つみたてnisa、元本割れの可能性は?損失を最小限に抑えるためには?

つみたてnisaは運用していく過程で元本割れするかもしれないということはご存知でしょうか?ただ、保有年数によって元本割れの危険性は減少していくという試算もあります。この記事では、つみたてnisaの元本割れの可能性や損失を最小限に抑える方法も解説します。

つみたてnisaが元本割れするかもしれない?

将来のことを考えると、大切な資産を上手に運用していきたいものですよね。


つみたてnisaは、数ある資産運用の仕組みの中でも、これから資産形成を始めようと考えている人におすすめの制度といわれています。


毎月一定の金額の積立によって資産を形成していくため、最初からまとまった資金を用意する必要がないからです。


その一方で、つみたてnisaには元本割れのリスクがあります。


できれば、損をしたくはないものですが、つみたてnisaが扱っている投資信託は元本を補償している商品ではありません。


そのため、元本割れのリスクが常についてまわるのです。


しかし、損失を抑えながらリターンを期待することはできます。


そこで、この記事ではつみたてnisaについて


  • 取り扱う投資信託の特徴
  • つみたてnisaのデメリットや注意点
  • 元本割れリスクの抑制方法
  • iDeCoとの併用
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、つみたてnisaで資産運用を行う際に、元本割れリスクに対応するための参考になるかと思います。

是非最後までご覧ください。



つみたてnisaは投資信託。元本保証ではない!

つみたてnisaは、投資信託を運用することで、資産形成を行おうとする制度です。


そのため、資産の形成は利用する投資信託の運用状況によって決まり、場合によっては、資産が増えないだけではなく、元本割れを引き起こすことともなります。


元本保証ではないのですね。


そもそも投資信託とは、複数の投資家から集めた資金を資産運用のプロが株式や債券などに投資し、そこから得た利益を投資家に還元するものです。


なお、利益の還元は投資家が投資した金額に応じてなされます。


株式のように、もともと元本割れリスクのある商品に投資して運用するものであるため、潜在的に資産減少のリスクをもっている商品といえるのです。


つみたてnisaは、このような元本割れリスクを起こす可能性のある投資信託を運用して資産形成を行います。


そのため、元本は保証されず、損失を被ることもあるのですね。

つみたてnisaのその他のデメリットや注意点

ここで、つみたてnisaについて簡単に解説します。


つみたてnisaは、投資信託を利用して得た利益が一定期間非課税となる制度のことです。


資産の運用は、毎月、一定金額の積立によって行うものとされています。 


通常型のnisaのように、まとまった資金を運用するものではないので注意が必要です。


運用利益が非課税となる期間は、2017年から2037年までの20年間


投資できる金額の上限(非課税枠)は年間で40万円までとされています。


言い換えると、つみたてnisaを利用すれば、年間の投資額40万円までは、投資をすることで得た利益には一切課税されないという制度です。


たとえば、2019年につみたてnisa口座を開設した場合には、年間40万円の投資限度枠内で得た利益は、2037年までの18年間は課税されません。


このように税金面でのメリットが大きいつみたてnisaですが、その反面、先述した元本割れリスクの他にいくつかデメリットがあります。


以下、くわしく解説していきます。

一人一口座しか開設できない

つみたてnisaは一人につき、一口座しか開設することができません。


複数のつみたてnisa口座を開設して非課税枠を増やすことはできないのですね。


この他に、つみたてnisa以外で非課税枠が認められている一般型のnisaやジュニアnisaと併用することはできません。


また、口座を開設して1年たてば、金融機関を変更することができますが、それまでに口座で運用された資産を変更後の口座に移行することもできません。


あくまでも、最初に開設した口座以外では、非課税枠を利用した資産運用ができない仕組みとなっているのです。

損益通算・繰越控除ができない

つみたてnisaでは、損益通算繰越控除ができません。


資産運用にはプラスとマイナスの側面があります。


運用状況によって利益が出たり、損失を被ったりすることがあるのですね。


その際、税金の負担を軽減するために行なわれるのが損益通算と繰越控除です。


損益通算とは、複数の口座で資産運用を行っていて、ある口座では利益が出て、別の口座では損失が出た場合には、両方を合算して相殺することをいいます。


利益と損失とを相殺することで、実際に出た利益のみが課税対象となるので、税負担の軽減につながります。


また、繰越控除とは、資産運用によって被った損失分を向こう3年間、新たに得た利益分から控除することができるとする制度です。


くわしくいうと、ある年の損失分が損益通算することによってもマイナスとして残った場合に、その金額を3年間にわたって、利益から控除できるとするものです。


いわば、損益通算を3年間行うことができるわけで、その分、税負担を軽減できます。


しかし、つみたてnisaは、これらの制度を利用することができないのです。


そのため、つみたてnisaの運用によって損失を被ったとしても、他の資産運用益と相殺したり、次年度以降に損失を繰り越したりして税負担を軽くすることができません。

非課税枠の持ち越しができない

つみたてnisaでは、非課税枠の持ち越しができません。


非課税枠を使いきることなく1年経った場合には、残った非課税枠を次年度以降に持ち越すことはできないのです。


たとえば、1年間で30万円の投資をすると、10万円分の非課税枠が残ることとなります。


この10万円分の非課税枠を翌年に繰り越すことで、もともとの非課税枠40万円にこの金額を足して50万円にして利用することはできないのですね。


また、20万円の投資をして購入した投資信託を1年の途中で売却しても、非課税枠はもとに戻りません。


非課税枠は、1年間を通して40万円と決められており、途中で利用した非課税枠が復活することはないのです。

元本割れの可能性を最小限に抑えるために

これまでの説明で、つみたてnisaが元本を保証する制度ではないことがお分かり頂けたことでしょう。


しかし、工夫次第では元本割れの可能性を低くすることができます。


その方法は、大きく分けて次の2つです。

  • つみたてnisaの運用方法を工夫する
  • つみたてnisa以外の制度の利用も検討する
大切な資産を運用するために利用できる制度は、つみたてnisaだけではありません。

他に元本割れのリスクを軽減できる制度があれば、そちらを利用するのも一つの考え方です。

ここでは、以上の2点について解説していきます。

長く保有しよう

つみたてnisaで運用している投資信託の特徴として、長く保有することで元本割れのリスクが低くなる、ということがいわれています。


そのことを証明する金融庁のデータが公表されています。


投資信託を5年間運用した場合と20年間運用した場合との運用益の差を試算したものです。


それによると、20年間運用した場合のほうが、運用益が高く、さらに元本割れのリスクが少ないという結果がでています。


具体的な数字を示すと、20年間の運用では運用益が2%から8%の間となっているのに対し、5年間ではマイナス8%からプラス14%。


ここで、マイナスの部分は元本割れしていることを意味しています。


すなわち、5年間の運用では元本割れしているのに対して、20年間運用した場合には元本割れがなく、利益が安定して得られているわけです。


この他にも、投資信託を長く保有することで、短期的な損失を取り返すことができる一面があるといわれています。


長期間保有することで、市場の変動によるリスクを平準化できるからです。


そのため、つみたてnisaによる資産の運用を考える際には、長期にわたって保有し続けることが元本割れのリスクを減らすことにつながる点に留意しましょう。

分散投資しよう

元本割れのリスクを低く抑えるために有効な手段には分散投資があり、それには2つの方法があります。


一つは「資産の分散」と呼ばれる方法です。


投資信託で値動きが異なる複数の株式を購入することで、元本割れのリスクを抑える方法となります。


購入する株式が特定のものに偏っていると、市場の変化による影響を受けやすくなるので、それを回避するのです。


二つ目は「地域の分散」と呼ばれる方法です。


投資信託では世界中から、株式を選んで購入します。


そのため、国際情勢の変化によって、株式を発行している地域によってはリスクが高まり損をする可能性が出てきます。


それを回避するために、株式の購入先地域を分散する方法です。


これら2つの分散投資によって元本割れのリスクを回避することができるのです。


ただし、つみたてnisaで取り扱う投資信託では、もともと分散投資をしているものが多くなっています。


そのため、通常の投資信託を利用するよりも元本割れのリスクは低く抑えられています。

元本割れしない商品を選ぼう

安全に投資を行おうとする場合には元本割れしない商品を選ぶことも必要です。


金融商品の中には元本割れのリスクがなかったり、またあっても非常に少ないものがあります。


たとえば、銀行預金は現在、運用しても資産は増えないですが、元本は保証されています。


その他には、貯蓄型保険、個人向け国債、さらには公社債投信などがあります。


いずれも、つみたてnisaで扱っている商品ではありませんが、元本割れリスクが気になる方は検討してみるのもよいでしょう。

iDeCoとの併用も損失を抑えられる

つみたてnisaの元本割れリスクを抑えるために、iDeCoとの併用を考えることもできます。


iDeCoとは、つみたてnisaと同様、毎月掛け金を積み立てる方法で資産形成を行う個人型の確定拠出年金のことです。


掛け金が全額、控除の対象であるばかりではなく、運用益も非課税となります。


また、投資信託の他に、定期預金や保険といった基本的に元本割れリスクが少ない商品を選んで運用することができます。


投資信託のみの運用とは違って、損失を抑えることができる制度なのです。


そのため、つみたてnisaと併用することで元本割れリスクを抑えることができます。

iDeCoとつみたてnisaの比較

iDeCoとつみたてnisaとの比較は次の通りです。


つみたてnisaiDeCo
利用可能な年齢20歳以上20歳から60歳まで
最長運用期間20年加入年齢から60歳まで
(加入期間が10年以下の場合、65歳まで延長が可能)
年間非課税枠40万円職業によって異なる(自営業者81,6万円 会社員27,6万円)
節税運用益は非課税運用益が非課税・掛け金が全額控除対象となる
取り扱い商品投資信託投資信託・定期預金・生命保険など
出金可能時期自由60歳まで出金できない

理想的な使い分け方

つみたてnisaとiDeCoを併用して資産運用を行うためには、年間の非課税枠所得控除を上手く利用することが大切です。


たとえば、節税に重点を置きたいというのであれば、iDeCoの所得控除を利用すれば、加入した年からメリットが得られます。


また、非課税枠については、職業に応じてつみたてnisaとiDeCoを使い分けをすることが考えられます。


さらに、生活環境の変動の可能性がある20代から30代の若い世代は、いつでも出金可能なつみたてnisaの利用が便利です。


その一方、老後資金の手当てという点では、50代以降の世代は、60歳まで確実に資産形成ができるiDeCoの利用にメリットがあります。


なお、制度の利用にあたっては、両方とも毎月、一定の金額を積み立てることが前提となります。


そのため、無理のない範囲で利用を検討することが大切です。

まとめ:つみたてnisaは元本割れの可能性を考慮に入れよう

つみたてnisaの元本割れリスクとその対応方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは

  • つみたてnisaは元本割れする可能性がある
  • 元本割れリスクの回避には運用方法の工夫が必要
  • iDeCoとの併用も検討
です。

投資の際には、つみたてnisa以外の制度にも目を向け、分散投資をすることで元本割れリスクを軽減することを検討しましょう。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。



この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

ランキング