【獣医師監修】犬の皮下点滴とは?自宅での皮下点滴のやり方やコツを解説!のサムネイル画像

内容をまとめると

  1. 皮下点滴は静脈点滴と比較して「処理時間が短期間」「自宅でも処理可能」などのメリットがある
  2. 皮下点滴は症状が重い場合や緊急時には適さない
  3. 自宅でも点滴を行うことは可能だが動物病院でやった方が安心
  4. ペットの医療費は保険適用されないので、もしもの時に備えてペット保険に加入しておくと安心

犬の点滴をご存知ですか?犬の点滴も人間と同じく静脈点滴と皮下点滴があります。自宅で行うこともある皮下点滴ですが、飼い主の方はやり方やコツが気になりますよね。この記事では犬の皮下点滴について、点滴の種類や違い、やり方やコツ、注意点を詳しく解説します。

記事監修者「千葉 恵」

この記事の監修者千葉 恵
一般社団法人愛玩動物健康管理協会(CAHA)獣医師

2012年に大学を卒業し、小動物臨床獣医師として従事。人と同様に、愛玩動物の高齢化が進んでいるため、治療の他に、体に負担が少ない治療も取り入れていくために日々励む。現在、獣医師として活躍しながら、東洋医学(主に鍼灸)を学んでいる。多くの犬や猫たちが幸せな時間を過ごせるように努めている。

この記事の目次

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犬の皮下点滴とは?自宅でのやり方やコツを解説!

病院の治療の1つでもある点滴は、脱水や全身状態が悪いときなどに水分や電解質などを体に送り込む治療法です。


点滴をすることにより、体力が回復したり、また病気の症状が和らいだりしますので、すごくありがたいですよね。


実は、点滴は人間だけでなく、犬にもするときがあるのは知っていますでしょうか?犬も元気がなかったり、病気のときに点滴をします。


そこで今回「MOFFME」では、犬の皮下点滴について

  • 皮下点滴と静脈点滴との違い
  • 皮下点滴が有効な症状・適さない状況
  • 皮下点滴後の状況・トラブル
  • 皮下点滴を自宅でするやり方・注意点
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、犬の皮下点滴のことや皮下点滴の注意点について知ることができるはずです。

ぜひ最後までご覧下さい。

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そもそも犬の皮下点滴とは?どのような点滴なのか

  

モデル:りーぷ


みなさんは、点滴に種類があるのを、ご存知でしたでしょうか?


人間の場合は、静脈点滴が多いですが、犬の場合には、静脈点滴皮下点滴の2種類があります。


ただ静脈点滴は、なんとなくイメージがありますが、皮下点滴については、よくわかりませんよね。


そこでここからは

  • 皮下点滴と静脈点滴の違い
  • 皮下点滴のメリットや目的
  • 皮下点滴が必要な病気や症状
  • 皮下点滴に適さない状況
について詳しく解説していきます。

皮下点滴はどんな点滴?静脈点滴とはどのように違うのか

皮下点滴とは、犬の皮膚と筋肉の間にある空間に、補液剤を投与する点滴方法です。


犬は、人間よりも皮下に空間があるために、可能な点滴方法で、処置時間も10分から20分短時間で終わります。


点滴方法には、静脈点滴もあります。静脈点滴は人間にも行う点滴方法で、静脈に点滴の針をさして、そこから点滴の液を投与する方法になります。


ゆっくり時間をかけて投与するため、入院が必要になります。

皮下点滴のメリットや目的は?栄養や水分を補給できる!

皮下点滴の目的は、軽度の脱水を起こした時に、水分や電解質などを補給することです。


皮下点滴のメリットは、2つあります。

  1. 処置時間が短時間
  2. 自宅でも処置ができる
になります。

1つ目のメリットは、処置時間が短時間なことです。静脈点滴と違い、短時間で電解質や水分を補給できます。

2つ目のメリットは、自宅でも処置ができることです。皮下点滴は、動物病院だけでなく飼い主が自宅でも処置できる点滴方法です。

自宅で行うことで、飼い主だけでなく、愛犬も体力的に負担が少なくなります。

皮下点滴が有効な症状とは?下痢や嘔吐の際には有効!

ここまで、皮下点滴にはさまざまなメリットがあるということをご紹介してきました。では、どんなときに皮下点滴を行うのでしょうか。


皮下点滴に有効な症状は、いくつかありますが、愛犬が軽度の脱水を起こしているときに有効です


下痢や嘔吐などで軽度の脱水を起こしている場合などに、失われた水分や電解質を皮下点滴で補うことができます。


また、慢性腎臓病での脱水を、皮下点滴でカバーすることができます。静脈点滴と違い道具を使用しませんので、自宅で愛犬の日常生活をサポートすることができます。

皮下点滴が適さない場合とは?血圧低下等の場合は適さない!

皮下点滴にはメリットが多いものの、場合によっては皮下点滴が適さないこともあります。


皮下点滴は、皮下点滴は急速に投与してゆっくり吸収されますので、症状が重いときや緊急時には適しません。


皮下点滴が適さない場合には、脱水が重度な場合、皮下点滴で流し込めない薬剤や、高カロリーの補液剤を使用しないといけない場合などです。


皮下点滴のように愛犬に治療等を施す際に、ペット保険に加入していると費用面での負担を軽減できる場合もあります。

愛犬の健康のためにもペット保険への加入が推奨されています。以下ボタンから犬のペット保険ランキングをみることができるのでぜひ参考にしてください。

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皮下点滴で犬にどんなトラブルが生じる?副作用はあるのか


モデル:りーぷ


愛犬に初めて皮下点滴をする飼い主には、皮下点滴をしたときに、どんなトラブルや症状があるのか気になりますよね。


ここでは、皮下点滴のトラブルや症状について、

  • 皮下点滴で生じたコブ
  • お腹や脚が浮腫む
  • 背中から補液剤が漏れてくる
について、詳しく解説していきます。

皮下点滴で生じたコブを気にしてしまう

皮下点滴をしますと、体にコブみたいなものができます。


これは、皮下点滴の補液剤で犬の皮膚が、膨らむのが原因です。


コブが気になるかも知れないですが、補液剤が愛犬の体に吸収されるとなくなりますので、安心して下さい。


時間は、状況にもよりますが、数時間から1日くらいです。

皮下点滴後、お腹や脚が浮腫む

皮下点滴後に、愛犬のお腹や脚浮腫むケースがあります。


原因は、補液剤を背中に投与した時に、補液剤が重力で背中からお腹や脚に降りてきてしまう為です。


その為、皮下点滴後に、愛犬のお腹や脚が浮腫んで見える時には、補液剤かどうか確認して下さい。


時間と共に吸収されていきますので、心配になるかと思いますが安心してください。

背中から捕液剤が漏れてくる

皮下点滴後に、愛犬の背中から補液剤が漏れてくケースもあります。


原因は、皮下点滴後に補液剤で膨らんだコブを強く押してしまう場合や、愛犬の皮下にあまり空間がない場合に皮下点滴の針を刺したところから、補液剤が漏れてくるケースがあります。


対処方法としては、補液剤が漏れてきた部分を探してから、その箇所をガーゼや乾綿で数分抑えると漏れもなくなります。

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自宅で皮下点滴を行う際の方法やコツとは?


モデル:りーぷ


皮下点滴は、病院だけでなく飼い主が自宅で愛犬にすることもできます。


ただ、自宅で皮下点滴を行う方法や注意点が、気になるところです。


初めて自宅で愛犬に皮下点滴を行った際、何かあれば不安になりますよね。


そこで、ここでは自宅で行う皮下点滴について、

  • 皮下点滴のやり方とコツ
  • 皮下点滴を行う注意点
について、詳しく解説していきます。

愛犬が暴れる!自宅での皮下点滴のやり方とコツを解説!

愛犬に自宅で皮下点滴をするには、何が必要で、やり方はどうするのか初めての飼い主ですと、分からないことだらけです。


そのため、自宅での皮下点滴に必要なものと、自宅での皮下点滴の手順を説明していきます。


最初に、自宅の皮下点滴で必要なものは、動物病院で購入できます。


必要なものは、

  • 輸液パック
  • 点滴チューブ
  • 翼状針
になります。その他にも動物病院以外で用意できるものとしては、

  • S字フック
  • アルコール綿
になります。

次に自宅で行う皮下点滴の手順について、説明していきます。
  1. 点滴チューブを袋から取り出し、クレンメのローラーを一番下まで回して閉じる。
  2. 点滴パックのゴムの箇所に、チューブの針を差す(※輸液バッグのゴムの部分をアルコール消毒する必要あり)。
  3. S字フックで、点滴パックを高い所に吊るす。
  4. 点滴筒を指でつまんで、点滴筒の中に補液剤を半分くらい溜めます。
  5. 点滴チューブに針を取り付けます。
  6. クレンメのローラーを上に回して、1度針先まで補液剤を満たした後に、再度クランプを閉じます。
  7. 翼状針を刺す部分をアルコール綿で拭き、利き手と逆の手の親指・人差し指・中指で三角形を作るように皮膚をつまみ、針穴を上にして背中と平行に差す。
  8. クランプを開き、点滴を始めます。
  9. 点滴終了後に針を抜いて、数十秒程度指でつまんだら終了です。
最初は、愛犬も皮下点滴に慣れませんので、針を刺す時に暴れないように、注意しましょう。

慣れるまで苦労すると思いますが、愛犬のために自宅での皮下点滴をマスターして下さい。

自宅での皮下点滴の注意点とは?

初めて自宅で、愛犬に皮下点滴をする飼い主は、注意点も気になると思います。


ここでは、自宅での皮膚点滴の注意点を、説明していきます。


最初に皮下点滴の点滴パックの保管方法についてですが、直射日光、高温、多湿を避けて保管するようにしましょう。点滴パックの補液剤が、劣化するのを防ぐためです。


次に翼状針は、家庭用ごみではなく医療用廃棄物になりますので、日常のゴミ捨て場に捨てることはできません。


そのため、動物病院で捨ててもらわないといけませんので、愛犬が触れない場所に保管し、通院している動物病院に廃棄をお願いするようにしましょう。

補足:皮下点滴の値段や行う回数とは?毎日必要なのか

ここでは、皮下点滴の気になる価格や皮下点滴を行う回数について説明していきます。


最初に皮下点滴の費用は、動物病院にもよりますが、1回1,500円から2,500円の価格が多いです。


皮下点滴を受ける愛犬が、小型犬か大型犬により皮下点滴にかかる費用も変化します。


たた、自宅で行う皮下点滴の費用は,1回1,000円以内になりますので、経済的負担は少なくなります。皮下点滴の行う回数は、病気の種類や症状の程度などにより、回数も変わり毎日行うケースもあります。

もしもの時に備えてペット保険に加入しておくのがおすすめ!

犬は、人間と違い健康保険制度がないため、動物病院での治療費は、100%飼い主の自己負担になります。


もしケガや病気で長期入院や大きな手術になると、高額な治療費がかかりますので、経済的な備えが必要です。


もしもの備えで、飼い主の経済的負担を軽減してくれるものが、ペット保険です。


ただ、いざ保険会社や保険プラン、補償内容を見て比較、検討するには、多くの時間と大変な労力がかかります。


そこで、MOFFMEでは、ぺット保険の比較サービス口コミも紹介しておりますので、加入する際はぜひ参考にしてみて下さい。

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まとめ:犬の皮下点滴とは?


モデル:りーぷ


この記事では、犬の皮下点滴と皮下点滴の注意点について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは

  • 皮下点滴は短時間の処置で愛犬の負担は少ない。
  • 皮下点滴の有効な症状と、適さない状況がある。
  • 皮下点滴後の症状も、適切な対応で緩和される。
  • 自宅でする皮下点滴は、飼い主にも愛犬にもメリットがある。
でした。

皮下点滴は、静脈点滴よりも治療が短時間でおわりますので、愛犬の体への負担も少ないです。

更に皮下点滴は動物病院でなく、愛犬が安らぐ自宅で治療をすることが可能なので、愛犬にも飼い主にもメリットがある皮下点滴のやり方を、今回の記事でマスターするようにしましょう。

MOFFMEでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧下さい。