母子家庭のシングルマザーががんになったら治療費はどうやって用意する?

更新日:2021/12/03
がんになったら、治療費は?「保険」「制度」・・・難しい話だと避けてきませんでしたか?突然母子家庭のお母さんががんになったらどのように治療費や生活費を支払えば良いのでしょうか。母子家庭だからこそ、自分や子供の将来のために万が一のときのために備えてほしいのです。
内容をまとめると
- がんになってしまった場合の治療費を保障する制度として、高額療養費制度や限度額適用認定証が利用できる
- ひとり親家庭医療費助成制度に該当する場合には治療費や入院費を抑える事が可能
- 傷病手当金や生活保護などの制度を活用することでがんで働けなくなった際も安心
- 母子家庭のシングルマザーの方でがんになった際の治療費、生活費に不安がある場合にはマネーキャリアの無料FP相談がおすすめ
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目次を使って気になるところから読みましょう!
母子家庭のシングルマザーが癌になったら治療費や生活費は?
母子家庭のシングルマザーの方で病気に対する不安やがんなどに対して不安を抱えているという人は多いのではないでしょうか。
がんになってしまった場合には入院費用や通院時の治療費用だけでなく、入院中に働けなった場合の生活費などを工面する必要があります。
また、がんの治療は他の病気に比べて長期化するリスクが大きく、治療費の支払いが大きくなってしまうケースも多いです。
日本人の2人に1人はがんになると言われている時代であり、がんは他人事ではないため、万が一の事態に備えて医療制度や保険を活用する必要があります。
今回の記事では、母子家庭のシングルマザーががんになってしまった場合の治療費・生活費を解決する方法として次の事を解説していきます。
- がんになった場合に使える医療制度
- がんで働けなくなる場合の生活費を補填する制度
- シングルマザーががんや病気に備えるためにしておく事
- 離婚してシングルマザーになった場合にしておきたい保険の手続き
母子家庭のシングルマザーががんになった場合に使える制度3つを紹介
母子家庭のシングルマザーの方ががんになって、治療費の支払いが不安な場合に利用できる制度については、下記の3種類が挙げられます。
- 高額療養費制度
- 限度額適用認定証・委任払制度
- ひとり親家庭医療費助成制度
①治療費の負担を軽減してくれる高額療養費制度
高額療養費制度とは、同じ月に支払った医療費が自己負担限度額を超過した場合に、超過した治療費を後日払い戻してくれるという制度です。
高額療養費制度があるおかげで、がんの手術、入院費用、治療費用が高額になった際でも、自己負担額以上の医療費負担がないことがメリットです。
また、医療費の自己負担額を世帯ごとに合算可能なため、子供の医療費がかかった場合にも安心となります。
高額療養費制度の利用方法については以下の手順の通りです。
- 医療機関で治療費を支払う
- 高額医療費支給申請書の提出
- 健康保険協会による審査、払い戻し
②限度額適用認定証や委任払制度の利用で自己負担を軽く
高額療養費制度では、払い戻しが後日となるという特性上、先に高額な医療費を支払う必要があり、資金を用意できない人には、利用しにくいというデメリットが挙げられました。
最初に支払う医療費を抑えたいという際には限度額適用認定証や委任払制度を利用することが効果的です。
限度額適用認定証
- 限度額適用認定証
→窓口での支払い(保険適用分)が医療機関毎に自己負担限度額まで - 標準負担額減額認定証
→入院時の食事負担額を減額してくれる - 限度額適用・標準負担額減額認定証
→窓口の支払が医療機関ごとに自己負担限度額までとなり、入院時の食事代を減額してくれる
③ひとり親家庭医療費助成制度は母子家庭・父子家庭のための制度
ひとり親家庭医療費助成制度は母子家庭・父子家庭を対象に、保険適用対象となる治療費を助成してくれる制度です。
各都道府県や市町村などの地方自治体が制度を実施しており、それぞれの自治体ごとに負担金額等の取扱いが異なります。
例えば、大阪市、神戸市、新宿区、名古屋市では給付金を以下のように取り扱っています。
- 大阪市
外来:1医療機関ごと 1日あたり 最大500円(月2日限度)
入院:同一月の利用が2,500円を超えたときに差額を払い戻し - 神戸市
外来:1医療機関・薬局等ごとに1日400円を限度に月2回まで負担
入院:1割負担、1医療機関あたり月1,600円まで - 新宿区
医療費=定率1割自己負担、外来の場合個人は月18,000円、世帯で月57,600円まで、入院の場合世帯で月57,600円まで自己負担 - 名古屋市
医療費(保険診療分)の自己負担額が助成され、全額無料
※入院時の差額ベッド代、健康診断、予防接種、文書料など助成対象外もある
母子家庭のシングルマザーが癌になった場合に生活費として使える制度2つ
母子家庭のひとり親ががんになってしまった場合、治療費の負担だけでなく治療中の仕事や収入が少なくなってしまい、生活費が付属することが考えられます。
生活費や収入の不足を支給してくれる制度といsて利用できるものには以下の2つが考えられます。
- 傷病手当金
- 生活保護
①仕事ができない間、生活を保障してくれる傷病手当金
傷病手当金とは、公的健康保険制度で保障してくれる病気や怪我などが原因で仕事ができない家庭向けの生活費保障制度です。
病気や怪我などの治療で入院する場合には、勤務先を休業しなければいけないため、給料が無くなったり、休業手当がもらえても普段の給料以下になってしまうことも多く、生活するのが困難になる可能性もあるでしょう。
傷病手当金は支給開始した日から最長1年6ヵ月まで、支給開始日の属する月より前の直近の継続した月の標準報酬月額の2/3の金額を30日で割った金額が1日ごとの給付額として支給されます。
また、傷病手当金が支給されるためには、次の4つの条件を満たす必要があります。
- 病気や怪我の原因が業務外に発生した事項であること
- 病気や怪我が原因で仕事に就くことが困難な状態であること
- 3日間の待機期間中に仕事を休み、待機期間後4日以上仕事が出来ないこと
- 休業期間中に給与の支払いを受けていない、もしくは給与額が傷病手当金支給額よりも少ないこと
②生活保護の受給対象になる可能性もある
生活保護とは、がんなどの病気のみならず、あらゆる事由で就業することが不可能であり、生活が困窮している方を対象とする生活保障制度です。
がんによって働くことが困難であり、預貯金や資産などの資産から生活が困難であると認められた場合には生活保護を受給できる可能性があります。
生活保護を受けるための要件としては以下の4件に当てはまらない人ということが挙げられます。
- 預貯金や資産を売却することで生活費に当てることが出来る
- 働くことが出来る
- 年金や手当など他の制度で給付を受けることが出来る
- 親族や扶養者などからの金銭的援助を受けることが出来る
母子家庭のシングルマザーだからこそしておくべきこと4選
母子家庭のシングルマザーの場合には、自分が病気になることや働けなくなるリスクに備えて事前の準備を行うことが重要です。
特に、次の4つの準備を行うようにしましょう。
- 乳がんの検診に行く
- 子供のために保険に入る
- 未成年後見人を指定しておく
- ソーシャルワーカーに相談する
①乳がんの検診に行く
女性特有のがんとして挙げられるのが「乳がん」で、日本人女性のがんの中で罹患する人が多い傾向にあり、比較的死亡率の高い病気でもあります。
また、乳がんは初期症状から自覚症状が見つかりにくいという特徴があるため、不調を覚えた際には症状が進行してしまい治療が困難になるというケースも多いです。
乳がんを早期発見するためには、定期的な乳がん検診を行うことが重要になります。
乳がん検診は、触診やマンモグラフィ検査、超音波検査(エコー検査)によって早期発見ができ、マンモグラフィ検査でも5,000円程度、超音波検査(エコー検査)では4,000円程度で検診を受けることが可能です。
高齢の方に多い病気というイメージを持つ人も多いですが、20代、30代でも発症事例は確認されているため、他人事だと思わずに定期的な受診を心がけましょう。
②子供のために保険に入る
どれだけ病気の予防を心がけていても、全ての病気やがんを防げるわけではありません。
したがって、万が一がんや病気が見つかった場合に備えて様々な保険に加入しておくことが望ましいです。
特に加入が必要になる保険としてはがん保険と学資保険の2つが挙げられます。
がん保険
③未成年後見人を指定しておく
自分ががんなどの病気で万が一死亡するリスクに備えて、未成年後見人を指定しておく事が重要です。
未成年後見人とは、未成年者(未成年被後見人)の法定代理人に当たる人物のことで、財産の管理や監督、契約等の手続きを代理で行う両親の代わりとなる人物です。
未成年後見人の選出方法は、未成年者の住所地の家庭裁判所に未成年者、親族、未成年者の親族が申し立てを行うことで可能です。
いざ自分が亡くなった場合に、引き取り手がいないなどの事態になると自分の子供が困窮するという可能性も高いでしょう。
したがって、事前に未成年後見人を選出しておくことで、自分の身に万が一の事態が起きても安心です。
③ソーシャルワーカーに相談する
母子家庭のシングルマザーの方ががんになった際の相談先として便利なのが、ソーシャルワーカーです。
ソーシャルワーカーとは、病気やけがなどで社会復帰が困難になってしまった人の支援を行なってくれる職業の方を指します。
特に、医療や介護・福祉に関する相談を行ってくれるため、がんになった際の病院や子供の学校など様々な機関への人々を相談する事が可能です。
病気になった場合には身体的な治療だけでなく、精神面での不安も多いかと思いますが、ソーシャルワーカーに相談する事で社会復帰などのサポートを行ってくれるため、もしもの事態に備えて相談先を確保しておきましょう。
離婚してシングルマザーになる際に確認しておきたい保険手続き2点
離婚して母子家庭になるという人は、様々な行政上の手続きを行う必要があります。
特に、医療・保健の観点から行っておきたい手続きについては以下の2点が挙げられます。
- 国民健康保険への加入
- 保険の給付金や生命保険等の受取人の確認
①国民健康保険に加入
結婚していた際に専業主婦だった場合には、配偶者の健康保険に加入しているケースがほとんどですが、離婚する事で不要から外れてしまうため、新たに国民健康保険へ加入手続きを行う必要があります。
加入方法はお住まいの地方自治体の役所窓口で、世帯主の方は14日以内に必要書類を持参して申請書類などを記入する必要があります。
必要書類については本人の住所や氏名が確認できる身分証明書とマイナンバーを確認できるものが必要です。
さらに、扶養から外れた場合には、健康保険組合が発行する健康保険等資格喪失証明書や銀行預金の口座番号がわかるものが必要になるため、事前に準備しておきましょう。
申請は健康保険の資格喪失から14日以降とはなりますが、期限を過ぎても申請は可能です。
ただし、期限を過ぎた後に加入手続きを行った場合には、遅れた期間を最長2年間分までさかのぼって保険料を支払う必要があるため注意が必要です。
②保険の給付金や生命保険等の受取人の確認
結婚していた際に自分で生命保険に加入していた場合、給付金や保険金の受け取りを配偶者にしているケースが多いため、離婚後に受取人の変更を行っておく必要があります。
シングルマザーになる場合には、万が一自分が死亡した際の保険金受取人を子供にしておくケースが一般的です。
保険金受取人を子供にすることで、万が一自分が亡くなってしまった場合にも、子供の養育費や教育費用などを賄う事が可能です。
ただし、被保険者が亡くなった際に保険金受取人に設定されている子供が未成年の場合、本人が手続きすることはできず、親権者や未成年後見人が手続きを行う必要があるため注意しましょう。
なお、保険金受取人を元配偶者に設定したまま亡くなった場合には、元配偶者の方が保険金を受け取ってしまいます。
また、受取人を変更せず元配偶者の方が保険金を受け取り子供に保険金を渡すという方法もできないことはありません。
しかし、離婚していた場合には元配偶者は法定相続人に当たらないため、相続税ではなく贈与税が発生し、子供が保険金を受け取るよりも税金負担がかかることに注意しましょう。
まとめ:母子家庭のシングルマザーが癌になってしまった場合の治療費など
今回は、母子家庭のシングルマザーががんになった場合の治療費について解説しました。
今回の記事のポイントは、
- 治療費の負担が自己破綻限度額を超える場合には、高額療養費制度や限度額適用認定証が利用できる
- ひとり親家庭医療費助成制度に該当する場合には治療費や入院費を抑える事が可能
- がんで働けなくなり、収入が途絶えてしまった場合には傷病手当金や生活保護などの制度を活用する
- シングルマザーの場合、乳がん検診を定期的に受診しリスクに備える必要がある
- がん保険や学資保険で働けなくなるリスクや死亡時の学費負担を減らす事が効果的
- 自分の万が一の事態に備えて未成年後見人をあらかじめ指定しておくと安心
- 医療や福祉などの不安がある場合にはソーシャルワーカーに相談する
- 離婚してシングルマザーになった場合には国民健康保険への加入や保険金の受取人の変更手続きを行う
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