税制改正されたポイント徹底解説!法人保険の契約はどうなるの!

法人保険において逓増定期保険などが全額損金から半分損金に規制されたように、法人保険では税制改正されることがよくあります。今回は法人保険においてどのような点が税制改正されたのか、また法人保険の契約はどうなるのか、他にも経理処理に関して解説します。

どのような点が税制改正された?法人保険で対応はできるの?

法人保険に加入している方なら、2018年に行われた税制改正について詳しく知っておくことが大切です。


過去にも逓増定期保険などが全額損金から1/2損金に改正されたことがあり、法人保険は定期的に税制改正されることがあるのですが、税制改正前から加入していた場合は、改正後の法律は適用されるかどうかご存知ですか?


法人保険の税制改正についてしっかりと理解していないと、このような疑問を解決することはできません。


そこで今回は、「2018年に法人保険の税制改正されたポイント」について

  • 法人保険が税制改正された2つのポイント
  • 事業承継税制が税制改正されたこと
  • 税制改正前に法人保険に加入していた場合はどうなるか
  • 新保険法の改正で「未経過保険料」が改正されること

以上を中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、2018年に行われた法人保険の税制改正について、的確に要点をつかんで理解するのに役立つと思います。


ぜひ、最後までご覧ください。 


2018年に税制改正された2つのポイントを説明

2018年に法人保険の税制改正が行われましたが、その内容は大きく以下の2つのポイントに分けられます。


  • 所得拡大税制により、給料の増加に応じた税額控除が受けられる
  • 平成31年までの設備投資について税額控除や即時償却の選択ができる


いずれのポイントも会社にとっては税額控除が受けられるため、知っておくと特をする税制改正となっています。


ここからはこれら2つの税制改正のポイントについて具体的に解説していきます。

「所得拡大税制」:給与の増加額に応じた税額控除が受けられる

メリット

所得拡大税制とは、従業員に支給する給与の額を増額した場合、その増額した割合に応じて税額控除を受けられるというものです。


所得拡大税制のメリットは以下の2つです。


  1. 法人保険への加入による損金算入と、税額控除を組み合わせて節税できること
  2. 従業員の満足度を向上させ、従業員の離職を防ぐことができること


中小企業の適用要件

中小企業の所得拡大税制の適用要件は以下のように変更になりました。


  • 給与等支給総額が、対平成24年度比で3%以上であること→撤廃
  • 給与等支給総額が、前年度以上であること→変更なし
  • 平均給与等支給額が、前年度を超えること→平均給与等支給額が前年度比で1.5%以上増加すること
  • 税額控除額は対前年度増加額×10~22%(法人税額の20%が上限)→対前年度増加額×15~25%(法人税額の20%)が上限


ちなみに、中小企業の定義は業種ごとに以下のように異なっています。


  • 製造業その他:資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社、又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人
  • 卸売業:資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社、又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人
  • 小売業:資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社、又は常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人
  • サービス業:資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社、又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 



大企業の適用要件

大企業の所得拡大税制の適用要件は以下のように変更になりました。

  • 給与等支給総額が、対平成24年度比で5%以上であること→撤廃
  • 給与等支給総額が、前年度以上であること→撤廃
  • 平均給与等支給額が、対前年度比2%以上増加すること→①平均給与等支給額が前年度比で3%以上増加すること②適用年度の国内設備投資額が、減価償却費の9割以上であること
  • 税額控除額が①の増加額×10%+②の増加額×2%(法人税額の10%が上限)→給与等支給総額の対前年度増加額×15~20%(法人税額の20%が上限) 



この場合の大企業の定義は以下になります。


  • 製造業その他:資本金の額又は出資の総額が3億円以上の会社又は常時使用する従業員の数が300人以上の会社及び個人
  • 卸売業:資本金の額又は出資の総額が1億円以上の会社又は常時使用する従業員の数が100人以上の会社及び個人
  • 小売業:資本金の額又は出資の総額が5千万円以上の会社又は常時使用する従業員の数が50人以上の会社及び個人
  • サービス業:資本金の額又は出資の総額が5千万円以上の会社又は常時使用する従業員の数が100人以上の会社及び個人 


平成31年まで設備投資についての税制改正

現在、中小企業が一定の設備投資を行った場合、以下の3つを選択することが可能です。


  • 固定資産税を3年間1/2に減額
  • 税額控除
  • 即時償却 


ちなみに、即時償却とは、設備投資にかかった費用を、初年度に全額損金に算入することです。


税額控除の対象となる設備は市町村によって異なっており、機械装置や測定工具、建物附属設備などが該当します。


この設備投資についての税制は、平成31年の3月に終了して、新しい制度が始まることになっています。

2018年には「事業承継税制」が税制改正

会社の経営者が死亡したり、病気や高齢などを理由に引退する場合、後継者に事業承継しなくてはなりません。


事業承継する場合、相続または贈与で自社株を後継者に渡すことになりますが、その際に相続税贈与税が課税されます。


このように、事業承継の際には後継者の税負担が重くなってしまうことが問題でしたが、2018年に事業承継税制が改正されたことでこの問題が解消されました。


そこで、ここからは事業承継税制について、以下のポイントを解説していきます。


  • 2018年の事業承継税制改正の変更点
  • 法人保険を使ってどのように事業承継対策ができるのか

事業承継税制の変更点を説明

事業承継税制とは、事業承継の際に後継者が負担する相続税や贈与税を猶予したり免除したりできる制度のことです。


事業承継税制自体は、2008年5月に「経営承継円滑化法」という法律によって制定されました。


その事業承継税制が2018年に改正されることになりましたが、改正のポイントは以下の通りです。


  • 対象株式数の上限が撤廃
  • 相続税の猶予割合が80%から100%に変更 
  • 相続税・贈与税の猶予の対象が1人から3人に拡大
  • 経営環境の変化を示す一定の要件を満たす場合、5年経過後に株式の譲渡、合併による会社の消滅、会社の解散などがあるときは納税猶予額が免除になる
  • 8割以上の雇用を維持しなければならないという雇用要件が未達成でも可能になる
  • 直系卑属への贈与のみ対象だったのが、60歳以上の贈与者から20歳以上の後継者への贈与に拡大 

法人保険を活用してどのように対策できるの?

法人保険を活用することで、どのようにして事業承継対策ができるのでしょうか?


被保険者を経営者にして法人保険に加入すると、もし被保険者である経営者が死亡した時に保険金を受け取ることができます。


その時、受け取った保険金を、事業承継の際に発生する相続税や贈与税の納税資金にすることが目的です。


ただし、この時注意しなければならないのは、相続の際に1人の後継者に資産を集中させると相続争いが発生してしまう可能性があることです。


経営者が遺言で後継者1人に資産を集中して相続させる旨を書いていたとしても、遺留分減殺請求を避けることはできません。


遺留分減殺請求とは、兄弟姉妹以外の法定相続人が認められた最低限の遺産取得分のことです。


もし経営者に配偶者の他に子供や孫など法定相続人が複数人いる場合は、後継者が遺留分減殺請求をされた時に備えて多めに資産を用意しておく必要があります。 

過去には逓増定期保険やがん保険は1/2損金に税制改正された

法人保険の税制改正は以前も行われており、これまでに以下のような法人保険が改正されてきました。


  • 長期傷害保険
  • 逓増定期保険
  • がん保険


長期傷害保険は2006年に全額損金算入から1/4損金算入に変更されました。


また、逓増定期保険は2008年に、がん保険は2012年に改正され、いずれも全額損金算入から1/2損金算入に変更されました。

法人保険の税制改正前に加入していた場合は?

法人保険の税制改正が行われた時、すでに法人保険に加入していた場合はどうなるのでしょうか?


新規に加入した場合にのみ改正法が適用されるのか、それとも過去の契約も遡って適用されるのかは、その時の税制改正によって異なります。


過去の事例を見てみると、長期傷害保険が2006年に改正された時は過去の契約も遡って適用されました。


しかし、逓増定期保険が2008年に改正された時とがん保険が2012年に改正されたときは、いずれも新規の契約のみが適用されました。


このように、税制改正の適用は場合によって異なるので、法人保険が税制改正されるたびに注意しておく必要があります。

新保険法の改正で「未経過保険料」が返金される

2010年に新保険法が改正されたことで、以下の8項目が変更されました。


  • 保険金・給付金の支払い時期を約款に定めるように変更 
  • 一定の重大事由があった場合、保険会社が契約解除できるようになった
  • 保険金受取人が死亡した場合、法定相続人全員が受取人になる 
  • 差押債権者などが債権回収のため契約を解除できるようになった 
  • 告知義務が質問応答義務に変更 
  • 年の途中で解約すると、「未経過保険料」が返金される 
  • 契約者は遺言で保険金受取人を変更できるようになった 
  • 契約者と被保険者が異なる場合、被保険者が契約を解除できるようになった  


この中でも、年の途中で解約すると、「未経過保険料」が返金されるのは大きな改正点であると言えます。


「未経過保険料」とは、例えば7月に解約すると、解約返戻金以外にも8月から翌年3月までの保険料が返金されるということです。


以前は途中で解約しても「未経過保険料」の返金はなく、法人にとっては保険契約する上で有利になる変更点です。

まとめ:税制改正のポイントを知って法人保険で対応しよう

法人保険の税制改正について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは 

  • 所得拡大税制により、従業員の給与を増額すると税額控除が受けられるが、中小企業と大企業で要件が異なる 
  • 設備投資をすることによる税額控除は平成31年に終わり、その後は新たな制度が作られる
  • 事業承継税制が改正されたことで、規制が緩和され、さらに事業承継しやくなった
  • 税制改正前に加入していても、新規契約のみが適用される場合と過去の契約が遡って適用される場合がある

でした。


法人保険に関する税制改正は数年ごとに実施されており、そのたびに規制が緩和されたりするので確認しておくことが大切です。


もし現在法人保険に加入していて税制改正の影響に不安がある場合は、社会保険労務士などの専門家に相談してみるといいでしょう。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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