【獣医師監修】猫にアイスをあげてもOK?食べた場合の症状や対処法などを解説!のサムネイル画像

アイスを食べていると猫が欲しがってくることがありますが、多くの症状を猫に引き起こすため基本的にはあげてはいけません。また猫には専用のアイスが売られています。今回の記事ではアイスが猫に引き起こしうる症状や対処法、またアイスを欲しがってきた時の対処法を解説します。

記事監修者「高田 菜月」

この記事の監修者高田 菜月
一般社団法人愛玩動物健康管理協会 - CAHA

人間用のアイスは糖分が多く肥満の原因となるほか、味の濃いものを覚えてしまうとキャットフードを食べなくなってしまうこともあるため、与えないようにしましょう。

この記事の目次

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猫にアイスはNG!


記事モデル:ティモン

(※ティモンくんが食べているのはちゅーるアイスです。)


ペットは私たち飼い主が飲食をしているときに、興味を持って近づいてくることがあります。


夏の暑いときに食べる冷たいアイス、気分転換にもなり甘く美味しい食べ物です。


猫がアイスを食べたそうにしているときに、少しならいいだろうとあたえてしまっていいのでしょうか。


しかし猫に人間が食べるアイスをあたえてはいけません。


この記事では

  • なぜ猫にアイスを与えてはダメなのか
  • 猫がアイスを食べた時の症状・対処法
  • 猫がアイスを欲しがった時の対処法
以上のことについて説明していきます。

この記事を読んでいただけたら、猫に人間用のアイスをあたえてはいけない理由が詳しくわかると思います。

是非、最後までご覧ください。

なぜ猫にとってアイスクリームは有害?症状などを解説!

では、なぜアイスクリームが猫にとって有害なのでしょう。


アイスクリームに限ったことではありませんが、基本的に私たちが普段食べているものをペットにそのままあたえるのはやめましょう。


なぜならば、市販の食べ物は人間用に味つけをされています。


人間には無害のものでも、猫にとっては有害なものが含まれている可能性があるからです。


猫により個体差がありますが、アレルギー反応がでたり体調を崩してしまいます。


以下に、アイスを猫にあたえた場合の影響について説明していきます。

アイスには中毒や下痢の原因になる成分が含まれている

アイスといっても、様々な種類が売られています。


アイスの種類、含まれている成分などで大きく3つに分けて説明します。


チョコやコーヒーなどの味付きアイスの場合

チョコレートには興奮作用があります。


正確にはカカオにそのような成分が含まれています。


チョコの中のカカオ含有量にもよりますが、猫がチョコを食べてしまった場合

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 体の震え

以上の症状がでます。


重篤な場合には痙攣・不整脈の症状がおき、最悪の場合死んでしまうこともあります。


また、コーヒーにはカフェインが含まれています。


人間でもカフェインのとりすぎはあまり体に良くないといわれています。


このカフェインが猫の体に及ぼす影響は

  • 過度の興奮状態
  • 嘔吐
  • 不整脈
  • ふらつき
  • ひきつけ
以上の症状がでます。


同様の理由で、抹茶味もカフェインが含まれているのであたえてはいけません。


ナッツの入ったアイスの場合

ナッツの中で犬に中毒症状を起こすことでよく知られているマカダミアンナッツですが、なぜ中毒症状がでるかはっきりわかっていません。

猫に対しても安全性が確認できないのであたえないようにしましょう。

また基本的にナッツというものは、脂質が多く含まれている食べ物です。

ナッツに含まれている脂質により、下痢、嘔吐の症状が出る場合があるので猫にあたえてはいけません。

アイスに含まれる乳成分や糖類

アイスの主成分である、乳成分や糖類を猫はうまく体内で分解できません。

猫は肉食動物なので体の機能としてアイスをうまく消化できません。

結果として、消化する際に内臓に負荷をかけてしまうことになります。

人間のように猫も頭痛を起こし、下痢をおこすこともある



アイスを急いで食べた時に、頭がキーンと痛くなったことがある人は多いと思います。


俗にいう「アイスクリーム頭痛」というものです。


猫も同様の現象が起こります、ブレインフリーズという症状です。


ブレインフリーズは、猫が冷たいアイスを口に入れたときに冷たさが痛みとなって脳に伝わり起こる症状です。


ブレインフリーズ状態になった猫は、面白い顔をして動きが固まったような行動を見せる猫もいます。


一見すると、愛らしい様子なのですがこの状態の猫は痛みを感じている可能性があります。


猫にも個体差があり、冷たいものが苦手な猫もいることを知っておきましょう。


また、猫はアイスに含まれている乳糖を分解できずに下痢をしてしまいます。


乳糖というのは乳製品に含まれている乳成分由来の糖類です。


人間も個人差ありますが、牛乳を飲むとおなかを壊してしまう人もいます。


猫は体の構造上、乳糖を分解できないので下痢をしてしまう可能性が高いです。

カロリーが高く肥満になってしまう可能性がある

アイスは比較的カロリーが高い食べ物なので、猫の肥満につながります。


市販されている一般的なバニラアイスの平均カロリーは、平均180kcal前後です。


猫の1日の消費カロリーは運動量にもよりますが、猫の体重×60kcal(活動量が少ない猫が50×体重、多い猫でも70×体重)と言われています。


3kgの猫なら、1日の消費カロリーは180kcalということになります。


アイスに限ったことではありませんが、市販の食べ物は人間用に作られているためペットに与える場合に基本的にカロリーが高いことが多いです。


またアイスは、生クリームと卵と砂糖が主成分です。


お菓子を作ったことがある方ならご存じかと思いますが、甘みを感じるためには結構な量の砂糖を使用して作ります。


人間にとっては一口サイズのアイスでも、猫にとっては相当なカロリーになってしまうということです。

アレルギーを引き起こす可能性がある

猫などの動物も人間と同様に、食べ物でアレルギーをおこす可能性があります。


猫の一般的に食物アレルギーとして挙げられるのが


牛肉・乳製品・穀類(小麦、穀物、大豆)・鶏肉・卵


以上の食べ物が代表的です。


アイスには乳製品、卵が含まれています。


種類によっては穀類が含まれているアイスもあるでしょう。


猫が食物アレルギーをおこした場合の症状としては

  • 体を掻く、なめるなど痒そうにする
  • 下痢やその他の消化器系の反応
以上です。

猫の食物アレルギーは痒みとして、皮膚症状に現れることが多いです。

重篤なアレルギー反応が起こった場合、爪で必要以上に体を掻いてしまい怪我をしてしまう可能性が考えられます。

消化器系の重篤な症状の場合、下痢は脱水につながることがあります。

また嘔吐したものを喉に詰まらせてしまう可能性も考えられます。

アイス以外にも、猫に食べ物をあたえるときはアレルギーに注意してあたえましょう。

もしアイスを間違って食べてしまった時の対処法は?

万が一、猫がアイスを食べてしまった場合はすぐに動物病院で診察を受けましょう


食べた量が少量でもアレルギー反応や下痢などの症状がでる可能性があります。


食べたアイスの種類によっては、重い中毒症状が起こる場合もあります。


早めに、動物病院を受診しましょう。


またアイスを欲しがらないように、食べ終えたアイスのカップや袋はすぐに処理しましょう


猫にアイスをあたえるつもりがなくても、食べ終わったアイスの容器を出したままにしておくと猫が容器を舐めてしまう可能性があるからです。


アイスを間違って食べてしまうことを防ぐだけでなく、アイスを食べたスプーンを誤って飲み込むことを防ぐことにもなるでしょう。


また猫が簡単に開けられないような、蓋つきのゴミ箱にアイスの容器を捨てたりするのも誤食を防ぐ方法としてよいと思います。


アイスのゴミは食べたらすぐ捨てましょう。

猫がアイスを欲しがって来た時は?


基本的に猫は暑さに強い動物と言われています。


しかし猫によっては、暑さが苦手な猫もいるでしょう。


猫がどうしてもアイスを欲しがった場合はどう対処すればよいのでしょうか。


アイスを食べている様子を猫に見つからないようにするのが一番なのですが、難しい方もいらっしゃると思います。


猫があまりにもアイスを欲しがるので、あたえたくなってしまう気持ちもわかりますが人間用のアイスはもちろん猫のからだにはよくありません。


そこで猫がアイスを欲しがった場合、飼い主の私たちがとるべきの対処法を以下にまとめます。

猫の気をそらしたり体を冷やしてあげる

飼い主が美味しそうにアイスを食べていたら、好奇心旺盛な猫はどうしても近づいてきます。


猫がアイスに興味を持ったら、お気に入りのおもちゃなどで猫の気をアイスからそらしてみましょう


おもちゃで飼い主と遊んでいる間に、アイスのことを忘れるかもしれません。


人間用のアイスをあげるのではなく、猫用のおやつを与えるのも一つの対処法です。


また何らかの方法で、アイスが冷たくて気持ちいいと学習して近づいてきている場合があります。


猫も室温が30度を超えると、暑いと感じてしまいます。


喉が渇かないように、猫用の飲み水を準備しましょう。


ペット用の冷感マットを設置するのもよいでしょう。


エアコンを上手に活用して室温を調節し、猫が快適に過ごせる環境を整えてあげるのも大切です。

猫用のアイスを与える

猫に与えてもよい猫用アイスというものも市販されています。


原材料は猫用のミルクやサツマイモなどが主原料で作られています。


Web上では、猫に与える用の猫用アイスレシピも公開されています。


簡単なものですと、猫用の液体のおやつをそのまま冷凍庫で冷やして作るレシピ。


手の込んだものですと、猫用ミルクとサツマイモ、ヨーグルトなどをミキサーで混ぜて冷凍庫で冷やして作るレシピまで様々な種類が掲載されています。


しかし、猫用アイスをあたえる場合に注意する点があります。


猫と人間のあいだで感染する「パスツレラ症」という感染症があります。


感染経路としては、猫にアイスをあたえる時に人間のスプーンを共有して起こることが多いです。


猫の口の中にパスツレラ属菌がいた場合、猫は基本的に無症状です。


しかし、この菌が飼い主にうつってしまうと咳などの呼吸器疾患が発生することがあります。


猫用のアイスをあたえる場合は、猫専用の容器であたえましょう。


また、冷たいアイスなどは下痢を起こす原因になりますので少しずつあたえましょう。

まとめ:アイスを猫にあげるのは危険!

今回は、猫にアイスをなぜあたえてはいけないのかという事についてまとめてきました。


この記事のポイントは

  • 猫に人間用のアイスを与えるのは絶対に禁止
  • 人間用のアイスは、猫の肥満や食物アレルギーにつながる可能性があり猫に悪影響をおよぼす
  • 猫用アイスを与える場合は猫専用の容器で、少量ずつあたえる
以上です。

飼い主が美味しそうにアイスを食べているのを、食べたいと近づいてくる猫にそっけなくするのもかわいそうな気もします。

ブレーンフリーズの現象が起こる可能性がありますので、冷たいものが苦手な猫には積極的に与えないように注意しましょう。

猫に人間用のアイスをあたえることはいけませんが、猫用にきちんと用意したアイスであれば猫の様子を見ながらあたえてみてもよいでしょう

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