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がん保険の選び方

がん保険の選び方|絶対に押さえておくべきポイントをプロが解説!

選択肢の多いがん保険ですが、どうやって選ぶべきか迷っていませんか。今回は、がん保険を選ぶうえで絶対に押さえたいポイントを保険のプロが徹底解説します。年代や性別にあったがん保険の選び方、選ぶうえで損しないための注意点など詳しく解説しているのでぜひご覧ください。





▼この記事を読んで欲しい人

  • がん保険の加入・見直しを考えている人
  • がん保険の選び方がわからない人 
  • がんに対して漠然とした不安を抱えている人 
  • 将来的な貯蓄やお金に不安がある人 
▼この記事を読んでわかること
  • がん保険を選ぶうえで押さえておくべきポイント
  • 年代別・パターン別のがん保険の選び方
  • がん保険を選ぶうえで損しないための注意点

内容をまとめると

  • がん保険とはがんに特化した保険で、医療保険とは異なる
  • 備えるべき金額は、保障内容・貯蓄・高額療養費制度とのバランスが大事
  • がん保険を比較する際には給付金のタイプや給付回数、特約に注目する
  • 年齢や性別、ライフスタイルによってがん保険の商品選びや保障内容が異なる
  • 賢い選び方で、無駄のない選択ができる
  • がん保険の選び方に迷った場合には、マネーキャリアの無料FP相談がおすすめ
  • スマホ1つで簡単に保険相談の予約ができ、何回でも無料で相談できる 

目次を使って気になるところから読みましょう!

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がん保険の選び方|絶対に押さえておくべき5つのポイント


がん保険はがんに特化した保証を受けられる保険です。


2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで亡くなるといわれる現在、がん保険への必要性は高まってきているように思えます。


しかしがん保険にも様々な商品があり、どのように選べばよいかわからなる人もいでしょう。


ここでは、がん保険を選ぶうえで絶対に押さえておくべき5つのポイントについて解説します。


  1. 診断給付金または治療給付金を中心とする保障内容か
  2. 診断給付金の支払い回数は無制限か
  3. 上皮内がん(上皮内新生物)も保障されるか
  4. 三大療法にかかる費用を補償する項目や特約が備わっているか
  5. 先進医療特約はつけておいた方が安心

以上のポイントの内容についてそれぞれ見ていきましょう。


「保障期間」や「特約」など、がん保険の基礎知識があいまいな方は、先に【大前提】がん保険を選ぶ前に知っておくべき基礎知識から読んでくださいね。

ポイント①診断給付金または治療給付金を中心とする保障内容か


現在、がん保険はどの保障内容を中心にするかという観点から


  • 診断給付金タイプ
  • 入院給付金タイプ
  • 治療給付金タイプ
の3つに分けられます。

それぞれのタイプの特徴は以下の通りです。

給付金タイプ診断給付金タイプ入院給付金タイプ治療給付金タイプ
概要医師からがんと診断確定されたときに受け取れる一時金。
一般的には100万~300万円程度受け取れる。
がんで入院して治療を受ける間、入院日数に応じて受け取ることのできる給付金。
入院日数1日あたり5000~20000円程度受け取れる。
がんの治療を受けた場合、受け取ることのできる給付金。
一般的には治療を受けた月に5000~30000円程度受け取れる。
メリット・治療を始める前にまとまったお金を受け取れることができるため経済的不安を軽減できる
・使用目的が限定されていない
・入院日数に応じて給付金を受け取ることができるため、日数無制限の入院給付の場合安心できる・もっとも保証が手厚く、通院でも入院でも保証を受けることができる
デメリット・治療が長引いた場合、保証が受けられないため経済的ダメージが大きい
・加入後90日程度の免責期間には給付金を受け取ることができない
・通院治療に対する備えが十分ではない
・保障の対象になる治療内容が限定されているため確認が必要
上記の給付金を中心とするものが一般的となっています。

ただし、それぞれ特約を付けることはできるため、ほかの一般的ながん保証も受けることは可能です。

入院給付金タイプはおすすめできない

各給付タイプのそれぞれにメリット・デメリットがあるため、自分に合った保障内容を選ぶ必要があります。

しかし、3つのタイプの中で入院給付金タイプのがん保険だけはおすすめできません。

その理由は、現在の医療では入院よりも通院を中心とする治療が一般的になってきているからです。

もし入金給付金タイプのがん保険に入って日数無制限で保証を受けられえるとしても、入院をすることがなければ保証金は受け取れません。

がんにかかった際、受け取れると思っていた保証金が受け取れず生活が苦しくなるということにもなりかねないので、がん保険に加入する際は診断給付金タイプか治療給付金タイプのものにすることをおすすめします。

ポイント②診断給付金の支払い回数は無制限か


医師からがんと診断された際、まとまった金額を受け取れる診断給付金は、生活費や治療費など様々な用途で使えるため心強いですよね。


そんな診断給付金ですが、支払い回数が初回限定のものと無制限のものがあるということには注意しなければなりません。


初回限定のものは、初めてがんと診断されたときにしか給付金を受け取ることができません。


一方、無制限のものは、がんと診断されれば何度でも給付金を受け取ることができます。


ただし、無制限の診断給付金は2年に1回もしくは1年に1回と制限されているものがほとんどであることには注意しましょう。


給付金の支払い回数については無制限のものをおすすめします。


その理由は、がんは一度治療すれば完治するというものではなく、再発や転移、新たながんの発見など長期的に戦っていかなければならない病気だからです。


何度もがんの治療を受ける可能性が高いため、がんと診断を受けるのは1回とは限りません。


再発や転移などのリスクに備え、診断給付金の保証を受ける場合は無制限のものにしておきましょう。

ポイント③上皮内がん(上皮内新生物)も保障されるか


がんという病気には、上皮内がん(上皮内新生物)悪性新生物と呼ばれるものが存在します。


上皮内がんはがん細胞が上皮にとどまっているものであり、悪性新生物いわゆるがんのことです。 


上皮内がんは初期段階であり、ほとんどの場合手術によって取り除くことができます。 


上皮内がんはがんの中でも約10.1%、つまり10人に1人はの上皮内がんの診断を受けています。特に、女性特有のがんである子宮がん子宮頸がんに至っては約50%の確率で上皮内新生物の診断を受けているのです。(国立がん研究センター「全国がん罹患モニタリング集計 2015 年罹患数・率報告」より)


このようにがん罹患者の多くの人が上皮内がんの診断を受けているため、上皮内がんも保障対象に入れるべきでしょう。女性の場合、さらに多くの人が上皮内がんの診断を受けるため、かなり必要性は高いと思われます。


がん保険の中には上皮内がんを保障対象外としている商品もあります。 


もし上皮内がんを補償対象外とするがん保険の場合、「がん」と診断を受けても上皮内がんであったために保険金が受け取れないという状況も起こりえます。


そのような事態を防ぐためにも、上皮内がんの保障の有無には注目しましょう。 

ポイント④三大療法にかかる費用を保障する項目や特約が備わっているか


がんの治療で主に行われる「手術」「抗がん剤治療」「放射線治療」は三大療法と言われます。


三大療法治療内容
手術療法手術によりメスでがん組織を切り取る局所的な療法。
最も直接的で効果的な治療法である。
放射線療法X線やガンマ線といった様々な放射線を病変部に当て、がん細胞の増殖を止める治療法。安全で効果的に治療することができる。
抗がん剤療法化学物質でがん細胞の増殖を抑えたり、再発や転移を防ぐための治療法。副作用はあるが、全身に効果がある治療法であり、広がってしまったがんに特に有効。


 がんになった際に受ける可能性の高い治療であるので、これら三大療法に対してはしっかりと保障をつけておくのがおすすめです。


また、いままではこれら三大療法ががんにおける主要な治療法でしたが、現在ではがんの治療法として「免疫療法」も注目されています。


免疫療法とは、私たちの体の免疫を強化し、本来の自己防衛機能を高めることで、がん細胞を排除する治療法です。


三大療法に加え、免疫療法も含めて四大療法と呼ばれることもあります。


現在、保障内容に免疫療法を含むがん保険は少ないため、三大療法に関して手厚い保障を受けられる保険を選べばよいでしょう。


ただし、将来免疫療法がさらに主要なものとなってきた場合には検討する必要はあるかもしれません。



がんの三大療法を充実されるための保障項目は以下の通りです。


保障項目や特約の名称保障内容
手術給付金
がん治療を目的とした手術をした際に10万~100万円の給付金を受け取れる。
1回の手術につき一定の金額を受け取れる固定給付型とどのような手術を受けたかによって受け取れる金額の変わる変動給付型がある。
抗がん剤・ホルモン剤治療給付金一般的に抗がん剤やホルモン剤での治療を受けた月ごとに10万円~30万円の給付金を受け取れる。
放射線治療給付金放射線治療を受けた際、一般的に1回につき10万円~30万円の給付金を受け取れる。


以上の保障項目がある保険を選ぶ、もしくは特約できちんとつけることをおすすめします。

ポイント⑤先進医療特約はつけておいた方が安心


がん保険では入院給付金や診断給付金など中心となる保障以外にも、特定の治療やリスクに対して備えられる特約があります。 


実際の商品で見られる特約としては、以下のようなものが挙げられます。


  • がん入院特約
  • がん手術特約
  • がん通院特約
  • がん診断一時金特約(診断給付金特約)
  • 抗がん剤・放射線治療特約
  • 女性がん入院特約
  • 外見ケア特約
  • がん先進医療特約
  • がん緩和療養特約
  • 保険料払込免除特約

たくさんの特約があり、どの特約を付けるべきか迷う人も多いと思います。

これらの特約のうち、がんの先進医療特約についてはつけておくことをおすすめします。

先進医療特約は、がんに関する先進医療を受けた場合に給付金が受け取れる特約です。

先進医療を受ける可能性は低いかもしれませんが、先進医療は公的医療保険の適用されない自由診療です。

もし受けたいと思った場合、全額が自己負担となります。

主な先進医療でかかるおよその費用は以下の表のとおりです。
治療費用
陽子線治療270万円
重粒子線治療309万円
歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法6.0万円
角膜ジストロフィーの遺伝子解析2.4万円
血中TARC濃度の迅速測定10.6万円
(中央社会保険医療協議会「令和元年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」より)

以上のようにかかる費用は数万円で済むものから数百万円かかるものまで様々ですが、「陽子線治療」や「重粒子線治療」を受ける場合には高額な費用が必要になります。

このような高額な医療費を支払って経済的なダメージの少ない人は少ないのではないでしょうか。

そのため、がんの先進医療特約についてはつけておくことをおすすめします。


特約は、主契約とともにつけることでがんにかかった際の経済的負担をより軽減できますが、つけすぎると日々の保険料が高くなります。

ご自身の予算の範囲内で選ぶようにしましょう。

がん保険の選び方|選ぶうえで迷うポイントについて解説

がん保険を選ぶうえで絶対に押さえておくべき5つのポイントについて解説しましたが、がん保険を選ぶうえで迷うポイントはこれだけではありません。


保障内容や保障期間においてどちらにもメリット・デメリットがあり、人によっておすすめが異なるものもあります。そういった項目についてここでは詳しく解説します。


  • 保障期間は終身型と定期型のどっちがおすすめか
  • 支払い期間は、終身払いか有期払いか
  • 掛け捨て型と貯蓄型はどっちがおすすめか

の3点について見ていきましょう。


①保障期間は終身型と定期型のどっちがおすすめか

がん保険の保障期間には、定期型終身型の2つのパターンがあります。 


定期型とは、一定の保障期間であり、終身保険に比べて加入時の保険料が安いことが特徴です。


ただし、5年や10年という一定期間ごとに保険が見直され更新のたびに保険料が上がってしまうことには注意しましょう。この更新があるために、保険が見直しやすいというメリットもあります。


終身型の場合は、死亡するまで保障が続きますが、定期保険よりも加入時の保険料が高くなります。 


終身型の場合、一度加入してしまえば保険料が上がっていくということはありません。そのため、長期的に見れば終身型の方が保険料が安いということもあります。また、がん保険は70歳以降加入できないことが多いため、70歳以降も保障を受けたいという人は終身型が


終身型、定期型のどちらを選ぶべきかはその人の状況によって異なります。それぞれのタイプのガン保険はがどのような人におすすめなのでしょうか。


定期型がん保険がおすすめな人は以下のような人です。

  • 若年で収入や貯蓄が少ない人
  • 小さい子供がいる人
  • 婦人科がんの罹患リスクのある女性

貯蓄や収入が少なく、月々の保険料にそれほどお金をかけられないけれど、がんにかかった際の経済的ダメージが大きい人は定期型がん保険を検討してみましょう。


終身型がん保険がおすすめな人は以下のような人です。

  • 変わらない保険料で確実にがんに備えたい人
  • 無保険の期間を作りたくない人
  • 長生きしたときにもがんに備えていきたい人

ある程度の貯蓄・収入があり、長生きした時にも保障を受けたい人は終身型のがん保険がおすすめであるといえます。

②支払い期間は、終身払いか有期払いか

終身型がん保険の保険料の支払い方法の中には、終身払い有期払いという2つの支払い期間があります。 


終身払いとは、保険契約中はずっと保険料を支払う必要があるもので、毎月の保険料負担を安く抑えることが可能です。 


ただし、老後も保険料を支払い続ける必要がある点には注意しましょう。


一方、有期払いとは保険料の支払い期間が決まっている支払い方法で、一般的には60歳、65歳までの支払いとなります。支払い期間が終わればそれ以降の保険料はかかりません。


ただし、終身払いに比べて月々の保険料が高い傾向があります。 


どちらにするべきかは人によって異なりますが、基本的には終身払いをおすすめします。その理由は、月々の保険料の負担が小さいうえ、短期払いに比べて保険の見直しがしやすいからです。ただし、老後に保険料の支払いを残したくない人には短期払いをおすすめします。

③掛け捨て型と貯蓄型はどっちがおすすめか

がん保険には、掛け捨て型貯蓄型の2種類のタイプの保険があります。 


一般的には掛け捨て型の保険が多くなっていますが、保険料や払戻金の有無などが異なっています。 


どちらにもメリット・デメリットがあり、どちらがおすすめかは人によって異なるのでそれぞれおすすめできる人について解説します。


掛け捨て型

掛け捨て型のがん保険とは、毎月支払う保険料を安く抑えるかわりに、保障期間終了後の満期返戻金が支払われないタイプの保険です。 


例えば、契約中にがんと診断されなかった場合には、保険金の支払いが一切ありません。 


しかし、月々の保険料は必要最小限となっているため、家計の負担にならないことがメリットです。 


掛け捨て型のがん保険をおすすめできる人は以下のような人です。

  • 割安な保険料で大きな保障を得たい人
  • がん以外の病気や死亡や怪我などにも備えたい人
  • 結婚や出産など、大きなライフイベントを控えている人


他の出費が大きく月々の保険料をできるだけ抑えたい人は掛け捨て型のがん保険がおすすめです。


貯蓄型 

貯蓄型のがん保険とは、通常のがん保障に加えて、保険期間終了の際には、満期金を受け取ることができる保険です。 


したがって、がんに備えるだけでなく将来のための貯蓄として利用できることが大きなメリットです。 


一方で、満期返戻金を受け取れる代わりに、月々に支払う保険料についてはやや割高になっているため、家計の負担になる可能性がある点に注意しましょう。 


貯蓄型のがん保険をおすすめできる人は以下のような人です。

  • 家計に余裕があり貯蓄と保障を同時に得たい人
  • 定期的な見直しが必要ないと考えている人


貯蓄と保障が両方得られることをお得と感じる方には、貯蓄型がん保険がおすすめです。


自身の貯蓄や収入、性格、ライフスタイルに合わせてどちらかを選択するようにしましょう。

【大前提】がん保険を選ぶ前に知っておくべき基礎知識


ここでは、がん保険の基礎知識について確認します。


基本的なことですが、知識が混同していたり曖昧であったりする場合が多いです。


特に押さえておきたい、以下の3つの知識を解説します。

  1. がん保険と医療保険の違い 
  2. 主契約と特約
  3. 免責期間(猶予期間)

しっかりと理解、自分にぴったりの保険を選べるようにしましょう。

知識①がん保険と医療保険の違い

そもそもがん保険と似た商品として、医療保険という商品が挙げられます。


医療保険とはがんを含む、様々な病気をカバーしており、心臓病や脳血管疾患などの三大疾病にも対応していることが特徴です。 


医療保険ではがんも保障の対象になっていますが、保障範囲が狭く通院治療は対象外となっているケースが多数見られます。 


一方で、がん保険は名前の通り、がんを対象としている保険です。 


がん以外の病気に対して保障がありませんが、診断給付金や入院給付金があり、手厚い保障が特徴です。 


したがって、がんの治療の全般をカバーしたい場合にはがん保険が適しています。 

知識②主契約と特約

がんを保障する保険には、主契約特約という2つの保障内容があります。 


主契約とは、契約すると必ず付いてくる保障です。


商品によりますが、がん保険では、抗がん剤や手術などの治療を保障している場合が多く見られます。 


一方特約とは、主契約に追加で契約する保障です。 


特約を付けることで、自分に合う保障にしたり、保障を手厚くしたりすることができます。


例えば、女性特有のがんに備えた特約、先進医療特約、保険料の払い込みを免除する特約などがあります。


ただし主契約に付帯するので、通常保険料に上乗せされる点には注意しましょう。 

知識③免責期間(猶予期間)

ほとんどのがん保険では免責期間(猶予期間)が設定されています。


免責期間とは、保険契約日から一定期間(90日程度)にがんと診断されても保険金の給付が受けられない期間です。


免責期間にがんと診断されたとしても保障金を受け取ることはできません。


がん保険は将来のがんに備える保険であり、すでにがんになっている人が保険に加入し保険金を受け取ることを防ぐため免責期間が設定されているのです。


したがって、がんになりそうなタイミングや、がんへの不安を抱えているタイミングでは手遅れになる場合があります。


給付を確実に受けるためには、がんにかかる確率の低いうちから加入しておくことが重要です。


他社の保険に乗り換える際にも免責期間が設定されるため注意しましょう。 

最適ながん保険を選ぶためにがん治療にかかる費用を理解しよう


がん保険を選ぶためには、がんに罹患した時、どれくらい治療費かかるのか理解しておく必要があります。 


がんの治療は手術だけでなく、投薬や通院、公的医療保険対象外の先進医療などの様々な治療方法があり、費用もそれぞれです。


がんにかかった際に発生する可能性のある治療費として、主に以下のものが挙げられます。


  • 入院費用 
  • 通院費用 
  • 先進医療の治療費 
  • その他の費用
     

ここからは、上記の費用がそれぞれいくらかかるのかの目安について解説していきます。 

主ながんの平均治療費(入院)

がんの治療でがん細胞を直接取り除く場合には、手術を行う必要があります。


手術の際には数週間程度の入院が必要になるため、入院費用の目安を理解しておきましょう。 

 

罹患数が多い胃がん・大腸がん・肺がんの場合の平均費用は以下の通りです。


部位治療費自己負担額(3割負担)
胃がん約64万円約19.2万円  
大腸がん約68万円  約20.4万円

肺がん
約67万円約20.1万円

厚生労働省「医療給付実態調査」(平成30年度)より算出

大腸がんは、結腸と直腸のがんの総計である


上記の表より、入院治療費は平均で65万円程度、自己負担額は約20万円程度です。 


高額療養費制度を利用することで、さらに費用を抑えられます。



後の「がん治療で欠かせない!2つの公的な保障」で、具体的に高額療養費制度を利用したとき自己負担額を計算できます。


保険選びの際にも重要ですから、いくら補助されるか算出してみましょう!

主ながんの平均治療費(通院)

近年のがん治療では、通院による治療が増加しています。


厚生労働省の調査によると、がん患者の5人に3人が通院治療を行っているそうです。 

(厚生労働省「平成29年(2017)患者調査の概況」)


したがって、がん治療では通院も想定して備える必要があります。 


先と同様のがんの場合、1回の通院平均費用は以下の通りです。


部位治療費自己負担(3割負担)
胃がん約3.8万円約1.1万円
直腸がん約4.7万円約1.4万円
肺がん約9万円約3万円

厚生労働省「医療給付実態調査」(平成30年度)より算出

大腸がんは、結腸と直腸のがんの総計である


通院治療費は約4万円〜10万円程度、自己負担額は約1~3万円程度となっており、入院費よりは費用が抑えられています。


ただし、上記の金額は、通院1回あたりの費用である点には注意が必要です。


例えば、肺がんで1回入院して後に5回通院した場合

約20万円(入院費)+約3万円×5回(通院費)=約36万円

つまり、自己負担額は約36万円になります。

先進医療

先にも述べたようにがん治療で利用できる先進医療としては、陽子線治療重粒子線治療が行われるのが一般的です。


厚生労働省の調査によると、陽子線治療は約160万円重粒子線治療は約336万円の治療費がかかります。 

(厚生労働省「令和3年度先進医療技術の実績報告等について【先進医療A】令和3年6月30日時点における先進医療に係る費用」より) 


先進医療の場合には公的医療保険、高額療養費制度の対象外となっているため、全額を支払う必要があります。


先端の治療だけが頼りの綱であるものの、金銭的な問題で受けられない事態は避けたいですよね。


そのように考えると、非常に重要な保障と言えるでしょう。 

その他の費用

がんの治療に直接関係しない費用で、公的医療保険の対象外となる費用がいくつかあります。 


具体的には、以下のような費用が挙げられます。


  • 差額ベット代 
  • 医療ウィッグ 
  • 入院時の生活費、食費

こうした費用の中にも入院した場合には避けられないものもあります。

上記の費用をがん保険でカバーする方法としては、以下の2つです。
  1. がん保険の診断一時金や入院給付金を活用する
  2. 特約を付帯して給付金を受け取る

こういった意外な出費により生活が苦しくなってしまわないように、きちんと備えておきましょう。

がん治療で欠かせない!2つの公的な保障


そもそも医療保険やがん保険とは、公的な保障や自己の備えでカバーできない費用を補う役割を持ちます。


つまり、公的な保障や貯蓄などで十分にカバーできれば、保険の必要性は低いです。 


したがって、がん治療の際に受けられる公的保障を理解しておく必要があります。 


がん治療の時に活用すべき公的な保障は、以下の通りです。 


  • 高額療養費制度 
  • 傷病手当金 

それぞれの保障内容について、詳しく確認していきましょう。

保障①高額療養費制度

高額療養費制度とは、1ヶ月にかかる医療費が自己負担限度額を超過した場合、その超過分を払い戻してもらえる制度です。 


払い戻しの対象となる自己負担限度額は年齢・年収によって異なっています。 


例えば、70歳未満の場合、高額療養費制度の限度額(1ヶ月)は以下の通りです。 


区分(年収)自己負担限度額
約1,160万円以上252,600円+(医療費-842,000)×1%
約770~約1,160万円167,400円+(医療費-558,000)×1% 
約370~約770万円80,100円+(医療費-267,000)×1% 
約370万円以下57,600円
住民税非課税者35,400円

※厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)」より抜粋


例えば、40歳の男性で月収が45万円(年収540万円)、1ヶ月に支払った医療費が100万円の場合、医療機関の窓口での負担は30万円(3割負担)ですが、

80,100円+(1,000,000-267,000)×1%=87,430円

よって、医療費の自己負担上限額が87.430円となり、健康保険組合に申請することで払いすぎた212,570円は帰ってきます。


つまり、100万円の医療費が約8.7万で済むということです。


ただし高額療養費制度は、公的医療保険の対象となる治療・病気にのみ使える制度であり、先進医療などは対象外なので注意が必要です。


70歳以上の方の計算方法や申請方法など、さらに詳しく知りたい方は以下の記事を参照してくださいね。

保障②傷病手当金

サラリーマンなどで健康保険に加入している際には、傷病手当金が利用できます。


傷病手当金とは、がんや病気、怪我などで会社を休んだ際に、特定の条件を満たすことで給料の3分の2程度の手当をもらえる制度です。 


ただし、会社で休業手当など、休業中にも給料や手当が受け取れる場合には利用できないこともあるため注意しましょう。 

【年代別】がん保険の選び方とおすすめ


年齢によってがん保険の選び方や保障内容、特約のおすすめは異なります。 


基本的にはがんは年齢の増加とともにかかるリスクが高くなるため、歳を重ねるごとに保障内容の見方を変えることは重要です。 


また、ライフスタイルや生活習慣の変化によって健康リスクや家計のやりくりも変化するので、保険加入や見直しを検討する必要があるでしょう。 


ここからは、年齢別のがん保険の選び方やおすすめについて、以下の分類ごとに解説していきます。 


  • 20代 
  • 30代 
  • 40代・50代 
  • 60代以降

自分の年齢の選び方だけでなく、将来を見据えて様々な年齢の選び方を理解しておきましょう。

20代|幅広いリスクに最低限の保障を

20代の場合には、他の年代に比べるとがんにかかるリスクは低いため、がん保険の必要性は低いといえます。 


ただし、20代の場合、まだ収入や貯蓄が十分でないことが多いことから、万が一の治療費は大きな負担となりえます


したがって、がんやその他の疾病も含めた、最低限の保障が受けられる保険を選ぶことが望ましいでしょう。 


がん保険ではなく、医療保険の特約などでがんのリスクをカバーする選択肢もおすすめです。


20代の場合、がん保険や医療保険いずれにしても、月々の保険料は安く設定してあります。 


保険料が安いうちに加入して継続的に納めることで、結果として総額がお得になることもあるので、将来も見据えた選択が重要です。 

30代|家計とリスクのバランスが重要

30代になると、20代に比べてがんにかかるリスクが高くなります。


実は、30代の死因第2位はがんです。(厚生労働省「令和元年 人口動態統計年報 主要統計表 」 より)


特に、女性特有のがんである乳がんや子宮がんは30代以降に罹患リスクが高くなります


30代では結婚や出産などのライフイベントも控えており、がん治療の費用は家計を圧迫することも考えられます。


したがって、がん保険や医療保険の必要性は十分にあると言えるでしょう。


医療保険を選ぶ場合は、特約などでがんの保障を付けると安心です。


保険料が家計を圧迫しない程度に、どの保険を選ぶか、どのような特約をつけるか検討しましょう。

40代・50代|がんへの危機感と備えは十分に

40代は生活習慣病やがんなど、様々な病気が増加する年代でもあります。 


40代の死因1位はがんです。(出典:厚生労働省「令和元年 人口動態統計年報 主要統計表 より」 


特に、男性の罹患率が多い大腸がん・前立腺がんの発症が増え、乳がんについてはピークとなります。 


ただし、がんの罹患リスクが高くなるとともに、月々の保険料も高くなる点に注意が必要です。


したがって、なるべく40代のうちに保障の手厚いがん保険に加入したり特約を追加して備えることが望ましいでしょう。 


また、60歳までに保険料の支払いを終える「有期払い」では、50歳までに加入しなければいけないことにも留意する必要があります。 


もちろん、月々の保険料は負担になりますから、優先順位をつけて商品を選びましょう。 


保険料を払う余力がある場合は、その他の保険とのバランスを踏まえつつ、がん保険で手厚く備えるとよいです。 

60代以降|預貯金の有無が決め手

60歳以降になるとがんによる死亡数がさらに増加します。


生涯で2人に1人はがんにかかるとも言われていることから、絶対に避けて通れる道とは言えないでしょう。 


ただし、60代からがん保険に加入すると保険料が大幅な負担になる可能性があります。 


さらに、がん以外の病気や介護リスクなどもあるため、医療保険や介護保険の必要性も増す時期です。


ただ、がんは治療は長期な治療かつ再発リスクも高いため、他の病気よりも負担が大きくなる傾向があります。 


したがって、貯蓄に余裕がない場合やがんへの不安は強い方は、60代からでもがん保険に加入しておくことが望ましいです。 

【男女別】がん保険の選び方とおすすめ


がん保険を選ぶ際のポイントは、男性、女性などの性別によっても変わります。 


男女によってそれぞれの病気のリスクが異なり、ライフスタイルの変化でもがんのリスクが異なります。 


また、男性と女性ではがんに罹患しやすくなる年代が異なるので、いつからがん保険に加入すれば良いかなどもわかるでしょう。 


ここからは、男性、女性それぞれのがん保険の選び方について解説していきます。 

男性

男性は女性特有の病気である乳がんや子宮がんなどのリスクがないため、若い年代での罹患率が少ない傾向になります。


しかし、50代以降からがん罹患リスクが急激に増加し、60代を超えると女性よりもがん発症の割合が高くなります。 (厚生労働省 「がんに関する統計」より)


さらに、男性で一家の大黒柱として家族を養っている場合、がんにかかることで医療費負担や入院による収入の減少が家計に与える影響は大きいです。


したがって、男性ががん保険に加入する際には、家族の負担にならないよう、収入保障や給付金の手厚さまで確認する必要があります。


また、結婚や出産などのタイミングで、がん保険を含めた保険への加入や見直しを検討する必要があるでしょう。 

女性

女性の場合は乳がん、子宮がん、卵巣がんなどのリスクがあり、男性に比べてがんにかかる割合が高い傾向にあります。 


特に乳がんは女性のがんの中でもっとも罹患数が多く、30代を境に急激に増える可能性が高いです。 (出典:がん情報サービス 「がん統計」より)


乳がんにかかる可能性が高くなる30代は、子供が小さく進学費用等がかかる時期でもあります。 


がんによる治療費や入院費用、家事の代行などで家計と家族の負担が大きくなる可能性も否定できません。 


したがって、女性の場合には早期にがん保険や医療保険などでがんに備えることが望ましいです。


また、通常のがん保険は男女共通の商品のため、女性特有のがんは特約である場合が多く見られます。


特約などを利用して、乳がんや子宮がんなどの保障が手厚い商品を選ぶようにするとよいでしょう。 

【重要】がん保険を選ぶうえで覚えておくべき注意点


がん保険の選び方や考え方の面で、気を付けておかないと無駄な保険料を支払ってしまうことにもなりかねません。


加入したあと後悔しないために、以下の3つの注意点について確認しましょう。


  1. 目的を持ち、自分にとって必要な保険を選ぶ
  2. 医療保険も並行して選ぶ
  3. 悩んだらプロに相談する

これらの項目について、詳しく解説していきます。

注意点①目的を明確に持ち、自分にとって必要な保険を選ぶ

がん保険によって、「どのリスクを、どれだけ保障したいのか明確にすることで、必要な保障やその程度がわかります。 


先ほど解説した高額療養費制度などの公的医療保険をふまえてどのくらい医療費がかかるのか、自分の収入・貯蓄の状況はどのくらいかを把握しましょう。


そのうえで、公的保障や貯蓄でカバーできない金額をがん保険で設定することが重要です。 


できるだけ損をしないため、もしくは得をするためにがん保険を選んでしまう人がいますが、それでは本末転倒です。


保険は万が一に備えて加入するものであることは忘れないようにしましょう。


不要な保障はつけず、自分にとって必要な保障だけをつけることが大切です。

注意点②医療保険も並行して選ぶ

医療保険の中にも最低限のがん保障は付帯されており、特約を追加することで、がんに対して手厚くすることも可能です。


そのため、がん保険を比較する際には医療保険とセットで考えることが重要です。


すでに医療保険に加入されている際には、がん保険を選ぶのと同時に見直すようにしましょう。


保障内容が重複していると、保険料を二重で支払う事になるため無駄な支払いが多くなってしまいます。


医療保険とがん保険をセットで考える際には、以下のような選択肢が考えられます。


  • 医療保険でがん以外の病気をカバーし、がんのリスクはがん保険で備える 
  • 医療保険にがん特約を付帯し、カバーしきれない部分をがん保険で補う 

上記の2つのパターンでは、がん保険の保障金額が大きく異なります。 

自分の収入・貯蓄の状況に合わせて選ぶことが大切です。

医療保険のがん特約とがん保険のどちらを選ぶべきか迷ってしまった方は、以下の記事も参考にしてみてください。

注意点③悩んだらプロに相談する

がん保険選びは、比較するポイントも多く、自力で全てを決めることは難しいですよね。 


しかし、万が一に備える重要な決定になるので、慎重に選ばなければいけません。 


本当に保険に加入すべきか、必要な保障はいくらかなどの不安や悩みがあれば、マネーキャリアFP相談の利用がおすすめです。 


マネーキャリアでは、お金の専門家であるファイナンシャルプランナーが、あなたのお金に関わる問題を解決すべく、家計の悩みや保険の相談も受け付けています。


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最適な選択ができるよう、あなたに寄り添った提案をさせていただきます。

まとめ:がん保険選びは千差万別!プロに相談して自分と家族を守ろう!

がん保険の最適な選び方について解説しました。 


今回の記事のポイントをまとめると以下の通りです。


  • 高額療養費制度や傷病手当金でカバーできない部分をがん保険で補う 
  • 給付金の種類や給付回数、保険料の支払い方法が異なる 
  • がん治療にかかる費用は入院費用、通院費用、先進医療の費用など多岐に渡る
  • 年齢や性別によって、保険の必要性は変わる
  • がん保険の選び方で迷ったら、マネーキャリアの無料FP相談がおすすめ 

おすすめの保険はひとりひとり異なっており、最適な保険を選ぶためには様々な観点から考える必要があります。

必要な保障金額を把握することは、極めて重要です。

とはいえども、自身が受けられる保障や商品の比較など、自力で行うことは大変ですよね。 

そこで、保険選びに迷った方はぜひマネーキャリアの無料FP相談を利用してください。 

あなたにあったがん保険をマネーキャリアと一緒に見つけましょう!

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