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法人税率の推移は?低下傾向にあるが世界各国と比べても日本は高い?

日本における法人税率の推移はどのようでしょうか?近年の傾向として法人税が引き下げられていることがあげられます。それはどのような理由によるのでしょうか。また、実行法人税率についても世界各国と比較し、今後日本の法人税率がどのように推移していくのか考えてみましょう。

法人税率の推移について解説します!

会社をはじめとする法人を経営している方にとって、会社の経営を左右する法人税率がどのように推移しているのかは気になることかと思います。 


安倍政権成立以降、法人税率は何度も改正されているので、経理処理をされる経営者の方や経理担当者の方はかなり大変なのではないでしょうか。


しかし、法人税率のこれまでの推移を知ることで、法人税率は上がっていくのか、下がっていくのか、というような今後の推移もわかるようになります。


そこで、今回は法人税率の推移について

  • 平成28年度の税制改革とその改革の意図。
  • 法人実効税率とはなにか。
  • 日本と世界各国の法人実効税率の比較。

以上を中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、法人税率の推移から、法人税率の国際比較や法人税率の改正にどのような意図があるのかを知ることができるので、会社の経営にも役に立つと思います。


ぜひ、最後までご覧ください。


日本の法人税率推移について

日本の法人税は、1997年までは50%前後で推移してきましたが、1998年に46%、1999年に40%と、2年間で一気に10%近く引き下げられています。


その後、1999から2011年までは40%前後で推移していきますが、2012年に37%、2014年に34.62%と下がり続けています。


以下は2012年以降の法人税率の推移です。


  • 2012年:37.00% 
  • 2013年:37.00%
  • 2014年:34.62% 
  • 2015年:32.11% 
  • 2016年:29.97% 
  • 2017年:29.97% 
  • 2018年:29.74%


このように見てみると、日本の税率は90年代から緩やかに下がりながら推移していましたが、直近では2012年の第二次安倍内閣成立以降は大きく引き下げられていることがわかります。

平成28年度の税制改革について

安倍内閣は法人税率を20%台にすることを成長戦略の目玉に据えており、平成28年(2016年)にはついに「29.97%」となり、かねてからの目標を達成しました。 


これにより企業の国際競争力が向上し、経済成長を促進するとの目論見がありますが、法人税率を下げてしまうと当然ながら、税収は下がってしまいます。


そこで、下がった税収を補うため、「外形標準課税」の拡大が行われました。


「外形標準課税」とは、法人が納める「法人事業税」のうち、「付加価値割」と「資本割」のことを指しています。


「付加価値割」と「資本割」とは、それぞれ以下のような意味です。


  • 付加価値割:収益配分額に単年度損益を加算したもの。
  • 資本割:資本金等の額のこと。


平成28年度の税制改革では、税収を補うため「付加価値割」と「資本割」がそれぞれ引き上げられることになりました。


また、税収を補うため、減価償却制度が定額法に一本化されることに決まりました。


毎期の減価償却費用が定額である「定額法」では、毎期の費用に計上できる額が減るので税負担が大きくなります。


それに対し、「定率法」では初期に多くの減価償却費用を支払うので税負担は小さくなります。


これを「定額法」に一本化することで、事業者の税負担を大きくし、その分財源を補填することができるのです。


このように、平成28年度の税制改革では、法人税率が引き下げられた一方で、財源不足を補うために税負担を大きくする改革も行われました。

近年の法人税率改革の意図は?

これまで解説してきたように、近年は法人税率改革によって税率が下がり続けていますが、そこにはどのような意図があるのでしょうか。


常識的に考えると、法人税率を引き下げると税収が下がるはずですが、実際には法人税率を下げると税収が上がるという現象が起こるとされています。


法人税率を下げたのに税収が上がることは「法人税のパラドックス」と呼ばれ、欧州でも先例が見られたことから安倍首相も関心を寄せました。


安倍首相は、国税と地方税を合わせた法人税率を引き下げて成長を促すと、企業収益が改善されると主張しています。


また、税率を引き下げることで、外国企業を日本に呼び込むことにもつながります。


法人税率引き下げ前の2014年の段階では、日本の法人税率は35.64%であり、先進諸国が25〜0%であるのに比べると高く、外資の誘致が難しい状況だったのです。


つまり、法人税率改革をすることで、企業収益を改善し、外国企業を日本に呼び込むという意図があるのです。

【参考】所得税などはどのように推移している?

​法人税率と比較した場合に、所得税や相続税の税率がどのように推移しているのかを解説します。


所得税は法人税率ほど頻繁には改正されておらず、直近では2007年2015年に改正されただけです。


2007年では所得税率は以下のようになっていました。


  • 195万円以下:5% 
  • 195万円超:10% 
  • 330万円超:20% 
  • 695万円超:23% 
  • 900万円超:33% 
  • 1800万円超:40% 


 2015年以降は、所得税率は以下のようになりました。


  • 195万円以下:5% 
  • 195万円超:10% 
  • 330万円超:20% 
  • 695万円超:23% 
  • 900万円超:33% 
  • 1800万円超:40% 
  • 4000万円超:45% 


2007年と2015年を比べると、2015年では年収4000万円を超えた収入に新しく所得税率が加わっただけであるのがわかります。


それに対して、相続税は直近だと平成15年平成20年平成27年に以下のように税制改正が推移しています。


  • 平成15年:最高税率が70%から50%に引き下げられる。
  • 平成20年:中小企業向けの事業承継税制が創設される。
  • 平成27年:6億円超で最高税率が55%に引き上げ。基礎控除額は40%縮減し、「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」となった。

法人実効税率とは

​法人税率には、大きく分けると「法人表面税率」と「法人実効税率」の2つに分かれており、それぞれ以下のような意味があります。


  • 法人表面税率:法人が納める義務がある「法人税」「地方法人税」「法人住民税」「法人事業税」を合計した税率。
  • 法人実効税率:その事業年度の所得に対して、税を負担した割合を示す税率。


しかし、法人表面税率は、実際に法人が負担した税率とは異なります。


なぜなら、法人事業税は支払った事業年度の損金が算入されるため、損金が発生した事業年度と損金算入される事業年度が異なるためです。


そのため、法人が負担する実質的な税率を指すときは、「法人実効税率」の方が使われるのです。


法人実効税率は以下の計算式によって求めることができます。


法人実効税率=法人税率×(1+地方法人税率+法人住民税率)+法人事業税率÷(1+法人事業税率)

法人実効税率を世界各国と比較!

これまで日本の法人税率の推移について解説してきましたが、法人実効税率は下がってきていることがわかりました。


そこには諸外国よりも法人税率を下げることで企業業績を改善し、国際競争力を上げるという目的がありますが、では諸外国の法人実効税率はどうなっているのでしょうか。


そこで、ここからは欧米諸国の法人実効税率とアジアの法人実効税率を紹介していきます。

欧米諸国の法人実効税率

​ここからは欧米諸国の法人実効税率について、高い順に紹介していきます。


  1. アメリカ合衆国:38.91%
  2. フランス:34.43%
  3. ベルギー:33.99%
  4. ドイツ:30.18%
  5. オーストラリア:30.00%
  6. メキシコ:30.00%
  7. ポルトガル:29.50%
  8. ギリシャ:29.00%
  9. ニュージーランド:28.00%
  10. イタリア:27.81%
  11. ルクセンブルク:27.08%
  12. カナダ:26.70%
  13. オランダ:25.00%
  14. オーストリア:25.00%
  15. スペイン:25.00%


現在の日本の法人実効税率は「29.74%」なので、メキシコとポルトガルの間に位置していることがわかります。

アジアの法人実効税率

ここからはアジアの法人実効税率について、税率が高い順に紹介していきます。


  1. インド:30.00% 
  2. 韓国:27.50% 
  3. 中国:25.00% 
  4. インドネシア:25.00% 
  5. イラン:25.00% 
  6. マレーシア:25.00% 
  7. タイ:20.00% 
  8. サウジアラビア:20.00% 
  9. シンガポール:17.00%


アジア全体で比較すると、日本はインドに次いで法人実効税率が高いことがわかります。

まとめ:法人税率の推移と国際比較について

日本の法人税率の推移や諸外国の法人税率との比較について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは

  • 日本の法人税率の推移を見ると90年代から一貫して引き下げられている。
  • 第二次安倍内閣成立以降、法人税率を20%台にで引き下げる改革がなされている。
  • 法人税率の引き下げには経済成長させ、国際競争力をあげるという意図がある。
  • 法人実効税率とは、企業が実質的に負担する税率のこと。
  • 欧米諸国と比較すると日本の法人実効税率は高くもなく低くもないが、アジア所得と比較すると高い。

でした。


法人税率は一貫して引き下げる方向で推移していっており、安倍首相がいる限り、今後もこの傾向は今後も変わらないと考えられます。


しかし、2014年の時点では麻生太郎財務大臣は法人税率の引き下げに反対していたので、今後の政局次第では変わっていく可能性もあります。


法人税率がどう推移していくかは政治よって大きく変わるので、今後も日本政府の政策には注目するようにしましょう。


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