コープの火災保険の特徴は?保険プランや利点・欠点を紹介!

火災保険を選ぶ際、掛金の安さを理由に共済を検討する方は多いでしょう。コープの火災共済には家財の保険のみに加入できるなどの利点がある一方、自分に合ったカスタマイズが難しいなどの欠点があります。火災保険として、コープ火災共済に加入するメリットや注意点を解説します。

コープ(生協)の火災保険はどんなもの?

コープ共済という名前は、みなさん聞いたこともあるかもしれませんが、民間の損害保険との違いが何かわからない方々もいることでしょう。


コープ(生協)でも火災共済を販売しており、安い掛金と自然災害の保障が手厚くでき、加入すれば心強い備えになりますよね。


しかし、コープ(生協)の火災共済には、加入の際に注意しなければいけない点があることはご存知でしょうか。


保険会社の火災保険と内容は同じと思って加入すると、後からこんなはずではなかったと慌ててしまうかもしれません。


そこで今回は、「コープ火災共済の特徴とメリット・デメリット」について

  • コープ火災共済の特徴や掛金
  • コープ火災共済で受け取れる補償金額
  • コープの火災保険の利点・欠点
以上のことを中心に解説していきます。                                                       
 

この記事を読んでいただければ、コープ火災共済の基本的知識と、保険会社の火災保険と異なる点を知ることに役立つと思います。                           

ぜひ、最後までご覧ください。

コープ火災共済の特徴や保険料金について

コープ火災共済は、火災・落雷等からご自分そして家族の大切な家と家財を守ります。


また、盗難や破壊、風水害や地震への備えも厚くすることができます。


こちらでは、

  • コープ火災共済の5つの特徴
  • 掛金(保険料金)
について解説します。

コープ火災共済の5つの特徴

コープ火災共済には次の特徴があります。

  • 家計の負担を軽減する手ごろな掛金:保険会社の火災保険料と比較して割安な掛金となっている。こちらについては「コープ火災共済の保険料金」で詳細を説明。
  • 再取得価額による保障:保障対象となる建物・家財が古くても、被害に遭ったときの時価額ではなく、同程度のものを新しく購入したり修復したりするときの価額で保障される。
  • 全焼損扱いは焼破損70%から:通常の火災保険ならば全焼損扱いは80%以上ではあるが、コープ火災共済では低めに設定されている。
  • 家財だけでも保障対象:アパート・マンション住まいの方々でも、家財だけを保障対象に選んで加入することができる。
  • 臨時費用共済金が受け取れる:火災や風水害で臨時の支出が発生した場合に充てる費用として活用できる。

自然災害共済の付帯で風水害や地震にも対策できる

火災共済では、火災はもちろんのこと風水害等も保障されます。


更に「自然災害共済」を付帯すれば保障を強化できます。


こちらの共済金は次の2種類に分かれます。

  • 風水害等共済金:突風・旋風、暴風雨、豪雨・長雨、降雪、台風、洪水、雪崩、降ひょう、高波・高潮が保障範囲。
  • 地震等共済金:地震による火災、地震による損壊、津波による損壊、噴火による火災、噴火による損壊が保障範囲。
保険会社の火災保険の場合は、「地震保険」をセットにすることで、地震に対する備えを付帯します。

しかし、共済では火災保険と異なり、地震に対する保障が自然災害共済に含まれる形で設定されています。

コープ火災共済の保険料金

こちらでは事例をあげてコープ火災共済の毎月の掛金を算出してみます。


(例)

  • 住居:持家
  • 所在地:東京都
  • 建物の構造:戸建て(木造)
  • 住宅の延床面積:100m²
  • 世帯の人数:3人
  • 世帯主の年齢:35歳
この場合、火災共済・自然災害共済、その他特約を設定すると次のような掛金となります。
  • 火災共済:住宅補償額2,480万円+家財補償額1,400万円→2,328円(月払)
  • 自然災害共済:大型タイプ→5,432円(月払)
  • 特約:類焼損害補償特約→200円(月払)
  • 掛金総額:7,960円(月払)

コープ火災共済で受け取れる補償金額について

コープ火災共済で受け取れる共済金は、火災共済のみの加入か、それとも自然災害共済を付け加えて加入するかで異なります。


特に風水害の被害保障の際、大きな違いとなります。


こちらでは

  • 火災共済のみの場合
  • 自然災害共済も加えた場合

に下りる共済金額を解説します。

損害程度ともらえる共済金:火災、風水害

火災共済や自然災害共済では損害程度で下りる共済金額が異なります。


焼損の場合


焼損は火災共済で保障されることになりますが、最高保障額は6,000万円までとなります。


全焼損・半焼損・一部焼損で下りる共済金額は下表の通りです。

被害の程度共済金額
全焼損
(住宅の70%以上の焼破損)
契約共済金額の全額
最高6,000万円
半焼損・一部焼損再取得価額
(契約共済金額が限度)


風水害等の場合


風水害等で保障される共済金額は、火災共済の風水害等共済金、自然災害共済の風水害等共済金でそれぞれ限度額が異なります。

被害の程度で下りる共済金は下表の通りです。

〇損壊・流出の場合

(1)風水害等共済金額(火災共済)
被害の程度風水害等共済金保障限度額
全壊・流失(70%以上損壊)300万円
半壊(20~70%未満損壊)150万円
一部壊(損害額100万円超)40万円
一部壊

(損害額50万円超~100万円以下)
20万円
一部壊

(損害額20万円超~50万円以下)
10万円
一部壊

(損害額10万円超~20万円以下)
5万円

(2)風水害等共済金額(自然災害共済)
被害の程度大型タイプ
風水害等共済金保障限度額
標準タイプ
風水害等共済金保障限度額
全壊・流失(70%以上損壊)4,200万円3,000万円
半壊(50%以上損壊)    2,940万円2,100万円
  半壊(30~50%未満損壊) 2,100万円1,500万円
半壊(20~30%未満損壊) 1,260万円900万円
一部壊(損害額100万円超)840万円600万円
一部壊
(損害額50万円超~100万円以下)
100万円100万円
一部壊
(損害額20万円超~50万円以下)
50万円50万円
一部壊
(損害額10万円超~20万円以下)
20万円20万円

〇床上浸水の場合

(1)風水害等共済金額(火災共済)
被害の程度風水害等共済金保障限度額
全床面50%以上
(150cm以上)
150万円
全床面50%以上

(100~150cm未満)
100万円
全床面50%以上

(70~100cm未満)
70万円
全床面50%以上

(40~70cm未満)
50万円
全床面50%以上

(40cm未満)
30万円
全床面50%未満
(100cm以上)
30万円
全床面50%未満

(100cm未満)
10万円

(2)風水害等共済金額(自然災害共済)
被害の程度大型タイプ

風水害等共済金保障限度額
標準タイプ

風水害等共済金保障限度額
全床面50%以上

(150cm以上)
2,100万円1,500万円
全床面50%以上
 (100~150cm未満)
1,512万円1,080万円
全床面50%以上
 (70~100cm未満)
1,260万円900万円
全床面50%以上
  (40~70cm未満) 
840万円600万円
全床面50%以上
 (40cm未満)
420万円300万円
全床面50%未満

(100cm以上)
420万円300万円
全床面50%未満
 (100cm未満)
126万円90万円

損害程度ともらえる共済金:地震

地震への保障は自然災害共済を付帯すれば、いざというときに地震等共済金として下りることとなります。


下表の通りタイプ別に保障限度額は異なります。

被害の程度大型タイプ
 地震等共済金保障限度額
標準タイプ
 地震等共済金保障限度額
全壊・全焼(70%以上損害)1,800万円1,200万円
大規模半壊・大規模半焼
(50~70%未満)
1,080万円720万円
半壊・半焼(20~50%未満)900万円600万円
一部壊・一部焼
(損害額100万円超)
180万円120万

その他の補償内容と共済金

火災共済の火災等共済金および風水害等共済金の場合には、「臨時費用共済金」を利用することができます。


こちらは、火災や風水害で臨時の支出が発生した場合に利用できるお金で、設定した共済金の15%分が受け取れます。


その他にも以下のような保障内容が設定できます。


火災共済の場合


火災共済では、次の付随する保障内容が設定できます。

  • 付属建物等風水害共済金:風水害で住宅の付属工作物・付属建物に10万円を超える損害が発生したら、1事故で2万円が下りる。
  • バルコニー等修繕費用共済金:区分所有住宅で共用部分を加入者が修繕した場合、共済金が下ります。1事故30万円or住宅基本契約共済金額のどちらか低い額が受け取れる。
  • 水道管凍結修理費用共済金:専用水道管が凍結して損壊した場合、修理費用の実損害額が受け取れる。1事故10万円が限度。
  • 諸費用共済金:(失火見舞費用共済金)100万円または契約共済金額20%、1世帯40万円を限度、(漏水見舞費用共済金)50万円または契約共済金額20%、1世帯15万円を限度、(修理費用共済金)100万円、または契約共済金額の20%の共済金が下りる。
  • 特別共済金:(住宅災害死亡共済金)1人300万円を限度、(風呂の空だき見舞金)風呂釜・浴槽使用不能→5万円、風呂釜のみ使用不能→2万円が下りる。
  • 持ち出し家財共済金:日本国内の他の建物内において、火災等で家財が損害を受けた場合、100万円or家財契約共済金額20%のどちらか低い額を受け取れる。


自然災害共済の場合


一方、自然災害共済では次の付随する保障内容が設定できます。

  • 盗難共済金:盗難により共済期間中に損害が生じたとき共済金が下りる。(盗取、汚損、損傷)契約共済金額分、(通貨1万円以上)20万円or家財の契約共済金額のどちらか低い額、(預貯金証書)200万円or家財の契約共済金額のどちらか低い額、(持ち出し家財):100万円or家財契約共済金額20%分のどちらか低い額が受け取れる。
  • 傷害費用共済金:風水害等、地震等、盗難・火災等の損害で、自分や親族が死亡または身体障がいになったとき共済金が下りる。1事故1名につき最高600万円が受け取れる。
  • 付属建物等特別共済金:付属建物または付属工作物が、風水害等の損害10万円を超える場合、または地震等の損害20万円を超える場合、1世帯あたり3万円が受け取れる。

コープの火災保険の利点・欠点は?

コープの火災共済は、保険会社の火災保険とは違ったユニークな保障内容が特徴です。


ただし、保険会社の火災保険よりも、加入者にとって有利な保障が存在する反面、加入前にしっかり確認しておいた方が良い点もあります。


こちらではコープの火災共済の利点・欠点を解説します。

メリット①70%以上の破損から全焼扱いになる

建物の全焼・全壊・流出の損害について、損害の程度70%以上から認められる点は加入者に有利といえます。


通常の火災保険ならば全焼損扱いは80%以上ですが、コープの火災共済は通常の火災保険より10%低く設定されています。


つまり、被害が生じた場合、建物の全焼・全壊と判定されやすくなります。


加入の際に決定した契約共済金額の全額を受け取れる可能生が高まります。

メリット②家財の保険のみの加入が可能

ご自分や家族の住居が賃貸アパート・マンションの場合は、家財が保障対象となれば十分でしょう。


コープの火災共済では、家財のみ共済へ加入することができます。


家財のみの保障ならばそれだけ掛金は安くなります。


また、賃貸アパート・マンションで火災が発生した場合、もらい火で家財が焼けることもあります。


しかし、火災の原因となった当事者が、わざとや重大な過失で火災を起こした場合を除いて、損害賠償を請求することはできません。


そのため、賃貸アパート・マンションに住む人は、事前に家財保障のため火災共済へ加入しておいた方が無難です。

デメリット①個人賠償保険に加入できない

コープの火災共済では、居住する借用住宅に限定して、貸主へ法律上の損害賠償責任を負った場合に、共済金の下りる特約が設定されています(借家人賠償責任特約)。


しかし、通常の火災保険で概ねオプションとして設定できる「個人賠償保険」はコープの火災保険には用意されていません。


この火災保険に付帯できる「個人賠償保険」は、加入者が火災を発生させただけではなく、不注意で他人にケガを負わせたり、物を壊したりした場合も対象となります。


コープの火災共済では、法律上の損害賠償責任を幅広くカバーする保障が無い点に注意が必要です。

デメリット②カスタマイズが難しい

コープの火災共済は、基本的な保障はしっかり設定されています。


しかし、保険会社が扱う火災保険のように、保険内容を自由にカスタマイズできないことが難点と言えます。


例えば、火災共済に加入すると、ご自宅が高台にあって洪水被害はまず受けない、南国なので雪害がないという場合でも、いらない保障を取り外すことはできません。


保険会社が扱う火災保険の中には、火災・落雷・破裂・爆発のみを対象とできる商品もあります。


カスタマイズという面では、コープの火災共済はやや不便といえます。

参考:掛金の見積もりは問い合わせで確認を

コープの火災共済では、ホームページ上で簡易な見積もりを自分で出すことができます。


しかし、コープの火災共済に加入したいならば、まず電話で問い合わせ、担当者から正確な掛金等の見積もりを出してもらえるよう、その機会をつくりましょう。


その際、不明な点があればいろいろ確認して、加入するか否かを判断することが賢明です。

まとめ:コープの火災共済を把握し、火災保険は慎重に

コープ火災共済の特徴とメリット・デメリットについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。                           


今回の記事のポイントは

  • コープ火災共済は、手ごろな掛金や、火災保険と比較して建物の全焼・全壊が判定されやすくなることも魅力
  • コープ火災共済は、自然災害共済の付帯で風水害や地震にも備えられる
  • 一方で、火災保険のような、法律上の損害賠償責任を幅広くカバーする個人賠償保険が無い点や、保障のカスタマイズが難しい一面もある
でした。

コープ火災共済の利点・注意点をしっかり把握した上で、加入することが賢明です。

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