2000万円をどのように貯金したらいいの?老後のための資産形成を紹介

貯金2000万円を貯めるには、単純計算で月に83,400円ほど積み立てれば達成できますが、今の自分の収入では難しいと感じるかもしれません。この記事では実際に貯金2000万円ある世帯の割合、どのように貯めたのか、投資などの資産運用について解説します。

貯金2000万円を目指すには何をすればいい?

近年、老後資金として2000万円の貯金が必要だと話題になりました。それを見て不安に思った方は、決して少なくないと思います。


2000万円の貯金が必要だと言われているのには、根拠があります。それは、総務省による2015年度の家計調査において明らかになった、「65歳以上の高齢者夫婦世帯は、平均して毎月約5.5万円の赤字である」という事実です。


この5.5万円の赤字が30年間続くという前提で、2000万円が必要だと言われているのです。

(参考:総務省統計局『家計調査年報(家計収支編)平成29年(2017年) 家計の概要』)


今回はこの、老後のための貯金2000万円について、以下のポイントを中心に解説します。

  • 貯金2000万円を達成した世代別の世帯割合
  • 老後に必要となるリアルな貯蓄額
  • 貯金2000万円を達成した方法
  • 貯金2000万円をより増やす方法
  • 2000万円でセミリタイアできるのか
この記事を読めば、貯金2000万円の実態がわかります。ぜひ、自分にはどれほどの資産が必要なのかを考える切っ掛けにしてください。

貯金2000万円ある世帯の割合は?


日々の生活に追われながら2000万円もの大金を貯めるのは、とても難しいことです。もし十分な収入が得られていないと感じているなら、なおさらです。


そこでまずは、実際に2000万円の貯金を作った人はどれくらいいるのかを、年代ごとに確認してみましょう。

(参考:厚生労働省『平成28年 国民生活基礎調査』)

20代の平均貯蓄額割合

貯蓄額該当世帯数
貯蓄なし46
50万円未満70
50~100万円未満38
100~200万円未満46
200~300万円未満30
300~400万円未満16
400~500万円未満12
500~700万円未満11
700~1000万円未満4
1000~1500万円未満4
2000~3000万円未満1

総数が少ないため何とも言えませんが、約半数の154世帯が100万円以下の貯金にとどまっていることがわかります。


そもそも若いうちは収入が高くないというのもあり、まだこの時点では十分な貯蓄を行えていないというのが現状のようです。

30代の平均貯蓄額割合

貯蓄額該当世帯数
貯蓄なし136
50万円未満

75

50~100万円未満50
100~200万円未満127
200~300万円未満96
300~400万円未満82
400~500万円未満55
500~700万円未満99
700~1000万円未満48
1000~1500万円未満53
1500~2000万円未満
13
2000~3000万円未満12
3000万円以上11
約半数の484世帯が300万円以下にとどまってはいるものの、20代に比べ全体的に貯蓄額が増えているのがわかります。

20代では約1.7%しかなかった1000万円以上貯蓄世帯も、約9.5%まで増加しています。

40代の平均貯蓄額割合

貯蓄額該当世帯数
貯蓄なし269
50万円未満80
50~100万円未満67
100~200万円未満139
200~300万円未満106
300~400万円未満124
400~500万円未満72
500~700万円未満

161

700~1000万円未満111
1000~1500万円未満124
1500~2000万円未満58
2000~3000万円未満59
3000万円以上60
40代に入ると、さらに貯蓄額は上昇しています。しかし約半数の788世帯は、400万円以下の貯金にとどまっています

一方で、1000万円以上の貯蓄世帯は約19.3%と大幅に増加しています。

50代の平均貯蓄額割合

貯蓄額該当世帯数
貯蓄なし245
50万円未満54
50~100万円未満52
100~200万円未満117
200~300万円未満92
300~400万円未満115
400~500万円未満50
500~700万円未満174
700~1000万円未満104
1000~1500万円未満165
1500~2000万円未満85
2000~3000万円未満105
3000万円以上140

50代に入ると、貯蓄額の増加はさらに加速しています。約半数は700万円以下の貯金にとどまっていますが、全体の3割は1000万円以上の貯蓄を達成している状態です。


3000万円以上の貯蓄を達成している世帯も140世帯に上り、貯蓄額の格差が大きく広がっているのがわかります。

貯金2000円は少ない?老後に必要な貯蓄額は?

実際に2000万円の貯金を作れる世帯、作れない世帯で、大きな差が生まれていることがわかりました。しかし、そもそも貯金2000万円で老後の資金は足りるのでしょうか?


ここからは、単身世帯と夫婦の世帯に必要となる貯蓄額について、総務省統計局による2019年度の家計調査をもとに、詳しく見ていきましょう。

老後に必要な貯蓄額:単身の場合

<高齢単身無職世帯(60歳以上の単身無職世帯)の必要貯蓄額>

  • 毎月の収入:12万4,710円
  • 毎月の支出:15万1,800円
  • 毎月の不足:2万7,090円
  • 年間の不足:32万5,080円
  • 95歳までの不足額:1,137万7,800円
60歳以上単身世帯の収入は12万4,710円、対する支出は15万1,800円となっており、毎月2万7,090円の赤字です。つまり年間、32万5,080円が不足する計算となります。

仮に60歳から95歳までに必要な貯金額を求めると、トータルの不足額は以下の通りになります。

1年の不足額:32万5,080円 × 35年 =1,137万7,800円

あくまでも現時点におけるものではありますが、これが最低限必要となる貯蓄額です

これよりもゆとりのある生活を送ろうとした場合、さらに貯蓄金額は増加します。

たとえば毎月の生活費を2万円増やした場合、必要貯蓄金額は1,977万7,900円で、およそ2000万円となります。

老後に必要な貯蓄額:夫婦の場合

<高齢無職世帯のうち高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみ無職世帯)の必要貯蓄額>

  • 毎月の収入:23万7,659円
  • 毎月の支出:27万929円
  • 毎月の不足:3万3,270円
  • 年間の不足:39万9,240円
  • 夫95歳までの不足額:1,197万7,200円
夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみ無職世帯については、毎月の収入は23万7,659円です。一方で毎月の支出額は27万929円となっており、毎月3万3,270円の赤字となっています。

年間の不足額は、39万9,240円です。夫が95歳になるまでの必要な貯金額を求めると、以下の通りになります。

1年の不足額39万9,240円 × 30年 = 1,197万7,200円

生活にゆとりをもたせて支出を2万円増やした場合、30年間の不足額は1,917万7,200円となり、およそ2000万円の貯蓄が必要だとわかります。

貯金2000万円を貯めた人はどのように貯めてる?

必要となるおおよその金額を把握できたところで、ここからは実際に貯金を2000万円貯めた人の貯めた方法を確認していきたいと思います。


老後資金を作るための参考にしてみてください。

貯金2000万円を貯めた方法は?

2000万円を貯めることができた方の多くは、共通した考え方を持っています。それは、あらかじめ貯金をした上で、残った金額で生活を回す、という考え方です。


動引き落としなどの仕組みをうまく活用すれば、毎月決まった金額を確実に貯蓄や投資に回すことができるため、毎月貯蓄額が増えていきます。


とはいえ、金額を増やしすぎて生活そのものが苦しくなってしまっては本末転倒です。貯蓄そのものが継続できなければ意味がありません。


貯金とのバランスを見ながら、生活を圧迫しすぎない金額に設定する必要があります。

貯金2000万円貯めるまでの平均年数

当然のことではありますが、若いうちから貯金を始める方が、毎月の必要貯蓄額は少なく済みます。逆に短い期間で貯めようとするなら、毎月の貯蓄額は多くなります。


以下は、65歳までに2000万円を貯めるのに必要な毎月の貯金額を、年齢ごとにまとめた表です。

年齢毎月の貯金額継続年数
30歳4万8,000円35年
35歳5万6,000円30年
40歳6万7,000円25年
45歳8万4,000円20年
50歳11万2,000円15年

これはあくまでも貯金に関するデータでしたが、複利を活用した投資であればもっと短い期間で2000万円を貯めることができます。ただし、一時的に損をする可能性もある点に注意してください。

貯金2000万円を運用してさらに増やすには?

2000万円を貯めたとしても決して安心はできません。なぜなら、お金の価値は変化するからです。


かつては100円で購入できた缶ジュースですが、今では130円や140円ほどです。このような物価の上昇などによって、10年後の2,000万円が、今の2,000万円よりも相対的に価値が低くなってしまう可能性があります。


また、老後前に大きな事故に遭うなど、不幸にしてまとまった出費が必要になってしまう可能性もゼロではありません。こういったリスクを考えた場合、2000万円を貯めた後も、何らかの方法で増やし続けることが将来の安心につながります


ここからは、2000万円を元手に貯金をさらに増やすための資産運用について解説していきます。

資産運用の仕方①定期預金

定期預金は、昔から慣れ親しまれた資産を作る方法です。多くの方にとって、代表的な資産運用法になるでしょう。


ポイントは、金利が極端に下がっている状態では、ほとんどお金が増えないという点です。お金を増やすためではなく、あくまでも貯める手段として活用しましょう

資産運用の仕方②貯蓄型保険

貯蓄型の保険を活用する方法です。終身保険や学資保険などが、貯蓄型保険にあたります。


これらは貯蓄をする分、保険料が割高になっています。貯蓄を目的として無理に保険を組んでしまうと、高額な保険料に生活が圧迫されてしまう恐れがあります。十分注意しましょう。


単純に貯蓄だけが目的の場合は、個人年金保険がおすすめです。

資産運用の仕方③投資信託

運用を専門家に委託する投資方法です。


安定した成果が期待できますが、その分だけ報酬や手数料が高く、年利が低かった場合には大きな負担となる可能性があります。


少額からも始められ、種類も豊富で自分に合った商品を選ぶことができます。一方で、納得できる商品を選ぶためにはある程度の知識が必要になる、元本保証がない、などのデメリットがあります。

資産運用の仕方④株式投資

自分の手で投資を行うのであれば、株式投資がおすすめです。


売買で利益を得るだけでなく、配当金や株主優待などからも利益が得られるメリットがあります。


デメリットは正しい知識と経験がないと、安定して利益を上げること自体が難しいという点です。最初のうちは余剰金で小さく運用し、知識と経験を積んでいくことが大切になります。

資産運用の仕方⑤不動産投資

投資の定番の1つです。


購入した物件を貸し出すことで、定期的に家賃を得る方法が基本になります。初期費用が必要になりますが、毎月一定の収入を得ることができるのが大きな魅力です。


こちらも株式と同様、ある程度の知識が必要になります。


デメリットは、借り手が見つかるとは限らないこと、維持費がかかること、売りたくなってもすぐには売れないこと、災害などで建物に被害が出る可能性があること、などです。

貯金2000万円あればセミリタイアも目指せる?

結論から言うと、2000万円の貯金だけでセミリタイアをするのは難しいでしょう


セミリタイアとは、楽しみながら収入を得る生き方です。したがって通常、収入は大きく下がります。そのため老後のための2000万円の他に、セミリタイア中の生活費をまかなうための資金が必要となります。


ここでは総務省統計局による家計調査の結果から割り出した、40歳から65歳までに必要な生活費をもとに、セミリタイアに必要な貯蓄額について考えていきます。

単身のセミリタイアに必要な貯蓄額

<30~50代単身世帯の支出>

  • 年間支出:237万5,904円(1ヶ月平均:約19万7,992円)
  • 25年間の支出合計:5,939万7,600円
(参考:総務省統計局『家計調査 統計表一覧』)

65歳以降の資金を2000万円とするなら、それとは別に65歳までの生活費が必要です。仮に40歳でセミリタイアする場合は、65歳までに約6,000万円の支出が予想されます。

当然のことですが、個人の生活スタイルなどによって必要な金額は異なります。自分がどれだけの支出をしているのかをしっかりと確認した上で、65歳までに必要となる費用を求めてください。

複身のセミリタイアに必要な貯蓄額

<40代2人以上世帯の支出>

  • 世帯人数:3.68人
  • 年間支出:391万8,091円(1ヶ月平均:‭32万6,508円)
  • 25年間の支出合計:9,795万2,275円
(参考:総務省統計局『家計調査 統計表一覧』)

考え方は単身の場合と同じです。

ただし2人以上世帯の場合、セミリタイヤ以降にライフイベント(子供の進学、独立、結婚など)が発生するケースが考えられます。その場合はより多めの資金が必要になるでしょう。

いずれにせよ自分自身の状況に照らし合わせて、現実的な想定をしておくことが大切になるでしょう。

貯金2000万を貯めるために専門家にライフプラン相談する

2000万円の貯金についてさまざまな情報をお伝えしてきましたが、自力で2000万円を貯めるのは容易なことではありません。


頭ではわかっていても、実際に貯金するとなるとなかなか思うようにはいかないのも事実です。また貯金をするために家計の無駄をなくそうにも、どこをどう切り詰めていいのか判断が難しいこともあるでしょう。


そういった場合には、思い切ってファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみてはいかがでしょうか。


自分のライフプランに応じた、適切な資産作りをサポートしてもらうことができれば、貯金の成功率も上がるはずです。具体的な貯金方法についても、アドバイスしてもらえるかもしれません。

まとめ:貯金2000万円の世帯割合と老後貯蓄について

最後に、貯金2000万円についてのポイントをまとめます。

  • 現状では2000万円を貯められる世帯、貯められない世帯とで大きく分かれている
  • 老後に必要となる具体的な金額はそれぞれ異なる(2000万円は目安)
  • 自動引き落としなどを活用して効率よく貯めるのが良い
  • 2000万円を貯めた後も、運用して増やし続けられると安心できる
  • 2000万円ではセミリタイアは難しい
65歳までに2000万円を貯めるのは、とても大変なことです。だからこそ、早い段階で老後を意識し、資産形成を始める必要があります。

40歳から始めても決して遅くはありませんが、毎月の負担が重くなります。無理なく貯蓄を継続するためにも、今できることから始めていきましょう。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事を多数掲載しています。ぜひご覧になってください。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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