生前贈与は現金の手渡しでしていい?生前贈与で現金手渡しは危険!

生前贈与を現金の手渡しでしようとしている人がいます。しかし、生前贈与を手渡しですると、余計な税金がかかることや、税務署からペナルティをもらうことがあります。記事では、生前贈与の際、現金で手渡す場合、申告しないとどうなるか、贈与税の節約方法を紹介します。

生前贈与は現金の手渡しでしてもいいのか

生前贈与は、相続税の節税対策によく用いられる方法ですが、どのようにすれば一番お得になるのか、あまり知られていないところもあります。


詳しい情報は、税理士やファイナンシャルプランナーに相談するとよりよい方法で、生前贈与ができようにアドバイスしていくれるでしょう。


生前贈与は、親や祖父母が生きているうちに子供や孫に財産を贈与することをいいます。


親や祖父母が生きているうちに財産を子供や孫に贈与すれば、遺産相続のときに相続財産を減らせて、相続税が軽くできるというものです。


今回の記事では以下の内容を解説していきます。

  • 生前贈与は現金の手渡しでも税金はかかるのか?
  • 生前贈与の現金で手渡すときの手続きの仕方
  • 贈与税を申告しなかったときのペナルティはあるのか?
  • 贈与税を節約する5つの方法
どの内容も生前贈与の関する内容になっています。


最後までお読みいただき、参考にしてください。

生前贈与が現金の手渡しでも税金はかかる!

生前贈与をすれば、全く税金がかからないかというとそうではありません。


現金で贈与してしまえば、税金はかからないと勘違いしている場合があります。


また、110万円以下なら非課税だから現金で渡しても問題がないと、考える場合もあります。


確かに110万円以下なら課税対象にはならないですが、贈与として受け取った財産は確定申告をする必要があります。


現金で生前贈与として渡したときでも、何も手続きをしないと罰則やペナルティの対象になるので注意しなければなりません。

【参考】国税庁

生前贈与を現金で渡しても税務署にばれる

生前贈与を現金で手渡ししていれば、税務署にもばれることなくできると思われがちで、確かに現金の直接の受け渡しについては、調査が及ばないことがあります。


しかし、贈与税については毎年調査を行っており、現金で生前贈与をしてから数年たってから、何の予兆もなく調査が行われます。


常に税務に関する調査を行っており、情報収集をしています。


「生前贈与があったのでは?」という疑いがある時点で調査が行われます。


親や祖父母の預貯金の口座から高額な金額が出金されていれば、そのお金は何に使われたのかと調査されます。。


どのような形で生前贈与を行ったときでも、税務署にはばれることが多いのです。

生前贈与で現金の手渡しは税務署が否認する可能性がある

親や祖父母が亡くなってしまったときに相続税を計算するときにばれる可能性があります。 


 亡くなった人の相続税の調査をしたときに、預貯金の通帳が調査されます。 


 高額の金額が引き出されている場合、そのお金はどのような目的なお金だったのか確認される可能性があります。 


 口頭で「生前贈与です。」と伝えても、証拠がないので認めてもらえず課税対象になる可能性が高くなります。 


 少なくとも、親や祖父母から生前贈与を行うときは、預貯金の口座から生前贈与を受ける人の預貯金の口座に振り込むように証拠を残しておいた方がよいでしょう。

よくある質問:妻のへそくりは相続税の対象になる?

妻が生活するためのお金を工面して「へそくり」をしている場合があります。


へそくりは、生前贈与にはあたらず相続税の対象になります。


生活するための費用は、夫婦共有に財産になりますが、余ったお金を工面して貯めたお金は、夫からの贈与ではなく相続とされます。


へそくりを夫からの生前贈与としたい場合は、生活するための費用とは別に贈与契約書を作成しておくと相続したときの節税対策になります。


相続するときに、妻名義の預貯金の口座も申告しないとのちにペナルティを課せられる場合もあるので注意が必要です。


たとえ、妻が毎月の生活費を工面してへそくりをしても、それは妻の財産ではなく夫の財産となり、夫が亡くなったときには相続税の課税対象になるのです。

よくある質問:300万円を子供に渡した時の贈与税は?

生前贈与は、資産の一部を親や祖父母が生きているうちに分けることです。


この場合でも課税対象になるので、いくら渡すのがよいのか検討する必要があります。


一年間で300万円を分けたときは19万円です。

  • 300万円を受け取ったときの贈与税=(300万円-110万円)×10%=19万円

110万円は基礎控除になります。


贈与した方が相続税の節税対策になるといわれているのは、すべての資産が相続するときの対象となり税率が上がってしまいます。


相続する資産を少なくしておくことで、税金対策になるというわけです。


親や祖父母の資産が多いほど、生前贈与を検討した方が相続税の節税につながります。


贈与を受けた金額によって、税率が変わり最大55%の税率が大きくなります。

生前贈与を現金の手渡しでしたい場合の手続き



生前贈与で現金で手渡しをしていると、何の証拠も残りません。


そのため、親や祖父母が亡くなったときに預貯金の通帳を調査された際に、高額の出金があると何のための出金だったのか、確認されます。


このときに「生前贈与のためです」と答えても、預貯金の口座から生前贈与する相手に振り込んでいる証拠がなければ、否認される可能性が高く、贈与税ではなく相続税に加算されます。


生前贈与を現金の手渡しでしたい場合は、いくつかの手続きがあるので、それぞれを確認しておきましょう。

生前贈与の贈与書を作る

生前贈与するときは「贈与書」を作っておくと、調査手続きのときに証明できます。


現金で受け渡しをした場合、何も証拠が残らないので相続の調査を受けたときに何も確認するものがないのです。


このようなときにあると役立つのが「贈与書」。


書面に残しておけば、生前贈与が行われたことが明確になりますし、のちの記録として残せます。


現金で手渡すだけでは、単なる「名義預金」に過ぎず、名義は子供や孫でも持ち主は親や祖父母となってしまう可能性があります。


「贈与書」には、だれがだれにどのような形でいつ実行するのかを明示して、2通作成してそれぞれが保管しておきます。

受贈者名義の銀行口座を作る

生前贈与であることを認めさせる方法には、贈与をする側とされる側の双方が贈与用の銀行口座を作る方法があります。


相続の際の調査で、高額な金額が引き出されているだけでは、「生前贈与です」と言っても、生前贈与が行われたことを認めてもらえないことがあります。


銀行口座にはお金を引き出した事実が残りますが、そのお金がどこに行ったのかを説明するのは大変なことです。


このようなことを避けるために、双方が銀行口座を作ってする側からされる側に振り込んだ事実を残せます


ただし、「名義預金」と勘違いされないように注意しなければなりません。


銀行口座の名義が子供や孫になっているだけでは、生前贈与が成立しない場合があります。

贈与税を申告しなかった場合のペナルティ

贈与税は、110万円の基礎控除があるため、その金額以下であれば申告をしなくてもよいと考える場合もあります。


しかし、実際には110万円以下の生前贈与を受けたときでも、1年間を通していくら贈与されたか申告しなければなりません


少額であっても申告する必要があり、税金を支払いたくないからと言って無申告や過少に申告するのは、違法行為に当たります。


税金の支払いを逃れるために申告をしないでいるとペナルティの対象になるので注意が必要です。

贈与税の時効はいつまで?

贈与税の時効は6年です。


この間に贈与があったことを申告しないと税金を支払う義務から逃れられることになります。


では、現金で手渡してこっそり生前贈与をしてしまおう、という考えに至る人もいるかもしれませんが、税務署はそんなに甘くありません。


実際のところ、贈与税が時効を迎えることはあまりないのです。


時効は基本的に6年ですが、悪質なときは7年になります。


時効が発覚するのは、相続が発生したときで親や祖父母から生前贈与という形で資産をもらっていたときには、申告が必要になります。


ただし、名義預金や貸付と認定されたときには、時効は発生しません。

過少申告をしたら過少申告加算税

生前贈与を現金でもらっても正しい金額を申告しなければなりません


過少申告をすると、過少申告加算税がかかります。


申告期限から事前通知が来る前であれば、加算税はありません


事前通知がされてから更生する前までなら、正しい金額の税金に加えて5%


また、足りていなかった金額の税金が、本来の納税分と50万円を比べて多い金額のときは10%がプラスされます。


更生の予知後の場合は、不足している税金額の10%


足りていなかった税金が、本来の納税額と50万円と比較して多い金額のときは15%プラスされます。

期限内に申告しなかったら無申告加算税

一般的に贈与と呼ばれるものは「暦年課税贈与」です。


贈与税申告期限は、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日の間です。


この間に申告をしなかったときは「無申告加算税」の支払いが発生します。


何もせずにいると税務署の調査を受けなければならず、詳細にわたって調べられます。


しかし、調査がされる前に申告をしたときは5%上乗せされて徴収されます。


生前贈与を受け取ったとしても何もせず、そのままにしておくと何らかの形で事態が発覚して調べられることになります。


調査後で期限後に申告したときは、無申告課税として納める税金の内50万円までは15%


50万円を超える場合は20%の加算税が徴収されます。

偽造や隠蔽をしたら重加算税

生前贈与を現金で受け取ったときには、現金でのやり取りなので証拠が残りにくく、黙っていれば無申告でもよいだろうという考えに至ることもあります。


生前贈与があったのにも関わらず、偽造や隠ぺいをすると重加算税が加算されます


偽造や隠ぺいの場合、申告漏れであったり単純に申告をしなかったというケースがあります。


偽造や隠ぺいと判断されるのは、過少申告加算税が納める場合で納税額を隠ぺいしたか詐称した場合


もうひとつは、無申告加算税が納めるケースで納税額を隠ぺいしたか詐称して期限内より遅く申し出た場合です。


過少申告課税は15%、無申告加算税は20%が上乗せされます。

納付期限までに納めなかったら延滞税

贈与税に限らず、相続税や所得税なども納付期日までに納付しないと延滞税がかかります


法律が定める納付期日までに納付しないと加算税のほかに延滞税がプラスして支払うことになります。


延滞税は、年14.6%の利率でプラスされるので、法律で定められた期日までに贈与税を支払うようにしましょう。


延滞税を避けるためには、法定納付日の翌日から2か月以内に支払いを済ませるとよいでしょう。


支払が遅くなればなるほど、延滞税がプラスされていくので、できるだけ早く支払うことをおすすめします。


支払えないとそのままにしておくより、税務署に相談をして一括ではなく延納や分納してみましょう。

一括納税できなかったら利子税

贈与税は基本的に一括納付が原則ですが、納付する金額が多い場合などには税務署が認めれば、延納制度を利用できます。


延納制度が認められれば、一括で納付する必要がなくなり延滞税も支払う必要がなくなりますが、利子税の支払いが求められます。


利子税の税率は、毎年変動しており基本的には6.6%ですが、令和元年は1.6%でした。


延滞税と比較すると税率が低く、贈与税の一括納付が難しい場合は、税務署に相談して延納制度を利用した方がよいでしょう。


延納制度を利用したときには、贈与を受け取った翌年の3月15日までに、延納制度の申請を行う必要があります。

孫や子供に生前贈与するときに贈与税を節約する方法5つ

親や祖父母が亡くなったときに相続して相続税を支払うよりも、生前財産を渡した方が節約の対策になるということから、贈与することを選択する人が増えています。


しかし、生前贈与をした場合でも「贈与税」を支払う義務があり、どのようにして節税するか検討する必要があります。


税改正などから相続税の対象者が8%と言われており、税金の節約の方法として贈与をしようとしている場合が増えています。


贈与の方が節税対策になるといっても、やり方次第ではあまり節約にならないケースもあります。


どのようにすればよいのでしょうか。

生前贈与の110万円以下の非課税枠を利用して暦年贈与

生前贈与をするときには、渡す側の「生前贈与を渡しますよ」と受け取る側の「受け取りますよ」という意思表示が重要になります。


暦年贈与という方法が一般的で、毎年1月1日から12月31日の間に行います。


この方法だと、複数の人に渡すことが可能で基礎控除の上限である110万円以内であれば非課税になります。


受け取る人が10人いれば、110万円ずつで合計1,100万円になります。


配偶者・子供・孫まできるので、相続する人が多ければ多いほど、基礎控除の範囲で贈与することができるので、相続税と比較すると節税につながるでしょう。

夫婦間の贈与なら贈与税の配偶者控除を受ける

相続税や所得税などに「配偶者控除」がありますが、贈与税も配偶者控除が受けられます。


要件は結婚して20年以上が経過していることで「暮らすための不動産または暮らすための不動産を購入するためのお金」の場合に適用されます。


適用されると、基礎控除の110万円にプラスして2,000万円まで控除の対象になるというものです。


要件は以下のようになります。

  • 夫婦関係が20年以上であること
  • 受け取ったものが自分が住むための国内の暮らすための不動産であることまたは暮らすために不動産を購入するお金であること
  • 贈与として受け取った年の翌年3月15日までに、贈与により受け取った国内の暮らすための不動産またはお金で受け取った国内の暮らすための不動産に、受け取った人が現実に住んでおり、引き続き住む見込みであること

住宅資金等贈与を利用する

親や祖父母などの直系に当たる親族が住宅資金等を購入に受けた贈与が非課税になる場合があります。


要件は以下のようになります。

  • 受け取る人が直系の親族
  • 受けた年の1月1日に20歳以上になっている
  • 受けた年の合計所得額が2,000万円以下である
  • 平成21年から平成26年までの間で贈与税の申告において「住宅取得等資金の非課税」の対象になっていない
  • 配偶者や親族などで特別の関係がある人から暮らすための家屋の受け取ったものではないことと請負契約などによって新築や増改築などをしたものではない
  • 受けた年の翌年の3月15日までに住宅取得等資金の全額で暮らすための家を新築する
  • 受けたとき、日本国内に住所がある

教育資金等贈与を利用する

贈与税の節約には、子供や孫の教育資金として行う方法があります。


現在の税金の法律では、平成25年4月1日から平成31年3月31日までの間に、1,500万円までが非課税になります


ただし、1,500万円のうち残金に課税されるので、30歳に達するまでに使い切るのがポイントです。


教育資金の場合は、受けた人が30歳に達していないことが条件です。


また、教育資金において残高が0円になったときも契約終了として課税対象になります。


教育資金の管理は銀行などが行い、教育資金での贈与であることを証明する書類が必要です。

結婚・子育ての一括贈与を利用する

結婚や子育ての時期に一括で贈与する方法で節約することができます。


平成27年4月1日から平成31年3月31日までの間に結婚や出産などをきっかけにして、一括贈与することで、1,000万円まで非課税となります。


一括で1,000万円まで贈与できるので、大きな節約につながりますが、受け取ったものを使い切らないと、残金があるとその金額が課税の対象になります。


受け取った人が50歳に達していると非課税ではなく、課税の対象になるので受け取る人の年齢を確認しておく必要があります。


また、贈与された金額を銀行などが管理を行うようにしますが、結婚資金については300万円が上限となっており、子育てについては出産費用や保育園や幼稚園の費用などが認められています。

まとめ:生前贈与の現金手渡しは避けよう

ここまで生前贈与に関する内容を解説してきました。


生前贈与は、相続税の節税対策ととらえることができ、実際に相続税と贈与税を比較した場合でも、贈与税の方が節税できるようです。


財産の一部を親や祖父母が健在の内に、生前贈与を行うことを検討した方がよいでしょう。


今回の記事では以下の内容を紹介しました。

  • 生前贈与は現金で渡せる
  • 現金で渡したときの手続きの仕方
  • 贈与があったことを申告しないとペナルティがある
  • 贈与税の節約の方法
生前贈与を検討している世帯では、どのような方法で行うのが最適なのかしっかりと話し合いを行い、自分たちだけではよくわからないという場合には、ファイナンシャルプランナーや会計士などに相談すると、最適な方法をアドバイスしてくれます。


生前贈与をするのであれば親や祖父母が元気なうちに実行できるようにするとよいでしょう。


贈与の仕方によって、非課税になる金額が異なるのでどのような形で生前贈与をするのかまとめて、書面にしておくと相続のときに証拠として残せることを覚えておきましょう。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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