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ティーカッププードルは可愛らしい見た目が人気ですが、日本では正式な犬種として認められていません。寿命が短いと思われがちですが、他の犬種と比べても寿命は長く、健康管理によって長生きさせてあげられます。ティーカッププードルがかかりやすい病気や長生きのコツも解説!

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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ティーカッププードルの平均寿命は?

ティーカッププードルは、外見がすごくかわいらしく、人懐っこい性格の印象を持っている方も多いのではないでしょうか?
飼いたい場合は、その特徴をよく把握して家族の一員に迎えたいですよね。

しかし、ティーカッププードルの平均寿命や長生きするためのコツについて皆さんご存じでしょうか。

そこで今回「MOFFME」では、
  • ティーカッププードルの平均寿命は?
  • かかりやすい病気やその治療法は?
  • 長生きさせるコツはあるの?
  • ペット保険について
以上のことをわかりやすく解説していきます。

この記事を読めば、ティーカッププードルの普段から気を付けるべきことが良く理解できます。

ぜひ、最後までご覧ください。

ティーカッププードルの平均寿命は12〜15歳!


ティーカッププードルは、小型犬の中でも小さいですよね。


身体が小さいため、何かの疾患を持って生まれたと思い、平均寿命が短いと考えている人も多いと思います。


実際は、体が大きくなるにつれ寿命が短くなる傾向があり小型犬のほうが平均寿命は長いです。


ここでは、実際に

  • ティーカッププードルの平均寿命は?
  • 人間換算すると?シニア期はいつから?
  • マイクロティーカッププードルとの比較
について解説していきます。

またMOFFMEでは、「ティーカッププードルのペット保険ランキング」についても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。   

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ティーカッププードルの平均寿命は12〜15歳です

犬の平均寿命は12歳~15歳といわれています。


ティーカッププードルの平均寿命は12〜15歳です。


ほぼ平均的と同じなので、ティーカッププードルの寿命は決して短くありません。


ティーカッププードルは基本的に普通のトイプードルの成長スピードと同じです。


ティーカッププードルは正式に登録されているわけではなく2kg以下のプードルのことをさします。


なので、ティーカッププードルの平均寿命は短いと思っていた方は安心してください。


可能性は低いですが、未熟児や先天性の疾患を持ち、身体が小さい子が出回っている可能性もあるので、実際に迎える際は担当の方に十分に確認をとりましょう。

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ティーカッププードルの年齢を人間に換算すると?

皆さんは、ティーカッププードルの年齢を人間に換算する方法をご存じですか?


小型犬や大型犬では、成長スピードが大きく違います。


それでは、ティーカッププードルはどのように換算するのでしょうか?


ティーカッププードルは成長スピードがほぼトイプードルと同じ発達スピードなのでトイプードルの数値で計算してみました。


計算方法以下の通りです。


小型犬の場合

  • 0歳~2歳:1年×12.5歳
  • 3年~:1年×3.87歳(トイプードル)

中型犬の場合

大型犬の場合

  • 0歳~2歳:1年×9歳
  • 3年~:1年8.90歳(ボクサー)
このように大きさによって歳の取り方にかなりバラつきがあります。

ティーカッププードルは小型犬に分類されます。

例えばティーカッププードルが10歳の場合は、

(2年×12.5)+(8年分×3.87)=55.96歳

のように計算します。

ティーカッププードル(トイプードル)の生後半年から20歳までの年齢の表を作成したので、ぜひ参考にしてください。

犬の年齢※換算した年齢
6か月9
1歳13
2歳25
3歳28
4歳33
5歳
37
6歳40
7歳44
8歳48
9歳52
10歳56
11歳60
12歳64
13歳68
14歳72
15歳76
16歳80
17歳84
18歳88
19歳92
20歳96
※小数点第1位を四捨五入して計算しています。

この表からも人間に比べて犬が成長スピードが早いのが分かりますよね。

ティーカッププードルのシニア期・高齢期はいつから?

犬全般に言えることですが、ティーカッププードルのシニア期からは病気のリスクも増えて愛犬に対してケアをする必要があります。


一般的に7歳からシニア犬で12から高齢犬になるといわれています。


シニア期からは身体機能も目や耳も衰えてしまいます。


具体的にシニア期になると、

  • 歯周病による口臭
  • 目や耳などの機能が低下する
  • 運動量が減る
  • 足腰が弱くなり運動量が減る
これらのサインがあらわれます。

散歩の歩くペースや歯磨きなど日ごろの生活習慣も愛犬の年齢とともにペースを合わせてあげる必要があります。

また、シニア期からは食事も年齢に合わせて、ドッグフードを変える必要があります。

噛む力や栄養素のことを考えて選ばなければなりません。

シニア期からは可愛がり世話をするだけでなく、愛犬の行動も注意深く見てあげるようにしましょう。

マイクロティーカッププードルとは?

みなさんは、マイクロティーカッププードルをご存じですか?


マイクロなので極小プードルともいわれています。


どのくらいの体格差があるのか、一般的のティーカッププードルと比較しましたので参考にしてみてください。

ティーカッププードル
マイクロ
ティーカッププードル
体高20cm~23㎝
~20㎝
体重1.5~1.8㎏1.3~1.5㎏

表から見てわかるようにティーカッププードルよりもさらに一回り小さいサイズですよね。


特に平均寿命も変わらないため、単純に2種類の違いは大きさだけのようです。


十分に食事を与えず、成長を遅らせるという飼い主の方もいますが、危険ですので絶対にそのような行為はせず、十分に食事を与えるようにしましょう。

ティーカッププードルがかかりやすい病気やその治療・治療費は?


ティーカッププードルを飼う際に、どんな病気にかかりやすいのかについて気になりますよね。
実は、ティーカッププードルが気を付けるべき病気は存在します。

中には深刻な病気も存在するので、日ごろから体調をよく観察し少しでも元気に過ごせるように気を付けてあげましょう。

ここでは、ティーカッププードルがかかりやすい3つの病気について解説します。

クッシング症候群

クッシング症候群とは小型のプードルがかかりやすく、別名は副腎皮質機能亢進症と呼ばれている副腎の病気です。


副腎の副腎皮質が活発に働きすぎてしまうことで、必要以上にホルモンが分泌されてしまう病気です。


放置してしまうと、糖尿病皮膚炎血栓症など併発してしまい重篤化してしまう可能性があります。


原因

考えられる原因は3つです。

  1. 脳下垂体に腫瘍ができることで、脳下垂体が誤った働きをしている
  2. 副腎に腫瘍ができている
  3. 違う病気に処方された薬の副作用
が考えられます。

一つめの脳下垂体はホルモン分泌の指示をする働きを持っています。

その脳下垂体に腫瘍ができることで正常に判断されなく、必要以上にホルモンが分泌されてしまいます。

二つめは、副腎に腫瘍ができることで副腎自体が大きくなり、多くのホルモンが分泌されてしまいます。

三つめは、違う病気に処方された薬の副作用が影響する場合です。

違う病気でステロイド剤などを長い間使用した場合は、副腎内にホルモンが多く滞留しているので「医原性副腎皮質機能亢進症」と呼ばれる副作用を起こしてしまいます。


またほかの要因には

  • 性差も関係していてオスよりメスの方がかかりやすい
  • シニア期から注意が必要でかかりやすい
があります。

症状

症状はいくつかあるので、症状が出た場合はなるべく早く病院に連れて行くようにしましょう。
  • 多飲多尿
  • 毛が抜け落ちる
  • 呼吸が乱れている(息が荒い)
  • 運動量の低下
  • 食事を欲しがる
  • 体重の増加
などが症状としてあります。

ただの肥満だからダイエットさせなきゃと思っている人も多いですが、病気の可能性もあります。

少しでも疑問に感じたら動物病院に連れて行くようにしましょう。

予防

予防法は特にありません。

早期発見早期治療が最も重要です。

進行がまだ早い段階では十分に治療することが出来ます。

この病気かもしれない症状がみられたら病院に行くようにしましょう。

治療法

治療法は原因により異なります。

脳下垂体による原因が全体の9割を占めているので、脳下垂体の腫瘍が小さい場合は薬で治療します。

大きい腫瘍の場合は種々が難しいので放射線治療で腫瘍を小さくしてから薬を使用します。

仮に副腎に腫瘍があった場合は、手術で取り除きますが、難しいケースも多く時間をかけて薬で治すこともあります。

治療にかかる費用は、
  • 薬物治療:16,000円~30,000円程度(月額)
  • 手術治療:150,000円~250,000程度
  • 放射線治療:60,000円~100,000円(一か月あたり)
この病気はすぐに完治する病気ではありません。

定期的に治療費がかかってしまうこともあるので理解しておいてください。

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【獣医師監修】犬のクッシング症候群とは?症状や治療費・治療法、検査法を解説!

免疫介在性溶血性貧血

この病気は、プードル全般に発症のリスクがあります。


免疫介在性溶血性貧血とは、溶血性貧血の一種で血液中には、赤血球という物質がありますが、その赤血球が破壊されてしまい、貧血になってしまう病気です。


放置してしまうと、貧血による食欲不振や酸欠になり呼吸困難にもなってしまうので注意が必要です。


原因

この病気は先天的な遺伝が影響しています。


プードルはその遺伝子の影響によりこの病気になりやすいです。


体内には自分の健康を保つために自己免疫システムがあります。


その自己免疫システムが突然、正常に機能しなくなり血液にある赤血球が異物とみなされ破壊されることで引き起こされます。


また腫瘍などの疾患により二次的に起こることもあります。


症状

症状は次のようなものがでたら注意してください。
  • 尿の色が濃く、回数も増える
  • あるくときにふらつく
  • 呼吸が乱れる
  • 運動量の減少
  • 食欲が減る
一気に進行する場合もあるので、症状がでたらすぐに病院に連れて行きましょう。

予防

先天性の遺伝が関係していることが多いので具体的な予防法はありません。

早期発見早期治療が最も重要です。

進行が進む前に、症状がみられたら病院に行くようにしましょう。

治療法

治療のほとんどは薬物治療です。

薬を使用して、免疫の抑制ができるように調整します。

貧血により重篤化してしまった場合は、輸血を用いて対処することもあります。

おおよその治療費は8,000円~10,000円程度(月額)かかります。

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【獣医師監修】犬の免疫介在性溶血性貧血とは?原因から予防まで解説

進行性網膜萎縮症

進行性網膜萎縮症とは、眼の網膜が変性や萎縮することで、正しく機能しなくってしまう病気です。


進行が進むと眼の細胞である視細胞が徐々に減少していくので、視力が落ちていき、失明する可能性があります。


原因

遺伝性の疾患と考えられていてプードル全般に可能性があります。

早いタイプだと生後1ヵ月半〜3ヵ月齢で発症、1〜2歳で失明してしまいます。

1〜3歳の頃に発症し、5〜8年かけて失明する遅い進行の場合もあります。

個体差の影響もあります。

症状

症状は初めは気付きにくいですが、日々視力が低下するので、
  • 暗い場所で物にぶつかる
  • 歩行中にこける
  • 運動量の低下(見えなくなり行動しなくなる)
症状が出たら病院に連れて行きましょう。

同じ目の病気である白内障を併発するかもしれないので注意が必要です。

予防法

遺伝による影響のため確立している予防法はありません。

予防よりも、なってしまった時の対応が重要です。

病気に限らず高齢になるにつれ視力は低下します。

室内での段差をなるべくなくすことや散歩コースの工夫など生活環境を整えて、ストレスフリーな生活を目指しましょう。

定期診断で早期発見や治療ができるので年に1回、シニア期からは年に2回を目安にして健康診断をしましょう。

治療

治療には、ビタミン剤や抗酸化剤などのサプリメントを使用して進行を遅らせます。

治療の理解として、完治を目指すわけでなく、進行を遅らせて一緒にこの病気と付き合っていくと考えておきましょう。

治療にかかる費用は、月々3千円~4千円程度かかります。

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ティーカッププードルが長生きする3つのコツ・飼育法を解説!


平均寿命や病気について解説しましたが、次に普段から気を付けるべきポイントを3つまとめてみました。


この犬種は病気になる要因を持っているので、生活環境を見直して、少しでも元気に生きられるようにしてあげましょう。

長生きのコツ①:食事管理

寿命を延ばすには、食事管理はとても重要です。


必ず栄養の偏りのないにバランスのとれた食事を与えるようにしましょう。


人間の食物は基本的に与えないでください。


塩分や糖分の過剰摂取もつながります。


栄養が偏ってしまうと、例えばミネラルをとりすぎてしまった場合は尿路結石の要因ともなるので注意してください。


高齢になるにつれ、運動量も減り肥満になりやすいので特にシニア期からは、ドッグフードも硬さや栄養など年齢に合ったものを選んでください。


また食べ物だけではなく飲み物にも注意してください。


ミネラルウォーターは避けてください。


水道水の多くが軟水なので水道水で問題ないです。


また、人間の牛乳も与えすぎてしまうと尿路結石にもつながるので注意してください。

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長生きのコツ②:ストレスがかからない環境づくり

また、寿命を延ばすためにもストレスがたまらないようにもしましょう。


ストレスで病気につながることもありますし、問題行動にもつながることもあります。


十分に運動させたり、触って一緒に遊んであげるだけでも十分に効果があります。


室内で飼うケースがほとんどですが、留守番をすることは犬にとってストレスがたまりやすいです。


子どものころからケージに入れてお留守番させることに慣れさせておいてください。

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長生きのコツ③:口内ケア

また、口内ケアも重要です。


歯周病は3歳以上の8割が歯周病の疑いがあるといわれています。


ドッグフードなど歯石がたまりやすくケアをしないと、歯周病菌が繁殖するので歯周病になってしまいます。


ティーカッププードルは口の構造上、歯並びが悪くなりやすく歯石がたまりやすいです。


成犬になってから歯磨きをする場合、嫌がることも多いです。


子供のころから習慣をつけて、歯磨きの苦手意識を作らないようにしてあげましょう。

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ティーカッププードルのペット保険とは?保険料や補償内容、特約も解説!

ペット保険を知っている方は多いですが、加入率はまだ高くなく、補償内容を知らない人も多いと思います。


ペット保険とは、医療費が発生したときに保険料を支払うことで、一部を補償する保険商品です。


ペット保険の加入の際は申告義務があり、保険会社が審査するシステムです。


年齢制限もあり、過去の既病歴、現在の健康状態などで審査が通らない場合や条件付きで加入できる場合もあります。


最近では様々な保険会社とプランがあるので、その家庭の状況に合わせてプランを選ぶことができるのが特徴です。


ペット保険会社に存在するプランの多くは、

  • フルカバータイプ:手術・入院・通院をカバーするプラン
  • 手術特化タイプ:手術に対する手当が充実しているプラン
  • 通院特化タイプ:通院に対する手当が充実しているプラン
の3つが存在します。

フルカバータイプの場合、治療費の50%分を補償、70%分を補償として保険が適用され請求できます。

毎年更新が必要ですが、基本的に自動更新される保険会社が多いです。

基本的に犬の大きさで月々の保険料が変わることが多いです。

ティーカッププードルの場合は、小型犬に分類されることが多いです。

また、ペット保険にはペットの賠償責任特約等があり、治療費を補償するだけでなく、基本補償の他に特約等も付帯できるのもポイントのひとつです。

愛犬が他の人や犬や所有物にかみついてケガをさせてしまい、トラブルになるケースも増えています。

愛犬が起こした他人への被害に関しては賠償責任が発生しますが、賠償責任特約により最大1,000万円まで補償が下ります。

他にも例外のケースもあるので、必ず検討している保険会社の規約に目を通すようにしましょう。

このように、現在では犬の保険はとても充実しているため、まだ加入していない人は必ず加入して、もしもの時に備えておきましょう。

MOFFMEでは、ペット保険の申告義務や内容について、詳しく解説している記事もありますので、ぜひ参考にしてください。
ティーカッププードルのペット保険ランキングを確認する

まとめ:ティーカッププードルの平均・最高寿命や長生きさせるコツについて

ここまでティーカッププードルの平均寿命や長生きさせるコツに関する注意点について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 決して平均寿命は短くないが、先天性による病気の可能性も多い
  • マイクロティーカッププードルはティーカッププードルより一回り小さい
  • 食事や散歩なしっかり管理することで病気のサインに気づきやすくなる
  • 治療費や愛犬の安心のために事前にペット保険へ加入しよう
以上の点です。

ティーカッププードルは非常に人気ですが、意外と知られていない病気や注意点があるので、検討している方はこの記事をぜひ参考にしてくださいね。

また、ペットショップで勧められたペット保険に安易に加入せず、ご自身でしっかりと調べた上でペット保険に加入しましょう。

MOFFMEではペット保険に関する記事を多数公開していますので、ぜひ参考にしてください。