公的年金は今後どう変わる?年金の保険料や支給金額の推移を紹介!

近年の公的年金に不安を感じ、将来の支給額や支給開始年齢を心配する方は多いです。平成30年4月には年金制度改革関連法によって年金支給額に変化が起こると考えられます。ここでは年金保険料の推移や支給金額の推移をたどり、今後の公的年金の変化を考えます。

公的年金は今後どうなる?

給料明細を見て、「年金の保険料は、こんなに引かれるのか」と思ったことのある人も多いでしょう。


しかも、年金の保険料は年々上がってきているので、今後、金額がどのくらい増えるのか不安ですよね。 


また、将来自分が年金を受け取る年齢になったときに、一体いくらもらうことができるのか気になる人も多いでしょう。 


それでは、今後年金の保険料の金額はどのように推移して、年金の受給額はいくらになるのでしょうか。


今後は、年金の保険料は増えて、年金の受給額は減る可能性があります。  


そこで、この記事では「年金の保険料と支給金額」について、

  • 公的年金保険料の移り変わり
  • 公的年金支給額の移り変わり
  • 受け取れる年金の計算方法 

以上のことを中心にご紹介していきます。 


この記事を読んでいただければ、老後の貯蓄について考える際に役立つかと思います。 


是非最後までご覧ください。 


公的年金保険料の変遷!改定率は?

年金の保険料は、年々どのくらい増えているのでしょうか。これから、支払うことになる年金の保険料がどうなるのか気になりますよね。


年金の保険料は、国民年金保険は定額制で、厚生年金保険は給料に対して一定の比率をかけたものになるという違いがあります。


本項目では、年金の保険料の推移について、 

  • 国民年院保険料
  • 厚生年金保険料 

に分けてご紹介します。


今後自分が負担する年金の保険料について参考にしてみてください。 

国民年金保険料の推移

国民年金の保険料は、定額制となっています。

では、国民年金の保険料は、どのように推移しているのでしょうか。

ここでは、国民年金の保険料の推移について見てみましょう。 
改定年月月額保険料
1961年4月〜100円(35歳未満)/150円(35歳以上)
1970年7月〜450円 
1976年4月〜1,400円 
1982年4月〜5,220円 
1989年4月〜8,000円 
1993年4月〜10,500円 
2005年4月〜13,580円 
2008年4月〜14,410円 
2010年4月〜15,100円 
2013年4月〜15,040円 
2015年4月〜15,590円 
2016年4月〜16,260円 
2017年4月〜16,490円 
2018年4月〜16,340円 
2019年4月〜16,410円 
物価の上昇も影響していますが、以前に比べると保険料は年々上がっています。

また、国民年金保険料は、平成16年度の改正で決められた保険料額と保険料改定率をかけた金額と決められています。 

ちなみに、平成29年度で保険料額が上限に達しているため、これ以上は上がりません。

しかし、保険料改定率は、今後変動する可能性があるので、それに伴い保険料も変動する可能性はあるでしょう。 

厚生年金保険料の推移

厚生年金の保険料は、国民年金の保険料とは違い定額制ではありません。


厚生年金の保険料は、給料に対して一定の比率をかけたものになります。


そのため、給料が上がると、保険料も増えるのです。 


ここでは、厚生年金の保険料の推移について見ていきましょう。 

利率改定時期男性女性
1944年10月11.0%11.0% 
1960年5月3.5%3.0% 
1976年8月9.1%7.3%
1988年10月12.4%11.75% 
1993年1月14.5%14.45%

1994年1月以降は、比率が男女共通となりました。
料率改定時期料率 
1994年1月14.5% 
1996年10月17.35% 

2003年4月以降は給与や賞与に対する利率に変更となりました。
料率改定時期料率
2003年4月13.58% 
2004年10月13.934% 
2008年9月15.350% 
2012年9月16.766% 
2015年9月17.828%
2016年9月18.182% 
2017年9月18.3% 
1993年以前は、男性と女性で年金の保険料の比率が違いました。

また、それまでは女性の方が保険料率が低かったのですが、1994年からは男性と女性で同じ料率と変更され、比率は年々上がっています。 

また、以前は月収を下げて賞与を多めにして社会保険料を節約するということが流行していました。

しかし2003年以降に給与にも賞与に対しても利率をかけられることになり、この手法で社会保険料の節約をすることはできなくなりました。 

厚生労働省発表による公的年金支給の変遷グラフを紹介

今後、年金の保険料が上がる可能性があることをお話してきました。


それでは、公的年金の受給者や給付額はどのように推移しているのでしょうか。


公的年金の受給者数は、年々増えています。


また、国民年金の給付額は増えている傾向にあり、厚生年金の給付額は横ばいに推移しているのです。


本項目では、 

  • 公的年金受給者数の移り変わり
  • 国民年金給付額の移り変わり
  • 厚生年金給付額の移り変わり

についてご紹介します。 


将来、自分が年金を受給する際の参考にしてみてください。 

公的年金受給者数の推移

公的年金は、20歳以上から60歳未満の人が負担している保険料により、そのときの高齢者の年金給付を賄う仕組みになっています。


そのため、働き盛りの現役世代が、高齢世代よりも少なくなってしまうと、現役世代の負担が大きくなるのです。


ここでは、まず国民年金の受給者数の推移について見てみましょう。 

年度総数 
平成22年2,834万人 
平成23年2,912万人
平成24年3,031万人 

国民年金の受給者数は、増えている傾向となっています。


次に、厚生年金保険の受給者数の推移について見てみましょう。 

年度総数
平成22年3,883万人 
平成23年3,892万人
平成24年3,912万人

厚生年金保険の受給者も、年々増えている傾向となっています。


また、今後は年金の受給者は増えて、年金の保険料を納める世代は減少すると予想されており、公的年金の財政は、より一層厳しくなるでしょう。 

国民年金給付額の推移:2018年現在平均は55,464円

国民年金の給付額は実際にいくらもらうことができるのでしょうか。


ここでは、国民年金の給付額についてご紹介します。

年度給付額
平成23年度54,682円
平成24年度54,856円
平成26年度54,497円 
平成28年度55,464円 

国民年金の平均支給額は、55,464円となっています。


また、国民年金には支給される金額の上限が決められています。


年間779,300円が上限なので、毎月の支給額は64,941円が上限となるでしょう。


また、国民年金の支給額は、平成28年度までの推移では減少傾向となっています。


しかし、平成28年度は直近6年間の中では最も高い年金支給額です。

厚生年金給付額の推移:2018年現在平均は147,927円

それでは、厚生年金の受給額はどのくらいになるのでしょうか。


ここでは、厚生年金の受給額についてご紹介します。

年度支給額 
平成25年度145,596円 
平成27年度145,305円 
平成28年度145,638円
平成29年度144,903円 
厚生年金の受給額は、横ばいとなっている傾向があります。

また、受給額について、男性は月額18万から19万をもらっている人が多いです。

女性の場合は、月額9万から10万円をもらっている人が多くなっています。

もらえる年金の計算方法を紹介

今まで、年金の保険料を納めていても、自身が将来受け取ることのできる年金支給額は、しっかりと把握している人は少ないのではないでしょうか。


しかし、老後の生活のためにも、自分の年金支給額を知りたいですよね。


年金の支給額は、個人によってかなり差がありますが、国民年金も厚生年金も、どちらも加入期間によって支給額が変わります。 


本項目では、 

  • 国民年金支給額の計算方法 
  • 厚生年金受給額の計算方法 

についてご紹介します。 


ぜひ、自分の老後について考える際に役立ててください。 

国民年金支給額の計算方法

国民年金の支給額の計算方法は、シンプルなので簡単に計算することができます。


国民年金の支給額は、加入期間が長いほど支給額が増える仕組みになっており、満額は月額約6万5千円です。


計算方法は、 

満額×(保険料納付月数+全額免除月数×8分の4+4分の1納付月数×8分の5+半額納付月数×8分の6+4分の3納付月数×8分の7)÷40年(加入可能年数×12) 

です。 


国民年金は、20歳から60歳までの40年間の保険料を納めており、免除などを受けていない場合に満額となります。


そのため、国民年金は、給与に関わらず、加入期間が重要となるのです。 

厚生年金受給額の計算方法

厚生年金の受給額の計算方法は、国民年金の支給額に比べると複雑で難しいです。


まず、2つの計算式に沿って計算をして、金額が大きい方が厚生年金の支給額となります。


まず、一つ目の計算式は、 

平均標準報酬月額×乗数×平成15年3月までの払込月数+平均標準報酬額×乗数×平成15年4月以降の払込月数 

です。
 


この計算式は、本来水準方式と呼ばれています。 


もう一つの計算式は、 

平均標準報酬月額×0.0075×平成15年3月までの払込月数+平均標準報酬額×0.005769×平成15年4月以降の払込月数 

です。 


この計算式は、従前額保証方式と呼ばれています。 


計算式にある「平均標準報酬月額」とは、賞与を除いた給与の平均額のことです。


厚生年金は、国民年金とは異なり、加入期間と所得によって支給額が変わります。

公務員がもらえる年金の額は?

公務員として働いている方は、2015年に公務員が加入する年金が共済年金から厚生年金に変わったことはご存知でしょう。


では、公務員は年金がいくらもらえるのでしょうか。


勤続年数や給与の額によって、年金受給額は変化しますが、定年まで務めた公務員の平均年金受給額は年額240万となっています。 


本項目では、 

  • 年金払い退職給付について
  • 公務員の年金支給額の計算方法 

についてご紹介します。 


家族構成や勤続年数によって、年金支給額に違いがありますが、ケースによって目安を把握することができたり、シミュレーションできるサイトがあったりするので、参考にしてみてください。

年金払い退職給付について

年金払い退職給付とは、3階建ての年金制度の公的年金以外の部分に相当する公務員のための年金制度です。


平成27年10月に公務員独自の年金制度であった職域年金の部分が廃止されました。


そこで、新たに民間企業に勤める人が加入することのできる企業年金に当たる部分として、年金払い退職給付が作られたのです。 


公務員として働いている人は、毎月「付与額」として積立をしています。


この積み立てた額に、利息を加えた額を元にして、退職給付の額が決まるのです。 


また、年金払い退職給付には、退職年金や公務障害年金、公務遺族年金があります。
 

公務員の年金支給額の計算方法

結局、公務員の人は年金をいくらもらうことができるのでしょうか。


まず、国民年金の支給額は、平均で約5万4千円です。


そして、共済年金の支給額は、国民年金を含み、平均で約17万4千円となります。


また、地方公務員と国家公務員で、給与水準が同じ場合は年金受給額に差はありません。


しかし、給与に違いがある場合は、年金受給額にも差が出てきます。 


ここで、支給額の例を見てみます。 


  • 公務員で38年間勤務した夫と、専業主婦の妻の場合は、夫婦での年金受取額は年間で約304万円です。
  • 公務員で42年間勤務した独身の人の場合は、年金受取額は年間で約175万円です。


もらえる年金は、個人によって差があるので、具体的な計算をすることは難しいです。


しかし、日本年金機構が運営している、公的年金の受給額の計算をシミュレーションできるサイトがあるので、こちらで調べてみると良いでしょう。

年金制度改革関連法(年金カット法案)について

平成28年に成立した「年金制度改革関連法」をご存知でしょうか。


こちらは、将来年金を受け取ることになる世代まで、しっかりと年金が確保できるようにする法案です。


しかし、年金が減ってしまう「年金カット法案」と言われ、批判もありました。


では、具体的に「年金制度改革関連法」とは、どのような内容なのでしょうか。 


本項目では、 

  • 賃金や物価の上昇の範囲内で調節されることについて 
  • 平成33年4月に行われる調節について 

この2点を中心にご紹介します。  


また、高齢者がひと月にかける平均的な生活費についてもご紹介するので、参考にしてみてください。 

平成30年4月から賃金・物価上昇の範囲内で調節される

年金制度には、平成16年に行われたマクロ経済スライドという考え方が導入されました。


マクロ経済スライドとは、年金額が伸びすぎないようにするための仕組みです。


現代の日本は、少子高齢化社会を迎えており、年金の保険料を納める現役世代の人数が減り、年金をもらう高齢者の人数が増えています。 


そこで、現役世代の減少率と平均余命の伸び率を年金額の計算に取り入れることで、年金を物価や賃金の上昇の範囲内で年金額を調整しているのです。 


そして、平成30年4月からは年金額が大きく伸びる好景気の場合には、未調整の分を持ってきて消化するという仕組みになりました。


これにより、年金額の抑制は、前年よりも額面では下がらないようになりました。
 

平成33年4月に行われる調節について

今までは、年金額は物価が上がり、賃金が下がった場合の年金額は据え置き、物価も賃金も下がり、賃金の下げ幅が大きい場合には物価に基づいて改定していました。


この年金制度は、平成33年4月からは、賃金の変動を元にして年金額を変更するという仕組みに変更されます。


年金の保険料を納めている現役世代は、賃金によって負担の大きさも変わってくるでしょう。 


この仕組みの変更は、年金をもらう側ではなく年金を納めている側に合わせて年金額を変えるという考え方です。


そのため、年金を受け取っている人にとっては、物価が上がっても年金が減ってしまうという状況になる可能性もあるでしょう。 


しかし、この仕組みが導入されても、物価や賃金の変動は年に数%なので、年金額は変わるとしても数百千から数千円程度だと予想できます。


そのため、急に年金が減ってしまい、生活が立ち行かなくなるという心配は必要なさそうです。
 

参考:高齢者がひと月にかける平均生活費は?

これまで、年金の保険料や年金の受給額についてお話をしてきました。


では、実際に老後の生活費はいくら必要なのでしょうか。


自分自身の老後のために貯蓄をするとしても、具体的にいくら貯金があれば良いのかイメージしにくいですよね。ここでは、老後の生活費についてご紹介します。


一人暮らしの老後の生活費は、1ヵ月あたり13万円程度かかるでしょう。 


内訳は、 

  • 食費:3万円 
  • 住居費:2万円 
  • 光熱費・水道費:1万円 
  • 家事用品:5千円 
  • 衣類:5千円 
  • 医療費:1万円 
  • 娯楽費:3万円 
  • 通信費:1万円 
  • その他:1万円 

です。
 


こちらの内訳を合計すると、1ヵ月で13万円ほどかかることになります。 


そして、世の中人生100年時代と言われており、100歳まで生きている人も珍しくなくなりました。


そのため、仮に100歳まで生きると考えると、65歳から100歳までの35年間で必要な生活費は、

 1ヵ月の生活費13万円×12ヵ月×35年間=5460万円 

となります。 


また、生きていくのにかかる費用は生活費以外にも、結婚式のご祝儀や葬式のお香典などの急な出費もあるでしょう。


そのため、上記で紹介した金額を参考に、自分の老後に備えた貯蓄を考えると良いです。 

年金制度の3階部分!個人年金で老後に備えよう

年金制度は、よく「3階建ての年金制度」と呼ばれていて、 

  • 国民年金 
  • 厚生年金 
  • 企業年金・個人年金など 

という構造になっています。 


1階は、日本国内に住所がある20歳以上、60歳未満の人はすべて加入している国民年金です。 


そして、2階には企業に務めている人が加入する厚生年金です。また、国民年金と厚生年金を公的年金とも呼びます。 


そして、3階には企業年金や個人年金などがあります。企業年金とは、企業年金制度を導入している企業で働いている人が対象となる年金制度です。 


また、公的年金とは別に、個人年金という年金保険があります。個人年金は、保険会社などで契約することができます。 


個人年金は、保険料によって受け取れる額が変わったり、受け取れる期間が違ったりするのです。


老後に備えるためにも、年金制度の3階部分である年金でも備えることが大切でしょう。


自分自身や家族のライフプランに、ぴったりの個人年金を見つけてみてはいかがでしょうか。 

まとめ:年金の推移を知って老後の収支に備えを

年金の保険料の推移や、年金の支給額、もらえる年金の計算方法についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、 

  • 今後も年金の保険料の引き上げがされる可能性があること 
  • 今後は年金支給額が減らされたり、年金が支給される年齢が上げられる可能性があること 
  • もらえる年金の支給額の計算は、国民年金はシンプルで厚生年金は難しいこと 

です。 


年金の保険料は、今まで上限を決めて引き上げられてきましたが、今後も保険料の引き上げ改定がされる可能性が高いでしょう。


また、年金の支給額も、今後は金額が少なくなったり、受給できる年齢が上がったりするかもしれません。


また、将来もらうことのできる年金は、個人によってかなり差があります。


そのため、早いうちに老後の貯蓄について考える必要があるでしょう。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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