養育費の相場や支払い義務期間の目安はいつまでか?年齢別に解説!

協議離婚時に請求できる養育費について、養育費の相場やいつまでを払う期間なのかご存知ですか?養育費がもらえる期間の目安や、親の再婚の場合での法律上の支払い義務の解釈についてまとめました。協議離婚の円滑化に向けて、いつまで請求できる期間なのかを知ることが大切です。

養育費の相場やいつまで払う期間なのか?法律に基づいて解説!


離婚を決断した時に気になるのは子供の今後のこと、と考える方は多いことでしょう。そのため養育費は子供が何歳まで、いつまでもらうことができるのかという点についての関心は高いようです。


未成年の子供がいる場合には、教育費をはじめとして養育にお金がかかります。そのため、子供が成人になるまでは、法律で離婚した親双方に子供の扶養に対して責任が求められています。


子供を引き取って育てている側の親は、もう一方の親に対して子供の扶養にかかる金員を請求することが認められており、この金員を養育費と呼びます。この点について規定しているのは民法第766条です。


しかし、民法第766条には子供の養育費について具体的な中身まで規定されていません。例えば、いつまで支払う義務があるのかといった養育費の内容は話し合いで決めるしかないのです。


そこで、この記事では、養育費の相場や支払い義務のある期間について、

  1. 支払い義務のある期間はいつまでなのか
  2. 養育費の相場はいくらになるのか
  3. 再婚した場合、養育費は請求できるのか
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、離婚協議での養育費の扱いについて判断する際に役立つかと思います。ぜひ最後までご覧ください。

いつまで・何歳まで支払い義務があるのか?年齢別にご紹介!

養育費を支払う義務はいつまでなのか、という点については法律で決まっていません。民法第766条では、子供の養育費については父母双方が協議をして決めると規定しているだけだからです。


そのため、いつまで養育費の支払い義務があるのかについては、子供の親同士が話し合って決める以外にはありません。


ここでは、子供の養育費の取り扱いについて次の3点に分けて解説します。

  1. 支払い義務のある期間はいつまでか
  2. 支払い義務期間の延長はできるのか否か
  3. 当初の予想よりも早く子供が独立した場合の養育費支払いはどうなるのか

選挙権の18歳・成人の20歳のいつまで?年齢相場の一般解釈

いつまで養育費を支払う義務があるのかという問題については、20歳までという解釈と18歳までという解釈とに分かれています


これまでは、20歳まで養育費の支払い義務があるとされてきました。養育費の支払いは、子供が独立して生計を維持できる時までといわれており、その年齢が20歳とされてきたのです。


また、明治9年の太政官布告によって、親権に服することがなくなる年齢が20歳とされました。それ以来、我が国では成人年齢を20歳とすることが一般化しており、養育費に関してもその考え方が踏襲されてきたのですね。


しかし、平成30年の民法改正によって成人年齢18歳に引き下げられたことに伴い、選挙権も18歳からとなりました。そのため、養育費の支払い義務についても18歳までという考え方が登場し、養育費の支払い期間はいつまでかの解釈が分かれるようになってきたのです。


この点については、どちらが正解ということはできません。養育費は離婚協議の内容や、子供の経済的な自立状況によって左右されるものだからです。場合によっては、20歳を超えて支払うケースもあります。

20歳超えで請求できる?養育費の支払い義務期間の延長について

一般的な養育費の支払い期限とされる20歳を超えた場合でも、養育費の支払い期限を延長することは可能です。


養育費は子供が経済的自立をする時までは支払う義務があるとされています。通常は成人年齢とされる20歳までといわれていますが、子供の状況によっては、支払期間の延長を求めることができるのです。


いつまで養育費を支払う義務があるのかという議論の中でよくいわれるのは、子供が大学に進学した場合にはどうなるのかというものです。この点については、奨学金などを利用しても経済的に困難な状況となる時には、父母双方の話し合いによって期限を延長することが行われています。


また、子供に障害があって成人年齢に達したあとでも経済的自立が難しいといったケースも、養育費の支払い期間についての議論が言及されます。これについては父母の協議によって年齢に関係なく支払期限をいつまでか決めることが行われています。


養育費の支払義務の延長をいつまでとするのか話し合いがつかない場合には、家庭裁判所による調停や審判によって対応が決められることなるのです。

設定していた年齢より早く就職した場合はどうなるのか

離婚協議の際に設定した支払期限よりも早く子供が就職した時には、養育費を支払う義務はなくなります。


養育費支払い義務のある親は、いつまでも離婚協議の内容に縛られることなく支払いを打ち切ることができるのです。


養育費は、子供が成人するまでの間の生活費として支払うものです。そのため、子供が就職して経済的に自立した段階で、養育費を支払う義務はなくなったとみなされます。


養育している側の親にすれば、期限までは養育費の支払いを求めたいところです。しかし、子供が経済的基盤を確立したのであれば、請求の根拠はなくなっています。そのため養育費の請求はできないのです。

養育費金額相場とは?協議離婚での慰謝料の相場を大公開!

協議離婚の場合、慰謝料はどのくらいか気になりますよね。


まず養育費金額相場とは、離婚協議の際に決める養育費の金額について、子供の年齢や親の年収などを基にして定められたものです。これを表にしたものを養育費算定表と呼んでいます。


ただし、養育費算定表は絶対的な基準ではありません。養育費の額は、あくまでも父母双方の協議によって決まるものですから、その際の参考として利用される数値となります。


もしも、養育費の金額が父母同士の話し合いによって決まらない場合には、家庭裁判所による調停や審判によるものとなります。家庭裁判所は、養育費算定表を基に親の年収や生活水準などを勘案して金額を決めこととなるのです。


具体的な養育費の月々の相場の例は次の通りです。


(養育費を受ける側の親の年収を200万円。子供は1人。年齢を0~14歳とした場合)

養育費を支払う側の年収給与所得者自営業者
400万円2~4万円4~6万円
500万円4~6万円6~8万円
700万円6~8万円
8~10万円
800万円8~10万円10~12万円

(養育費を受ける側の親の年収を200万円。子供は1人。年齢を15~19歳とした場合)

養育費を支払う側の年収給与所得者自営業者
400万円4~6万円
6~8万円
500万円4~6万円6~8万円
700万円8~10万円10~12万円
800万円8~10万円12~14万円

再婚でも養育費もらえる?再婚後の養育費の法律問題について

子供を養育している親が再婚をしても、養育費をもらうことはできます。親には子供を扶養する義務があり、この義務は実際の子供の養育の有無に関わらずいつまでもあるからです。


そのため、養育をしている親が再婚をしたとしても、もう一方の親には養育費を支払う義務があります。これは養育費を支払っている親が再婚をしても同じです。すなわち、養育費は親の再婚の有無に関わらずいつまでも支払う義務があるのです。

再婚時の養育費支払い義務の処理について

元の配偶者が再婚をしたとしても養育費の支払い義務がなくなることは基本的にありません。


しかし再婚をした後の状況によっては、養育費の支払いの免除や金額の減額が認められることがあります。民法第880条にはその根拠となる条文が規定されています。事情変更の原則と呼ばれるもので、離婚時に想定していなかった事情によって当事者の環境が変わった場合には、離婚協議書の内容を変更することが認められているのです。


元配偶者の再婚も事情変更の原則にあたるものとされており、再婚後の状況によっては養育費支払いの条件を変更することができることとなっています。


状況の変化の程度によってはいつまでも離婚協議書の内容通りに養育費の支払いを続けなければならないわけではないのです。

再婚相手の養子縁組時の支払い義務について

再婚をした相手に子供がいた場合、養子縁組が考えられます。この場合の養育費の扱いは次の通りです。

  1. 受け取っている側の親が養子縁組をした場合 養育費の免除または減額の請求ができる
  2. 支払っている側の親が養子縁組をした場合  養育費の免除または減額の請求ができる
再婚をして養子縁組をすると扶養家族が増えます。その分家計にかかる負担も増えるため、養育費についても免除または減額の請求ができるのです。

なお、再婚をしても養子縁組を行わなければ相手の子供は扶養家族とみなされません。そのため、その子供へのはなく養育費の減額等は基本的に認められないのです。

ただし、養子縁組を行わなくても相手の子供が小さかったりして扶養の必要がある時には、減額が認められる可能性があります。

参考:養育費を受け取るために公正証書を作成しておこう

養育費をきちんと受け取るために、離婚協議の内容は公正証書にしておくことが大切です。


契約は口約束でも成立しますし、離婚協議書を当事者同士で作成しても問題ありません。しかし、前者は後々言った言わないのトラブルになります。また、後者の場合、養育費の支払いに関してトラブルが発生した時には、裁判を行って勝訴判決をもらったうえで相手の資産を差し押さえる必要があり、時間がかかります。


その点、公正証書によって離婚協議書を作成しておけば、養育費の支払いについてトラブルが起きても裁判手続きを行うことなく、相手の資産を差し押さえることができます。


このことを養育費を支払う義務のある側が認識することによって、トラブルを回避できる可能性が高まるのです。

まとめ:養育費の支払い義務を認識し、協議離婚を円滑に!

養育費の相場やいつまで支払う義務があるのかについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは

  1. 養育費の支払い義務のある期間は18歳ないし20歳までだが、最終的には双方の協議による
  2. 養育費の支払い義務期間の延長は可能
  3. 養育費の金額相場の決定には養育費算定表が参考にされている
  4. 再婚した場合、養子縁組の有無によって養育費の支払いの免除もしくは減額に違いが出る
です。

親には子供が経済的自立を果たすまでは、養育する責任があります。万が一、離婚ということとなったとしてもその責任に変わりはありません。養育費の支払いは親の義務といえます。

一方で、支払期限をいつまでとするかや金額については離婚協議の中で決めていくこととなります。養育費の支払い義務を認識し、離婚協議を円滑に進めていきましょう。

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この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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