ビタミンB(白内障予防・皮膚をきれいに保つ)
  • ビタミンK(血液や骨を老化を防ぐ)
  • ビタミンE(抗酸化作用)
  • βカロテン(皮膚や目の健康を守る)
  • 鉄分(貧血予防。骨の成長を助ける)
  • 葉酸(代謝をよくする。)
  • 食物繊維
  • シュウ酸
ほうれん草は鉄分もビタミンCも豊富に含まれています。鉄分だけで摂取するよりもビタミンCと一緒にとる方が鉄分は体内に吸収されやすいのでほうれん草は鉄分を摂取するのに向いている野菜と言えます。

栄養素の高いほうれん草の選び方は、葉がみずみずしくてツヤとハリのあるものが新鮮です。茎は太すぎず、細すぎず、ピンと伸びたものを選ぶといいですよ。

ほうれん草は年中スーパーや八百屋で売られていますが、冬が旬の野菜です。夏よりも冬にとれたほうれん草のほうが、ビタミンCは約3倍多く含まれます。

ほうれん草の栄養素のなかで猫の健康のために気をつけなくてはいけないのがシュウ酸です。 詳しく解説していきます。

猫に有害なシュウ酸がほうれん草には含まれている

最近ではサラダ用の生で食べるほうれん草も販売されていますが、人間にとってはあまり害はありませんが、猫にとっては有害になるシュウ酸がほうれん草には含まれています。


シュウ酸は結石の原因になるという言われています。


人間でも過剰に摂取すると結石の原因になると言われているくらいですが、猫は特に少量でも摂取することで尿路結石になる可能性が高くなり、腎臓。泌尿器疾患の原因になってしまいます。


シュウ酸は水に溶けだす習性があるので茹でてしまうとシュウ酸の量は少なくなります。


猫はもともと腎臓病になりやすいので腎臓に負担をかけないように、注意が必要です。

猫にあげる際には生ではなく、必ず茹でて少量を与える


ほうれん草を猫にあげるときには、生のまま与えることは避けましょう。必ず茹でてから与えるようにしましょう。


お湯で茹でることで、猫にとって有害な成分であるシュウ酸がアクとしてほとんど抜けてしまいます。シュウ酸はお湯に溶け出す性質があるので、加熱することで少なくなるわけではないのでレンジで加熱してもシュウ酸は抜けません。


また、葉物は喉にぺたりと張り付いて喉につまらせやすいので細かく刻んで少量を与えるようにしましょう。子猫や老猫は特に注意が必要です。


 茹で時間の目安としては茎は1分ほど、葉は10秒ほどで十分です。茹でたほうれん草はシュウ酸も少なくなりますが、ビタミンも水に溶けだしてしまいますので生の時や、レンジで加熱したときに比べると栄養素が減ってしまいます。


そして、茹でたほうれん草は少量ずつ様子を見ながら与えるようにしなくてはいけません。  


愛猫の健康を守ることができるのは飼い主さんだけです。しっかり食生活を管理してあげて健康で長生きできるようにしていきたいですね。

参考:尿路結石になるとどうなる?

猫が尿路結石になる理由は尿の濃度が高まり、シュウ酸やアンモニア、尿酸といった成分は結合し、結晶化するからです。


猫は元々腎臓病になりやすいので、腎臓の負担とならないような生活を送らなくてはいけません。水分不足やミネラルを調整しているキャットフードなど食事内容の見直し、ストレスを与えないなどの、注意が必要です。


尿路結尿になるとこのような症状が出ます。

  • おしっこをするとき痛そうにしている。
  • 血尿が出る。
  • お腹を触られると嫌がる(痛そうにする)
  • おしっこの回数が少ない。(あまり出ていない)
  • 尿が出るまでに時間がかかる。
このような症状がみられるときには尿路結石の可能性を含めてお医者さんに相談しましょう。

ほうれん草を猫にあげる際の注意点

飼い主であれば愛猫の健康状態に気をつけた食べるものを管理してあげるべきです。


ほうれん草にアレルギー反応がでるというのはあまり聞かないですが、あげるときには注意点があり、それを守ることができていれば愛猫に多少ほうれん草を食べさせても問題がないと思われます。


しかし、これに関しては猫の体調や個体差があります。ほうれん草を食べたことで下痢や嘔吐など猫の体調に変化がある場合があります。


様子を見て、何かいつもと違うところがあればほうれん草をこれくらいの量与えたことなどを伝え、病院に相談することをお勧めします。

多くの量は与えない

ほうれん草はシュウ酸以外にも多いの量を与えると健康に異常をきたす場合があります。


シュウ酸以外にも食物繊維ビタミンなどを取りすぎると弊害があります。元々、肉食動物だった猫は野菜などの消化が苦手です。食物繊維を過剰に摂取してしまうと消化不良を起こし、下痢や嘔吐の原因になります。


また、ビタミンも過剰に摂取すると体によくありません。例えば、ビタミンA,D,E,K油溶性ビタミンと呼ばれていて、摂取しすぎると骨格の痛みや成長障害、歩行障害などが起こる可能性が高くなります。栄養豊富なほうれん草ならではの問題点です。


葉物を好んで食べたがる猫もいるようですが、下痢や嘔吐がなくても、知らず知らずのうちに病気の進行を招いている可能性もあります。猫はもともと腎臓が弱い動物なので、多くの量は与えないように注意しましょう。

消化不良にならないようにする

ほうれん草など、食物繊維が豊富な葉物は猫にとっては消化しづらく、胃が弱い猫や消化器官が弱い子猫や老猫には不向きな食材です。特に体調がすぐれないときにはあまりあげないようにしましょう。


肉食動物である猫の歯は食べ物をすりつぶす、人間でいう奥歯のような歯がありません。とがった葉をしているので葉物はどうしても嚙み砕きにくいのです。


しっかりと柔らかく茹でたから大丈夫とは思わず、ほうれん草は柔らかく茹でたとしても消化不良にならないために小さく切ってからあげるようにしましょう。

まとめ:与える時には必ず加熱して少量を!


ほうれん草を猫に与えてもOKなのかどうか、また知っておくべき効能と与え方について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは

  • 猫にほうれん草をあげるのか可能。
  • 生のほうれん草はあげてはいけない。
  • ほうれん草に含まれるシュウ酸は尿路結石の原因になる。
  • 猫が尿路結石になるとどうなるのか。
  • 茹でたほうれん草はシュウ酸もビタミンも少なくなる。
  • ほうれん草は茹でても消化しにくい。
でした。

猫は肉食動物なので、本来野菜は食事に必要ないということを理解した上で、どうしても猫にほうれん草をあげたいということであれば、大量の野菜は消化器官の負担になるので、与える際には少量を少しずつを心がけるようにしてください。

愛猫の健康を守れるのは家族である飼い主だけです。知らなかった、気付かなかった、で後悔することがないようにしましょう。

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