今のままでは少ない?!年金受給額を増やす方法を年代別に解説!

将来受け取れる年金が少ないと耳にすることはありませんか?今後、国からもらえる年金はさらに少なくなります。老後の生活に向けて、今のうちから対策をしなければ必ず後悔します。今回の記事では、「年金が少ない」と将来後悔しないように、年代別に対策方法を紹介します。

年金の受給金額が少ない!老後の対策を解説

公的年金に加入し、コツコツ年金保険料を納付すれば、一定の年齢になったとき年金を受給することができます。


今まで積み立ててきた保険料を受け取る側になれば、老後の生活の支えになりますよね。


しかし、受け取る公的年金額のみでは、老後の生活に十分と言えないことはご存知でしょうか。


受給開始ギリギリになって、受け取る年金額が少ないことに気付き大慌てすることも考えられます。


そこで今回は「少ない年金受給額を補うための対策」について

  • 60代以降で考えられる、少ない年金受給額を補うための対策とは
  • 40〜50代で考えられる、少ない年金受給額を補うための対策とは
  • 20~30代で考えられる、少ない年金受給額を補うための対策とは
以上のことを中心に解説していきます。                                                                   

この記事を読んでいただければ、各年代別で少ない年金受給額を補う、いろいろな対策を知ることに役立つと思います。                                  

ぜひ、最後までご覧ください。

60代以降に考えられる対策

現在、年金保険料を納付中の人は、「ねんきん定期便」が送付されてくると思います。 


こちらには、現時点で納めている保険料のみを想定して、受け取る年金の予測等が記載されています。 


つまり、年金受給が開始される60代ギリギリになって、実際の受け取る年金額が少ないことに気づくことも多いのです。


こちらでは、60代の方々が少ない年金受給額を補う対策について解説します。

国民年金の任意加入

この対策は加入期間が足りない場合、被保険者が60歳~65歳未満であれば、国民年金へ加入することができる制度です。


国民年金の任意加入は、次の要件を全て満たさなければなりません。

  • 日本国内に住所があり60歳~65歳未満
  • 老齢基礎年金の繰上げ支給をしていない
  • 20歳~60歳未満までの保険料納付月数が480月(40年)未満
  • 厚生年金保険や共済組合等へ加入していない
これらの条件に該当していても、任意加入の申出のあった月からが納付対象となります。

つまり、過去の未納期間へ遡って年金保険料を納付することはできません。

任意加入の申し込みは、ご自分の住所地の市区町村役場窓口(国民年金課)、最寄りの年金事務所のいずれかで行います。

申込の際は、①年金手帳、②預金通帳、③金融機関への届出印を忘れずに持参しましょう。

年金の繰り下げ受給を行う

年金の繰り下げ受給とは、年金の支給時期を先延ばして、その分受け取る金額を増やす方法です。


繰り下げるほどお得


国民年金・厚生年金共にこの方法が可能です。


国民年金も厚生年金も原則65歳から年金の支給が開始されます。


この受給開始時期を1ヶ月繰り下げる度、年金額は0.7%増加します。
 


繰下げ請求とその増額率は下表の通りです(昭和17年4月2日以後に誕生した人)。

請求年齢受給開始時期増額率
66歳0カ月~11カ月8.4%~16.1%
67歳0カ月~11カ月16.8%~24.5%
68歳0カ月~11カ月25.2%~32.9%
69歳0カ月~11カ月33.6%~41.3%
70歳0カ月~42.0%

まだ十分貯蓄があり、今すぐ年金受給をしなくても生活費が賄える方々に向いている対策です。


注意点もある


繰り下げ受給で得をしたい場合には、まず長生きをする必要があります。

65歳から公的年金を受け取ったケース、そして70歳から受け取ったケースを比較してみます。  

(例)受け取る年金が国民年金で、70歳まで繰り下げた場合
  • 65歳:年金受給65歳から→78万円、年金受給70歳から→ 0円
  • 70歳:年金受給65歳から→468万円、年金受給70歳から→110万7,000円
  • 80歳:年金受給65歳から→1,248万円、年金受給70歳から→1,218万3,000円
  • 82歳:年金受給65歳から→1,404万円、年金受給70歳から→1,439万8,000円

70歳まで繰り下げたときに、年金受給65歳の時よりも年金受給総額が上回るのは、82歳からとなります。


また、繰り下げた場合、税金、国民健康保険料と介護保険料の負担率も考慮に入れる必要があります。


それを考えると、70歳まで繰り下げた場合、額面は42%でも手取りの実際の増加率は33%となります。


つまり、9%ほど差し引かれることになります。

40〜50代に考えられる対策

40〜50代の方々は、そろそろ公的年金が気になりだす世代と言えます。


自分が受け取る国民年金または厚生年金に不安を感じるのなら、早めに対策をとっておきましょう。


まだまだバリバリ働いている世代なので、いろいろな対策があります。

セカンドキャリアを想定して資格を取る

セカンドキャリアとは、第二の人生における職業を意味します。


定年後ばかりを指す意味ではありませんが、少ない年金受給額を補うためにその分働く手段と言えます。


資格にもいろいろある


企業で働いている方々なら、法律や会計の知識を活かし、いわゆる「士業」と呼ばれる資格をとって開業することも考えられます。


法律ならば弁護士をはじめ司法書士、行政書士、税金の分野ならば税理士、会計士等が該当します。


これらの資格を取るのに、基本的に経歴や年齢制限等は問われません。


しかし、合格率は非常に低く、合格までにはそれなりの勉強時間を設けて試験を受ける必要があります。


運転免許を活用する


だいたいの方々なら持っている資格に「普通自動車免許」資格があります。

この資格を利用し退職後、タクシー運転手になることも一つの方法です。

タクシー運転手になるには、自動車2種免許を取得する必要があります。

自動車2種免許の取得する条件は、まず普通自動車免許を所有し3年以上経過していることが必要です。

タクシー運転手には定年制度はなく、健康診断に異常が無い限り働くことができます。

生活費を見直して、本格的に貯金する

退職後も元気で働き続けることができるなら、少ない年金額を働いて補うことはできます。


ただし、ご自分がもとから病弱であったり、高齢になってから体力が落ちたりすることも想定されます。


また、介護施設へ入居しなければいけない事態になるかもしれません。


その場合は、今から生活費を見直して、本格的に貯金することも対策の一つです。


貯金は次のような方法を行うことがおすすめできます。

  • 遊興費や水道光熱費をできるだけ抑える生活習慣にかえる
  • 家計簿をつける
  • 預金の何割かを定期預金にして浪費しないようにする
無駄なお金はできるだけ使わないことはもちろん、毎月家計の収入・支出をエクセル等で記録し、無駄が無いかを確認することも必要です。

また、余剰資金は定期預金にして預けるのが良いでしょう。

浪費のため支出を抑えることはもちろん、利息も普通預金よりは高い(約0.21%)のでお得です。

リバースモーゲージ

リバースモーゲージとは、自宅を担保として融資を受ける制度です。


自宅を所有しているものの、年金収入が少ない高齢者世帯が、ご自宅を手放すことなく収入を確保する方法です。


方法としては、自宅を担保に金融機関と契約期間を設定し借金をします。


その後、この借金を年金形式で受け取ります。


ただし、リスクがあり契約の満期になっても生存している場合は、生活資金の受け取りが停止されてしまいます。


また、それまでの借金を一括返済できないと、ご自宅すら失う深刻な事態につながります。


事前に金融機関の担当者と十分相談しながら、契約を締結する必要があります。

個人年金保険に入る

個人年金保険は、ご自分が任意で加入し年金保険料を積み立て、契約時に決めた年齢から年金を受け取る私的年金です。


生命保険会社が販売している商品で、少ない公的年金額を補う役割があります。


ただし、個人年金保険は加入可能年齢の制約があることに注意しましょう。


ほとんどの保険会社では、月払で保険料を支払う場合、60~70歳までを加入可能年齢と定めていることが多いです。


50代になって個人年金保険へ入る方々も多いですが、加入年齢が高めである分、払い込む保険料は高くなってしまいます。

20~30代で考えられる対策

20~30代の方々は、まだまだ年金の問題に無関心かもしれません。


しかし、年金対策を今から行っておけば、将来の受け取る年金額が少ない場合でも十分な備えを準備できます。


こちらでは、厚生労働省が発表した不安なデータと、20~30代に向いている年金対策を解説します。

将来の年金は今以上に少ない

公的年金制度は「マクロ経済スライド」という仕組みが導入されています。


この仕組みは賃金や物価が上昇しても年金額は増やさず、上昇した分は将来に積み立てるという方法です。 


つまり、将来にインフレとなっても、年金額自体はあまり増えないことになります。


物価が上昇し続けた場合、厚生労働省が予想したデータは下表の通りです(厚生労働省 平成26年「財政検証」を基に作成)。

年度現役男子の手取り収入(a)と
夫婦の年金受取額(b)
所得代替率
(b/a)
2014年(a)34.8万円、(b)21.5万円62.7%
2030年(a)42.0万円、(b)23.9万円56.9%
2043年(a)52.8万円、(b)26.9万円51.0%

この表をみれば年金受取額(b)自体は増加しています。


また、物価が上昇しているのに比例し手取り収入(a)も増加しています。


ただし、年金額を現役世代の手取り収入額と比較した割合である「所得代替率」が、徐々に低下しています。


つまり、物価上昇に見合う年金額が受け取れなくなっていることを意味します。

個人年金保険に入る

将来、公的年金が前述したマクロ経済スライドの仕組みのまま運用されていけば、年金だけで生活することは極めて困難です。


そのため、20~30代の内から個人年金保険へ加入し、コツコツ保険料を積み立てることが有効な対策です。


若いうちから加入すれば、月払で保険料を払い込む場合、毎月10,000円程度と比較的負担も少なく積立が可能です。

全世代の方向けの対策:私的年金・つみたてNISAへの加入とFPへの相談

これまで、それぞれの世代の方に向けて年金受給額を増やす為の対策方法を解説してきました。


次に、すべての世代の方が行うことができる年金増加対策として、iDeCoやつみたてNISAについての解説とFP(ファイナンシャルプランナー)への相談について紹介します。


私的年金への加入とFPへの相談は昨今話題の金融庁の2,000万円レポートの中でも触れられています。


上記の金融庁のレポートでは、平均寿命と健康寿命の伸びている現在の状況から老後に必要なお金は増え、年金はしっかりと貰うことはできますが、年金以外に2,000万円ほど必要になるため、その分は自分て貯蓄・資産運用を行いましょうという内容です。


そしてレポートの中で2,000万円を貯蓄するためには

  • 現役世代からの資産づくりが必要
  • 資金作りの上で必要なお金のやりくりについてFPに相談しながら考える方が良い
ということがあげられています。

iDeCoとつみたてNISAで資産作り

老後に向けた資産作り・貯蓄といった面でiDeCoとつみたてNISA・NISAを選択する人が多いです。どうしてiDeCoとつみたてNISAが選ばれているのでしょうか?


iDeCoとは?


iDeCoとは個人型確定拠出年金の事で、20歳から60歳の方が加入可能な個人が任意で加入する私的年金の1つです。iDeCoも基本的には公的年金同様、掛け金を積み立てて老後に年金を受け取る事ができます

iDeCoの場合は公的年金と異なり、運用方法を自分で選択する事が可能で、様々な税制優遇制度があります。

掛け金は月5,000円から積み立てることができ、先述のような税金面での優遇が多く今人気の制度で、若いころから積み立てておくとそれだけで2,000万円の資産を老後に受け取ることも十分可能です。

iDeCoに関する詳しい解説はこちらをご覧ください。

つみたてNISAとは?


次につみたてNISAについて解説します。

つみたてNISAとは、積立で買う投資信託に特化した「少額投資非課税制度」です。



日本に住む20歳以上の人が、1人につき1口座を開設でき、口座内でつみたてNISAか一般NISAのどちらか一方を選択して利用することができます。 

 非課税対象となる商品は、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託からの分配金や譲渡益です。



つみたてNISAは、毎月1,000円など少額からの積立が可能で、貯金がない人や資産運用の初心者でも気軽に始めることができます。 

毎年40万円までなら非課税での投資が可能なのでこちらも人気な制度です。

また、iDeCoと違い年金では無いので、いつでも積立金を引き出し可能です。

つみたてNISAに関する詳しい解説はこちらをご覧ください。

ファイナンシャルプランナーに相談

ファイナンシャルプランナー(以降FP)とは国家資格とその所有者の事で、お金の専門家とも言われます。資産運用や保険、住宅ローンなどに対する専門知識を持ち備えています。


FPはマネープランについての相談者で、老後の資金計画について家族状況、収入と支出の内容、資産、負債、保険など、あらゆるデータから現状を分析し、アドバイスや資産設計を行い、豊かな老後のための資金作りをサポートしてくれます。


また、老後の資金計画だけでなく保険相談や家計管理、相続・贈与などお金に関する幅広い知識を活かし様々な相談に乗ってもらえます


豊かな老後の生活設計の為にもファイナンシャルプランナーへの相談を行ってみてはいかがでしょうか?

まとめ:「年金が少ない」と後悔しないように今から対策しよう

少ない年金受給額を補うための対策について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。  


今回の記事のポイントは

  • 60代で行う少ない年金受給額への対策には、国民年金の任意加入・年金の繰り下げ受給がある
  • 40代~50代で行う少ない年金受給額への対策には、セカンドキャリアやリバースモーゲージ等で賄う方法がある
  • 20~30代で行う少ない年金受給額への対策には、個人年金保険へ加入する方法がある
でした。

公的年金制度には不安な要素が多いので、ご自分で事前に公的年金を補う対策を講じておきましょう。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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