火災保険ALL

地震保険の仕組みは?火災保険との違いや保険料を安くする割引を解説

地震が多く、地震保険への加入を考える人も多いと思います。今回の記事では、地震保険の仕組みについて、その存在意義から、なぜ地震保険と火災保険は分離しているのか、地震保険の契約や補償について、地震保険料控除まで、地震保険の仕組みを一挙説明します。

地震保険の仕組みは?火災保険とは違うの?

近年大きな地震がよく起き、地震保険への加入を考えていることでしょう。


地震保険は火災保険と違って、その仕組みにいろいろな特徴があり、それを理解していないと、間違った契約をしてしまうかもしれません。


実は、地震保険には、保険金の制限や保険料の割引制度あったり、保険料控除が受けられたりします。


そこで、この記事では、

  • 地震保険の仕組みについて解説
  • 保険料の割引制度について
  • 地震保険料控除の仕組み

について解説します。


この記事を読めば、地震保険の仕組みを知って、賢く地震保険に加入できます。


是非最後までお読み下さい。

地震保険の仕組みについて解説

地震保険にはいくつか特徴的な仕組みがあります。


たとえば、

  • 火災保険とセットで加入しなければならない
  • 地震保険では火災保険の最大50%までしか補償されない
  • 保険料は、建物の所在する都道府県と建物構造によって一律に決まる
  • 保険金支払いは4段階に分かれる
  • 地震保険は政府に再保険される

です。


以下それらを解説します。

補足:地震保険は火災保険とセットで契約することが必要

地震保険は単独では加入できず、火災保険とセットで加入しなければなりません。


地震災害は起きれば大規模になりますので、損害保険会社のリスク回避のために、地震による火災、倒壊等の損害は火災保険の補償の範囲から除外される仕組みになっています。


つまり、火災保険と地震保険がセットになって、住まいの火災や自然災害に対応できるようになっているのです。

補償範囲と保険料・保険金について

 地震保険の補償の対象となるものは居住用建物又は生活用動産つまり家財です。


また、地震保険の補償の対象となる損害は、地震もしくは噴火又はこれらによる津波を直接又は間接の原因とする火災損壊埋没又は流失による損害です。


地震保険の保険料は、建物の所在する都道府県と建物構造によって決まる仕組みになっています。


保険金1,000万円、保証期間1年の場合、下表のとおりです。

建物構造地震の少ない地域
岩手県、福岡県など
・・・地震の多い地域
東京都、鈴岡県など
イ構造
(鉄骨・コンクリート造建物等)
7,100円・・・11,600円
ロ構造
(木造建物等)
25,000円・・・38,900円

保険金が2倍になれば、保険料も表の2倍になり、家財についても同じですが、保証期間が長い場合は保証期間に比例せず、後述するように割安になります。


地震保険の場合、設定できる保険金は火災保険のそれの30%~50%の間ですが、建物は上限5,000万円、家財は上限1,000万円となっています。

保険金支払いの基準

地震保険では支払いを迅速にするため、損害の程度を4段階に簡略化し、保険金はその4段階に応じて支払われます。


居住用建物または家財の災害程度の4段階は全損大半損小半損、または一部損であり、以下順に解説します。


全損

主要構造物の損害額が時価額の50%以上床面積の70%以上が焼失・流失した場合で、地震保険の保険金額の100%が支払われます。


また、損害額が保険の対象である家財の時価額の80%以上となった場合で、地震保険の保険金額の100%が支払われます。


大半損

主要構造物の損害額が時価額の40%以上50%未満か床面積の50%以上70%未満が焼失・流失した場合 で、地震保険の保険金額の60%が支払われます。

また、損害額が保険の対象である家財の時価額の60%以上80%未満となった場合で、地震保険の保険金額の60%が支払われます。

小半損

主要構造物の損害額が時価額の20%以上40%未満か床面積の20%以上50%未満が焼失・流失した場合で、地震保険の保険金額の30%が支払われます。

損害額が保険の対象である家財の時価額の30%以上60%未満となった場合で、地震保険の保険金額の30%が支払われます。

一部損

主要構造物の損害額が時価額の50%以上か床面積の3%以上20%未満が床上浸水もしくは45cmをこえる浸水の場合で、地震保険の保険金額の5%が支払われます。

損害額が保険の対象である家財の時価額の10%以上30%未満となった場合で、地震保険の保険金額の5%が支払われます。

地震保険はこのように段階的な支払いとなるところが、火災保険の実損補償と異なるところです。

地震保険の目的と再保険について

地震保険は、地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的としており、被災した建物や家財の再建、原状復帰を目的としていません。


一度地震が起きるとその損害額は莫大なものとなり、損害保険会社の支払い能力を超えてしまうことが、容易に予想されます。


そこで、民間の損害保険会社だけでは運営できず、保険会社等が負う地震保険責任を政府が再保険する仕組みを採っています。


政府がどのくらい資金をバックアップする仕組みになっているかは、保険金の負担の仕方を見ると分かりやすいです。

総損害額民間損害保険会社
の負担
政府
の負担
884億円以下100%0
884億円超1,390億円以下の部分50%50%
1,390億円超11兆3,000億円以下の部分0.2%99.8%

このように地震保険は政府主導の下で運営される仕組みを採っており、大規模地震が起きても損害保険会社が倒産することはありません。

保険料の割引制度について

保険の仕組みとして、リスクの高いものは保険料が高く、リスクの低いものは保険料が安く設定されます。


地震保険の場合も同様で、耐震性の高い建物は保険料が最大50%も安くなる割引制度が設けられています。


また、長期契約をすれば保険料が最大8%安くなる仕組みもあります。


以下順にこれらを解説します。


建物に応じて適用される4つの割引

保険料の割引は4つあり、それを下表にまとめて示します。
割引制度割引制度が適用される建物と家財割引率
免震建築物
割引
法律に定められた免震構造物である建物とその家財50%
耐震等級割引法律に定められた免震建築物である建物とその家財50%~10%
建築年割引1981年(昭和56年)6月1日以降に新築された建物とその家財10%
耐震診断割引耐震診断または耐震改修の結果、所定の耐震性能を有する
建物とその家財
10%

以下補足の解説をします。


免震建築物割引は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づいて、建物の基礎に免震装置を設けて、地震が起きても建物の揺れを小さくする建築物に適用されます。


耐震等級割引は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」などに基づき、柱や梁を太くし、地震が起きても損壊しにくい建物に適用されます。


建物の強さによって耐震等級1級から3級があり、1級が10%、2級が30%、3級が50%それぞれ割引されます。


建築年割引は、建物の耐震性を上げるべく昭和56年6月1日に建築基準法が改正され、それ以降に建築された建物に適用されます。


耐震診断割引は、昭和56年5月31日以前に建築された建物であっても、耐震診断又は耐震改修の結果、所定の耐震性能を有する建物に適用されます。


いずれも割引制度の適用を受けようとするときは、保険会社に建物がそれに該当することを証明する書類を提出する必要があります。

長期係数について

これは多くの保険で採用されている仕組みであり、長期契約かつ一括払いにすれば保険料が安くなります。

地震保険の契約期間は1年から最長5年の間で任意に決めることが可能なので、火災保険に合わせた契約期間が良いでしょう。

長期契約の場合の保険料は、下記の長期係数を用いて算出します。
期間長期係数
2年1.90
3年2.80
4年3.70
5年4.60
たとえば、5年加入の場合、1年契約の5回更新ですと1年の保険料の5倍となりますが、5年契約ですと4.6倍の保険料で良いことになり、8%少なくなります。

地震保険料控除の仕組み

地震保険料は、確定申告もしくは年末調整のときに申告すれば、所得から差し引かれる金額として震保険料控除が受けられます。


1年間に支払った地震保険料が50,000円以下の場合と、50,000円超の場合に分かれ、所得から控除される額を下表に示します。

1年間に支払った保険料が
50,000円以下の場合
1年間に支払った保険料が
50,000円超の場合
所得税を計算するとき支払った保険料の全額50,000円
住民税を計算するとき支払った保険料の半額25,000円

地震保険は火災保険に比べると、まだ周知されておらず加入率も低いため、国の施策として地震保険への加入率を上げるために、保険料控除の仕組みを設けています。


ちなみに、火災保険は現在保険料控除は受けられません。

まとめ:地震保険に入る前に仕組みを把握しよう

地震保険の仕組みについて解説しましたがいかがでしたでしょうか。


この記事のポイントは、

  • 地震保険は火災保険とセットで加入しなければならない
  • 保険料は政府が決めているため、会社による違いはない
  • 保険金は火災保険の最大半額である
  • 保険料の建物による割引制度や長期契約による割引がある
  • 地震保険料は税申告のときに所得控除が受けられる

でした。


地震保険の仕組みを正しく理解して、賢く加入しましょう。


ほけんROOMでは他にも読んでおきたい保険に関する記事をたくさん掲載しておりますので、ぜひそちらもお読みください。

ランキング