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長期平準定期保険の経理処理を徹底解説!全期払いと短期払いで変化!

長期平準定期保険は長期間で保険料を支払います。その際の経理処理をご存知ですか?実は長期平準定期保険の経理処理は全期払いと短期払いで変わります。また、解約返戻金、死亡保険金、配当金を受け取る際や減額時の経理処理、払済保険への変更に関してもご紹介します。

長期平準定期保険の経理処理はどうやるの?

長期平準定期保険の経理処理について、調べていていると複雑でわかりにくいと思ったことがある方もいると思います。


 長期平準定期保険には「全期払い」と「短期払い」があり、それぞれ経理処理の仕方が異なるので、曖昧なままにしている方もいるのではないでしょうか?


 しかし、経理処理の仕方が曖昧のままでは、出口戦略を考えるうえで重要な要素を1つ失っているのと同様です。


そこで今回は、長期平準定期保険の経理処理について

  • 全期払いと短期払いの場合に分けた経理処理
  • 解約返戻金・死亡保険金・配当金受取時と減額時の経理処理
  • 払済保険への変更

以上のポイントを解説していきます。


この記事を読んでいただければ、長期平準定期保険に加入することでどのようなメリットがあるのか、他の定期保険との違いについて知る上で役に立つかと思います。


ぜひ最後までご覧ください。




【全期払い】長期平準定期保険の経理処理について解説

保険期間の全期間にわたって保険料を支払う「全期払い」の場合、最初の6/10の期間残りの4/10の期間で異なる経理処理を行います。


では、なぜこのように異なる経理処理を行うのでしょうか?


一般的には若年時の方が死亡や病気のリスクが低く、歳を重ねるにつれて死亡や病気のリスクは高まっていきます。


そのため、通常の生命保険などであれば、被保険者の年齢が上がるほど死亡や病気のリスクが高くなるため、支払保険料も上がっていくはずです。


しかし、長期平準定期保険の場合は、保険支払い期間の全期間にわたって支払保険料を平準化させることが特徴です。


平準化させる方法は、最初の6/10の期間で積み上げた保険料を取り崩し、残りの4/10の期間で按分することで可能になります。

最初の6/10の期間は、保険料の1/2が損金・1/2が資産に計上

長期平準定期保険の最初の6/10の期間では、保険料の1/2が損金(支払保険料)として計上され、残りの1/2が資産(前払保険料)として計上されます。 


具体例を挙げてみていきましょう。 


長期平準定期保険の保険料の支払いが年間1,800,000円だとします。 


すると、損金(支払保険料)と資産(前払保険料)はそれぞれ以下のようになります。


損金(支払保険料)=900,000円

資産(前払保険料)=900,000円

残りの4/10の期間の経理処理を確認

残りの4/10の期間では、最初の6/10の期間で資産計上した「前払保険料」が按分され、毎年損金として計上されることになります。


長期平準定期保険の保険料の支払いが年間1,800,000円であった場合、残りの4/10の期間ではどのような経理処理を行うのでしょうか。


最初の6/10の期間

前払保険料が1,800,000円の1/2なので、900,000円となります。


保険期間が10年だとすると、最初の6/10の期間では、前払保険料は合計で以下の金額となります。

900,000円×6年間=5,400,000円


残りの4/10の期間の按分額

5,400,000円を残りの4/10の期間で按分すると、毎年の按分額は以下のようになります。

5,400,000円÷4年間=1,350,000円


残りの4/10の期間の支払保険料

1,800,000円[現金・預金]+1,350,000円[前払保険金]=3,150,000円[支払保険料]

【短期払い】長期平準定期保険の経理処理

次に、長期平準定期保険の短期払いについてご説明します。


短期払い」とは、保険期間が40歳から90歳の50年間だとしたら、その半分の25年間で支払いを終わらせるというものです。


短期払いの特徴として、全期払いよりも支払い期間が短くなるため、支払う保険料も高くなることが挙げられます。


その一方で、途中解約した場合の解約返戻金が初年度よりも多くなり、その後の解約返戻率が伸びていくというメリットも挙げられます。


短期払いの経理処理も、全期払いと同じように最初の6/10の期間と残りの4/10の期間で異なります。

最初の6/10は期間によって割合が変わる

短期払いの最初の6/10では、期間によって支払いの割合が変わります。


例えば、保険期間が40歳から90歳までの50年間であり、保険の支払期間が40歳から65歳までの25年間だとします。


年間の支払保険料が1,800,000円とすると、支払期間が50年間であれば損金(支払保険料)と資産(前払保険料)はそれぞれ50%ですが、支払期間が25年間であれば次のような計算式となります。


50年間:50%=25年間:x


この式を計算するとx=25%となるので、支払保険料が1,800,000円である場合の損金(支払保険料)と資産(前払保険料)はそれぞれ以下のようになります。


損金(支払保険料)=450,000円

資産(前払保険料)=1,350,000円

残りの4/10の期間の経理処理を確認

残りの4/10の期間では、最初の6/10の期間で積み立てた前払保険料を取り崩して按分します。


保険期間は40歳から90歳までと設定したので、最初の6/10の期間は40歳から70歳までの30年間ということになります。


40歳から64歳までの保険積立金

1,350,000円[前払保険料]×25年= 33,750,000円


65歳から69歳までの5年間の支払保険料

450,000円[支払保険料]×5年=2,250,000円


保険積立金と65歳から69歳までの支払保険料の差額

33,750,000円[保険積立金]-2,250,000円[5年間の支払保険料]=31,500,000円


70歳から90歳までの20年間の按分額

70歳時点での保険積立金は31,500,000円となります。


この金額が70歳から90歳までの20年間で按分されるので、以下のように計算されます。

31,500,000円[70歳時点での保険積立金]÷20=1,575,000円


すると、残りの4/10の期間の損金(支払保険料)資産(前払保険料)は以下のようになります。


損金(支払保険料)=1,575,000円

資産(前払保険料)=1,575,000円


解約返戻金・死亡保険金・配当金受取時と減額時の経理処理

長期平準定期保険の解約返戻金死亡保険金配当金受取時の経理処理と、長期平準定期保険の保険金の減額時の経理処理に分けて解説します。


まず、解約返戻金の受取時の経理処理について解説します。


年間の保険料が1,800,000円で、20年目に解約した時、解約した時点での解約返戻金から保険積立金(前払保険料)を差し引くと、雑収入(もしくは雑損失)として計上されます。

36,000,000円[解約返戻金]-27,000,000円[保険積立金]=9,000,000円[雑収入(雑損失)]


次に、死亡保険金の受取時の経理処理は、保険金から死亡するまでの保険積立金(前払保険料)を差し引いた額を雑収入(もしくは雑損失)として計上します。


年間の保険料が1,800,000円で、15年後に死亡、保険金が1億円の場合、以下のような計算式になります。

100,000,000円[保険金]-20,250,000円[保険積立金]=79,750,000円[雑収入(雑損失)]


配当金を積み立てる場合は、積み立てた配当金に対する利息配当金を合わせて雑収入として損金に計上されます。


次に、保険金を減額した場合の経理処理に関して解説します。


年間の支払保険料が1,800,000円で、5年間払い続けた後に保険金を100,000,000円から30,000,000円に減額して4,000,000円の解約返戻金を受け取ったとすると、資産計上額は以下のようになります。

1,800,000円[支払保険料]×1/2×5年=4,500,000円


次に、取り崩す資産計上額は以下のようになります。

4,000,000円[解約返戻金]×(100,000,000円-30,000,000円)/100,000,000円=2,800,000円


このとき、減額時点での資産計上額と取り崩す資産計上額の差額である1,200,000円が雑収入となります。

長期平準定期保険の払済保険への変更とは?

長期平準定期保険に加入していて、思わぬトラブルで保険料の支払いができなくなることもあるでしょう。


そのようなときに、資金の確保方法として挙げられるのが解約」と「払済保険への変更です。


解約することで、解約返戻金を受け取ることができるので、資金の確保ができます。


一方の払済保険への変更を行うよと、それ以降保険料の支払いをする必要はなく、長期平準定期保険から終身保険に変更されます。

払済保険への変更を行う5つの理由

長期平準定期保険から払済保険への変更を行う理由として、次の5つが挙げられます。


  1. 長期平準定期保険の支払いが難しくなったが、解約はしたくない
  2. 会計上の損失が出たため、益金で補いたい
  3. まだ資金繰りに困っていないため、解約返戻金を受け取りたくない
  4. 退職時期が到来していないため、運用年数を伸ばして解約返戻金を増やしたい
  5. 健康上、新しい生命保険への加入が難しいため、死亡保険として残しておきたい

払済保険への変更を行った際の経理処理

長期平準定期保険から払済保険への変更を行なった際の経理処理は、それまで資産計上していた保険積立金(前払保険料)から解約返戻金を差し引いた額を雑収入として計上します。


例えば、保険積立金(前払保険料)が3,500,000円で解約返戻金が2,000,000円とすると、以下のような計算式になります。

3,500,000円[保険積立金(前払保険料)]-2,000,000円[解約返戻金]=1,500,000円[雑収入]

まとめ:経理処理は全期払いか短期払いで変わってくる

長期平準定期保険の経理処理について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは

  • 長期平準定期保険の経理処理は、全期払いと短期払いで支払う保険料の割合が異なる
  • 解約返戻金や死亡保険金から保険積立金を差し引くと雑収入になる
  • 長期平準定期保険から払済保険に変更することができる

でした。


長期平準定期保険はどのようなタイミングで解約返戻金を受け取るのかで、金額が大きく異なります。


まずは被保険者が加入する時の年齢や保険期間などから、解約返戻金のピークがいつなのか計算しておくといいでしょう。


保険ROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください

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