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猫の多頭飼いはストレスになります。新しく子猫等を迎えた際は先住猫のストレスに注意することが大切です。また下痢や嘔吐等のストレスの症状、発散方法も気になりますよね。この記事では猫の多頭飼いとストレスについて、顔合わせや性別の相性等の注意点、解消法を解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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猫の多頭飼いはストレス!失敗しない飼い方や相性とは?

特に猫ちゃんのお留守番の時間が長いご家庭では、「1匹飼いは寂しいだろう」という理由で検討されることも多いであろう猫の多頭飼い。


しかし飼い主さんが良かれと思って連れてきた二匹目の猫が原因で、先住猫がストレスで食欲不振や下痢、嘔吐などの変調を見せることもあるのです。


今回「MOFFME」では

  • 猫の多頭飼いをする前にチェックしておきたいこと
  • オス同士やメス同士など性別での相性や注意点
  • 二匹目に子猫を迎える際の注意点
  • 二匹目を迎えることで発生する費用
  • 猫を多頭飼いする時のトイレやご飯の注意点
  • 二匹目と先住猫の顔合わせのポイント
  • ケンカをしてしまう時の対処法
  • 猫がストレスを感じている時に見られる症状
  • 飼い主ができる猫のストレス解消法
についてご説明していきます。

二匹目を迎えたいけれど猫の多頭飼いは初めてで不安だ、現在多頭飼いをしているけれど相性が悪いようで心配だ、という方には特に目を通して頂きたい内容です。

ぜひ最後までご覧いただき、猫ちゃんとの暮らしに役立ててください。

またMOFFMEでは、ペット保険のランキングについても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧下さい。

多頭飼いを始める前に知っておくべきこと・準備すべきこととは?

猫の多頭飼いをする際、飼い主さんの好みだけで二匹目を選ぶことは厳禁です。


猫は縄張り意識が強い動物ですから、先住猫と二匹目の猫の相性が悪かった場合「自分の縄張りを荒らされた」という強いストレスを抱えてしまうおそれもあります。


ここでは

  • 一般的に相性が良いとされている猫の組み合わせ
  • 二匹目を飼うことで生活に生じる負担
  • 災害時、二匹の猫を抱えて避難するポイント
について紹介していきます。

まずは猫の多頭飼いを検討した時に、具体的に確認したいポイントをチェックしましょう。

①:オス同士やメス同士等、性別や年齢、性格による相性

一般的に猫の多頭飼いでは、オス同士の飼育は避けたほうが良いとされています。


オス猫は飼い猫であっても縄張り意識が強く、双方がおっとりした性格であったり、兄弟猫で一緒に保護したといったような事情がない限りは、反発しあってしまうことも珍しくないのです。


反対にメス同士であれば比較的トラブルが起こりにくく、相性が良くない場合もお互いに干渉せずに上手く生活してくれる傾向があります。


またオスとメスの組み合わせでも大きなケンカは起こりにくいですが、必ず避妊、去勢手術を行ってください


先住猫の二匹目の年齢差に関しても注意が必要です。


後から来るのが子猫なら仲良くなれると思ってしまいがちですが、先住猫が高齢であった場合などは、子猫に付きまとわれすぎてストレスを抱えてしまうこともあります。


飼い主さんからすれば手がかかって大変ですが、子猫と相性が良いのは、やはり同じテンションで遊ぶことができる月齢の近い子猫と言えます。

②:二匹目を飼うことで増加する費用と手間について

必ずしも先住猫にかかっていた2倍の費用を考えておけば、二匹の猫を飼育できるとは限りません。


二匹目に迎えた猫が先天的な疾患を持っていることもありますし、健康であったとしても猫は食べ物のこだわりが強い動物です。


先住猫は手頃なフードを好んで食べてくれるけれど、二匹目の猫は高価なフードしか食べないということもあり得ます。


また二匹いっぺんに病気になってしまった際、両方の医療費を賄うことができるのか、通院をこなすことができるのかなど、二匹目を迎える前に経済的、時間的な余裕があるかじっくり考える必要があります。

③:災害時の避難方法について

災害で道路の陥没などが起きれば、車での移動は困難となります。二匹の猫を連れて徒歩で避難場所まで行かれるのか、きちんと考えておきましょう。


また、避難所には人間用の物資はあっても、基本的にペット用の食料やトイレシーツはありません。


そのため多頭飼いをしている場合は、フードやトイレ用品も多めに備蓄しておく必要があります。


万が一、飼い主さんが猫と一緒にいられなくなってしまった際、二匹以上の猫を一緒に預かってくれる人を見つけるのは困難と言えます。


災害時、避難所にペットと一緒に避難できなかった場合に預かってくれる先を探しておくことも大切です。

猫の多頭飼いでの5つの注意点を解説!何を気をつければ良い?

多頭飼いをする際は、猫同士の縄張り争いが起きないようにトイレや食器の扱い、フードを与える順番に注意が必要です。


また悲しいことではありますが、あまりにも先住猫と二匹目の相性が悪すぎて喧嘩が絶えないという場合には、新入りの猫に新しい家を探したほうが良いこともあります。


ここでは、

  • 猫の多頭飼いで絶対に共用にしてはいけないもの
  • 多頭飼いの場合、猫のトイレはいくつ用意するべきなのか
  • 先住猫と二匹目の顔合わせの方法
  • 二匹目を家に迎える前にチェックしておきたい病気
  • 先住猫のストレスケア
について説明していきます。

①:トイレやご飯・食器の共用には注意!

縄張り争いや猫のストレスに繋がる可能性があるため、複数の猫で食器やトイレの共用は避けるべき行為です。


トイレに関しては、飼育している頭数より一つ多く用意しておくのが理想的です。


相性がよく、お互いにあまり神経質でない性格の猫であれば、同じトイレで用を足すことも珍しくありません。


しかし多頭飼いを開始したばかりの時期は、念のためそれぞれが落ち着いて用を足せる環境を整えておきましょう。


また食器を共用して同じフードを食べさせることは、年齢差のある猫を多頭飼いしている場合には健康を害してしまうおそれがあります。


避妊や去勢は済んでいるのか、猫の年齢はいくつなのか、運動量はどうなのかなど、それぞれの消費カロリーやライフステージにあったフードを別々の食器で与えてください。

②:顔合わせに注意!失敗しない対面の方法とは?

二匹目の猫を家に迎える際には、先住猫には気付かれないようにそっと部屋に入れるようにしてください。


こちらから「新しい家族だよ!」と声がけするなど、先住猫に働きかけをすることは避けましょう。


二匹目をお迎えした初日は先住猫とは顔合わせをせず、ケージに布を被せる、ケージのある部屋には先住猫を入れないなどの対処をしてください。


二日目以降に先住猫が二匹目を気にする素振りを見せるようであれば、ケージ越しに少しの時間だけ対面させます。


この時、お互いが威嚇しあっても「相性が悪いのだ」と落胆する必要はありません。威嚇は初対面の猫同士が見せる、ごく普通の反応です。


何日間かケージ越しに対面させてみて威嚇しあわなくなったら、二匹目をケージから出してお互いの反応を見てみましょう。


もしもどちらかが興奮して襲いかかるようなことがあれば、新入りの猫をケージに戻して、ケージ越しの対面からやり直してください。

③:猫同士のケンカに注意!酷いようなら多頭飼いをやめることも

縄張り争いが食べ物や安全な寝床の確保など生きることに直結する野良猫と違い、飼い猫同士のケンカはいくら激しいものであっても、怪我を負うほど激しくなるケースは少ないとされています。


人間からは飼い猫同士のケンカに見えても、単なるじゃれ合いのことがほとんどです。


しかし、以下のような点が見られたら猫同士の相性が悪く、本気でケンカをしている可能性が高いと考えられます。


  • 片方の猫が仰向けに寝転んで「降参の意志」を示しているのに、攻撃をやめない
  • 目や鼻など、急所を狙って攻撃を仕掛けている
  • 瞳孔が開いている、口が横に大きく開いて犬歯をむき出しているなど、明らかに普段と顔つきが違う

遊びのじゃれ合いであれば、どんなにヒートアップしていても片方が興味をなくせば終了となりますが、ケンカはそうではありません。


急所を狙うなど明らかにお互いを敵視している場合には、新入りの猫に新しい家を探してあげることも視野に入れましょう。

④:新入り猫で注意することは?ウイルス検査等はしっかりと!

特に保護した猫を新しく迎える場合に注意してほしいのが、先住猫に病気をうつすおそれがないのか等の検査です。


  • 猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス(いわゆる猫カゼ)
  • ノミやダニ、シラミなどの皮膚や被毛への寄生虫
  • 回虫などの消化器への寄生虫
  • 猫エイズ(FIV感染症)
  • 猫白血病ウイルス感染症(FeLV感染症)
  • 猫パルボウイルス感染症
  • 猫コロナウイルス感染症
これらの病気を新入りの猫が発症していた場合、先住猫にも感染するおそれがあります。

もちろん保護猫が猫エイズや猫白血病ウイルス感染症にかかっていたからといって、必ずしも先住猫にうつるわけではありません。

きちんとした知識を持って、キャリアの猫を含む多頭飼いをしている飼い主さんも大勢います。

感染を防ぐためにも、新しく猫を迎える際には必ず動物病院に行って血液検査健康チェックを行いましょう。

⑤:先住猫で注意することは?ストレスや優先順位に注意!

明らかに元気がなくなった、食欲が落ちた、姿を見せなくなった、急にウールサッキングをするようになったなどの異変が先住猫に見られたら、環境の変化によるストレスを疑ってください。


特に2匹目に子猫を迎えた場合は、ミルクや排泄補助などの世話が必要な子猫を優先してしまいがちです。


猫は犬と違って家につくもの、人間には興味がないなどと言われることもありますが、猫だって飼い主を取られれば嫉妬しますし、放っておかれれば悲しくなります。


先住猫が寂しそうにしている様子が見られたら、たっぷり構ってあげてください。そして可能な限り、先住猫優先でお世話をしましょう。

猫のストレスとは?ストレスの原因や症状、発散方法を徹底解説!

人間同様、猫もストレスから体調を崩し、病気を発症することもあります。


特に猫は環境の変化に敏感なので、家族が増える、引っ越しをするといった一大事が起きるとストレスを受けてしまいます。


ここでは、

  • 猫がストレスを受ける原因
  • 猫がストレスを受けている時に見られる変化
  • ストレスが原因で発症するおそれのある病気
  • 飼い主さんができる猫のストレス発散法
について紹介していきます。

愛猫に幸せな生活を送ってもらうために、猫とストレスの関係についてしっかり確認しておきましょう。

猫のストレスの原因は?多頭飼いや引っ越し等の原因を紹介!

猫は環境の変化に弱く、引っ越しはもちろんのこと食器やトイレが変わった、知らないにおいがするといったことでもストレスを受けてしまいます。


また音に対しても敏感で、近隣で工事があって大きな音がずっと鳴っている、飼い主さんが大音量でTVを観ている、大声で叱られたというようなこともストレスになります。


さらに自分の縄張りである家の窓の外に野良猫が来るようになった、大好きな上下運動をするスペースがないといった不満もストレスの原因となるでしょう。


もちろん新入りの猫がやってきた、飼い主に子供が生まれたなど家族構成に変化が生じた際も、対処を誤ってしまうと猫に精神的な負担を与え続けてしまいかねません。

猫のストレスの症状は?食欲不振や夜鳴き、病気等の症状を解説!

猫がストレスを感じている時には、以下のようなサインが見られます。

  • 急にトイレを失敗するようになる
  • 夜鳴きをする
  • 食欲が低下する
  • 過剰に体をなめる
  • 突然家中を走り回る(真空行動)
これらの異変が見られた際に、そのまま放置してしまうとグルーミングのしすぎによる脱毛や皮膚炎などの病気に繋がるおそれがあります。

またストレスから嘔吐、下痢といった症状が見られる猫も少なくありません。食欲不振と消化不良が重なってしまうと、低体重も危惧されます。

猫の突発性膀胱炎もストレスによって引き起こされている可能性が高い病気です。

血尿が続く、排尿するたびに痛そうにしているといった異変が愛猫に見られたら、突発性膀胱炎などの病気を疑い、動物病院を受診しましょう。

猫のストレス解消法は?飼い主がしてあげられることを紹介!

猫のストレスを解消するためには、まず環境を見直してあげることが大切です。

  • 上下運動ができるようにキャットタワーなどを設置する
  • トイレはいつも清潔に掃除しておく
  • 猫が使いやすい食器を用意する
  • 爪を研いでよい場所を用意する
  • 窓辺などに他の猫がやって来ないようにする
これらのことに注意し、改善できる点がないか確認してみてください。

猫は環境の急激な変化に対応することが苦手です。食器やトイレ、ベッドなどを変える時には、古いものを手元に残した状態で新しいものを与えてください。

もしも新しいものに馴染めなかった場合には、使い慣れたものを返してあげましょう。

人間には良い香りに感じられる香水やアロマオイルも、猫にとってはストレスの原因となっているおそれがあります。香りの強いものは、愛猫のために使用を控えてください。

念のためにペット保険に加入しておくのがおすすめ!

思いがけずに愛猫たちがそろって病気を発症してしまうなど、猫の多頭飼いをすると一度に多額の医療費が発生してしまうこともあります。


猫には公的な保険がありませんから、症状によっては一匹が病気になっただけでも手痛い出費となります。


それが二倍となると、どちらか症状の重い子だけをまず受診させるといった苦渋の選択を迫られるかもしれません。


猫を迎えたらなるべく若いうちに、猫のペット保険への加入を検討することをおすすめします


二匹も保険に入れると保険料がかさんでしまうのでは?と心配されるかもしれませんが、必要な補償を吟味すれば月々の保険料を抑えることが可能です。


MOFFMEではペット保険の一括比較サービスも行っています。最新のペット保険の口コミも紹介しているので、ぜひ保険選びの参考にしてくださいね。

まとめ:猫の多頭飼いはストレス!ストレスの症状や解消法とは?

この記事では、猫の多頭飼いをする前に知っておきたい注意点や、多頭飼いでストレスを感じた際、猫に見られる症状などを説明いたしました。


猫の多頭飼いを成功させるポイントは、

  • なるべく先住猫と年齢差のない猫を迎える
  • 子猫同士は相性が良い
  • オス同士は難しいケースがある
  • 多頭飼い後の食費や災害時の避難方法などをあらかじめ確認しておく
  • トイレは猫の数より一個多めに設置
  • 食器の共用は避ける
  • 先住猫と新入りの顔合わせは焦らず慎重に行う
  • 猫同士が敵意を持ってケンカをしている場合は多頭飼いを見直す
  • 新入りの猫を家に迎える前に、必ず病院で健康検査をする
  • 先住猫を優先してストレスケアを心がける
  • 猫はストレスから突発性膀胱炎などの病気を発症することがある
  • ストレスケアには環境の見直しが重要
です。

二匹目を迎えたいと考えている間は、愛猫同士が寄り添って眠る姿や仲良く遊ぶ姿など、微笑ましい様子ばかりを想像して胸を躍らせてしまいがちです。

しかし猫にとって新入りが家に来ることが、必ずしも幸せとは限りません。

多頭飼いをするのならば先住猫を第一に、きちんとケアしてあげてくださいね。

MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧下さい。