一時払いの法人保険ってあるの?一時払いをした時の経理処理は?

今年は利益が多く出たけど来年からも継続して利益を出せるかどうかわからない、という法人の方は一時払いができ、かつ節税もできる法人保険があればいいのにと思っていませんか?この記事では、一時払いの法人保険はあるのか、損金算入できるのかなどを解説しています。

一時払いできる法人保険はあるの?

今期は特別に利益が多く出てしまったので、税負担を軽減できる方法はないだろうかと考えている方も少なくないと思います。


もし一時払いできる法人保険で全額損金算入できるとすれば、自在に利益調整することができるので、非常に便利ですよね。


しかし、一時払いできる法人保険では損金算入が認めづらく、解約返戻率も低くなってしまうのが現状です。


では、一時払いができる法人保険は存在しないのでしょうか?


また、特別に利益が出てしまった場合に、おすすめの一時払いができる商品はあるのでしょうか?


そこで、この記事では「一時払いの法人保険」について 

  • 一時払いできる法人保険の損金算入と返戻率 
  • 一時払いドル建て終身保険について
  • 法人保険で一時払いをした時の経理処理 

以上を中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、特別に多く利益が出てしまった場合の有効な節税方法を知るのに役立つと思います。


ぜひ、最後までご覧ください。 


法人保険で一時払いをする場合はどのようになるのか

一時払いができる法人保険が存在するとして、損金算入できなければ節税効果は見込めません。


そこで、ここからは法人保険で一時払いをする場合の、損金算入解約返戻率などについて詳しく解説していきます。

①基本的に一時払いできる法人保険は損金算入が認められづらい

一時払いできる法人保険は存在しますが、ほとんどは保険料が資産計上されます。


一時払いで損金算入できると自在に利益調整できてしまうため、一時払いができる法人保険では損金算入が認められづらいです。


自在に利益調整できてしまうような保険商品を認めてしまったら、課税逃れ目的で法人保険を濫用するケースが多発してしまうのです。


そのため、一時払いができる法人保険での節税は期待しないほうがいいでしょう。

②節税保険を1年だけ払う場合、返戻率は低くなる

節税保険(損金算入できる保険)は、基本的には数年から数十年かけて継続的に保険料を支払っていくものです。


節税保険を含めた法人保険では、加入期間が長いほど解約返戻率も高くなるので、法人保険に加入するのであれば、できるだけ長い期間継続して加入しないと損をしてしまいます。


特別に高い利益が出た事業年度だけ節税保険に加入して、1年支払ったら解約するという方法だと、解約返戻率は60%程度になってしまいます。


そうすると、せっかく節税目的で加入したのに、返戻率が低くなるのでむしろ損をしてしまう可能性があるのです。

③今期のみの節税なら倒産防止共済がおすすめ

特別に高い利益が出た事業年度のみ節税を行いたい場合は、法人保険ではなく倒産防止共済がおすすめです。


倒産防止共済とは、独立行政法人「中小企業基盤整備機構機構」が運営しており、取引先が倒産した場合に備えて、毎月一定額の掛金を支払うことで万が一の場合に共済金を受け取ることができる共済制度です。


倒産防止共済は解約することで「解約手当金」を受け取ることができ、12ヶ月以上加入していると掛金総額の8割以上を受け取ることができます。

法人でよく活用されるのは一時払いドル建て終身保険

法人では、一時払いのドル建ての終身保険がよく利用されています。


ドル建ての終身保険のメリットは、円建ての終身保険より10%から30%程度解約返戻率が高くなるとされています。


ただし、注意点として、ドル建ての場合は為替相場の影響を受けるため、円高か円安かで支払い保険料も変わってしまうということがあります。


ドル建てで一時払いをすると、終身払いに比べて解約返戻率が格段に高くなるというメリットがあります。


解約返戻率は加入年数に応じて上昇していき、10年経過時点で返戻率が115%にも到達するのです。

法人保険で一時払いをした時の経理処理

法人保険で一時払いをした時の経理処理について、以下の2つの場合に分けて解説します。


  • 養老保険・終身保険 
  • 定期保険 


養老保険・終身保険の場合、一時払いした保険料は「保険料積立金」となり、全額を資産計上します。


定期保険の場合、一時払いした保険料は「前払費用」として、全額を資産計上します。


ただ、定期付養老保険や定期付終身保険のように、定期保険と養老保険・終身保険が合わさった保険の場合は注意が必要です。


この保険の場合は、養老保険・終身保険部分の保険料に関しては一括で資産計上されます。


しかし、定期保険部分の保険料は、前払費用として資産計上した後、期間の経過に応じて取り崩して定期保険の保険料に振り替えます。

まとめ:法人保険の一時払いについて実情を知ろう

法人保険の一時払いについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは

  • 一時払いの法人保険は基本的に全額資産計上になり、損金算入が認めづらい。
  • 節税保険に1年間だけ加入して解約すると、返戻率が低くなるのでむしろ損をする可能性がある。
  • 倒産防止共済なら12ヶ月の加入で返戻率が8割以上なのでおすすめ。
  • ドル建て終身保険であれば円建てよりも返戻率が格段に高くなる。

でした。 


法人保険の一時払いは損金算入が認めづらいので、この方法で節税を考えることはおすすめしません。


今回ご紹介した倒産防止共済やドル建て終身保険であれば返戻率が高くなるので、その時の為替相場や会社の経営状況に応じてどちらを選ぶか判断しましょう。


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この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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