変額個人年金保険とは?保険と資産運用は別で考えるべき!

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積立利率変動型個人年金保険と聞いて、どんな保険か理解できる人は少ないはず。メットライフ生命やソニー生命が積立利率変動タイプの個人年金保険を販売中です。今回、変動型個人年金保険とは何か説明し、変動金利のデメリットは何か、変額個人年金保険との違いは何か解説します。



▼この記事を読んで欲しい人
  • 変額個人年金保険とは、どんな保険か知りたい人
  • 変額個人年金保険の加入を検討している人
  • 変額個人年金保険と他のiDeCoや投資信託のどちらにしようか悩んでる人

内容をまとめると

  • 変額個人年金保険は、老後に備えるための保険
  • 保険料を株や債券に投資しその実績で保障額が決まる。
  • 保障よりも投資の要素が大きい
  • 変額個人年金には、基本型、到達目標設定型、最低保障引上げ型、早期年金開始型の4つがある
  • 通常の投資・保険商品より手数料が高い
  • 変額個人年金保険か別の投資にするか迷ったらマネーキャリアでの相談がおすすめ
この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

変額個人年金保険とは?特徴と仕組み




変額個人年金保険は聞きなれない名前ですが、仕組みとしては老後に必要な資金のために備える保険です。


まず変額個人年金保険には、どのような特徴と仕組みがあるか解説していきます。


特徴は以下のようになります。


  • 株式や債券で資金運用し、運用実績によって将来受け取れる年金額や死亡保障金、解約払戻金が決まる
  • 投資のリスクは個人が背負う
  • 最低限の保障がされているものは、あるものとないものがある
  • 解約返戻金はないものの方が多い
  • 死亡給付金も最低保証があるものとないものがある

老後に備えるものとして個人年金保険がありますが、仕組みの違いについては以下のようになります。

仕組み
個人年金保険契約時に定められた利率で年金額が決まり、年金を受け取れる
変額個人年金保険あらかじめ用意されている特別勘定(ファンド)から自分で選んだ株式や債券などで投資し、その投資実績によって年金額が変化する
ファンド同士で資金の移動は可能


いわば投資信託と年金保険がひとつになったもののことを言います。

したがって、投資の実績によっては個人年金保険よりも多く年金を受け取れることもありますが、年金額が少なくなってしまうリスクも考えられます。

また、解約返戻金や死亡給付金がないものもあるので加入時には注意が必要です。

契約時には、個人年金保険での契約よりもリスクを伴うため、保険会社の方の説明を聞き、特徴や仕組みを十分に理解して納得した上での加入が必要でしょう。

種類には、「基本型」「到達目標設定型」「最低保証引き上げ型」「早期年金開始型」の4つのタイプがあります。

4つのタイプについては、次の章で詳しく解説していくので確認してみてください。

変額個人年金保険には主に4つのタイプがある!




次に変額個人年金保険の4つのタイプについて解説していきます。


  • 年金額を増やしていきたい方は「基本型」
  • 目標額を到達したらそれを確保しておきたい方は「到達目標設定型」
  • 音dp増えた年金資源を減らしたくない方は「最低保証引き上げ型」
  • 年金をすぐに受け取りたい方は「早期年金開始型」

この4つのタイプについて、具体的にどのような仕組みのものなのかを見ていきましょう。

①基本型

基本型は投資をして年金額を増やしていきたい方におすすめのタイプです。


基本型の特徴については以下のようになります。


  • 投資の状況によって毎日の積立金が変動する
  • 元本割れするリスクがある
  • 死亡保障はあるものが多く、運用実績が一時保険料を上回っているときはその時点での積立金を受け取れる
  • 元本保証がされている場合、一般的に年金を受け取る期間が決まっている
  • 解約返戻金の元本の保証は、一般的にない
  • 保険の支払いは月払、半年払、年払いがある
  • 年金の受け取りも確定年金、終身年金を選ぶことができる


基本型は、投資をしてどんどん年金額を増やしていくタイプなので、投資に自信のある方に向いています。


ただ、株式市場などの状況により受け取れる保険金などが変化するので、注意が必要です。

②到達目標設定型

2つ目の到達目標設定型は、投資で目標額に到達したらそれを確保しておきたい人におすすめのタイプです。


特徴については以下のようになります。


  • 契約時に一時保険料の110~150%と目標設定をし、その目標に到達したらその積立金を受け取ったり、一般勘定である定額個人年金保険に移すことができる
  • 目標到達前に措置期間が終了したり、契約者が死亡した場合は元本の保障はあるものとないものがある
  • 解約返戻金の元本保障はない

到達目標設定型は、投資で目標額に到達した後お金を受け取ったり、一般勘定に変更したりできるので、増やしたものをそのまま維持させることができます。

ただ、死亡保障などが付いていないものがあったり、解約返戻金はないのでよく説明を聞いて理解して納得した上での契約をしていきましょう。

③最低保証引上げ型

最低保障引上げ型は、投資で一度増えたものを減らさずに受け取りたい人におすすめのプランです。


特徴としては以下のようになります。

  • 株や債券などで投資した積立が増加することにより、最低保証額が増加していく
  • 一度上がった最低保証額は、その後運用がうまくいかなくても減ることはない
  • 一般的に契約日から1年以降の判定日に積立金が増えていると、最低保証額を引き上げることができる
  • 解約返戻金の元本保証はない

最低保障引上げ型は、積立金が増加すると最低保証額も増えますが、判定日の時点で増えていなくては対象になりません。

一時期、投資が順調で増えていても判定日に減っていては、最低保証額は増えないため注意が必要です。

また、変額個人年金には解約返戻金がないのがほとんどなので、よく検討してから契約していきましょう。

④早期年金開始型

年金をすぐに受け取りたい人におすすめなのが早期年金開始型です。


特徴としては以下のようなものがあります。

  • 契約日から1年で年金を受け取ることができる
  • 年金開始後も引き続き特別勘定で運用が継続される
  • 契約者が死亡した場合、積立金か一時保険金のどちらか多い方から受け取った年金額を引いた金額が支払われる
  • 年金受け取り方法には終身年金と確定年金の2種類がある
  • 解約返戻金の保障はない

早期年金開始型の一番の特徴は、年金の受け取りが始まっても特別勘定での運用が継続されるというところです。

また、商品によっては早期年金開始型でも、運用実績により翌年の年金額が上がったり、一般勘定に変更できるものもあります。

解約返戻金の保障はないため、途中解約しないようにしていく必要があります。
よく検討して加入していきましょう。

変額個人年金保険のデメリット・リスク




変額個人年金保険は、株や債券などの投資で年金総額が増減する保険商品です。


投資がうまくいけば、個人年金保険よりも大きな老後の資金に備えることが可能です。


しかし、デメリットやリスクもついてきます。


  • 年金受取額が支払った保険料の総額よりも下回り、元本割れするリスク
  • 中途解約すると解約返戻金がないもしくは支払った保険料の総額よりも下回り、元本割れするリスク
  • 外貨建ての場合、海外の株や債券のため為替市場により支払った額よりも下回るリスクがある
  • 変額個人年金保険では、手数料が高い


この章では、上記のような変額個人年金保険のデメリット・リスクについての詳細を解説していきます。

デメリット①年金受取額が払込保険料を下回るリスクがある

デメリットの一つ目は、年金受取額が払込保険料を下回る可能性があるということです。


変額個人年金保険では、株や債券などの運用で増やしていくことで年金受取額を増やしていきます。


したがって、株など投資の運用がうまくいかなかった場合、年金受取額が払込保険料を下回り元本割れしてしまうリスクがあります。


この損失は契約者が負うことになるので、年金を受け取る際に支払った保険料よりも少ない額を受け取ること可能性があるでしょう。


投資や株などの知識があまりない方には、向いていない保険です。

デメリット②中途解約すると解約返戻金が元本割れする

変額個人年金保険では、解約返戻金の元本保障はついていません


積立金が解約返戻金になります。


したがって、加入時にはどれだけ積立金が増えるかわからないため、解約返戻金はないと考えておいた方がいいでしょう。


したがって、投資の運用がうまくいかないからと途中で解約してしまうと元本割れした状態での解約になってしまいます。


また、解約時には解約控除という諸経費が掛かってくる場合もあります。

元本割れした上に、諸経費もかかるため大きな痛手になることは一目瞭然です。


変額個人年金保険の契約をするときには、解約しないことを前提で加入していく必要があります。


よく検討したうえでの加入が必要です。

デメリット③外貨建ての場合為替リスクがある

変額個人年金保険のファンドには「日本株式型」「日本債券型」「外国株式型」「外国債券型」「バランス型」といった種類があります。


「外国株式型」や「外国債券型」などの外貨建ての場合、海外の株に投資をしていくため日本円を米ドルや豪ドルなどに換えて投資をしていきます。


年金を受け取る際にはまた円に戻して支払われるのですが、その際に為替市場が不調な場合、元本割れしてしまう可能性があります。


契約時、調子が良くても年金支払い時にも同じかどうかはわかりません。


外貨建ての場合は、為替による元本割れが発生してしまうことがあるリスクを十分に理解したうえで加入していきましょう。

デメリット④手数料が高い

変動個人年金保険の加入時や運用時には、さまざまな諸経費がかかってきます。


諸費用の項目には以下のようなものがあります。

  • 契約初期費用
  • 保険関係費用
  • 運用関係費用
  • 年金管理費用
  • 解約控除
  • スイッチング費用

保険関係費用、運用関係費用は、年率の割合による費用が毎日控除されていきます。

保険と運用どちらにも手数料がかかるイメージです。

手数料は高くても年率の数パーセントの費用ですが、毎日の控除になるため積み重なるとかなりの料金になってくるでしょう。

加入時にはこの手数料も考慮したうえで、よく検討して加入することをおすすめします。

変額個人年金保険に加入するときのチェックポイント




変額個人年金に加入する際のチェックポイントは以下のようになります。


項目ポイント
取扱保険金額取り扱い保険金額は会社によって違います。
一時払保険料・最低100万円程度から取り扱う会社があります。
保険料払込方法「一時払」がほとんどです。
「年払」「半年払」「月払」もあります。
「一時払」以外は一定期間分まとめて払い込む「前納」があります。
契約年齢範囲会社によって違いますが、0~80歳まで取り扱っている会社があります。
配当金の種類「無配当」のものがほとんどです。
解約返戻金解約時点の積立金が解約返戻金になります。
元本保証はありません。
契約後1~10年での解約では、解約控除の諸経費がかかります。
運用に関して特別勘定には「日本株式型」「日本債券型」「外国株式型」「外国債券型」「バランス型」などのファンドがあります。
ファンドは契約者が選べるものとすでに決まっているものがあります。
ファンドの資産を別のファンドに移す際に、諸経費がかかる場合がります。


変額個人年金に加入する際は、特に解約返戻金がないこと、投資の運用のファンドには日本のものと海外のものがあることに注意しましょう。


契約商品のファンドが海外のものしかない場合、為替の影響を受けることがあるため、

よく検討してからの加入が必要です。

保険と資産運用は別で考えるのが理想!




変額個人年金保険は「保険」という名前が付いていますが、手数料やリスクの高い投資と言っていいでしょう。


保険は運用するのではなく、保障メインで考えていくのが基本です。


資産運用をしたい方は別に投資するべきです。

その方が、諸経費をもっと抑えながら資産運用をすることができます。


なかなか理解するのは難しいですが、投資の上級者は変額保険は手数料が高いため加入しません。


保険と資産運用は別で考えて、別々に投資していくことをおすすめします。

保険の目的は運用ではなく保障

保険は、あくまでも万が一のことが起こったときや将来の生活費などの確保のための保障をするためのものです。


変額個人年金保険では、どちらかと言えば運用がメインの商品で、元本割れをしてしまう可能性も高く、諸経費も高いため確実な保障を得られることができません。


将来の生活費などの備えをしていきたいのであれば、きちんど保障をされている商品を選ぶようにしていきましょう。

資産運用をするなら他の方法を検討しよう!

変額個人年金での資産運用を考えている場合は、NISA、iDeCo、投資信託などほかの方法での資産運用をした方がいいでしょう。


変額個人年金は、きちんとした投資の知識がない場合、元本割れした状態になってしまうリスクが高く、資産運用は危険です。


NISA、iDeCo、投資信託の特徴などは以下の通りです。


特徴
NISA通常、株や投資信託で得た利益は売却時に税金がかかります。
NISAの場合、その税金がNISA口座から毎年120万円までであれば、得た利益からの税金がかからなくなる制度です。
NISAには「NISA」「ジュニアNISA」「つみたてNISA」など様々な種類があります。
iDeCo個人型確定拠出年金と言われるものです。
自分で拠出した掛金を、自分で運用して、老後に向けて資産を形成していく年金制度です。
60歳まで掛け金を拠出し、60歳以降から年金を受け取ることができます。
投資信託
投資家から集めたお金を大きな一つの資金としてまとめて、投資の専門家が株式や債券に運用。
得た利益を投資家に分配するといった仕組みの商品です。


資産運用を検討しているのであれば、上記のような特徴を持つNISA、iDeCo、投資信託などで投資、運用していくことをおすすめします。

無駄のない保険や資産運用・資産形成ならマネーキャリアで無料相談!




保険の特徴などを把握したうえで資産運用や資産形成をしていくには、専門的な知識が必要になってきます。


したがって、なかなか無駄なく自分で保険を選んだり、資産運用をすることは難しいです。


そんなとき、役に立つのがマネーキャリアなどの無料相談です。


保険のことはもちろん家計やライフプランからお金の相談にのってくれます。


これから投資などを考えている際に、変額個人年金保険が良いのかそれとも他の投資方法の方がいいのか分からない方におすすめです。


また、老後の資金はどのように準備していけばいいかなど分からないことや不安だという方もマネーキャリアに相談してみましょう。


マネーキャリアはオンラインでの相談を実施しています。


子どもが小さくて外に出て話すのが難しい方なども外出せずに相談できるため、安心して相談できます


保険や資産運用・資産形成でお困りの方はぜひマネーキャリアを活用してみてください。

参考:ソニー生命の変額個人年金保険を詳しく解説

この章ではソニー生命の変額個人年金保険について詳しく解説していきます。


ソニー生命の変額個人年金保険の特徴は以下のようになります。


  • 特別勘定の資産運用の実績によって年金額が変わる
  • 年金支払開始日前に死亡した場合は死亡保険金が下りる
  • 解約払戻金は運用実績によってはある
  • 高度障害状態・身体障害の状態になったときには、以降の保険料の支払いは免除になる
  • 積立金を増やしたり減らしたりすることができる
ソニー生命の変額個人年金の場合、解約返戻金は運用によってプラスになった分が戻ってくることになります。

元本が保証されているわけではないので、支払った保険料よりも解約返戻金が少ない可能性があります。

しかし、高度障害状態や損退場外の状態で支払いが免除になるのはいい点です。

次に、契約例についてみていきます。
今回は月払と一時払について紹介していきます。

月払い
契約年齢35歳
基本年金額100万円
年金種類確定年金
支払い期間10年
年金受取開始年齢60歳
払込期間60歳まで
月払保険料男性:20,550円
女性:20,490円


一時払い
契約年齢35歳
基本年金100万円
年金種類確定年金
年金受取開始年齢60歳
払込期間一時払
一時払保険料男性:4,142,300円
女性:4,132,000円

契約例については、上記のようになります。


月払で払う方が多いでしょうが、月に2万円かかります。

決して安い保険料ではありません。


しかし、高度障害状態や身体障害状態になったときに、支払いが免除になる点では安心して加入できる商品と言えるでしょう。

変額個人年金保険に関するまとめ




今回は、変額個人年金保険について解説していきました。


変額個人年金の特徴としては以下のようなものがありました。


  • 保険料を支払い、株式や債券の運用によって将来の返戻金が決まる
  • 投資のリスクは契約者本人が背負う
  • 元本の保障をされているものは、商品によってあるものとないものがある
  • 解約返戻金は元本保証はされていない。運用の実績によっては解約返戻金が出る場合がある。
  • 外貨建ての場合は、外国為替の影響を受けることがある
  • 変額個人年金保険は手数料が高い
変額個人年金は、保障よりも投資といっていい商品です。

保険の場合は、投資よりも保障がどれだけあるかが大切になります。

将来の保障のためであれば、ほかの保険への加入がおすすめです。

また投資目的であれば、別のiDeCoや投資信託での投資をおすすめします。。

もし、迷ったり分からないことがある場合はマネーキャリアなども使っていくことで後悔なく保険の加入や投資の判断をすることができるでしょう。

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