iDeCoの掛け金の上限額はいくら?引き上げられる?平均的な掛け金は

iDeCoの掛け金の上限は職業や加入する企業年金によって最大6.8万円から1.2万円の差があります。この記事では、ご自身の掛け金の上限はいくらかになるのか解説!また、iDeCo加入者の平均的な掛け金や、もし掛け金の変更方法についても解説します!

iDeCoの掛け金上限額はいくら?職業、加入年金ごとに解説!

老後資金が2,000万円必要であるということは知らなかった人も多く、今からその老後資金を効率よく貯めていくために、iDeCoを検討している方も多いことでしょう。


しかし、これまで金融資産の勉強をしてこなかった人にとってはiDeCoの制度は難しいと感じるもので、そもそも職業や加入する企業年金などによって拠出できる掛け金の上限が異なることを知らないという方がほとんどではないでしょうか。


そこで、この記事では「職業や企業年金によるiDeCoの掛け金上限がいくらであるか」ということについて、

  • iDeCoの掛け金の上限額は職業別によっていくらなのか
  • iDeCoの掛け金の限度額を引き上げることはできるのか
  • iDeCoの平均的な掛け金の拠出額はいくらなのか
  • iDeCoの掛け金が変更できるのかどうかとその方法

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、iDeCoの掛け金について基本的な知識を得ることができ、老後資金のためのiDeCoの掛け金をいくらで始めれば良いのか迷っている人の参考にしていただけます。


是非最後までご覧ください。


iDeCoの掛け金上限額

iDeCoとは、自分の現金を使って定期預金や保険、債券や投資信託などさまざまな金融資産を購入し運用する、投資の一種です。


iDeCoは拠出した年ごとに年間の拠出額が社会保険料控除の対象となり、所得税および住民税の軽減にも繋がるなど、かなりメリットの大きい制度でもあります。


ではそんな便利なiDeCo口座に貯金を集中し、投資をしたいと思う人もいるかしれませんが、残念ながらiDeCoでは掛け金を拠出できる上限額がはじめから決まっているのです。


iDeCoの掛け金の上限額は職業等によっても変わってきますので、以下の表にまとめました。

国民年金保険の加入状況職業等の具体例
掛金の拠出額の上限
第1号被保険者自営業者等
月額68,000円
(年額816,000円)
第2号被保険者会社に企業年金がない会社員
月額23,000円
(年額276,000円)
第2号被保険者企業型DCに加入している会社員
月額20,000円
(年額240,000円)
第2号被保険者DBと企業型DCに加入している会社員
月額12,000円
(年額144,000円)
第2号被保険者DBのみに加入している会社員
月額12,000円

(年額144,000円)
第2号被保険者公務員等月額12,000円
 (年額144,000円)
第3号被保険者夫が第2号被保険者である夫の妻
(専業主婦等)
月額23,000円

(年額276,000円)
これについて、ひとつずつ詳細に解説します。

第1号被保険者(自営業者等)

第1号被保険者とは、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の自営業者、農業・漁業者、学生および無職の方とその配偶者の方(厚生年金保険や共済組合等に加入しておらず、第3号被保険者でない方)が対象となります。

簡単に言えば、サラリーマンと公務員以外の人が対象です。

このとき、iDeCoの掛け金の上限額は、月額で68,000円、年間にすると816,000円となり、他の区分の人よりも多くなります。

その理由としては、この区分に属する人は厚生年金の対象ではなく、将来の年金は国民年金のみとなります。

国民年金は厚生年金に比べて受給額が少なく、その分自分でより多くの老後資金を確保しなければならないため、iDeCoにおいても上限額が高く設定されているのです。

最大で年間816,000円の拠出をする場合、例えば所得税率10%の人は163,200円程と所得税と住民税の節税メリットも大変大きいため、是非とも上限額で活用したいところです。


なお、この区分における掛け金の上限は月額68,000円ですが、国民年金の付加保険料もしくは国民年金基金の掛け金を納付している場合は、その掛け金等を差し引いた金額が上限となりますので注意してください。


第2号被保険者(会社に企業年金がない会社員)

第2号被保険者とは、国民年金の加入者のうち、民間会社員や公務員など厚生年金、共済の加入者を指します。


第2号被保険者は厚生年金や共済の加入者であると同時に、国民年金の加入者にもなります。


なお、65歳以上の被保険者、または共済組合の組合員で、老齢基礎・厚生年金、退職共済年金などの受給権がある人は第2号被保険者とはなりません。


また企業年金とは、国が定めた制度である国民年金や、広く勤労者が加入する厚生年金とは別に、企業独自が従業員のために積み立て、支給するための年金制度を指します。


この制度がある企業は、厚生年金に加えてさらに企業年金を受け取ることができるため、年金の受給額はかなり大きな金額となります。


そのため、企業年金制度がない企業に勤めている人は、制度がある企業に勤めている人よりもiDeCoの掛け金拠出の上限額が大きくなっており、月額23,000円となっています。




また2018年5月からは、iDeCo+(イデコプラス)という制度がスタートしました。


これは「中小事業主掛金納付制度」の愛称で、従業員の加入しているiDeCo(イデコ)の掛金に、会社が中小事業主掛金を上乗せして拠出することができる制度です。


退職金や企業年金がない企業は、福利厚生の一環としてこのような制度を採用していることもあり、企業型DCや確定給付企業年金のない100名以下の企業が対象となっています。


この制度を利用している企業の場合は、加入者掛金と中小事業主掛金の合計で月額23,000円が掛け金の拠出上限額となっています。


第2号被保険者(企業型DCに加入している会社員)

第2号被保険者の中でも、企業が福利厚生のために、従業員の年金を代わりに積み立ててくれる制度があります。


「企業型DC」と呼ばれる制度はその一つで、DCとは確定拠出年金の略称です。


従来、年金の原資は企業や国が運用してきたものですが、このDCと呼ばれる制度は毎月決まった金額を拠出しますが、運用は将来年金を受け取る個人が行うものです。


この企業型DCに加入している会社員の場合は、iDeCoの掛け金拠出の上限額が20,000円となっています。


また、企業型DCの掛金にも上限額があります。


その金額は、勤務先に企業型DC以外の企業年金制度があれば月額27,500円、ない場合は月額55,000円となります。


なお、企業型DCに加入している場合でマッチング拠出が認められている場合は上限額が異なり、マッチング拠出分も含めて上限の枠内に収める必要があります。


マッチング拠出とは、企業型DCで加入者が一定の範囲内で事業主掛金に上乗せして拠出することで、その利用は加入者の判断で自由に決めることができます。


第2号被保険者(DBと企業型DCに加入している会社員)

第2号被保険者が勤めている企業の中には、企業型DCの他に「DB」という制度がある企業もあります。


DBとは「確定給付企業年金」のことであり、拠出額は決まっているが運用成績およびそれに伴う将来の年金受給額が確定していないDCに対して、決まった金額を受け取ることができるものです。


また、DBも企業型DCと同じく従業員の福利厚生の一環であり、企業ごとに独自に加入するものであり、加入が強制されているわけではありません。


DBと企業型DCの両方に加入しているということは、それだけ年金の受給額が増えるということであり、その分iDeCoの掛け金の上限額は低く抑えられており、月額で12,000円という金額になっています。


第2号被保険者(DBのみに加入している会社員)

第2号被保険者のうち、DBのみに加入している会社員もいます。


DBは企業型DCと比べてもリスクが低く、加入しているだけで加入していない人よりも遥かに有利な状況です。


そのため、DBのみに加入している会社員のiDeCoの掛け金の上限額は月額で12,000円と、低めに抑えられています。


第2号被保険者(公務員等)

第2号被保険者は会社員だけではなく、公務員も当てはまります。


公務員は以前の制度では一般的な厚生年金とは異なり、共済年金という制度に加入しています。


かつては共済年金は職域加算という年金のいわゆる3階建ての部分があり、厚生年金と比べてもさらに受給額が大きく、非常に恵まれた制度となっていました。


そのため、以前は公務員はiDeCoに加入することができませんでしたが、2015年10月から共済年金が厚生年金に統合されるのに伴って、2017年1月から公務員もiDeCoに加入できるようになりました。


公務員のiDeCoの掛け金の上限額は、月額12,000円となっています。


第3号被保険者(専業主婦等)

第3号被保険者とは、国民年金の加入者のうち、厚生年金および共済年金に加入している第2号被保険者に扶養されている、20歳以上60歳未満の配偶者(年収130万円未満)の人を言います。


ほとんどの場合、「サラリーマンか公務員の妻で専業主婦、もしくは少しだけパートをしている主婦」である人が対象となります。


第3号被保険者は、自分で国民年金保険料を払わなくても、配偶者が加入する厚生年金や共済組合が一括して払っていることとなり、国民年金を受け取る権利を有しています。


そんな第3号被保険者でも、2017年1月からiDeCoに加入することができるようになりました。


第3号被保険者のiDeCoの掛け金の上限額は、月額23,000円となっています。


なお、妻であっても年収が130万円以上ある人は、夫婦それぞれが第2号被保険者となり、各々iDeCoに加入する場合は第2号被保険者の上限額が適用となりますので注意してください。


以上が国民年金保険の加入種別によるiDeCoの掛け金の上限額です。


なお2017年1月以降、勤務先の企業型DCの規約で個人型iDeCoへの加入を認めている場合に限り、企業型DCと個人型iDeCoの両方に加入できるようになりました。


この場合の掛け金は以下の通りです。


 同時加入が認められている場合の拠け金の拠出限度額

 ・企業型DC:月額35,000円、iDeCo:月額20,000円(勤務先に確定給付企業年金等がない場合)

 ・企業型DC:月額15,500円、iDeCo:月額12,000円(勤務先に確定給付企業年金等がある場合) 


ただし、企業型DCでマッチング拠出を実施している場合は、iDeCoへの同時加入はできません。


マッチング拠出とは、企業型確定拠出年金(企業型DC)の加入者が自身の給与から掛金を上乗せして拠出できる制度です。


ただし、企業型DCの加入者であれば必ず利用できるわけではありません。会社の規約でマッチング拠出を導入していることが条件となります。


つまり、企業としては、マッチング拠出かiDeCoへの同時加入か、いずれかを選択する必要があるということです。

iDeCoの限度額を引き上げることは可能?



iDeCo(イデコ)の最低掛け金は月額5,000円以上となっていますが、1,000円単位で拠出限度額の枠内であれば自由に決めることができます。

初めは様子を見るために5,000円や10,000円から始めたという人も、後から上限額まで拠出額を引き上げることが可能です。

iDeCoは拠出額が大きいほど節税メリットも大きいため、なるべく上限までは拠出しておきたいところです。

またiDeCoの掛金は、5,000円以上から1,000円単位で毎月定額の掛金を拠出する方法が一般的です。

ただし、2018年1月からは掛金拠出の「年単位化」が実施され、年1回以上、任意に決めた月にまとめて拠出するなど、年間の上限額を超えない範囲であれば柔軟な掛金拠出が可能となっています。

iDeCoの限度額を引き上げるには?

iDeCoの拠出額引き上げるためには、銀行や証券会社に書面の提出もしくはインターネット上から手続きをして、1か月〜2か月程度で変更が適用になります。 

ただし、iDeCoの制度によって定められた上限額そのものを引き上げることは、今の制度ではできません。

しかし厚生労働省の社会保障審議会企業年金・個人年金部会によると、iDeCoの拠出限度額を引き上げることが現在検討されているようです。

それと同時に、今は60歳までの積み立てが限度となっているiDeCoの年齢上限を65歳までにするということも検討されており、ゆくゆくはiDeCoへの拠出額総額は増加していくものと考えられます。

iDeCoの平均的な掛け金の額は?

2016年10月実施の野村総合研究所の「iDeCoに関するアンケート調査結果」によると、会社員や公務員等の場合、iDeCoに拠出しようとしている掛け金の平均額は月額1万円程度ということです。

また、自営業者の場合の拠出額の平均は、月額1万5000円を超える程度ということです。

さらに2016年3月末時点での国民年金基金連合会の調査では、実態として第1号被保険者の平均拠出額は27,270円、企業年金がある企業の第2号被保険者の拠出額の平均は10,620円となっています。

初めてiDeCoに加入したときは、いきなり上限額まで拠出せず、10,000円など切りの良い金額から始めようという人が多いようです。

しかし、iDeCoは拠出金額が大きいほど節税メリットが大きく、老後の資金もそのぶん増加しますので、可能であればはじめから上限額で拠出をすることがおすすめです。

まとめ:iDeCoの掛け金は変更可能?

iDeCoの掛け金の上限額や平均額について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • iDeCoの掛け金の上限額は月額12,000円〜68,000円で、職業や企業により異なる
  • iDeCoの上限額自体は変更できないが、上限額までの範囲内で拠出額を変更することは可能
  • iDeCoの掛け金の拠出額平均は10,000円〜27,000円程度

です。


iDeCoは現状の制度においてはほぼノーリスクで大きなメリットを得ることができる制度であり、老後資金の積み立てにおいて積極的に活用していきたい制度です。


まずは自分の掛け金の拠出額上限がいくらなのかを知り、今後の老後資金のための資産形成の参考としてください。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますのでぜひご覧ください。

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