猫に玉ねぎは与えてはダメ!危険性や中毒症状、誤食の対処法を解説!のサムネイル画像

猫が玉ねぎを食べても大丈夫でしょうか?餌に猫が玉ねぎや皮を少量でも誤飲・誤食すると貧血や死んだりする危険があります。では猫が玉ねぎを食べた場合の応急処置方法やなぜ与えるのは危険なのか、また加熱すれば大丈夫かどうか気になりますよね。今回は猫と玉ねぎを解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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猫が玉ねぎを食べても平気?その危険性や中毒症状等を解説!

カレーや煮物、サラダに炒め物など、さまざまな料理に欠かせない食材、玉ねぎ。


おいしいだけではなく、血液サラサラ、疲労回復、むくみの解消など、人間にとって健康に役立つ栄養素が含まれている野菜として、老若男女に好まれている野菜です。


食卓に登場する頻度も多い分、愛猫が誤って食べてしまわないか、食べても大丈夫なのか心配になりますよね。


そこで、今回の「MOFFME」では

  • 猫が玉ねぎを食べては絶対ダメ!その理由や危険な成分を解説!
  • 猫が玉ねぎを誤食したらどうなる?中毒症状や致死量を解説!
  • 猫が玉ねぎを誤食した!対処法や飼い主さんにできる応急処置とは
について詳しくご紹介していきます。

現在猫を飼っている人にも、これから猫のお迎えを検討している人にも、ためになる記事となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

またMOFFMEでは、「ペット保険のランキング」についても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください!

猫が玉ねぎを食べては絶対ダメ!その理由や危険な成分を解説!

猫に玉ねぎを与えることは、絶対してはいけません。

近年、さまざまな動物に玉ねぎを与えるのはNGと、飼育書や雑誌、webサイトやSNSでも注意喚起が増えてきたので、猫をはじめペットに玉ねぎを与えることはいけないことだと、なんとなくご存知の方も増えてきたと思います。


では、人間には健康に役立つ栄養素がたくさんの玉ねぎを、猫をはじめ、多くのペットに与えるのがなぜNGなのか、その理由をご存知ですか?


そこでこの項目では

  • 猫に玉ねぎを与えるのは危険!
  • 玉ねぎの中の、アリルプロピルジスルフィド等の危険な成分が原因
  • 玉ねぎ以外に、猫が食べてはいけない野菜・食べ物とは?
について詳しくご紹介します。

猫に玉ねぎを与えるのは危険!

猫に玉ねぎは絶対に与えないでください!

猫が玉ねぎを誤って食べてしまうと、玉ねぎの中に含まれる「アリルプロピルジスルフィド」という成分が原因で、少し食べただけで貧血が引き起こされたり、ふらつきや下痢、嘔吐等の症状が現れ、最悪の場合死に至ることもあります。


また、この成分は加熱しても消失することはなく、さらに煮汁などにも成分が溶け出してしまうため、一緒に料理したものの中に、玉ねぎが入っていれば、同じく中毒症状を引き起こしてしまう可能性があります。

玉ねぎの中の、アリルプロピルジスルフィド等の危険な成分が原因

玉ねぎを切ると香ってくる、食欲をそそる強い匂い。


自分で調理をしているときや、家族が夕食の準備をしていると、香ってきたことがあると思います。


この香りの元となるのが、硫化アリルアリルプロピルジスルフィドといった成分です。


そして、硫化アリルやアリルプロピルジスルフィドといった成分には、「有機チオ硫酸化合物」が含まれています。


この有機チオ硫酸化合物は、人間には血液がサラサラ、免疫力アップなどの嬉しい効果が期待できる成分です。


しかし、猫をはじめ、犬や多くの動物には、有機チオ硫酸化合物を消化するための酵素を体内に持っていません。


有機チオ硫酸化合物を消化する酵素を持たない猫の体内に、この成分が入ってしまうと、血液中の酸素を運ぶ役割を担うヘモグロビンを酸化させ、ハインツ小体性溶血性貧血という貧血が引き起こされてしまいます。


なかには、命の危機に直面するような、重度の貧血を引き起こしてしまう場合もあります。

補足:玉ねぎ以外に、猫が食べてはいけない野菜・食べ物とは?

玉ねぎ以外にも、同じ成分から、猫や他の動物が、同じ中毒症状を引き起こす食材があります。


代表的なもので言うと

  • 長ネギ
  • 青ネギ
  • ニラ
  • ニンニク
  • わけぎ
  • あさつき
  • らっきょう
  • エシャロット

などがあります。


また、アボカドやチョコレートなどの他の野菜や加工品、調味料も猫にとって有毒な成分が含まれている場合があります。


猫にとって有害な成分が含まれていなくても、自分の飼い猫だけその食材の食物アレルギーをもっている場合も。


基本的に、人間の食べ物は与えずに猫用のフードや加工品を与えるようにしましょう。


また、手作りのフードを与える場合は、使用する食材が猫に毒がない食材かをきちんと調べてから調理し、食物アレルギーの可能性も視野に入れ、最初は少量ずつ、体調に変化がないかを観察しながら与えるようにしましょう。

猫が玉ねぎを誤食したらどうなる?中毒症状や致死量を解説!


前の項目では、猫が玉ねぎを食べてはいけない理由をご紹介してきました。


では、猫が誤って玉ねぎを食べてしまったとしたら、どのような症状が出てくるのでしょうか。


そこでこの項目では

  • 猫の玉ねぎの中毒症状とは?嘔吐等以外に、最悪死に至ることも
  • 猫の玉ねぎの致死量はどのくらい?
  • 玉ねぎの中毒症状が出るには時間がかかる!元気でも要注意
について詳しくご紹介していきます。

猫の玉ねぎの中毒症状とは?嘔吐等以外に、最悪死に至ることも

猫が実際に玉ねぎを食べてしまった場合、以下のような症状が現れます。

  • 嘔吐
  • 元気がなくなる
  • 舌や歯茎が白っぽくなる(健康的なピンクではなくなる)
  • フラフラする
  • 呼吸が荒れる
  • よだれが垂れる
  • 腹痛
  • 下痢
  • 血尿 
  • 痙攣
  • 発作
  • 気絶
貧血が進み、意識が朦朧としてふらふらとしているときは、かなり症状が進行し、命の危機がすぐそこまで迫ってきている証拠です。

そのまま自然治癒を期待し、様子を見ている余裕はありません。

一刻も早く、動物病院を受診して治療を受けるようにしてください。

猫の玉ねぎの致死量はどのくらい?

では、猫が玉ねぎを食べてしまった時の致死量はどれぐらいなのでしょうか。


一般的には、猫の体重1kgに対し、玉ねぎ5gを摂取すると、中毒症状が出る。と言われています。


猫の平均体重は3.6〜4.5kgですので、18〜22.5gの量で中毒症状が現れる計算になります。


スーパーなどで販売している玉ねぎの中ぐらいのサイズが、皮を剥いた状態で大体200g前後ですので、中サイズの玉ねぎの1/10ぐらいの量になります。


ですがあくまでも上記は参考の値です。


もちろん、この数値よりはるかに少ない量、たったひとかけの玉ねぎや、玉ねぎを一緒に茹でたスープを舐めただけでも中毒症状を起こす場合もありますので、少量であろうと、絶対に猫に玉ねぎや、一緒に玉ねぎを調理したものを与えないでください。

補足:玉ねぎの中毒症状が出るには時間がかかる!元気でも要注意

猫が玉ねぎを誤って食べてしまった場合、すぐに中毒症状が現れるかというと、そうではありません。


多くの場合は、24時間〜数日後に中毒症状があわられます。


愛猫が玉ねぎを食べてしまい、とても元気にしているからといって、そのまま放置には絶対にしないでください。


玉ねぎを食べてしまったところを目撃したら、すぐにでもかかりつけの動物病院に連絡して指示を仰ぎましょう。

猫が玉ねぎを誤食した!対処法や飼い主さんにできる応急処置とは


ここまで、猫が玉ねぎを食べてはいけない理由や、食べてしまった時に発症する症状などをご紹介しました。


猫が玉ねぎを食べるのは少量でも命の危険があるとお伝えしましたが、もし、猫が玉ねぎを誤食してしまった場合、飼い主はどうすればいいのでしょうか。


そこでこの項目では

  • 猫が玉ねぎを食べた場合、飼い主さんがすぐできる応急処置とは
  • 愛猫の様子見をしつつ、出来るだけすぐに動物病院を受診しよう
  • 動物病院で行われる誤食の治療内容とは?ペット保険も使える!
  • 猫の玉ねぎの誤食を防ぐには?キッチンに入れてはダメ!
についてくわしくご紹介していきます。

いざというときにパニックにならないためにも、ぜひご覧ください。

猫が玉ねぎを食べた場合、飼い主さんがすぐできる応急処置とは

猫が玉ねぎを誤って食べてしまった場合、飼い主には何ができるのでしょうか。


口の中に玉ねぎが残っていたら取り出す

少量でも猫が玉ねぎを摂取するのは危険ですので、口の中に残っていたら全て取り除いてあげてください。
また、その際、口の周りも綺麗に拭いてあげましょう。

食べたものを吐かせる

猫の場合、自力で食べたものを吐いてくれることもあります。
もし自ら吐いてくれたときは、再度、口の中に玉ねぎが残ってないか確認してあげましょう。

また、飼い主さんが吐かせてあげる方法として、指で舌の付け根あたりを押してあげると吐いてくれることがあります。

他にも、催吐剤を使用する…などの記事を目にすることがあると思いますが、強制的に吐かせるのは誤嚥の可能性や、気管や食道を傷つける恐れ、猫の体力も奪うことになりますので、自己判断で吐かせることはお勧めしません。

必ず、動物病院の指示に従うようにしてください。

愛猫の様子見をしつつ、出来るだけすぐに動物病院を受診しよう

口の中のものをとりのぞいたら、猫の様子見をしつつ、すぐにかかりつけの動物病院に連絡・受診をしましょう。


食べてすぐはなにもなくても、数時間から数日後に症状が現れる場合があります。


「少量しか食べてないから」「今症状は出ていないから」と、そのまま放置はせずに、すぐ受診するようにしましょう。

また、夜間も受診できる動物病院を普段から探しておきましょう。


動物病院を受診する際は、いつ、どれぐらいの量を猫が食べてしまったのかを獣医師に伝えると、処置をする参考になりますので、できるだけ詳細を伝えるようにしましょう。

動物病院で行われる誤食の治療内容とは?ペット保険も使える!

猫が玉ねぎを誤って食べてしまった場合、動物病院を受診したらどのような治療が行われるのでしょうか。


玉ねぎの中毒症状に関して、残念ながら解毒剤は存在しません。


そのため、動物病院での対処法も

  • 食べたものを吐かせる
  • 胃の中を洗浄する
  • ビタミン剤を与え、赤血球の酸化的障害の抑制をする
  • 下剤や利尿剤を与え、食べたものを排泄させる
  • 貧血の症状が重い場合は、輸血
のようなことに限られてきます。

このような誤飲に対する処置の場合、ペット保険が適用になる場合が多いですので、加入している場合は、契約内容を見直したり、未加入の場合は、今後に備えて加入を検討してみてください。

補足:猫の玉ねぎの誤食を防ぐには?キッチンに入れてはダメ!

玉ねぎ中毒には解毒剤は存在しません。


そのため、猫が玉ねぎ中毒にならないためには誤食の予防が一番になります。


では、誤食を予防するためにはどのようにすればいいでしょうか?


一番は家の中に玉ねぎを持ち込まないことですが、普通に生活をしていく上では難しいと思います。


まず、購入してきた玉ねぎは放置せず、すぐに猫に気づかれない場所や入れないところにしまいましょう。


玉ねぎは常温で長期間保存できる点も嬉しい食材ですが、室内に出したままにしておくと、いつの間にか猫に悪戯されていた!ということも。


冷蔵庫の野菜室や、猫が開けられないような扉が付いている場所に置くようにしてください。


また、調理中に落としてしまったものを食べてしまう可能性もありますので、調理中はキッチンに猫が入れないような工夫をするようにしましょう。


といっても、身軽な猫ですので、飼い主のさまざまな工夫をかいくぐり、キッチンに入ってきてしまう場合もあると思います。

ですので、落ちたものは放置せず、すぐ拾って捨てる癖をつけましょう。


食事中も、普段から人間の食べ物を食べないようにきちんと躾をするようにしましょう。


人間が食べる食べ物の中には、玉ねぎに限らず猫にとって有毒な食べ物がたくさんあります。

さらに、塩分もとても多い味付けの場合が多いので、内臓にも負担がかかります。


それらを全部把握しておくのはとても大変なので「人間の食べ物は猫に食べさせない」を習慣にしていきましょう。

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しかし大切なペットには最適な治療を余裕を持って受けさせてあげたいですよね


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まとめ:猫に玉ねぎを与えてはダメ!

今回は、猫に玉ねぎを与えてしまった時の危険性についてご紹介してきました。


ポイントは

  • 猫に玉ねぎを与えるのは絶対NG
  • 猫に玉ねぎを与えると貧血をひきおこし、最悪の場合死んでしまう可能性も!
  • 玉ねぎ以外も長ネギやニラなど、猫にとって有害な食べ物が多いので、人間の食べ物は猫に与えない
  • 猫が玉ねぎを食べてしまうと、嘔吐や下痢、血尿などの症状が現れる
  • 致死量より少ない量でも、重篤になる猫もいるので、少量でも玉ねぎは与えない
  • 中毒症状は24時間〜数日後に出ることがほとんど
  • 猫が玉ねぎを食べてしまったら、口の中にある玉ねぎを取り出してあげ、すぐに動物病院を受診する
  • 玉ねぎ中毒には解毒剤がないので、食べさせない予防が大切
  • 猫の誤食に対しての治療はペット保険を使えることが多い
でした。

玉ねぎ自体には興味を示さなくても、ハンバーグのような、玉ねぎが入っている食べ物に興味を示し、食べようとすることも。

愛猫のためにも、普段から人間の食べ物を食べないよう躾を徹底するなどして、誤食しないように予防をしていきましょう。

MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!