生活保護と生命保険の関係性は?新規加入と掛け捨ては継続できる?

生命保険に加入しているけれど、生活保護を受給すると生命保険を解約しなくてはいけないと言われています。さらに生活保護を受けている方が新規で掛け捨ての生命保険に加入できるのか?など生活保護と掛け捨てタイプの生命保険との関係性について詳しくご説明していきます。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

掛け捨ての生命保険に生活保護の方が加入する事はできるのか

生活保護を受給していると生命保険には加入できないと考えるのが当然だと思っているのではないでしょうか。

また、生命保険に加入していても生活保護の受給を申請する際に解約しなくてはいけないと思っているのではないでしょうか。



しかし、生活保護申請中の方や生活保護受給者の方でも生命保険に加入できる条件があるのです。


もちろん全ての方が加入できるわけではないですし、全ての方が保険を継続できるわけではありませんが、条件に当てはまる場合に限り保険を加入検討することができます。


新規で加入の条件は「掛け捨ての死亡・高度障害を目的とし月々の保険料が低額であること」のみです。


掛け捨てを条件とされているため、貯蓄性商品は条件外となります。

基本的に生活保護受給者は生命保険を解約しなければならない

生活保護を受給している方は原則として生命保険を解約しなければいけないとされています。

例えば、貯蓄性の高い学資保険や養老保険のように解約金が多額の場合、「保険を解約して生活を補ってください」と、言われ生活保護の申請を受けることが不可能となります。


生活保護は生活困難者を救う制度で、国民からの税金で賄われているだけに、当然とも言えます。


貯蓄性のある商品は、保険料を払い続ける限り自身の財産を増やす目的を持っているので、生活保護の給付金で保険料を支払うことは「税金で資産を増やす行為」とみなされます。 


新規加入はもちろん現在加入している人は解約してからでなければ生活保護申請をすることはできません。

掛け捨て生命保険の給付金の扱い

通常、病気やケガで入院し給付金を受けた際は「非課税」として給付金を受けられます。

しかし、生活保護の方の給付金は通常と異なり「所得」とみなされます。


不平等のように感じますが、生活保護受給者の方は入院費用や葬祭費など生活保護から全て保障があります。


その為、費用が発生しなかった部分に関しては「返してください」と言うスタンスです。


保険会社から受け取った給付金から8.000円を引いた額が収入扱いとなり、その額を返還する必要が出てくるのです。


給付金が下りると生活保護費が見直される


さらに、給付金を受けると「収入」として扱われることから生活保護費が見直しされます。

年収に応じて健康保険料や税金が変わるように、生活保護者は受けられる保障額が減ります。


返還しているのだから収入とみなされるのはおかしいと思われますが、給付金を受けた際、8.000円を引いた額の返還であり8000円は所得として計上されます。


3回給付金を受ければ8.000円×3=24.000円の所得と計算され減額対象となります。

例外として生活保護受給者も生命保険に加入する事ができる事がある

メリットが少ないと感じられる生命保険加入ですが、生活保護を受けずに自立した生活を送れるようになった時、生命保険を残しておきたいと考えられる方もいらっしゃいます。

そのため生命保険の新規加入を考えるけれど、保険には加入できないと諦めていらっしゃる方が多くいらっしゃいます。


しかし、掛け捨てであり月々の保険料に変動が無ければ保険に加入することは可能です。


保険の種類は数多くあり、勝手に積み立て型が付与されているものがあったり主契約であったりする商品もあります。


積み立て系は貯蓄と同じ資産を増やす名目になり加入できないため、完全に掛け捨てであることを確認する必要があります。


掛け捨てと言われていても、完全な掛け捨ては少なく契約年数に応じて解約金が発生する可能性はあります。


しかし、この解約金があまりにも膨大でなければ掛け捨てに近い理由となり、加入できることもあります。

解約返戻金が30万円以下の生命保険

掛け捨てと言っても少しの解約金が発生するケースがほとんどです。

解約金が発生すると保険に加入できないのか?と気になりますが、解約金の金額に応じて継続・加入は変わってきます。


現在加入している保険の解約金が「30万円以下であること」ここがボーダーラインとされています。


生活保護を申請する上で30万円以上の解約金がある場合、資産と受取られ申請すらできません。


一方で掛け捨ての生命保険の場合であれば、何十年かけても30万円以上もの解約金が発生することはほとんどありません。


貯蓄性の保険では無く、掛け捨ての保険に加入している方は生活保護の申請を受けられる可能性が出てきます。


そして、生活保護を受けている方が新規加入する際も解約金が発生する保険への加入は難しいとされており、掛け捨て保険を選択することとなります。


生活保護受給者が被保険者になるだけなら問題ない

生命保険を契約時に契約者・被保険者・受取人の3項目を決める必要があります。

  • 契約者=保険料を支払う人
  • 被保険者=保険対象者
  • 受取人=給付金等を受け取る人


これらに分類されており、生活保護を受けている方が「契約者」となると加入することはできませんが、「被保険者」になるだけであれば、保険料の支払いが発生しないため問題なく加入することができるのです。


この場合、掛け捨てであっても貯蓄性があっても問題ありません。


注意点は保険加入後に給付金を受けたとき、給付金の受取りを被保険者か受取人かを指定することができます。


その際、給付金を生活保護受給者が受け取ると先ほど同様に、資産が増えたとみなされ返却を求められ受給額の変動にも関わります。

まとめ 掛け捨ての生命保険と生活保護

生活保護申請時は資産と見なされる保険の解約金や、受給開始後に保険に入るメリットの少なさなどお伝えしてきましたが、生活保護を脱したとき生命保険に加入していることは大きな強みとなります。

貯蓄性の高い保険には入れないと言っても、今は掛け捨てで割安な生命保険に加入している方がほとんどです。


掛け捨ての生命保険ではもったいないと感じる方も多いですが、掛け捨てだからこそ十分な保障内容を検討できる商品が多くなってきています。


生活保護を受けるために保険を解約してしまった方でも、保険内容によっては加入できる商品もありますので検討しても良いと思います。

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