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猫は肉食動物のため、キャベツをあげても消化しづらく栄養をあまりえることができません。また食べすぎると尿結石になる可能性があり、あげ方に注意が必要です。今回の記事ではキャベツをあげる際のメリットデメリットや、キャベツのおすすめの与え方について解説します。

記事監修者「高田 菜月」

この記事の監修者高田 菜月
一般社団法人愛玩動物健康管理協会 - CAHA

キャベツを与えることは問題ありませんが、茹でたものでも喉に詰まらせないように小さくカットしてあげましょう。また、甲状腺の疾患がある猫は事前に食べさせてもいいか獣医師に確認してください。

この記事の目次

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猫にキャベツをあげても大丈夫!


記事モデル:あんみつ&ごま

猫は肉食動物のため、腸が短くキャベツをあげても消化しづらく栄養をあまり吸収することができません。しかしキャベツを食べても生死にかかわるような害もありません。

また食べすぎると尿結石になる可能性があり、老猫や胃腸の弱い猫にはとくに与え方に注意が必要です。

今回の記事では

  • 猫がキャベツを食べることのメリット・デメリット。
  • キャベツが原因で尿結石になる可能性は?
  • キャベツのおすすめの与え方。
  • キャベツの葉や芯はあげても大丈夫か?
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ愛猫にキャベツをあげるべきかどうか、またどのようにして与えたらよいのか知ることができます。

ぜひ最後までご覧ください。

猫がキャベツを食べることのメリットは?

キャベツを食べるメリットといえる栄養素は

  • キャベジン・ビタミンU(胃潰瘍を防ぐ・粘膜を強化する)
  • ビタミンC(皮膚に効果)
  • ビタミンK(血液や骨の形成に必要)
  • カルシウム
  • 葉酸(細胞の生産や再生を助ける)
  • イソチオシアネート(抗がん作用がある・辛み成分)
  • 食物繊維(整腸作用)
などがあります。

特にキャベジンと呼ばれているビタミンUは胃腸の粘膜を強くしてくれて、胃潰瘍を予防する効果があります。また、全体的にアンチエイジング効果のある栄養素が豊富です。

キャベツの食物繊維は少量であれば、便秘気味の猫には整腸作用があるので、キャットフードをメインにしておやつ・ご褒美の代わりに千切りキャベツをほんの数本添えてあげるといいですね。あまり長いと喉に詰める可能性もありますので気をつけてください。

猫に与えるキャベツの量の目安は小さじ1杯程度までです。少ないと思うかもしれませんが、健康の事を考えれば、あくまでもキャットフードがメインでキャベツはあくまでもご褒美程度にするべきです。

一方で尿結石になる可能性や消化しづらいデメリットも



キャベツの栄養素を見ると、猫がキャベツを食べることはとてもいいことのような感じがしますが、実はそうではありません。


人間にとってはどれも大切な栄養素なのですが、猫にとってはキャットフードで賄える栄養素がほとんどです。 キャットフードは猫に合わせて栄養素を吸収しやすく、消化にも良くなっていますが、キャベツはそうではありません。


キャベツにはシュウ酸が含まれていて尿路結石になりやすい原因になります。また、固く繊維質で消化しづらいのでそのまま食べたり、食べる量が多いと下痢になってしまいます。


尿結石は、腎臓から尿を排出する器官までの間に結晶(結石)が詰まり、痛くなる病気です。


キャベツなど野菜を食べるとおしっこが少しアルカリ性に近くなります。アルカリ性になった尿はストルバイトやシュウ酸を含むので結晶(結石)ができやすくなります。その結晶が尿路結石のもとになります。


重症化すると腎不全や尿毒症になる可能性があるので、尿結石の兆候がある場合は早めの病院に連れて行く必要があります。


猫はもともと尿路結石になりやすい動物なので塩分を控え水分補給を心がけましょう。


もし、キャベツを食べた後、いつもと様子が違うなどということがあれば、動物病院に相談してください。


ペット保険に関してはこちらの記事をご覧ください。

キャベツのおすすめの与え方

どうしても、キャベツが大好きな猫のために、少しでも健康的にキャベツを食べるためのポイントを説明します。


キャベツは生で食べるときと、茹でて食べるときでは栄養素が変わります。

どちらにもメリット・デメリットがあるのできちんと理解しておく必要があります。


また、注意してほしいのが冷蔵庫で冷やしたキャベツです。キャベツは冷蔵庫の野菜室で保存するという方が多数だと思いますが、冷やしたままのキャベツには、

  • お腹を冷やして下痢や嘔吐を引き起こす可能性
  • 体を冷やして免疫力を低下させてしまう可能性

があり、猫にとっては良くない影響を及ぼします。


健康のためにキャベツを与えるというのであれば、きちんと守ってほしいポイントです。

おすすめは生や茹でたキャベツ



生キャベツの場合は栄養価が高いのですが、消化に良くありません。少しでも消化しやすくなるように細く小さく切ることが大切です。


生で与えるメリット・デメリット

  • メリット・・・栄養価が高い。シャキシャキした歯触りが好きな猫がいる。
  • デメリット・・・消化に悪い。

猫の中には葉物野菜のシャキシャキとした触感が好きな子がいます。茹でたキャベツは好きじゃないけど、生のキャベツを置いておくといつも間にかかじられているということもあるようです。しかしそのままでは消化に悪いのでもし、生で食べさせたいのであれば千切りもしくはみじん切りにするようにしましょう。


茹でてあげるメリット・デメリット

  • メリット・・・茹でた分だけ消化しやすくなる。
  • デメリット・・・ビタミンをはじめ栄養素が抜けてしまう。


茹でたほうが食べやすく、消化しやすいですが、この場合は加熱し続けるとビタミンを失ってしまうので、短時間の加熱にすませることがポイントです。


冷えたキャベツは猫の体温を下げてしまうので避け、腸が活動しやすい温度に合わせるようにしましょう。

キャベツの葉や芯はあげても大丈夫?

猫にキャベツを与える際に気をつけてほしいのが、外側の葉や芯についてです。


一番外側の葉は農薬がかかっている場合もあるので避けるようにしましょう。また芯の部分は、土の養分と一緒に農薬も一緒に吸い上げ、それが凝集している可能性もあります。農薬は加熱や水洗いではなかなか取れるものではありません。


健康に害が出る程度ではないと思いますが、体内に蓄積されることを考えるとなるべく取り除いてあげるようにするのがおすすめです。


少量を与えるときには問題ないと思われるかもしれませんが、健康のことを考えると積極的に与える必要もありません。

まとめ:食べても問題はないが、積極的に上げる必要はない



猫にキャベツを与えることのメリット・デメリットや注意したいポイントについて説明をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは

  • キャベツには粘膜を強化し、胃潰瘍を予防する効果がある。
  • 猫にとってキャベツは消化に悪い食べ物。
  • キャベツは尿路結石の原因の1つになりえる。
  • 生と茹でキャベツではメリット・デメリットが違う。
  • キャベツの外葉や芯はあげないほうがよい。
でした。

キャベツは食べても問題はないですが、積極的にあげる必要もないと野菜です。

もし、キャベツをあげていつもと違う様子があれば動物病院に連れて行くようにしましょう。

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