地震保険料控除って何?年末調整に向けて知っておくべきことを解説!

地震保険に加入しているみなさんは、地震保険料控除制度を知っていますか?この控除制度は主に、年末調整・確定申告の時に申請します。この記事では、年末調整・確定申告時に控除を申請する方法を解説し、制度の概要や控除額の計算方法、そして必要書類の書き方まどを解説します。

年末調整で地震保険料控除を受けるにはどうしたらいい?


地震保険料を払っている人は、年末調整や確定申告で地震保険料控除を利用できることをご存知でしょうか。

この控除を受けることにより、所得税住民税が安くなるので、是非活用したい制度ですが、手続きが面倒そう、計算が難しそうという理由で敬遠している人もいるかもしれません。

実は、年末調整や確定申告の申請はとても簡単で、計算方法も提示されているため、スムーズに行えるのです。

この記事では、
  • 地震保険料控除の概要と対象
  • 旧長期損害保険料控除の経過措置
  • 年末調整・確定申告での手続き方法
  • 地震保険料控除額と税金軽減額のシミュレーション
  • 保険料を一括払した時の控除申請
について、解説していきます。

この記事を読んでいただければ、地震保険料控除の詳細が分かり、年末調整での手続き方法も具体的に提示するので、スムーズに行えると思います。

ぜひ、最後までご覧ください。

地震保険料控除制度について見てみよう

地震保険の保険料を支払っている人は、年末調整や確定申告にて地震保険料控除が受けられます。これは1年間の支払保険料に応じて一定額が所得金額から差し引かれ、所得税(国税)と個人住民税(地方税)が控除されるため、節税のメリットを享受できます。


一般的に地震保険は火災保険に付帯する形で契約しますが、控除の対象になるのは地震保険料のみです。2つの保険はどのような点が異なるのか、混同しないように把握しておきましょう。


また、旧長期損害保険料控除の経過措置という制度も設けられています。これを利用できる保険契約の要件を見ていき、活用できるか否かをチェックしてみてください。

地震保険料控除制度の概要と対象

地震保険料控除は2007年(平成19年)1月、地震災害による損害への備えに係る自助努力を支援するために設けられた制度です。1年間の支払保険料に応じて一定額が所得金額から差し引かれ、所得税と住民税が控除されるため、節税の恩恵を受けられます。


地震保険料控除の対象になるのは、地震保険料のみです。基本的に地震保険は単独で契約できず、火災保険とセットする形になりますが、火災保険料は対象外なので、混同しないよう注意しましょう。


地震保険と火災保険の補償内容は以下のように異なります。

種類補償内容
地震保険地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする
火災・損壊・埋没または流失による建物や家財の損害
火災保険火災・台風・洪水などの風水害、水漏れなどの
日常災害、盗難などによる建物や家財の損害

火災保険の補償内容は幅広いですが、地震等による損害は対象外なので、地震に対する備えは地震保険で確保する必要があります。


なお、賃貸住宅に住んでいる人も火災保険に地震保険が付帯されていれば、地震保険料控除を利用できます。

地震保険料控除の経過措置について

地震保険料控除は2006年(平成18年)の税制改正にて新設され、翌2007年から制度が開始しました。同時に損害保険料控除は廃止されましたが、旧長期損害保険料控除の経過措置が設けられ、引き続き控除が受けられるケースがあります。


以下の要件を満たす場合、経過措置が適用されます。

  1. 保険開始日が2006年末までの契約
  2. 満期返戻金や年金給付金がある(年金払積立傷害保険・積立火災保険など)
  3. 保険期間が10年以上
  4. 2007年以降に保険料の変更を伴う契約変更をしていない

契約している損害保険が該当するかどうか不明でも、保険会社から保険料控除証明書が送付されるため、対象かどうかを判断できます。

地震保険料控除申請は年末調整・確定申告時に行う

地震保険料控除は年末調整か確定申告で申請を行う必要があります。


会社員や公務員などの人は勤務先の年末調整で申請できますが、自営業やフリーランスの人は確定申告のみの申請になります。また、年末調整で申請を忘れた場合も確定申告で対応できます。確定申告は便利な電子申告(e-Tax)も利用できます。


控除申請をする際、どのような書類が必要になり、提出書類にはどのように記入したらいいのか、具体例ともに見ていきましょう。


ここでは、以下の内容について説明していきます。

  • 控除申請時の必要書類
  • 提出書類の書き方と記入のポイント

控除申請時の必要書類

会社員や公務員などの人は年末調整で控除申請できますが、自営業やフリーランスの人は確定申告で申請する必要があります。また、年末調整で間に合わなかった場合も確定申告で申請を行います。


地震保険料控除を受けるために必要な書類は、以下の通りです。


年末調整

  1. 給与所得者の保険料控除申請書
  2. 地震保険料控除証明書

2は保険会社から10月頃に送付されます。届かない場合は保険会社に連絡し、再発行の手続きを取りましょう。1に必要事項を記入し、2を添付して勤務先に提出します。


確定申告

  1. 確定申告書
  2. 地震保険料控除証明書

紙の申告書で提出する場合は、1に2を添付します。国税電子申告・納税システム(e-Tax)を利用する場合は、2に記載されている内容を1に入力して送信します。


いずれの方法も簡単なので、負担なく申請できると思います。次の章では、申請書の書き方と記入のポイントを見ていきましょう。

提出書類の書き方と記入のポイント

地震保険料控除を申請する際の提出書類への書き方・記入例を見ていきましょう。


年末調整

地震保険料控除」欄に「地震保険料控除証明書」の内容を転記します。

  1. 保険会社の名称:○○保険
  2. 保険の種類:地震
  3. 保険期間:3年
  4. 保険契約者の氏名:△△太郎
  5. 保険対象の家屋に居住又は家財を利用している者の氏名:△△太郎
  6. あなたとの続柄:本人
  7. 保険料区分:地震
  8. 本年中に支払った保険料の区分に係る金額(A):62,000円
  9. 地震保険料合計額(B):62,000円
  10. 旧長期損害保険料合計額(C):
  11. (B)金額(最高5万円):50,000円
  12. (C)金額(1万円超の場合はC×1/2+5千円(最高1万5千円)):
  13. 地震保険料控除額(B)+(C)(最高5万円):50,000円

確定申告

所得税の確定申告の手引き』に記載されている計算方法に従って控除額を算出し、第一表「地震保険料控除⑮」に記入します。


第二表「地震保険料控除」欄には、地震保険料・旧長期損害保険料の合計額を記入します。

地震保険料控除により所得税や住民税はいくら安くなる?

地震保険料控除や経過措置が適用される旧長期損害保険料控除を年末調整などで手続きすると、所得税(国税)個人住民税(地方税)はいくらくらい軽減できるのでしょうか。

それぞれの控除額は1年間の支払保険料額に応じて定められていて、国税庁や地方自治体のHPなどで確認できます。

また、シミュレーションで支払保険料に応じて税金がいくら軽減できるか計算してみましょう。 

ここでは以下の内容について説明していきます。
  • 地震保険料控除額
  • 経過措置が適用される旧長期損害保険料控除額

地震保険の保険料控除額

地震保険料控除額は1年間の支払保険料に応じて決まり、所得税と住民税の控除額は以下のように定められています。

年間支払保険料
所得税住民税
~50,000円支払保険料全額
支払保険料×1/2
50,001円~
50,000円
25,000円

参考:国税庁「No.1145 地震保険料控除


上記の控除額を用いて、税金の軽減額をシミュレーションしてみましょう。


例:年間支払保険料が47,000円、所得税率・住民税率ともに10%の場合、税金の軽減額は以下のようになります(復興特別所得税は考慮していません)。

47,000円×10%=4,700円(所得税の軽減額)

23,500円×10%=2,350円(住民税の軽減額)

上記を合算すると、税金の軽減額は7,050円になります。

経過措置の取られる旧長期損害保険の保険料控除額

経過措置が適用される長期損害保険契約の場合、以下の控除額が適用されます。

年間支払保険料
所得税
1万円以下
支払保険料全額
1万円超2万円以下
支払保険料×1/2+5千円
2万円超
1万5千円
年間支払保険料住民税
5千円以下支払保険料全額
5千円超1万5千円以下支払保険料×1/2+2,500円
1万5千円超1万円

上記の控除額を用いて、税金の軽減額をシミュレーションしてみましょう。


例:地震保険料43,800円、積立傷害保険料24,300円、所得税率・住民税率ともに10%の場合(復興特別所得税は考慮しません)

地震43,800円+積立傷害15,000円=所得税控除50,000円(上限額)

地震21,900円+積立傷害10,000円=住民税控除25,000円(上限額)

上記に税率10%を掛けて、それぞれの軽減率を算出して合算すると、税金の軽減額は7,500円になります。

参考①:地震保険料控除申請を忘れた場合はどうなる?

年末調整で地震保険料控除の申請を忘れてしまった場合は確定申告を行いましょう。勤務先の源泉徴収票を参照しながら、地震保険料控除分を確定申告書に記入して提出すると、所得税・住民税の控除が受けられます。税務署に行くのが手間な人は電子申告(e-Tax)を使用するのがおすすめです。

  

確定申告も忘れてしまった場合は、「所得税及び復興特別所得税の更正請求書」を入手し、記入・提出すれば過去5年分を遡って修正が可能です。


また、地震保険料控除とともに申請を忘れやすいのが、生命保険料控除と小規模企業共済掛金控除(iDeCo)なので、注意しましょう。


いずれも控除証明書も届かなかったり、紛失した場合は、各金融機関へ連絡して再発行を依頼しましょう。

参考②:地震保険料を一括払いしたときの保険料控除はどうなる?

1年を超える地震保険の契約で保険料を一括払いした場合、支払った年しか地震保険料控除を受けられず損になるのではないかと不安に思う人もいるかもしれません。


しかし、一括払保険料は1年分に換算され、毎年支払っていると見なされるため、保険期間中は毎年控除が受けられます。


例えば、保険期間3年で一括払保険料が93,000円の場合、1年分の控除対象保険料は以下のように計算できます。

9,3000円÷3年=31,000円

保険期間の3年間、31,000円を年間支払保険料として控除が受けられます。保険料の一括払いは月払いよりもトータルで割安であり、所得税・住民税の節税にもなるので、上手に活用するのがおすすめです。

まとめ:地震保険料控除の年末調整を忘れずに!

年末調整・確定申告での地震保険料控除の手続きについて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 地震保険料控除により所得税(国税)と住民税(地方税)が軽減できる
  • 控除の対象になるのは地震保険料のみ
  • 旧長期損害保険料控除の経過措置も併用できる
  • 年末調整では控除証明書の内容を転記し控除額を計算する
  • 保険料を一括払しても毎年控除が受けられる

でした。


地震保険料の支払いがある人は地震保険料控除が利用でき、税金の負担を軽減できるメリットがあります。また、旧長期損害保険料控除の経過措置もあるので、併用できるかどうか確認しましょう。


控除の申請は年末調整などで行いますが、説明してきた通り、簡単な内容で計算式も提示されているため、迷うことはないでしょう。


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この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

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