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あんこには猫にとって良い成分が含まれていますが、与え方に気を付けなければ肥満や糖尿病など猫に有害な症状を引き起こしてしまいます。また猫の中にはアレルギーを持つものもおり、注意が必要です。今回の記事ではあんこの効能や与え方などを解説していきます。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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猫はあんこを食べられる?食べていい場合などを解説!


記事モデル:あんこ&きなこ


人間と同じで、猫の中にも甘いものが大好きな子がいます。現在猫と一緒に暮らしている方の中には、自分があんこの入った和菓子を食べようとした時に、飼い猫も食べたがって近寄ってきたという経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。


そんな時、人間が食べるあんこを、猫に与えても良いのか不安になりますよね。


そこでこの記事では、以下の点について解説をしていきたいと思います。


  • あんこは砂糖なしなら少量を与えてもいい
  • あずきによくかけるきなこは猫にあげてもいい?
  • あずきを猫に与える際の注意点
  • おすすめの猫用あずきレシピ

この記事をご覧いただくことで、飼い猫の健康的な食事について知ることができますので、是非最後までご覧ください。

あんこは砂糖なしなら少量を与えてもいい

猫はとても鼻が良いので、飼い主があんこの入ったお菓子を食べていると、甘い匂いに誘われて興味を示します。どうしてもあんこを欲しがった際に、少量のあんこであれば与えても大丈夫なのですが、与えるのは必ず砂糖の入っていないあんこの時だけにしましょう。


私たち人間にとっては少量でも、人間より体の小さな猫にとっては身体に入るあんこの成分が多くなります。本来、猫の体は甘いものを必要とする作りにはなっていません。


そのため日常的に与えるのではなく、どうしてもという時にだけ、砂糖なしのあんこに限り、適正な分量を守って与えるようにしなければいけません。

なぜ砂糖入りのあんこを与えてはいけない?

猫にとって砂糖は本来必要のない食べ物なのです。それどころか、人間と同じく糖分の摂り過ぎは糖尿病肥満など、健康に悪影響を及ぼします。


普段私たちが口にする、おはぎやどら焼きなどの加工品には、砂糖のたっぷり入った甘いあんこが使用されていることが多いですよね。可愛い飼い猫が近寄ってきて、自分も欲しいとおねだりをされたとしても。猫の健康の事を考えると同じ砂糖入りのあんこは与えるべきではありません。


糖尿病は命に関わる重大な病気です。また、糖分の摂り過ぎによる肥満は、内臓に負担を与えたり、他の病気へ繋がる大きな原因となってしまいます。


大切なペットを、自分の食事管理で危険な目に合わせてしまう事が絶対にないようにしましょう。

小豆は猫にとって様々な効能がある


あんことは、小豆などの豆類を練って作られたものの事を言います。あんこの原料の中でも一般的なのが小豆ですが、この小豆自体は猫にとって体に良い成分が含まれているのです。食品成分データベース(文部科学省)


小豆には「サポニン」という成分が多く含まれています。このサポニンには血液をサラサラにする働きがありますので、血液の流れが滞ってしまうことによって起こる冷えやホルモンバランスの乱れを防ぐことができます。


【サポニンの主な働き】

  • 抗酸化作用
  • 免疫力向上
  • 肥満予防
  • 血流改善
  • 肝機能の向上


特に、若い頃と比べて運動量が少なくなったシニア世代の猫は、体の外から取り入れた酸素や栄養素を血液と共に全身に運ぶ機能が衰えやすくなってきます。サポニンは肥満や癌などのリスクを減らすことができますので、病気予防に効果的な成分と言えます。


また、小豆には食物繊維も多く含まれています。特に長毛種の場合は、毛づくろいの際に体内に毛を取り込んでしまい、毛球症をいう病気にかかる恐れがありますので、食物繊維によってお通じを良くし、毛球症を防ぐことが大切です。


ただし、小豆の食べ過ぎは消化不良を起こしてしまう原因となりますので気を付けなければいけません。

猫への適切なあんこの与え方

どうしても猫へあんこを与えたい場合には、先述したように砂糖の含まれていないあんこを与えるようにしてください。また、おはぎやどら焼きなどのような加工品の中には、砂糖の他に塩が含まれている場合もありますので、こちらも避けてください。


スーパーなどに行くと、加工品ではなく無添加の煮小豆が缶詰などで売られていますので、こちらを使って砂糖などを入れずに調理したものを与えるようにすると、小豆を煮込んだりする手間が省けて便利です。


また、小豆の皮は固いため、猫の体内で消化しにくくなっています。消化不良を防ぐため、調理する際はなるべく皮を取り除いた小豆を使うようにしてください。猫に与えるのはこしあんが適しているのですが、自宅に粒あんしかない場合は、できるだけ細かく刻んで消化しやすい状態にしてから与えましょう。

参考:なぜ猫はあんこを好む?


猫にとってあんこが魅力的な理由は、味ではなく「匂い」です。あんこの甘い味が好きだから好んで食べるのだと思っていた方はびっくりするのではないでしょうか。


実は、私たち人間と違い猫の味覚は甘みを感じることができないのです。飼い猫から少し離れた場所であんこを食べている際に、匂いにつられて近くに寄ってくる子もいるほど、猫は鼻が良いです。


あんこ以外にも甘いものを好んで欲しがる猫がいますが、実際はその食べ物の匂いがその子の好みに合っているため、興味を持っているということです。


また、好奇心が旺盛な性格の子は、味や匂いとは別に飼い主があんこを食べている姿をみて、自分も食べてみたいと興味をそそられている可能性もあります。

参考:あずきによくかけるきなこは猫にあげてもいい?

きなこがかかけられている小豆のお菓子がありますが、そのような場合、小豆は砂糖などが入っていない無添加のものであれば大丈夫ですが、きなこは猫が食べても良いものなのか不安ですよね。


きなこは、小豆と同じように砂糖などが含まれていないものを少量であれば与えても構いません。


また、きなこには小豆と同じように猫にとって体に良い成分が含まれています。きなこに含まれる食物繊維はお通じを良くし、便秘や毛球症の予防になりますし、この他タンパク質が多く含まれているため以下のような効能を発揮します。


【タンパク質の主な働き】

  • 筋肉など、健康な体を構成する
  • 健康を維持するために重要なエネルギー源
  • 皮膚や被毛の健康維持

しかし、タンパク質を摂り過ぎてしまうと腎臓機能障害などの重大な病気の原因となってしまいますので、小豆と同様与えすぎることのないように気を付けなければいけません。

あずきを猫に与える際の注意点

本来、猫は生きていくうえで小豆を必要とする動物ではありませんが、もしかすると小豆を与えることになる時がくるかもしれません。


これまで解説をしてきたように、猫に小豆を与える際には必ず注意しなければいけないことがいくつかあります。


間違った知識を覚えてしまって、可愛いからと言って欲しがる姿をみてなんでも与えてしまう事は、大切な家族の一員である飼い猫を危険にさらしてしまうことになるのです。


そうならないためにも、前もって気を付けなければいけない点を確認しておくことが大切です。


ここからは、

  • 猫の小豆アレルギー
  • あんこを使った加工品
以上の2点について解説をしていきたいと思います。

あずきにアレルギーを持つ猫もいるので注意


中には、小豆に対してアレルギーを持つ猫もいますので、初めて小豆を与える際にはほんの少量だけをあげるようにしましょう。


様子を見て、問題がなければ必要に応じて次回からは少しだけ量を増やすなどして、少量づつ食べさせていくことが大切です。


【大豆アレルギーの症状】

  • 下痢や嘔吐 
  • 皮膚を痒がる 
  • 元気がない 
  • 目の充血 

また、市販のキャットフードの中にも大豆が含まれているものがありますので、キャットフードを購入する際は原材料をよく見てから買う必要があります。


大豆アレルギーを持っているため大豆を与えていないつもりが、キャットフードを変えたことによって気づかずに与えてしまっていたということがないようにしましょう。


万が一、アレルギー反応やいつもと違った様子がみられる際には、すぐに動物病院へ行って獣医師に診てもらうことが大切です。

あんこを使った加工品も猫には危険

私たちが普段口にする機会のあるお菓子の中には、あんこを使った加工品がたくさんあります。食べかけのお菓子をテーブルの上に置いたままにしておくと、目を離している間に飼い猫が誤飲してしまう可能性がありますので注意が必要です。


あんこを使った加工品と、その危険性について解説をしていきます。


どら焼き

どら焼きは、あんこを小麦粉を含んだ生地で挟んだものです。どら焼きに挟まれているあんこには、砂糖が多く含まれている他に、生地自体に含まれる小麦粉も実は猫にとって危険なものとなります。


小麦粉の原材料であるでんぷんは、体内で分解され糖分に変化します。あんこに加えて小麦粉の糖分が体に入ることで、糖尿病や肥満、その他病気の原因となってしまいますので与えないようにしてください。


大福

大福は、あんこをで包んで作られたものです。砂糖を含んだあんこが危険なのはもちろんですが、餅をのどに詰まらせて呼吸困難に陥ってしまう危険性がありますので、大福など、餅菓子は特に気を付けなければいけません。

おすすめの猫用あずきレシピ

先述したように、砂糖などを含まない小豆に限っては、サポニンや食物繊維が多く含まれているため猫の体にとって良い効能が得られるものとなります。


ここで、猫が食べやすい小豆のレシピをご紹介いたしますので、是非参考にしてみてください。


◎あずきのポタージュスープ◎

【材料】

  • あずき
  • ※猫用ミルク


【作り方】

  1. あずきの皮をむく
  2. 鍋に少量の水と皮をむいたあずきを加え、柔らかくなるまで茹でる
  3. 猫用ミルクを加える
  4. 人肌になるまで冷ます

※必ず猫用のミルクを使用してください。


◎猫用おはぎ◎

【材料】

  • ご飯(※少量)
  • あずき

【作り方】

  1. 少量のご飯を小さく丸める
  2. あずきの皮をむく
  3. 鍋に少量の水と皮をむいたあずきを加え、柔らかくなるまで茹でる
  4. 小さく丸めたご飯をあずきで包む
  5. 人肌になるまで冷ます
※ご飯は猫にとってあまり消化に向いていないため、ほんの少量だけ使うようにしましょう。

まとめ:猫にあげる際には砂糖や塩が入ってないあずきを!


猫にとって小豆に含まれている成分は、健康な身体を維持する役割を果たすものとなりますが、与え方によっては健康に害を及ぼしてしまうとても危険なものとなってしまいますので、飼い主が正しい知識を身に付ける必要があります。


それでは最後に、この記事のポイントをまとめていきましょう。


  • あんこは砂糖なしのものに限り少量であれば与えても良い。
  • 砂糖入りのあんこは、糖尿病や肥満など、健康に悪影響を及ぼす。
  • 小豆にはサポニンや食物繊維が含まれるため、猫の健康を維持する効能がある。
  • きなこも砂糖などを含まないものに限り、少量であれば与えても問題ない。
  • 嘔吐や下痢などの症状が現れる小豆アレルギーを持つ猫もいるため、初めて与える際は少量ずつ与える。
  • あんこを使った加工品も猫には危険。

大切な飼い猫のために以上のことに気を付け、間違えて誤飲してしまう事のないようにしながら、健康的な食事管理を行うことを徹底しましょう。


またMOFFMEには猫等の様々なペットに関する記事がございますので、ぜひご覧下さい。