【獣医師監修】猫の1日の塩分摂取量とは?摂取量により腎臓病等の病気の可能性ものサムネイル画像

猫の1日の塩分摂取量をご存知ですか?塩分摂取量が多すぎると腎臓病等の病気になる可能性もあります。塩分濃度が高い人間の食べ物やキャットフードは与えない方が良いでしょう。この記事では猫と塩分について、塩分の役割や1日の必要量、与えすぎによる病気を解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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猫の1日の塩分摂取量とは?塩分の役割や病気も解説!


記事モデル:ノア、サラ、ルーク、ロイ(@francnoasarah112)


この記事をご覧のあなたは、猫の塩分摂取量について調べておられるかもしれません。


愛猫にいつまでも健康でいて欲しいと思うのは当然ですが、食事管理が意外と難しい、と感じておられる方は多いかもしれません。


特に猫にとって『塩分』は諸刃の剣のようなもので、必要なものですが与えすぎることで様々な健康被害を及ぼす可能性があることをご存知でしょうか。


そこで今回「MOFFME」では、

  • 猫の体内で塩分はどのような役割を果たすのか?
  • 猫が塩分を摂取し過ぎるとどうなる?
  • 猫の塩分過多を避けるにはどのような対策が必要?
  • ペット保険に加入するメリットとは?
以上の点を取り上げていきます。

この記事を読んでいただければ、つい「可愛いから」という理由だけで人間の食べるものを与えてしまうリスクについても、理解していただけるでしょう。

ぜひ最後までご覧ください。

MOFFMEではペット保険のランキングについても紹介しておりますので、そちらもぜひご覧ください。

猫と塩分とは?塩分の役割や摂取量が少なくて良い理由を解説!


人間が必要としている栄養分と、猫が必要としている栄養分は異なっています。


人間の体においても『塩分』は欠かせないものですが、だからといって「塩分を摂り過ぎること」が健康に悪影響を及ぼして病気の原因になる、ということは周知の事実です。


しかし、塩分がまったく必要ないというわけではなく、実際のところ体内では重要な役割を果たしているので、適量を摂取する必要があります。


ではまず、猫と塩分の関わりについて、

  • 猫の体内における塩分の役割
  • 猫がそこまで塩分を必要としない理由

これらの点について取り上げていきます。

猫の体内における塩分の役割とは?

猫の体内において、塩分はどのような役割を果たしているのでしょうか。


塩分の主な役割としては、

  • 神経や筋肉の情報伝達を促進する
  • 細胞の中と外で浸透圧を調整し一定にする
  • 体内の水分量のバランスを保つ
主に、このような点が挙げられます。

人間の体と同様に、猫の体においても塩分は生命維持活動を行うのに欠かせない成分です。

塩分がこれらの役割を果たさないと、血液の循環がうまくいかなかったり心臓や筋肉が正常に動かないので、当然ながら生命を維持することはできません。

塩分の代表的な成分としては『ナトリウム』および『カリウム』が挙げられますが、これらの成分が浸透圧を調整したり、筋肉への情報伝達を行うなどの非常に重要な役割を果たしています。

しかし、体には必ず必要なものだからといって塩分を必要以上に摂取し続けることには、確実にリスクがあります。

猫の塩分摂取量が人間よりも少なくて良いのはなぜ?

その『リスク』に関係しているのが、猫が本来必要としている塩分摂取量です。


実際のところ、猫は人間よりも塩分摂取量が少なくて良いとされているのですが、それはなぜでしょうか。


簡単に言えば、猫は塩分の体外排出量が少ないため、必然的に摂取する塩分も少なくて良い、という理由があります。


塩分摂取量の目安については後ほど詳しく説明しますが、猫は人間のように全身に汗をかかない、という性質も必要な塩分摂取量が少ないことに関係しています。


ただし、猫も人間と同様に塩分を『摂りすぎる』ことだけでなく、『摂らなさ過ぎる』ことでのリスクもあるとの研究結果も報告されているため、食生活や運動も含めた適量を摂取することが非常に重要だということが分かります。

猫の1日の塩分摂取量や塩分摂りすぎによる病気を解説!


人間が食べるものでも、たとえば『ジャンクフード』に分類される食品、お菓子などにはたくさんの塩分が含まれています。


怖いのはどのくらい塩分が含まれているかを判断できず、思っている以上に塩分を摂取していた、ということが起こりえます。


それは猫の場合も同様で、飼い主が気付かずにたくさんの塩分が含まれた食事を与え続けると、様々な病気のリスクが増します。


では具体的に、どのような病気のリスクがあるのでしょうか。


次から、

  • 猫が一日に必要とする塩分摂取量
  • 塩分過多によってリスクが高まる病気

これらの点について取り上げていきます。

猫の1日に必要な塩分摂取量、ナトリウム量を解説!

たとえば人間では男女ともに平均で一日「10g」程度の塩分を摂取しているとされており、実際のところは男性は「8g」、女性は「7g」が適量とされています。

では、猫の場合はどうなのでしょうか。

猫の種類や体格にもよりますが、適当な摂取量は「2~3g」程度とされています。

この量は、人間の食べ物の中で高塩分であるとされるジャーキーやソーセージなどの食材だけで簡単に超えてしまう数値かもしれません。

ですから、この摂取量を守るため飼い主が普段から「人間の食べ物は与えない」など、食事の内容に慎重である必要があるのです。

猫の塩分過多によって考えられる病気とは?

猫が塩分過多になると、どのような病気のリスクが増えるのでしょうか。


代表的な病気としては、

  • 腎臓病
  • 心臓病

このような病気が挙げられます。


人間とは異なり、腎機能が正常な猫の場合、高塩分の摂取による高血圧のリスクはないという研究結果が複数あります。ただし血液量が増えれば心臓に負担はかかりますし、塩分をたくさん排泄しなければならないので腎臓にも負担はかかります。


人間でもしょっぱいものを多く食べると水分を補給したくなりますが、猫の体も同じように、塩分過多の状態になると水分の摂取量が目に見えて増えます。


そして、血液中の水分量が増えることで血圧が高くなってしまい、心臓や腎臓に負担がかかるため、こういった命にかかわる病気のリスクが高くなります。


特に猫は高齢になればなるほど腎臓病にかかるリスクが高くなり、その確率は15歳以上の猫で8割以上とも言われています。


腎臓病の厄介なところは初期の段階では無症状であることが多く症状に気づいた時にはかなり進行していることがあり、また進行性の病気なので一度破壊された腎機能は元に戻らないということです。


これらの点を考えると、ただ飼い主が「与えたいから」という理由で餌をあげるよりも、長い目で見て健康的な食生活を送らせてあげることがいかに大切かが分かるでしょう。

猫の塩分過多を防ぐには?飼い主が気をつけるべきことを解説!


ここまで、猫が塩分過多になることの様々なリスクについて取り上げてきました。


人間は慣れてくると自信過剰になってしまいがちですが、ペットを飼っていても同様に、「この育て方(食生活)で大丈夫だ」と勝手に思ってしまいがちです。


しかしすぐに今日からでも行える、猫の塩分過多を避けるためのいくつかの方法があります。


そこで次からは、その方法として

  1. 人間用の食品・加工品を与えない
  2. 塩分の多い餌やおやつは欲しがっても避ける

この2つの方法を紹介します。

人間用の食品・加工品を猫には与えない

猫の塩分過多を避けるためにできる最初の方法は、人間が食べる食品や加工品を餌として与えない、という点です。


これを行わなければならない最大の理由は、人間が食べる食品は猫などの動物が食べられるようにできておらず、いわゆる「美味しさを感じるため」に多量の塩分が含まれている商品がかなりあるからです。


たとえば、よく与えてしまいがちな餌としてハムやソーセージなどがありますが、一見猫の体には害がなさそうで実は塩分濃度が高い加工食品の類が挙げられます。


一見与えても良さそうな加工食品であっても、そもそもそれらは猫が食べることを想定しておらず、塩分濃度が高いことがあるので、注意が必要です。

塩分の多い餌やおやつは、欲しがることがあっても与えてはダメ

食品や加工品以外にも注意しなければならないものがあります。


たとえば、中毒を起こすために、猫に与えてはいけないお菓子としてチョコレートココアが含まれているものが真っ先に挙げられますが、そういった明言されているお菓子以外にも、クッキー生クリームなどは、少量だけでも塩分摂取量の基準値を大幅に超えてしまう可能性があります。


また、猫用に販売されているキャットフードは、塩分量等は問題ありませんが与える量には気をつける必要があります。


それらは1度や2度摂取しただけではすぐに健康被害が生じる可能性は低いですし、猫における塩分の摂取量に関してはまだ研究で正確に判明していない部分もあります。


しかし、結果的に腎臓病などの病気になるリスクが高くなることを考えれば、最低限「人が食べるものは極力与えない」ことを守る必要があります。

もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!

ペットが健康で長生きするためには飼い主の努力が欠かせませんが、たとえどれだけ食生活や運動習慣などに気を付けていても、病気になってしまうことはあります。


たとえば塩分過多が原因の1つとなる腎臓病に関しても、15歳以上の猫の8割以上が慢性腎不全を発症するという統計があり、100%病気を避けることは難しいでしょう。


また飼い主にとって突然発生する「治療費」で、治療費が支払えない故に必要な治療を受けさせてあげられないということは避けたいと思われるはずです。


そこで多くの方に加入をおすすめしたいのが、ペット保険です。


ペット保険はまさに人間が加入する医療保険のようなものであり、猫が病気で入院・通院・手術が必要になったときに、それら治療に伴う費用を補償してくれるものです。


具体的にどのようなペット保険がおすすめなのかという点に関しては、MOFFMEで保険一括比較サービスや猫のペット保険に関する記事を公開していますので、ぜひご覧ください。

まとめ:猫に必要な塩分量とは?


今回は、猫の塩分摂取量に関して様々な点を取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。


この記事のポイントは、

  • 塩分は情報伝達の促進や細胞内外の浸透圧調整などの役割がある
  • 猫が塩分過多になると腎臓病や心臓病などのリスクが高まる
  • 猫の塩分過多を避けるためには飼い主が塩分の多いものを与えないことが重要
  • 突然発生し得る高額な治療費はペット保険への加入で対応が可能である
以上のポイントです。

猫の体は人間の体以上にデリケートなもので、与える餌に関しても人間と同じような基準で考えてしまうと、いとも簡単に推奨摂取量以上の塩分を与えてしまうことがあるかもしれません。

まだまだ研究の余地がある部分も多い「猫の塩分過多」によるリスクですが、飼い主として普段の食生活に今まで以上に注意することで、猫が命にかかわる病気になるリスクを減らすことができるでしょう。


MOFFMEではこの記事以外にも役に立つ記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。