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自賠責保険の共同プール事業とは?自賠責保険の運用方法を解説

自賠責保険の共同プール事業について詳しくご存じですか?自賠責保険は社会政策的側面を持ち、保険料で利益を出すことが法律で禁止されています。この記事では、その様な制限を受けながら自賠責が運用できている理由を、共同プール事業に絡めて解説します。

自賠責保険の共同プール事業について解説!

車を利用している方ならだれもが加入している自賠責保険ですが、なぜこの自賠責保険は『保険料が安い』のか、考えたことがおありでしょうか。


もし自賠責保険の保険料が任意保険ぐらい高かったならば、補償を充実させるために任意保険に加入するのが難しくなるどころか、家計を圧迫してしまうかもしれませんね。


実はこの「保険料の安さ」には、今回考える『共同プール事業』が関係しています。


それでは今回は、この『自賠責保険の共同プール事業』について、


  • 自賠責保険で利益を出してはいけない理由とは?
  • 共同プール事業って具体的に何のこと?

以上のことを中心に取り上げていきたいと思います。

この記事を読んでいただければ、自賠責保険の共同プール事業と、「なぜ自賠責保険は安いのか」についてよくご理解いただけると思います。


ぜひご覧ください。


自賠責保険で利益を出してはいけない!?実は法律で定められているんです

自賠責保険の保険料が安い理由…そこには、実は国の法律が関係していました。


その法律によって、実は自賠責保険は基本的に「利益を出してはいけない」ことになっているのです。


「利益を出さない」という根拠…その具体例をいくつか挙げていきます。

自賠責保険は強制加入の社会政策的側面を持った保険

まず、皆さんがすでにお分かりの通り、自賠責保険は自動車を運転する方であれば、誰もが「強制加入」ということになっています。


これについて、「無理やり加入させられているのでは?」と考える方もおられるかもしれませんが、この保険には交通事故の被害者を救済するという、社会政策的側面を持っています。


自賠責保険が無ければ、「事故を起こされて大けがまでしたのに、加害者から補償が行われない」という事態が発生しかねません。


この保険があることにより、交通事故に遭った被害者が、正当な賠償を受けられないということが無いように、守られているのです。


自賠責保険は最低限の価格!?~ノーロス・ノープロフィットの原則~

自賠責保険は基本的に「利益を出してはいけない」という点はすでに取り上げた通りですが、その考え方は『ノーロス・ノープロフィットの原則』という考え方に基づいています。


  1. ロス=損失
  2. プロフィット=利益

任意保険には、実際にロス(損失)とプロフィット(利益)が存在します。

被害者救済のために設けられた制度だからこそ、自賠責保険が利益を出すためのものとならないような仕組みとなっているのです。


自賠責保険の保険金請求が頻繁に起こると保険会社は赤字!

『ノーロス・ノープロフィット』の原則から成り立つ自賠責保険は、確かに運転を頻繁に行う私達にとって必要と言えます。


だからこそ、この自賠責保険は、保険会社にとってはほぼメリットがないようにも見えます。


その原則があるために、自賠責保険では保険料の徴収に制限があり、もし加入者から保険金請求が多発すると、それだけ多くの保険金を支払わなければならなくなります


結果的に、マイナス収支になり、経営が成り立たなくなってしまうかもしれません。


では、そのような保険会社にとって明白にマイナスとなる事態を避けられる、どのような施策があるのでしょうか。


それが、次から考える、『共同プール』という仕組みです。


共同プール事業が存在するメリットの一つとして、保険会社によって損失の度合いが偏らない、という点が挙げられます。


保険会社によって保険金の支払い金額の合計に、偏りが生まれることはあり得ますよね? 


ですから本来であれば、保険金請求が頻繁になされた保険会社は赤字になってしまいます。

しかし、この制度のおかげで、それぞれの保険会社で自賠責の支払いにおける損失分が影響を及ぼす(赤字等)ことがないようにできるのです。

自賠責保険料の共同プール事業とは?保険料の安さの秘密!

ここまで、自賠責保険の保険料が安く設定されている理由は、ノーロス・ノープロフィットの原則に基づくと解説してきました。


ここからは、その原則の実現のために、どの様な制度があるのか解説していきます。

そもそも、『共同プール』とはどのような仕組みなのでしょうか?


実際のところ、自賠責保険では『共同プール』事業があるからこそ、私達加入者は気兼ねなく自賠責保険の保険金を請求することができる、とも言えるのです。

各損保会社の自賠責保険での純保険料を一か所にプール

まず、共同プールとは一体どのような仕組みなのでしょうか。


「プール(pool)」という語には、蓄える(貯蓄する)という意味があります。


いわば、各保険会社が共同で蓄える(プールする)ことができる共通の口座があるのです。

自賠責保険における保険金は、どの保険会社も、このプールから支払うことになります。

共同プール事業があることによって、保険会社の保険金支払いの流れはこのようになっています。

  1. 加入者から保険料を受け取る 
  2. 受け取ったお金を共同プールという特定の口座に保管しておく
  3. 保険金の支払いを行う場合、共同プールから支払う  

…少し分かりにくいでしょうか。
一つのたとえで考えてみましょう。


たとえば、子どもが複数いる家庭において、子どもたちがそれぞれ毎月貰えるお小遣いを親に預けている、という状態を想像してみてください。

子どもたちは共通口座である親に預けた(プールした)お金を使いたいときは、親に頼んでその共通口座からお金をもらえますが、そのお金を勝手に使うことはできませんね。

(もちろん親も子どもたちがプールしたお金を勝手に使うことはできません。例外もあるかもしれませんが、だめですよ!)



…同様に、自賠責保険も加入者から受け取った保険料がすべて共通の口座で管理されているわけですから、保険会社はそのお金を好きに使うことができません。

いわばこのしくみによって、利潤や損失といった事柄から、自賠責保険は切り離されているのです。


保険会社によって保険金の支払い金額の合計に偏りが生まれることはあり得ますから、本来であれば、保険金請求が頻繁になされた保険会社は赤字になってしまいます。 


しかし、支払いの流れ2の『共通の口座で管理する』という手順があることによって、それぞれの保険会社で自賠責の支払いにおける損失分が影響を及ぼす(赤字等)ことがないようになっています。


特定の保険会社が利益を得すぎたり、逆に損失を被りすぎることが基本的にないのです。 


共同プール事業で損保会社の保険金支払いを平等化している

本来の保険のしくみであれば、保険会社は契約者が支払う保険料から利益を得ています。


保険金の支払いが増えてしまうと、それは保険会社にとって損失となり、必然的にその分保険料を引き上げなければならなくなります。


しかし、自賠責保険においては、共同プール事業と『ノーロス・ノープロフィットの原則』によって、各保険会社が平等になり、さらに利益を上げる必要がないので、保険料を安く、一律にすることが可能なのです。



まとめ

今回は自賠責保険における、『共同プール事業』について取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。


この記事のポイントは、

  1. 自賠責保険は『ノーロス・ノープロフィットの原則』に基づいているため、利益や損失が生まれず、各保険会社が平等となり保険料も安く設定できる
  2. 共同プール事業とは、加入者から受け取る保険料を共同プールという共通の口座で管理し、保険金もプールから支払うしくみである

このような点です。

私達が支払う保険料が、共同プール事業によって各保険会社が利益を生むために用いられないことを理解すると、私達も安心して自賠責保険の保険料を支払うことができますね。


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