ヨウムの平均寿命は?長生きのコツや値段も紹介【獣医師監修】のサムネイル画像

内容をまとめると

  1. ヨウムの平均寿命は40〜60年と非常に長寿
  2. ヨウムは長寿なので将来的に病気になるリスクが高い
  3. ヨウムの医療費は保険適用されないので、もしもの時に備えてペット保険に加入しておくと安心

知能が高くておしゃべりが上手なことで有名なヨウムですがペットとして向いているのでしょうか。実は雄叫びをしない個体が多いため、都会でも飼いやすいといわれています。この記事ではヨウムの平均寿命や性格、長生きさせるコツなどを紹介します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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ヨウムの平均寿命は長いため最後まで飼うことができるか検討を!

一般的に鳥類の平均寿命は長いことが知られていますが、中でもヨウムなどの大型インコは長生きで、寿命は40~60年ほどです。


まさにコンパニオンバード(=伴侶となる鳥)としてふさわしいヨウムですが、一方でその寿命の長さゆえに、飼い主が最後まで面倒をみられないというケースも多いです。


それには飼い主の海外への転居や病気、あるいは飼い主の方が先に寿命を迎えてしまうという理由があります。


どうしようもない場合もありますが、大切なヨウムには、できる限り幸せな寿命をまっとうさせてあげたいですよね。


そのためにもヨウムを家に迎える時には、ヨウムの寿命とご自身の人生設計を照らし合わせ、先々のことをしっかりと考えておきましょう。


 【参考】その他のコンパニオンバードの寿命

種類寿命
文鳥7~8年
セキセイインコ7~8年
コザクラインコ10~15年
オカメインコ15~20年
オキナインコ20~30年

以上の表からも分かるようにヨウムは長生きをします。お迎えを検討している方は最後まで責任を持って飼育ができるのかよく考えましょう。

ヨウムの年齢を人間に換算すると何歳?

ヨウムを含む、大型インコの年齢は人間でいうと何歳くらいになるのでしょうか。

大型インコの寿命が約50年、人間の寿命が約80~90年ですが、成長のスピードは一定ではありません。

まず、大型インコの1歳は人間の10歳くらいに相当します。

1年で人間の10年分という濃密な時期ですので、この期間に飼い主としっかり愛着関係を築区必要があります。

そののち、大型インコの3年が人間の20年くらいと、やはり早いスピードで成長しますが、ここから先は以下の表のように、比較的ゆるやかな年の取り方をします。
大型インコ人間
4~10歳21~29歳
20歳35歳
30歳45歳
40歳50歳
50歳60歳
60歳90歳
ヨウムが50歳くらいまではほぼ人間と同じペースですが、その後はまた急激な速さで年を取ることもわかります。

平均的な寿命である50歳を超えたヨウムは、長生きを喜ぶとともに、老鳥の域に入ってきていることを意識しながらお世話してあげましょう。

ヨウムを長生きさせるコツや注意点は?

体が丈夫で寿命の長いヨウムですが、野生と異なる環境下でその寿命をまっとうさせてあげるには、コツがあります。


ヨウムが寿命を全うし長生きするためには以下のポイントに気を配る必要があります。

  • 定期的に放鳥してストレスを発散させる
  • 日光浴で体内のビタミンDを生成させる
  • 温度管理に注意する
  • ヨウムの飼育環境を清潔にする
  • ヨウムを診断可能な動物病院を抑えておく
それぞれ解説していきます。

定期的な放鳥でストレスを発散させる

人間と同じように、ヨウムにとってもストレスは健康の大敵です。


ストレスを溜めさせないようにするには、なるべく毎日ケージから出し放鳥を行うことが大切です。


もちろん、自由に飛び回らせるだけでなく、一緒に遊んでスキンシップ欲を満たしてあげるとなお良いですね。


毎日のびのびと飛び回ることで、運動不足の予防にもなります。


放鳥する際には、部屋の中をきれいに片づけておくようにしましょう。


賢くてイタズラ好きのヨウムですので、物が出たままになっていると落とされたり壊されたりと思わぬ事故の原因になりますし、電源コードなどをかじってしまったら大変ですね。

日光浴で体内のビタミンDを生成する

ヨウムなどの鳥は日光を浴びることにより、体内でビタミンDを生成できます。


ビタミンDにはカルシウムの吸収を助ける効果があり、これが不足すると「クル病」の原因になることがあります。


日光浴のさせ方として、理想的なのは屋外で直接太陽にあたることですが、実際にはなかなか難しいかもしれません。


部屋の中での日光浴は、窓を開け、ケージごと日当たりの良い場所に移動する方法で良いでしょう。


ただしあまりにも光が強すぎたり暑くなったりしないように、季節や時間を考慮して行うことが必要です。


住宅の環境によって日当たりを確保するのがどうしても難しい場合には、日光浴用のライトなどもありますので検討してみてください。

温度管理に注意する

ヨウムの飼育に適しているのは、温度20度~30度、湿度60%~80%です。野生のヨウムの生息地であるアフリカ地域は平均気温23.6度、湿度約80%と年間を通じて温暖かつ多湿な地域です。


日本の冬の時期は、ヨウムにとって命に関わるほどの過酷な寒さです。暖房器具などを使い、25度程度の暖かさを保ってあげましょう。気温差はヨウムの身体への負担が大きいため、温度を一定に保つことができるサーモスタッド機能付きペット用ヒーターを活用するといいでしょう。特に幼鳥は体が弱いため、保温が必須です。乾燥を苦手としているので湿度にも気を配ってあげましょう。夏場は熱中症になってしまう可能性があるため、エアコンで温度を調整しましょう。

ヨウムの飼育環境を清潔にする

ヨウムが長生きするために飼育環境を清潔に保つことによって

  • 感染症の予防
  • 呼吸器系の健康
  • 快適な生活環境の提供
  • 羽毛の状態の維持
などのメリットがあります。

ヨウムを飼育しているとゲージの下に糞が溜まってしまうので、底にシーツを引くなどして対応しましょう。また餌入れなど毎日使用するものも定期的に掃除することも大切です。

清潔な環境はヨウムの健康と幸福に直接影響します。日常的な掃除や消毒、適切な換気を提供し、清潔な飼育環境を保ちヨウムにストレスなく過ごしてもらうことが長生きに繋がります。

ヨウムを診断可能な動物病院を抑えておく

大半の動物病院は犬や猫の診療を専門としています。小型の鳥類までは受け入れ可能でも、ヨウムなどの大型インコの診療を受け入れていないという病院もあります。また、受け入れ自体は可能でも、必要な専門的知識がないためにかえって不調を悪化させてしてしまうこともあるようです。


ケガや病気をしたときにスムーズに病院にかかれるよう、お迎え前にヨウムを診察可能な動物病院を探し、かかりつけ医を決めておきましょう。健康状態の把握や病気の早期発見のためにバードドックを実施している病院もありますので、一度受診しておくと安心です。

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ヨウムの飼い方や飼育方法は?飼育に必要なものや病気についても解説【初心者必見】

ヨウムの特徴は?オウムとの違いは?


人気の高い鳥類のペットとして名前の挙がるヨウムは、アフリカなどを原産地とする大型のインコです。


「あれ?インコ?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。


ヨウムはよく似た名前の「オウム」と混同されがちなのですが、同じオウム目ながら

  • オウム→オウム目オウム科
  • ヨウム→オウム目インコ科
と、別の科に属しています。インコとオウムの違いについては後ほど詳しく解説します。

ヨウムの基本情報は
  • 原産国:ケニア、コンゴ、アンゴラ
  • 平均寿命:40年〜60年
  • 体長:32~33cm
  • 体重:350~500g
  • 羽を広げた時の羽の端から端までの長さは46cm以上
となっております。

ヨウムは、グレーの羽毛に包まれた体と鮮やかな赤色の尾羽が美しい大型インコです。コンパニオンバードの中でも抜きんでた知能を持つヨウムは、「おはよう」といえば「おはよう」と返してくれるだけでなく、「遊ぼう」と誘えば「遊ぶ」「やだ」と答えるなど意思疎通を図れるような会話能力まで身につけることもあります。ヨウムとの暮らしは、まるで人と一緒に暮らしているかのような不思議な感覚を感じるという人もいるようです。

ヨウムとオウムの違いは?

ヨウムとオウムは、名前こそ一文字違いでそっくりですが、生物学上の分類では異なる鳥類とされています。


ヨウムとオウムの違いや見分け方は以下のようになります。

ヨウムオウム
分類オウム目インコ科オウム目オウム科
冠羽
(頭頂に生えている長い羽)
×
羽毛顔面に羽毛が生えない全身が羽毛で覆われている

ヨウムはオウム目インコ科に属するインコの一種です。一方、オウムとはオウム目オウム科に属する21種類の鳥類の総称を指します。分類が異なるとおり、冠羽の有無などの見た目に違いがあるだけではなく、性格や習性にも違いがありまる。ペットとしてはおしゃべりが得意なヨウムの方が飼いやすいと感じる人が多いようです。

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インコとオウムの違い、ヨウムとオウムの違いは?見分け方や性格の特徴を解説

繊細で神経質といわれるヨウムの性格は?

ヨウムは人懐っこく、おとなしい性格の鳥です。


5歳児相当の知能と2歳児相当の感情を持つと言われ、おしゃべりが上手でスキンシップを好みます


世界的に有名なヨウムのアレックス(1976年-2007年)は、50の物体と7つの色、5つの形を見分けることができ、6までの数も数えられたといいます。


飼い主に対する愛情も豊かなので、コミュニケーションが楽しめるでしょう。


ただ反面、飼い主以外の人間に対しては警戒心を抱くことがあります


寂しがり屋でもあり、遊んでもらえないとストレスになりますので、関われる時間が十分に取れる人向けと言えます。

ヨウムには反抗期があるって本当?

ヨウムには、人間と同じく反抗期があります


その反抗の仕方も、攻撃的になったり自己主張が激しくなったりすると言いますので、まるで人間のようで、なんだか親しみがわきますね。


反抗期をいつ迎えるのかは個体差がありますが、多くの場合は1羽につき2回です。


1度目は幼鳥交換が完了した1歳半~2歳くらいとなるようです。


先ほどの「ヨウムの年齢を人間に換算すると何歳?」に照らし合わせると、ヨウムの1歳半~2歳は人間のティーンエイジャーといったところでしょうか。

鳴き声はうるさい?飼うのに向いてる?

ヨウムの鳴き声は、他の大型インコやオウムと比べると大きくないため、都会や一人暮らしのマンションなどでも比較的飼いやすいと言われています。


しかし気を付けたいのは、朝晩に「呼び鳴き」と言われる高い鳴き声をあげる個体がいることです。


これは仲間たちに自分の居場所を知らせるという野生の本能で、やめさせることはできません。


朝や夜は特に静かな時間帯ですので、ご近所さんへの影響が気になりますね。


近隣へ音の通りやすい環境であればやはり飼う前によく考える必要がありますし、飼うとなったなら防音対策をしたり「すみませんが、鳴き声がうるさかったら教えてください」など一声かける配慮をしたいものです。

ヨウムの飼育方法や飼う際に必要なものは?


ここからは、実際にヨウムをペットとして迎えるにあたり、購入できる場所や値段、用意しておくべきものについて解説します。


ヨウムがストレスのない環境で暮らし幸せに寿命を全うできるように、物理的にも気持ちの面でも、しっかりと準備をしておきましょう。

ヨウムの値段は30万円が相場

ヨウムはペットショップで購入することができますが、流通量が少ないことと寿命が長いことから、値段は安くはありません。


販売するペットショップや購入時期によっても差がありますが、おおよそ30万円ほどとなります。


またヨウムはその人気から乱獲が激しくなったため、2017年のワシントン条約によって海外から日本への輸入が禁止されました。


これによって、今後は国内でブリーダーによって繁殖された個体のみが販売されることとなり、ますます希少価値が上がるものと考えられます。

飼うのに必要なものはケージや止まり木など

ヨウムを飼うために準備するものは色々とありますが、まずは基本的なところを押さえておきましょう。


ケージ

ある程度、ヨウムが自由に動き回れる大きさのものを選びましょう。


置き場所は寒暖の差が大きい窓際を避け、なるべく家族が集まりコミュニケーションの機会が多くなる場所が望ましいですね。


止まり木

太さや形に変化のある、自然の木が理想的です。


変化があることで、ヨウムの脚の一部分だけに触れることがなく、ケガなどの予防にもなります。


エサ入れ・水入れ

ケージに付属していることもありますが、別売りの丈夫なものに換えることをおすすめします。


エサ入れは主食のペレットなどを入れるものに加え、副食入れがあるとより便利です。


おもちゃ

知能が高く遊び好きなヨウムのために、おもちゃは是非入れてあげたいものです。


とはいえあまりいくつも入れるとケージが狭くなってしまいますので、1つか2つが適当かもしれませんね。

えさはペレットやシードがおすすめ

野生のヨウムは木の実や種子、果物などを食べていますが、飼育下では栄養面でバランスの良いペレット(固形配合食)が良いと言われています。


ただあまりにも食事が単調になってしまいますので、副食として小松菜やニンジン、トウモロコシなどの野菜を与え「食の楽しみ」も大切にしたいところです。


また、ヒマワリや麻などを配合したシード類を主食に用いることもあります。


これらはヨウムの大好物ですが、カロリーがとても高く、食べ過ぎると肥満や病気の原因にもなりますので、ご褒美やおやつとして時々あげるくらいがおすすめです。

飼う前に知っておきたい!ヨウムがかかりやすい病気とは?

ヨウムは丈夫で寿命が長い鳥ですが、かかりやすい病気もあります。


代表的なものとしては下記のようなものが挙げられますので、覚えておくと、早めに病気を発見するのに役立つかもしれません。

病名症状主な原因
オウム類嘴(くちばし)羽毛病羽やくちばしに異常が起こるウイルス
毛引き症自分の羽をつついて抜いてしまうストレスや栄養不良
クル病脚の変形、翼が垂れ下がるなどビタミンDの不足
ウイルス性羽毛疾患羽の変形、毛が抜けるPBFDウイルスなど
アスペルギルス症呼吸困難、下痢、運動失調不衛生な環境

原因は様々ですが、暖かい国が原産なので寒さや乾燥に弱いということと、知能の高さゆえにストレスに弱いということは覚えておきましょう。


また、ヨウムには病気の時も元気なようにふるまうという特徴があります。


飼い主は病気のサインを見逃さないように、特にくちばしや羽の様子や、寝てばかりいないか、目の周りに異常はないかなど日ごろから気を付けてあげてくださいね。

ヨウムでも入れるペット保険を検討してみては?

丈夫といわれるヨウムでも、様々な病気をする可能性があります。


そして病院に連れていくとなると、医療費は意外と高額です。


アニコム「家庭どうぶつ白書2019」による鳥の疾患・診療費の調査では、年間で請求割合の多いのは呼吸器系や消化器系、全身性などの疾患となっています。


そして例えば「呼吸器系の疾患」における「5~6歳」の鳥一羽あたりの年間平均診療費は34,843です。


もちろん手術や入院を伴えば金額はさらに上がることとなり、可愛いペットのためとはいえ、負担に感じることもありますよね。


こういった場合に備え、おすすめなのがペット保険への加入です。


ペット保険は保険会社やプランによって保障内容や保険料も大きく異なってきますので、是非一度資料請求をしてみることをおすすめします。


ヨウムでも加入できるペット保険について以下の記事で紹介しています。気になる方は参考にして下さい。

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ヨウムの平均寿命に関するまとめ

ヨウムの平均寿命について解説してきましたがいかがだったでしょうか?


今回の記事のポイントは

  • ヨウムは平均寿命が約50年ととても長寿
  • ヨウムを長生きさせるには「放鳥」と「日光浴」が重要
  • ヨウムの価格は30万円ほどで、今後も値上がりが予想される
  • ヨウムは丈夫とはいえ罹る可能性のある病気は多く、ペット保険への加入がおすすめ
でした。

ヨウムの寿命はとても長いため、飼い主さんの方が先に亡くなってしまうケースが少なくありません。飼い始める際には最後まで責任を持って飼育できるのか検討しましょう。

MOFFMEでは、他にも読んでおきたいヨウムやペット保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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