中小企業が事業承継の3つの方法とは?親族・従業員・M&Aで対応!

中小企業の経営者は事業承継を考えている方も多いと思います。しかし、事業承継をする際には後継者を見つけるのが難しいのも現状です。そこで、「親族・従業員・M&A」で事業承継をする際の3つの注意点に関してや中小企業の事業承継時に補助金は出るのかに関してご説明します。

中小企業の事業承継はどうやるの?注意点はあるの?

事業承継は経営者にとって最後の大仕事ともいわれます。


事業承継を成功させることができれば、大切な事業を後世までのこしていくことができるでしょう。


しかし、事業承継といっても具体的にどのような方法があり、どんな流れで進めていけばいいのかわかりませんよね。


ここでは、中小企業の事業承継について

  • 中小企業の事業承継の3つの方法
  • 中小企業の事業承継の注意点
  • 中小企業の事業承継の成功事例
  • 事業承継税制

の4つのポイントについて解説します。


この記事を読み終わる頃には、中小企業の事業承継についての基本的な知識が身につき、まず何から始めるべきかがわかるようになるでしょう


事業承継を検討している中小企業の経営者の方、事業承継について知識を身につけたい方はぜひ最後までご覧ください。



中小企業は事業承継の準備がとても重要

まず、事業承継ができなかった場合どうなるのかを解説します。


また、事業承継を考えているなら事業承継の3つの選択肢について知っておく必要があります。


一つずつ確認していきましょう。

事業承継に失敗すると「廃業」の可能性もある

経営者は高齢になったとき、事業承継によって事業を後継者に譲るのか、事業をたたんで廃業するのかという2つの選択に迫られます。


たとえ事業承継を望んでいたとしても、後継者が見つからなかった場合は廃業せざるを得ません。


親から事業を引き継いだ経営者にとっても、一代で会社を興した経営者にとっても、廃業はつらい選択です。


また、心情的なつらさとあわせて、資金的なつらさもあります。


廃業する場合、建物の取り壊しや機械の処分などに数百万、場合によっては数千万単位の資金が必要です。


顧客や取引先のためにも、自分自身の退職後の生活を圧迫しないためにも、できるだけ廃業という選択肢を選ばなくてすむよう準備しましょう。

事業承継計画で「親族・従業員・M&A」かを決めよう

中小企業の事業承継には、親族内承継従業員への承継M&Aの3つの方法があります。


M&Aとは第三者承継ともよばれ、M&A仲介会社を通して第三者に事業を譲渡する方法です。


一般的に、親族内に後継者候補がいなければ従業員への承継を検討し、それでも後継者が見つからない場合にM&Aを検討します


M&Aというとニュースなどで怖いイメージを持つ経営者も多いですが、中小企業のM&Aのほとんどは、後継者不足を解決するための友好的M&Aです。


中小企業のM&Aは、両者が合意のうえでお互いのメリットのために譲渡を実行するものなので、誤解しないようにしましょう。


事業承継をすすめる際には、事業承継計画を作成すると安心です。


事業承継は、後継者が社長職に就任すること、筆頭株主になることによって成立します。


具体的には、役員変更登記をすることと、株式の譲渡もしくは贈与を実行することです。


事業承継というと、事業内容への理解や現場での意思決定をイメージしがちですが、実際にはさまざまな手続きが発生するため、もれをなくすためにも事業承継計画があると安心です。

事業承継には「親族・従業員・M&A」の3つの方法がある

さて、ここまで事業承継できなかった場合廃業せざるをえないこと、中小企業の事業承継には3つの方法があることを解説しました。


続いては、事業承継の3つの方法のメリット・デメリットについても詳しく説明します。


一つずつ確認していきましょう。

「親族内」で事業承継をする際の注意点

親族内承継は、息子・娘をはじめ親族に事業承継することです


親族内承継のメリットは、顧客や従業員、取引先から心情的に受け入れられやすいことでしょう。


また、早期から後継者が決まっていれば、時間をかけて経営者としての考え方や振る舞い方を伝えていくことができます。


一方、親族内から経営者の素質がある人物を探し出すのが困難な場合もあります。


また、素質が十分だとしても本人にその意思がなければ、事業承継はできません。


最近では、息子・娘が大学進学を機に地元を離れ、事業を引き継がずに全く違う業界に就職してしまうことも増えてきています。


そのため、社会全体でみると親族内承継は減少傾向にあります。


幸いなことに後継者が親族内にいて親族内承継が実現できる場合は、他の兄弟との平等性には十分配慮しましょう


どうしても、土地建物や財産など、後継者が相続するものが多くなってしまいがちです。


相続で争いになったり、兄弟間が不仲になったりすることがないよう、遺言書などもきちんと準備しておくといいでしょう。

「従業員」で事業承継をする際の注意点

親族内に後継者となる候補者がいない場合、従業員への承継を検討することもあるでしょう。


従業員に事業承継するメリットは、事業内容を熟知していることです。


また、経営者の引退後も経営方針を大きく転換することなく、経営が続いていくことが多い傾向もあり、経営者にとっては安心感があります。


一方、親族内承継と同様、従業員から経営者の素質がある人物を探し出すのが難しいというデメリットがあります。


また、素質のある人物がいても他の従業員に気を遣って恐縮してしまったり、株式を買い取るだけの資金がないことから断念してしまうケースもあります


経営者としての素質があり、経営に対する意欲もあり、株式を買う資金力か借入をする決意まである従業員を見つけ出すのは簡単ではありません。


さらに、従業員の中で中心人物が2人いる場合など、1人を後継者にすることで、もう1人が退職してしまうケースもあります。


従業員への承継においても、他の従業員の心情には十分配慮して事業承継を進めましょう。

「M&A」で事業承継をする際の注意点

M&AはM&A仲介会社を通して、買い手候補先を広く募る方法です。


親族や従業員に後継者候補が見つからなくても、世の中を見渡せば事業内容や会社そのものに魅力を感じて買い手がつく可能性があります。


M&Aのメリットは、たくさんの買い手候補の中から「この人なら」と思える後継者を探せることでしょう。


また、M&Aでは株式を譲渡するため、経営者が譲渡利益を得られるのも大きなメリットです


廃業すると時間もコストもかかりますが、M&Aであればそのままの状態で会社を引き継ぐことができ、なおかつ譲渡利益としてまとまったお金が手に入ります。


M&Aを成功させ、長年支えてくれた家族とゆったり退職後の生活を楽しむ経営者も多くいます。


一方、M&Aのデメリットは要件を満たす買い手がすぐに見つからない可能性があることです。


場合によっては、数年かけて後継者をじっくり探していく覚悟が必要かもしれません。


また、M&Aをした以上、事業承継後の経営に口を出すことができないのもデメリットの1つです。

中小企業の事業承継で成功した事例をご紹介

さて、ここまで中小企業の事業承継の3つの方法とそれぞれのメリット・デメリットについて解説しました。


続いて、中小企業の事業承継の成功事例をご紹介します。


1つ目は飲食店を営むAさんの事例です。


一人息子が別の業界に就職してしまったことから、Aさんは事業承継は難しいと考え始めていました。


しかし、毎日通ってくれるお客様や、長年勤めてくれた従業員のことを考えると、なかなか廃業の決心がつきません。


とはいえ、自分自身も70歳を間近に控え、心身ともに毎日の営業がつらくなってきているのも事実です。


どうすればいいか悩んでいたとき、就職して3年目になる息子が帰省してきました。


一度は別の業界に就職した息子ですが、働く中でやっぱり実家の家業を継ぎたいという思いが強くなったといいます。


Aさんはその後3年間息子に経営者としてのイロハをしっかり教え込み、無事事業承継を成功させることができました


最近は長年従業員でありながら妻として自分を支えてくれた奥様と一緒に温泉旅行を楽しみつつ、息子が生き生きと働く姿を見守っています。


2つ目は卸売業を営むBさんの事例です。


Bさんは父親から引き継いだ会社を自分の代で終わらせることはできないとかねてより思っていました。


しかし、Bさんと奥様との間には子どもがいませんでした。


そこでBさんは、自分がまだ元気な40代のうちから従業員の中に経営者としての素質がある人物を探していました。


この人ならばと思いBさんが声をかけると、一度は辞退の申し出があったものの、半年かけて説得を続けたBさんの熱意に、とうとう事業承継を承諾してくれました。


しかし、一従業員に過ぎない彼には株式を買い取るだけの資金がありませんでした。


そこでBさんは彼を役員に就任させ、役員報酬を支払うことで、株式を取得するための資金を貯めてもらうことにしました


早めに動き出したことが功を奏して、Aさんが60歳を迎えたときに無事事業承継が完了しました。


3つ目は個人で薬局を営むCさんの事例です。


Cさんは薬剤師として勤務後、個人で薬局を立ち上げました。


経営は順調ですが親族にも従業員にも後継者候補がおらず、廃業を考え始めた頃、M&Aセミナーに出席し第三者承継という選択肢があることを知りました。


早速M&A仲介会社を探し契約したCさんの薬局が、ちょうどその地域に進出を考えていた中規模チェーンの薬局の目にとまります。


トップ面談を経てM&Aをすすめることに両者が合意し、M&Aを決意してから1年後には譲渡契約が成立しました。


Cさんが一番心配していたスタッフの雇用の継続についても、買い手の経営者が保証してくれ、Cさんは肩の荷が下りた気持ちだといいます。

平成30年度から事業承継税制が変更になった

事業承継税制は、一定の要件を満たせば、後継者である親族に株式を贈与・相続した場合の贈与税・相続税が猶予される制度です。


猶予とはいえ要件を満たしていれば半永久的に猶予されるため、実質的には免除に近い形になります。


事業承継税制は、中小企業の事業承継を後押しする目的で平成21年に創設されましたが、要件が厳しすぎたため利用者がほとんどいないという状況が続いていました。


しかし、平成30年度の改正によって猶予される相続税額が8割から10割に変更された他、制度が使いやすくなるようさまざまな要件が緩和されました。(中小企業庁:平成30年度事業承継税制の改正の概要


親族内の事業承継を検討している方にとって、メリットの大きな制度なので、ぜひ活用を検討してください。

【参考】事業承継の際に補助金はでるの?

事業承継をきっかけとして経営革新や事業転換に取り組む場合、事業承継補助金の対象となる可能性があります。


平成29年に比べ平成30年は補助金の種類や金額が拡充され、対象となる中小企業も増えると見込まれています。


補助金の対象となるためには、ビジネスモデルの転換や新規設備導入など一定の要件が設けられています


中小企業庁のホームページに公募情報が載っているため、気になる場合は確認してみましょう。

まとめ:中小企業の経営者は早めの事業承継準備が必要

中小企業の事業承継の方法やメリット・デメリット、事業承継の成功事例について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 事業承継できなければ廃業となる
  • 事業承継には親族内承継・従業員への承継・M&Aの3つの方法がある
  • メリット・デメリットを踏まえて3つの方法から自社に合った方法を選択する
  • 事業承継税制や事業承継補助金を活用する

です。


現在中小企業の多くは後継者不足に苦しんでいることから、早々に事業承継を諦めてしまう経営者も少なくありません。


しかし、事業承継についてしっかり勉強し協力者のサポートが得られれば、きっと後継者は見つかるはずです。


事業承継を成功させ、せっかく生み出した商品やサービスを後世に託しましょう。


また、事業承継を進めるうえで、法人保険を活用して節税しながら退職金や改装費用を積み立てる方法があります


後継者が決まったときには、資金計画についてもあわせて検討しましょう。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。 

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